マゼラン
予算は、毎年決まる。根拠は、毎年足りない。
チャネル横断の直接・間接の貢献と、短期・長期の効果を分離する。次の配分を、説明できる数値で導く。
効果測定をしていない企業は、もうほとんどありません。それでも、配分の議論は毎年ふりだしに戻る。現場では、こう語られています。
ブランドマーケティング
テレビとデジタルを、同じ物差しで比べられない。
宣伝・メディア
予算を増やせば数字は伸びる。どこまで伸びるのかは、誰も知らない。
デジタル
ラストクリックで評価するたび、認知施策の予算が削られていく。
マーケティング企画
レポートは毎月出ている。来期の配分を変える根拠には、なっていない。
経営企画・財務
広告費の説明を求められる。毎年、同じ資料を作り直している。
分析・内製チーム
MMMは自社でも回している。ただ、出た数字を打ち手に変えられない。
一つひとつは、別々の担当者の悩みに見えます。しかし、これらは同じ一つの欠落から生まれています。施策と成果の間にある構造が、見えていない。
何がどれだけ効いたのかがわからなければ、次の配分は前年の踏襲になります。マーケティングROIを問われても、答えは施策ごとの断片にとどまります。
この構造を解くための分析が、MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)です。
すでにMMMを運用している場合は、運用中のMMMで確かめたい問い →
外部要因の分離や、媒体ごとのレスポンス曲線は、MMMの基本機能です。サイカのMAGELLANはそのうえで、従来のMMMが捉えにくかった二つの効果——施策が他の施策を押し上げる間接効果と、ブランドに積み上がる長期効果——を、モデルの構造として扱います。
認知から購買などの事業成果まで、カスタマージャーニーを描くように多段的にモデルを構成します。施策の直接的な効果だけでなく、認知系施策などが生む間接的(波及的)な効果まで捉えるため、オンラインとオフラインの施策を、過小評価・過大評価することなく同じ物差しで評価できます。
施策が即座に与える影響だけでなく、その後数日から数週間、さらには数年にわたって成果に与える影響を分離します。マーケティング活動が成果のベースラインをどれだけ押し上げているかを評価し、数値化が難しいブランド価値の変動を可視化します。短期の売上効果だけでは見えない投資の意味を、配分の議論に持ち込めます。
天候や季節性、マクロ経済トレンドや競合の動向など、制御不能な外部要因の影響を加味したうえで、マーケティング活動の成果をより正確に把握します。
各メディアにおいて、投資金額を増やしたとき、減らしたときに事業成果がどのように変化するかを、弾力性を加味して予測します。どこまで伸び、どこから頭打ちになるのかが、配分の前にわかります。
数字が正しくても、使われなければ判断は変わりません。モデルの確かさを検証し、設計を開き、判断のサイクルに合わせて更新する。数字を、判断に使える状態で届けるための進め方です。
学習に利用しなかった過去のデータでバックテストを行い、予測の確かさを検証・調整します。最低13ヶ月分の過去データを必要とするのはこのためです。1年分のデータで学習し、13ヶ月目の事業成果を予測したうえで、実際の成果と比較します。
専任のコンサルタントとデータサイエンティストが、クライアント固有の仮説、事業課題、業界特性、データ条件に合わせて、モデルの段数や各段の変数を個別に設計します。設計の過程は開示し、透明で説明可能なモデルを採用しています。
従来のMMMは年に1〜2回程度の分析が一般的です。MAGELLANはモデル構築と分析をシステム化し、確かさと柔軟性を損なわずに、四半期または毎月のレポートとモデル更新を行います。計画や予算のサイクルに合わせて、最新のモデルで判断できます。
サイカは特定のデータ資産やメディアビジネスとの関係を持たないため、中立的で偏りのないインサイトを提供します。
成果に対するマーケティングの影響度(貢献度)を算出。あらゆるマーケティング要素の効果を同一指標で評価する。
各施策の貢献は、実際の成果の内訳として算出する。媒体ごとの報告値のように、重複して積み上がることはない。
各マーケティング施策の効果・効率・投下費用を統合的に捉え、施策の成果と適正なリソース配分を判断する。
効果が大きくても、効率が頭打ちになっている施策はある。規模と効率を並べて見ることで、次に増やす施策と抑える施策を切り分ける。
成果最大化やコスト最小化などの目的に合わせた、最適なマーケティング予算配分をシミュレーション。
総予算を据え置いて組み替える案も、増減させる案も、同じモデルの上で比べる。配分を決める前に、成果がどう動くかを確かめられる。
Situation
通信サービス市場は競合の参入が多く、機能面での差別化が難しい。価格競争に陥りやすい構造のなかで、コミュニケーションによる差別化が求められていました。加えて、顧客が加入・成約に至るまでのプロセスは、オンラインとリアルの販売チャネルが交錯し、多数の要因が絡み合っています。この複雑さのまま、投資判断を下す必要がありました。
Approach
週次で実施している消費者の意識調査の結果を、分析モデルの変数として組み込みました。「施策 → 意識 → 成果」の構造を解明することで、どの意識指標を上げれば成果が最大化するのか、その指標を上げるにはどの施策を強化すべきかまでを分析対象としています。目的変数となる成果も複数に分け、チャネルとターゲットごとに有効な施策を切り分けました。
