ロクシタンジャポン株式会社

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

ロクシタンのマーケティングチームは、プロダクトマーケティング、オフラインメディアでの出稿・PR・広報を担当するPRマーケティング、そしてデジタルマーケティングの3つに分かれていました。ゆえに、それぞれKPIが異なり、マーケティング活動全体を語ることができていないこともありました。本年度中より、1つのマーケティング部としてチームが統合され、現在、これまで投資してきたオフラインメディアへの出稿・露出、デジタルも含めたマーケティング活動を可視化し、ブランディングは何から醸成されているかを明確にしていくフェーズです。

さらに、デジタルに特化した課題は、店舗とのリレーションでした。これまでもデジタルKPIは、Eコマースと店舗売上でしたが、今後さらにデジタル施策が店舗集客へ与える影響を可視化し、より強い協力体制を築くことが求められています。

マーケティング活動が可視化できる。MAGELLAN(マゼラン)への期待

Q. MAGELLANを導入された理由を教えて下さい

まずマーケティングチームとしては、自分たちの活動が売上に貢献していることを可視化したいという思いがありました。またファイナンスなどからは、各種マーケティング効果を可視化することで、コストの最適化につなげたいという要望もあります。さらに、ロクシタンの主力販売チャネルは、全国に展開する店舗です。ギフト需要や季節性なども論理的に数値で可視化し、店頭プロモーションや商品ディスプレイにつなげたいというリテールからの興味もありました。それぞれの部署から、「こんなことができそう」という期待があります。

気温が下がると商品が売れる?店舗で語られていたこれまでの仮説を検証へ

Q. MAGELLANの分析結果に対する印象を教えて下さい

これまで継続的に実施してきたブランディングアクティビティの効果を可視化できたのは、とても印象的でした。特に、テレビCMや雑誌など、オフラインメディアなどの数値化がしづらい領域について、MAGELLANによる分析の結果、売上との相関関係が見られました。ブランディングは、将来のお客様とのエンゲージメントを作るための、投資価値のあるアクティビティです。この思いを再確認し、マーケターが自信を持って仕事に取り組めることは大切です。

Q. リアルリテールとの協業はいかがでしょうか?

店舗では、年間15回ほどプロモーションと呼ばれるキャンペーンを行っています。日々の売上に対し、季節要因を含めた多角的な分析がMAGELLANで行えるようになりました。驚いたのは、「最高気温が10度を下回ったら、保湿製品を中心に売上が上がる」という現場の感覚が数字としてもあらわれたことです。個人的にはとても驚きましたし、現場の声が数字となって実証されたことを大変嬉しく感じました。さらに、サーチから来店というパスが大きいこともわかりました。

これまで、デジタル施策がリアルな集客にどれほどの効果があるのか、懐疑的な想いや意見を聞くこともあったのですが、今回MAGELLANで売上との相関関係が証明されたので、今後これを異なるチーム間で共通指標としていきたいと思っています。また、LINE公式アカウントについても引き続き売上へ大きな貢献が期待できるツールとして活用していきたいと思います。

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

直近では、デジタルと店舗、リアルイベントなどすべてのチャネルを活用した “バルーンジャーニー” という大きなブランディング活動を行いました。このような投資を、来年・再来年へつなげるためにどうするか、MAGELLANを軸に考えていきたいです。そして、全体的なマーケティングコミュニケーションを、成果予測が可能なものにしていきたいです。特に「やってみてどうだったか?」という振り返り中心だったソーシャルメディアの運用も、あらかじめ効果を想定した設計を行いたいです。いずれは、マーケティング活動の分析をマーチャンダイジングのコントロールにも結びつけられたらと考えています。

株式会社メディプラス

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

ブランド施策を中心としたマーケティング活動の適切な評価手法に、試行錯誤していました。メディプラスは、クリニックへの卸販売やオンラインを含めた通販を販路に、テレビのインフォマーシャルや誌面広告、テレマーケティングやデジタルマーケティングで成長してきたブランドです。しかし、近年では獲得単価が上がる傾向にあり、顕在層から潜在層へと新たにファネルを広げ、ブランド施策による新規顧客獲得を進めていました。

