消費者視点を切り口に、海外のライフスタイルレポートをお届けする「世界のお気にいり」。タイの老舗ブランドを支える大企業、そしてバンコクの若者に人気のフィットネスサービスについてのレポートです。
米経済誌フォーブスが発表した2016年の世界の企業ランキング「フォーブス・グローバル2000」で、上位2,000社に入ったタイの上場企業は15社。米国の586社、中国・香港の249社、日本の219社に比べるとまだ数は少なく、今後の伸びが期待されます。 この記事では、タイの象徴的な大企業と最近世間が注目しているサービスを中心に取り上げていきます。 参考世界企業番付、タイはPTTなど15社タイ最大のコングロマリット。チャロン・ポカパングループ
CP(Charoen Pokphand Group/チャロン・ポカパン)グループは、タニン・チャラワノン氏が基礎を作ったタイで最大のコングロマリット(複合企業)。セブンイレブンや大型スーパーマーケットのテスコ・ロータスを展開するCPオール社やタイ最大手食品企業のCPフーズを中核事業として、通信や不動産、保険分野にも積極的に進出しています。 国際的には、ASEAN各国や中国などを中心に世界13カ国に進出。特に中国では、最大手の外資系企業として知られています。 タイの経済を牽引し続けているCPグループですが、最近では「富の独占」に対して批判も…。2015年には国内最大手のコンビニエンスストア『セブンイレブン』不買運動がSNS等で拡散される騒ぎとなりました。これはセブンイレブンが店内食事サービスを開始したことに対して、周辺の食堂や屋台の客を奪う恐れがあるとして、市民の間で反発が起こったもの。また、セブンイレブンで販売されているプライベートブランド商品の数々が、既成の商品を真似ている疑惑があることも、不買運動につながったとされています。

タイ・ビバレッジの勢いを支えるTCCグループ
TCCグループは、タイの富豪、ジャルーン・シリワタナパクディー氏が率いるコングロマリット。象のマークの「チャーンビール」やラム酒「メコン」などが代表ブランドのタイのアルコール飲料最大手、タイ・ビバレッジをはじめ、消費財大手ベーリユッカーや不動産大手TCCランドなどの大手企業を傘下に収めています。 特にタイ・ビバレッジの勢いは凄まじく、タイでのアルコール規制強化やイスラム教徒も多い他国への拡大を見据え、非アルコール部門を拡大してきました。国内では08年に緑茶飲料・日本食チェーン大手のオイシグループ、11年にペプシのボトラーだったスームスックを買収。現在では販売量の半分近くが非酒類を占める総合飲料メーカーに成長しています。2020年までに国外売上高を現在の3割から5割に引き上げる計画とのことで、今後のさらなる拡大が期待されます。


バンコクの若者に大人気のオンラインサービス「Guava Pass」
最近バンコクの若者たちの間で注目されているのが、月額制のフィットネススタジオの通い放題サービスを展開している「Guava Pass」。 サービス内容はとてもシンプル。アプリやWEB内で希望の日時・場所を指定すれば、Guava Passと提携しているスタジオのヨガ、ピラティス、ダンス、ムエタイ……などの豊富なレッスンの空き枠が一覧で表示され、ワンクリックで予約することができます。ユーザーは一度登録すれば様々なレッスンを毎日受けられ、平日はオフィスの近く、土日は自宅の近く……など、自分の都合でスタジオを選択できます。