Outcome
UQ mobileでは、月次でのマーケティング投資最適化により、契約者一人あたりに投じるコミュニケーション費用を、最適化前と比較して約2割削減しました※。
分析結果は、部門を跨いだ社内連携の共通指標としても機能しています。施策を横並びで評価できることで、施策ごとの部分最適ではなく、統合した全体最適の議論が可能になりました。
約2割
契約者一人あたり
コミュニケーション費用の削減※
月次
分析・最適化の
サイクル
※2023年度実績。UQ mobileにおける取り組み。
MMMを実践することと、MMMで投資配分に関する意思決定が変わることは、別の問題です。自社で運用していても、外部に委託していても、オープンソースのライブラリを使っていても、結果が次の配分に届くまでには、モデルの外にある仕事が残ります。
その分析は、いま答えを出したい問いから設計されているか。
結果が想定と違ったとき、どこまで戻って見直すかを判断できるか。
経営層や他部門、代理店と、同じ数字をもとに議論できているか。
配分を変え、その結果を次の分析で確かめているか。
サイカのMMMは、モデルや分析結果を納めて終わるものではありません。コンサルタントとデータサイエンティストが、問いの設計、データの整備、モデルの構築から、結果の解釈、社内の合意、配分の見直しまでを伴走します。数字が実際の判断に使われ、打ち手が変わるところまでが、支援の範囲です。
導入後に確かめたい点は、次の資料で整理しています。
導入から実践へ、MMMを効果的に活用するための5つのチェックポイント
MMMの結果は出ている。それでも、配分が変わらない。分析結果が想定と違ったとき、どこまで戻って見直すか。結果を経営層や他部門とどう共有し、配分の見直しにつなげるか。MMMを導入したあとの解釈、巻き込み、実行を、5つのチェックポイントで整理した資料です。オンラインで生命保険を販売する企業が、テレビCMへの過剰な投資に気づき、同じ予算のまま配分を組み替えた事例も収録しています。
ダウンロードする六つの立場が、同じ一つのモデルを見て判断する。部門をまたいで、同じ数字の上で議論できます。
ブランドマーケティング
テレビとデジタルを、同じ物差しで比べられない。
テレビもデジタルも、事業成果への貢献という一つの物差しで並べられる。認知施策が他の施策を押し上げる分まで、評価に入る。
宣伝・メディア
予算を増やせば数字は伸びる。どこまで伸びるのかは、誰も知らない。
媒体ごとに、どこまで伸びて、どこから頭打ちになるかが見える。増額の判断に、上限の根拠がつく。
デジタル
ラストクリックで評価するたび、認知施策の予算が削られていく。
ラストクリックに表れない貢献が、数字で残る。削るか残すかを、間接効果を含めた貢献で決められる。
マーケティング企画
レポートは毎月出ている。来期の配分を変える根拠には、なっていない。
来期の配分を、なぜそう決めたのかを説明できる。経営会議でも、代理店との交渉でも、同じ数字の上で話が進む。
経営企画・財務
広告費の説明を求められる。毎年、同じ資料を作り直している。
広告費を、他の投資と同じ土俵で評価できる。増やす判断も、減らす判断も、根拠を持って下せる。
分析・内製チーム
MMMは自社でも回している。ただ、出た数字を打ち手に変えられない。
モデルの中身を、ブラックボックスのまま受け取らずに済む。設計の妥当性を自分で検証でき、数字を打ち手に変えるところまで、コンサルタントが伴走する。
MMMは、単独の取り組みとして完結します。解明した構造を組織の意思決定へと広げる場合は、AI Decision Engineの CORE 02・CORE 03 へ接続します。 AI Decision Engineを見る →
最初に、何のために分析するのか、どの範囲を対象にするのかを協議します。何を成果とし、どの施策を分けて見るのかも、この段階で決めます。事業課題とマーケティングの目標に合わせて、分析の枠組みを定めます。
必要なデータをお預かりし、分析できる状態に整えます。季節性を捉え、モデルを検証するために、最低13ヶ月分のデータが必要です。2〜3年分あれば、より確かな分析ができます。
整えたデータをもとに、MAGELLANでモデルを構築します。施策の直接効果と間接効果、短期と長期の効果を、分けて評価できる設計です。
モデルの結果から、マーケティング活動と外部要因が売上などの事業成果にどう影響しているかを読み解きます。施策ごとの費用対効果と効率も明らかにします。
確定したモデルで、予算配分のシミュレーションと予測を行い、示唆と推奨する打ち手をお渡しします。施策の見直しや、次の配分を決めるための材料になります。
※必要なデータについて:
成果指標(売上やコンバージョンなど、最適化の対象とするKGI)、マーケティング活動のデータ、その他の要因のデータの3種類です。
プロジェクトスケジュール
期間は、データの準備にかかる時間によって変わります。初期分析の結果をクライアントとともに確認してからモデルを確定するため、初回のレポートまでは通常3ヶ月ほどです。
マーケティングPDCAサイクルの構築
初回のレポートのあとは、四半期または月次で最新のデータを加えてモデルを更新し、仮説の検証と配分の見直しを続けます。