これまでメディプラスは、ダイレクトコマースゆえに直接的なCPO(Cost Per Order)での評価を重視してきましたが、ブランド施策においては、アトリビューション評価が必要です。そのため、ツール含めた様々な方法で新たな評価手法の確立に取り組んできましたが、デジタル施策のみや一部のオフライン広告とのアトリビューション分析に限られ、施策の効果を全体的に見ることができていませんでした。さらに、複雑なロジックで算出された統合評価は、表面的な理解に留まってしまいがちで、運用へつなげることが難しいという課題もありました。このような背景から、オンライン・オフライン各施策を統合した施策の効果がわかり、かつ実務レベルで運用できる方法を求めていたのです。

MAGELLAN(マゼラン)は、PR施策や販促施策の効果も可視化

Q. MAGELLANを導入された理由を教えて下さい

私たちの課題である、マーケティング施策全体のROI を統合的に把握でき、最適な予算のアロケーションを行えると感じたからです。特にお客様の行動の起点がオフライン施策による場合、従来のオンライン施策のみの計測では、評価ができません。オフライン施策も含めた効果の可視化が、MAGELLANのメリットであると思います。

また、特にすばらしいと感じたのは、ノンペイドのオフライン活動の効果も計測できる点です。例えば、PRや直営店における接客、販売チャネルにおける販促施策なども、何かしらお客様の購入意向に影響を与えているはずです。また、オーガニック検索も、過去のマーケティング施策の積み重ねがあると考えられます。MAGELLANは、このようなあらゆる活動の効果を計測できます。全体のマーケティング施策を最適化する上で、重要な役割を果たしてくれると期待しています。

Q. MAGELLANを導入したことで、どのような影響がありましたか?

ある時、「オフライン施策の費用対効果が悪くなっているのではないか?」と、アロケーションの判断を迷ったことがありました。しかし、MAGELLANの分析から、私たちが感じていた以上にオフライン施策はビジネスへ貢献していることがわかったのです。結果、オフライン施策予算の最適なアロケーションへ、つなげることができました。さらに、MAGELLANの分析はシンプルで評価に納得感があり、マーケター自ら次のアクションをとることができています。現場でも様々な施策の効果が可視化され、経営陣にも定量化したレポートが報告できるようになりました。

マーケティング全体を評価し、中長期的な成長戦略を描きたい

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

まずは、様々な施策の投資効果について、数値にもとづいた合理的な判断をできるようにしたいです。そのためにも、CPOではなくROIを共通認識とし、強い意思決定のもと、マーケティングを推進できる体制を整えなくてはなりません。一つひとつの施策がどうだったかではなく、事業全体の中でどのように採算を取っていくかの視点が大切だと考えています。あらゆるマーケティング施策から逆算し、事業計画も考えつつ、一定期間における検証を行っていきたいですね。

今後も、お客様との接点が多様化するに伴い、通販業界全体として、販売チャネルのマルチ化が求められてくるでしょう。メディプラスでも、マーケティングファネルに則り、各施策の役割を明確にし、オンライン・オフライン問わず、認知から購入までのマーケティング施策の最適化を目指したい。そして、ビジネスKGI を達成したいと考えています。

オルビス株式会社

ブランド領域を含めた「つながり」を可視化したい

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

今井様:私がマネージャーを務めている新規戦略グループは、新規のお客様の獲得が主なミッションです。

昨年12月にオルビスがリブランディングを行った目的の一つに、「通販の会社」というイメージから脱却し、ブランドビジネスを展開していきたい、という考えがあります。ブランドビジネスを展開することで、ゆくゆくはメーカー側がお客様にアプローチするプッシュ型のマーケティングから転換して、お客様がオルビスを見に来てくださるプル型の状態を作りたいと考えています。お客様が自らモチベーションを持って検索して流入してくださる状態を作ることができれば、CPOを下げられ、LTVも圧倒的に高くなります。

それを実現するために、リブランディング前は広告費の大半をダイレクト領域に投資していましたが、現在はブランド領域への投資を増やしています。しかし、従来のようにダイレクト領域のみであれば施策の評価をしやすいのですが、テレビCM、Web動画、イベントなど、様々な施策を行う中で、どの施策が新規のお客様や売上の獲得に貢献しているのかが見えにくくなりました。アトリビューション分析も行っていますが、ブラウザとアプリでつながりが切れてしまうなど、どうしても効果を測定できないメディアがあり、例えば「Web動画を見たことでコンバージョンが増えている」というようなつながりは見えにくく、投資判断が非常に難しいです。

また、つながりが見えないために、2回、3回と継続的にプロモーションを行っても、振り返りができず、PDCAが回らない。ダイレクト領域では常にPDCAを回している一方で、ブランド領域はPDCAが回せていないので、両者を統合的に見ている立場としては相対的にブランド領域への課題観が色濃くありました。

諸町様:私が所属するコミュニケーション戦略グループでは、チャネル横断でお客様のファネルを俯瞰し、最適なブランドコミュニケーションを企画しています。

リブランディングを契機として、現在は従来のように通販ありきではない、お客様を中心としたチャネル横断のコミュニケーションの設計を進めています。お客様との一気通貫のコミュニケーションを実現するため、各部門が横断的に連携する動きを始めていますが、「チャネルを横断してLTVを見ていこう」と考えたときに、部門ごとに持っているKPIはあるものの、全体の良し悪しを共通指標で評価できる仕組みがなかったのです。そのため、今後、お客様と一気通貫のコミュニケーションが取れる状態が整った時に、同時にそれを評価できる仕組みも整っていなければならない、という課題を感じていました。

個人を追うことも、全体を俯瞰することも、両方が必要

Q. MAGELLAN(マゼラン)を導入された理由を教えて下さい

今井様:オルビスは売上の多くの割合を通販が占めているので、お客様個々人に紐づくデータを取得しやすく、これまでプロモーションの評価は「個人を特定して追跡する」というアプローチが主でした。MAGELLANは個人を追うアプローチではなく、これまでのオルビスのやり方と異なるので、分析の確からしさについて不安視する声も社内にありました。

しかし、私は個人で見るアプローチも、全体を俯瞰して見るアプローチも両方必要だと考えています。個人で見るアプローチだけに頼ると、「木はものすごく見ているけど、森がどうなっているかを見ていない」状態になってしまいます。木ばかりを見た結果、上から見たら「いびつな形の森になってしまった」という事態は避けたいと思い、全体を俯瞰できるMAGELLANを導入しようと考えました。

諸町様:オルビスにはデータ分析を行う専門チームがいるわけではないため、支援がないとMAGELLANを導入するのは少し難しかったと思います。しかし、各部門のメンバーに対して何度も説明会を開いてもらうなど、初期の導入支援をしっかりとしてもらっており、そういった支援があるという点でも、導入を考えやすかったです。

新規獲得の可視化から、リピートの可視化へ

Q. MAGELLANの今後の活用方針を教えて下さい

諸町様:まずはスモールスタートとして、プロモーションの投資額が最も多い、新規獲得領域を対象に、トライアルセット、もしくは本品を初めてお買い上げいただくところまでにフォーカスしています。あらゆる施策を統合的に分析し、どの施策が新規の顧客の獲得や売上に貢献しているのかを明らかにしていきたいと考えています。それを実現した上で、長く製品をお買い求めいただけるリピートのお客様まで対象を広げ、施策全体の効果可視化・最適化を納得感をもって図りたいです。

今井様:前にやった施策を、しっかりと次に活かしてPDCAを回すために、新規、リピートといった「幅」に加えて、経年の「奥行」も見たいと考えています。このプロジェクトを通じて、ブランド領域への最適な投資バランスの判断について知見を積みたいです。

株式会社再春館製薬所

「テレビCMの効果を過小評価しているのではないか」という仮説があった

Q. 担当業務を教えて下さい

私は、弊社で製造販売している年齢肌専門の基礎化粧品である「ドモホルンリンクル」の広告企画部に所属しています。広告企画部が担当しているのは、これまで弊社の製品を使ったことのないお客様に、初めて使っていただくまでの領域です。ご購入いただいた後は、リピートを促進する部門で継続利用していただけるようにお客様へコミュニケーションを重ねていきます。

私の実担当業務は、マーケティング戦略、広告制作、メディアバイイングがメインです。KGIは初回購入者及び売上、KPIは無料お試しセットのお申し込み数、その後の購入率となります。

Q. 御社のマーケティングにおいて、難しい部分を教えて下さい

基本的に弊社の製品はお客様の肌の悩みを解決していくものになります。そのため、いかにお客様に寄り添えるかが重要で、無料お試しセットのお申し込みをいただいたお客様との1to1コミュニケーションを深めながら、お悩みを解決していきたいと思っています。

ありがたいことに、ブランド認知率は90%以上ありまして、これまでの無料お試しセットの申し込み者や購入者のデータも一定保有しており、様々な切り口で分析は可能です。しかしその一方で、ドモホルンリンクルに対する単純な認知でなく、興味の度合いやその中身(どのように思われているのか)、購入意思など、無料お試しセットをお申し込みいただく前のお客様のインサイトが見えにくいという難しさがあります。

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

「各広告媒体の評価、特にオフライン広告が不十分ではないか」という課題を抱えていました。

その課題感の前提として、現代における、特に若年層の生活者のカスタマージャーニーの複雑化があります。今のお客様はテレビCMを見た後に、必ずしもすぐに電話をしていただけるわけではありません。Webで検索行動をする、SNSを見るなど、テレビCM視聴後の行動が注文電話やWebコンバージョンに対して一直線ではないので、線でカスタマージャーニーを描くことが困難です。お客様のまわりに多くのメディアがあり、また、お客様自身がメディアになる、という時代において、従来型の最後の媒体接点での媒体評価では見えないものが多分にあると考えていました。

テレビCMを実施しているダイレクトマーケティング企業の多くが「テレビCM放送後数分間の入電数」でテレビCMの効果を測っていると思いますが、弊社も同様の計測をしてきました。十数年前は、そのやり方でも費用対効果の計測は十分にできていたと考えています。例えばお昼の番組でテレビCMを流すと、テレビCM放送後に電話が鳴り、無料お試しセットの申込みをいただくのですが、その電話が何件鳴ったかによって、費用対効果は十分に計算できていたと思います。ただ、先に述べたような理由から、この計測方法ではテレビCMの効果を過小評価してしまう可能性が高いと考えています。

また、広告予算の配分はすべての広告媒体の評価を前提にして行われますので、予算配分に明確な根拠があった上で行えていないという課題もありました。

実際のオフライン広告の効果は大きかった

Q. MAGELLAN(マゼラン)は広告評価と予算配分最適化を可能にするツールですが、特にどちらを期待してご導入いただけたのでしょうか?

両方です。評価と予算配分はセットになると考えています。

Q. 他のソリューションもある中で、MAGELLANを選んだ理由を教えて下さい

私が検討や意思決定を主導していたわけではありませんが、サンプルサイズの大きさだと思います。弊社のビジネスモデルは、お客様とダイレクトにコミュニケーションを取れるものですので、数字を基本にした意思決定が可能ですし、ずっとそうしてきました。その歴史がありますので、サンプルサイズが小さい分析から導き出された示唆に対しては「本当にそれを信用していいのか?」という疑問が出ることはわかっています。

MAGELLANは統計学的な分析をするツールですので、ある一定のデータがあれば、サンプルサイズの問題が発生しないところに好感を持ちました。そういう意味では、弊社は統計学を使った分析に精通しているわけではありませんが、統計学の思想と親しいところは大きいですね。統計学的な分析による結果は、エビデンスのあるものですので、それなりの信頼に足るものだと考えていいと思っています。

Q. MAGELLANの分析結果に対する印象を教えて下さい

正直驚きました。オフライン広告の効果が可視化され、ワクワクしました。

テレビCMの分析結果には納得感もありました。元々、テレビCMの効果が持続するのが放送後の数分間のみであるはずがないという仮説はありましたが、全体の何割程度の効果があるのかというのは数字として見えていたわけではありませんでした。分析結果では、テレビCMの効果が数字で明確に示され、私達の肌感とかなり近いものでした。

もう1つ、分析結果に納得できたのは、統計的なエビデンスの上で算出された数字への信用もありました。学問として成立している統計学ですので、信用できると考えました。

Q. 従来は、テレビCMの効果をどの程度だと分析されていたのでしょうか?

私はオフライン広告とオンライン広告で半々くらい、つまり、全体の成果の半分程度がテレビCMによるものではないかと思っていました。もちろん、担当者によって肌感は異なります、4割程度と思う人もいれば、7割程度と思う人もいると思います。共通しているのは、テレビCM放送後数分間の入電数では過小評価してしまっているという点です。

先ほどお話した従来の評価法ですと、テレビCMにより生まれた成果は全体の1~2割、という結論でした。

自然にお客様に選んでいただける状態を目指したい

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

広告活動をしなくても商いが成立するのが理想だと思っています。

今は、お客様がメディアの時代です。ドモホルンリンクルだけでなく、弊社の製品をお客様に気に入っていただき、「ここに任せれば間違いない」という信頼関係を築きたいです。 その信頼関係が世の中に浸透し、自然発生的にお客様に選んでいただけるようになる。 そういう状態を作ることが究極だと思いますし、そこに向かって頑張っていきたいと思っています。

メガネトップ

約7割がロードサイドで、比較的中高年層のご利用が多い店舗 ――今後は若年層のお客様をいかに増やしていくか

Q. 担当業務を教えて下さい

営業企画部では、メガネショップ「眼鏡市場」における販売促進・企画を主に担当しています。プロモーションだけでなく、営業支援に関わるところまで幅広く担っている部門です。

Q. 市場の特徴や貴社の状況を教えて下さい

眼鏡のユーザーは子供からお年寄りまで幅広い年齢層が対象となります。当然のことながら年齢によってマーケットの特徴は異なるので、ターゲットの年齢層によってプロモーションの打ち出し方は大きく変わってきます。「眼鏡市場」はすべての年齢層をターゲットとしています。しかし、リアル店舗では店舗面積が限られるので、店舗所在エリアの顧客層に合わせて各店舗の売り場における商品のバランスやプロモーション内容を調整する必要があり、そこが難しいところです。

近年では、大型ショッピングセンターへの人の流れが大きくなり、若年層をターゲットとする競合他社は、相次いでショッピングセンターに出店しています。一方で「眼鏡市場」は約7割がロードサイド店舗です。車でお越しになるお客様がほとんどで、中高年層の方々が比較的多くなっています。そのため、若年層のお客様をいかに増やしていくかという点が今後のプロモーションにおける焦点の1つとなっています。

広告効果がわからないため、最適な予算配分がわからなかった

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

オフライン広告とオンライン広告の最適なバランスがわからないという点が課題でした。各広告の効果が正確にわからないため、どの広告にどのくらい予算をかければ良いのかわからない状態でした。

弊社はこれまで、テレビCMやチラシなどのオフライン広告が中心だったのですが、近年は若年層のお客様の集客強化のために、オンライン広告に力を入れています。しかし、各広告を評価するにあたり、オフライン広告とオンライン広告を統合して評価する方法がありませんでした。例えば、テレビCMはディスプレイ広告と比べて効果が良いのかどうか 正確に判断することができませんでした。

Q. MAGELLAN(マゼラン)を導入されたきっかけを教えて下さい

展示会でサイカのブースに訪問したのがきっかけでした。「テレビCMの効果がわかる」という点に驚き、お話を聞かせてもらいました。広告効果がわからないという課題に対して、どう対策すれば良いのかわからない状況でしたので、それが解決されるのであればやってみようということで、導入が決まりました。

正直なところ、統計学にあまり馴染みがないので、導入に際して最初は不安がありました。しかし、MAGELLANは多くの企業での導入実績があることを知り、最終的には安心してお任せすることができました。導入後の分析結果についても、これまでの感覚値と比べて大きな違和感はなく、納得感のある結果が出ています。

広告効果の可視化により施策の優先順位が明確に

Q. MAGELLANの分析結果に対する印象を教えて下さい

想像以上に細かく分析ができて、大変助かっています。今までやってきたことの答え合わせにもなっていますし、新しい発見もあります。

具体的には、テレビCMの効果について、私たちが思っていた通りの数値が出て、今までの仮説を検証することができました。さらに、オンライン広告の効果は私たちが思っていた以上に影響度があるという新しい発見もありました。この発見は、経営者も含めて広告の方針に対する考え方が変わるほどの大きなものでした。また、チラシや雑誌については、効率が悪い施策だと思っていたのですが、逆に効率が良い施策だということがわかり、大変参考になりました。

現在新型コロナウイルスの影響でプロモーションについても様々な変更があり、年度初めの予算計画から見直しをする必要が出てきています。MAGELLANの分析結果をもとに効率の良い施策を増やし、効率の悪い施策を減らすという調整で、成果を最大化できるよう取り組んでいます。

※ 2020年6月

全社の共通指標として、プロモーションだけでなく製造領域でも活用

Q. MAGELLANを導入されて、社内で変化はありましたか?

MAGELLANの分析結果を関係部門とも共有することで、部内だけでなく全社で共通の指標を用いて判断することができるようになりました。

例えば、これまではテレビCMを流す場合、商品となるメガネをどのくらい生産すれば良いかはっきりとした指標がなく、経験値をもとに判断していました。しかし、今ではテレビCMの規模から逆算して、商品の最適な製造本数を導き出すことができます。プロモーションの観点だけでなく、全社的に活用できる指標を作ることができました。

時代の流れにあったプロモーションをしていきたい

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

時代の流れにあったプロモーションができるようにしたいと思っています。そのためには、常に新しい情報を収集し、分析していかなければなりません。情報収集1つをとっても、これまでの手段がまったく通用しなくなる時代が来るはずです。今後はさらに世の中の流れが速くなると思うので、その流れについていけるプロモーションをしていくことが私たちの理想です。

株式会社協和

新商品の開発スピードが速いエイジングケア業界の リーディングカンパニーとして、リードを保ち続けることが重要

Q. 担当業務を教えて下さい

槇田様:「フラコラ(fracora)」(以下、「フラコラ」)ブランドの販売からCRMまで全般を統括しています。プロモーションについては、オフラインもオンラインもすべて管掌範囲となります。

上間様:企業・ブランドの広報と商品PRを担当しています。主に雑誌などを中心としたメディアでのPRを行っています。

Q. 市場の特徴を教えて下さい

槇田様:エイジングケア業界の特徴は、新商品の開発スピードが速いということです。これには、化学技術の向上が背景にあります。例えば、美容液の開発において、これまでは有効成分の濃度を高めるということに各社フォーカスしていましたが、現在は濃度とは別の方法で浸透力を高める開発が進んでいます。弊社はプラセンタ商品におけるリーディングカンパニーですが、各社競い合うように技術開発をしているため、他社が追随してくるスピードが非常に速くなっています。リードを保つためにも、いかに商品をリニューアルし続けるかという点が重要となっています。

また直近では、新型コロナウイルスの影響で、お客様の美容と健康に対する意識が変わったと感じています。お客様の変化をより早くキャッチして、対応していくことが求められていると考えています。

Q. 「フラコラ」のマーケティングの特徴を教えて下さい

上間様:CRMにおける、お客様とのコミュニケーションの取り方が特徴的だと思います。「フラコラ」にはお客様のコミュニティがあり、定期的に座談会やセミナーなどのイベントを実施しています。そこでお客様同士が情報交換をしたり、お悩みを相談し合ったりしています。コロナ禍にある現在はなかなか直接お会いすることができないので、オンラインでのイベントへシフトしています。

※ 2020年7月現在

「フラコラ」のお客様のコミュニティについてお話しする上間様

お客様とのコミュニケーション方法を大きく転換する必要があった

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

槇田様:大きく3つ課題がありました。1つ目は、顧客年齢層の若返りを図らなくてはならないということです。発売開始以来、「フラコラ」のターゲット層は50歳前後としていました。ただ、新発売当時50歳だったお客様は年を重ね、現在は70歳近くになっています。CRMにおいて、お客様のレスポンスが良い施策を追い続けた結果、ふたを開けてみれば新規のお客様についても年齢層が高くなっており、ターゲット層とはかけ離れてしまっていました。もっと若い年齢層の方々にも「フラコラ」の魅力を知ってもらうために、これまでの施策を抜本的に見直す必要性がありました。

2つ目に、お客様と長くお付き合いをしていく、つまりLTVを高めなくてはならないということです。弊社が目指す姿は、Only for You(一人ひとりにあったサービス)です。一人ひとりのお悩みに合わせてサポートするには、お客様と連続的かつ継続的にお付き合いを続けることが不可欠です。これまでの「フラコラ」の購入経路は、約8割がインフォマーシャルなどのオフライン施策となっていました。インフォマーシャルがきっかけでご購入くださるお客様の一部には、衝動的にご購入される方もいらっしゃいます。そのような方は残念ながらLTVがあまり高くありません。お客様と長くお付き合いを続けていくためには、購入に至るまでのお客様とのコミュニケーション方法を変える必要がありました。

そして3つ目に、お客様とのコミュニケーション方法のデジタル化です。近年は、お客様の購買行動もどんどんデジタルにシフトしてきています。お客様と連続的かつ継続的な接点を持てるのは、これからはデジタルがメインになっていくと考えています。これまで中心としてきたオフライン施策からオンライン施策へ、コミュニケーションの場を転換していくことが現在の大きなテーマになっています。

「Only for You」の理念についてお話しする槇田様

新たなチャレンジとなるテレビCM ――「100人100肌」キャンペーン

Q. 課題に対して、どのような対策を講じられたのでしょうか?

槇田様:課題に対する対策として挑戦したのが、2020年1月に放送したテレビCMの「100人100肌」キャンペーンです。このキャンペーンは、ターゲット層である40~50歳代の女性に向けて、「フラコラ」の世界観や商品(原液美容液)の魅力を伝えることを目的としたものでした。「『フラコラ』って何かいいな」「原液美容液って何だろう」と多くの女性に感じてもらい、サイトに訪問してもらうことを目指した企画でした。

上間様:このテレビCMに出演いただいた100人の女性は、実は「フラコラ」をご愛用いただいていているお客様なのです。他社のようにタレントを起用することは、案としてあげることもありませんでした。今までフラコラが大切にしてきたように、実際のお客様が綺麗になった姿を見ていただく方が「フラコラ」らしさが伝わるのではないかと考え、この企画を実施しました。

槇田様:この企画は、新しいお客様に知っていただくため、そしてオンライン施策への波及のための大きなチャレンジでした。

肌の悩みに合わせて選べる、「フラコラ」原液美容液

施策の大きな転換期を迎え、 正しい判断をするための根拠となる広告の効果がわからなかった

Q. 転換期の最中に、MAGELLAN(マゼラン)を導入された理由を教えて下さい

槇田様:媒体別の広告効果を正しく把握する必要があったためです。先ほどお話した通り、現在「フラコラ」のプロモーションはインフォマーシャルからブランディング目的のテレビCMへ、さらに今後はオフライン施策からオンライン施策へと大きく舵を切っているところです。大きな転換にあたり、どの広告にどのくらい投資をすれば良いのか、正しく判断するための根拠が必要でした。しかし、その根拠となる各広告の効果がわからないという課題に直面し、その解決策としてMAGELLANを導入することになりました。

Q. MAGELLAN導入前は、どのように各広告の効果を確認していたのでしょうか?

槇田様:これまでは、オンライン施策においてはラストコンバージョンで、オフライン施策のうち、中心となるインフォマーシャルにおいては、放送後の入電数で効果を測定していました。紙媒体のうち特に雑誌においては、正直ほとんど効果を把握できていませんでした。

インフォマーシャルについては、弊社の場合はキャンペーンごとに電話番号を変えており、かなり正確に各キャンペーンの効果を把握できていました。しかし、新しい試みであるブランディング目的のテレビCMは、電話などダイレクトな反応があるわけではないため、効果を正確に判断することができません。さらに、オンライン施策を強化していく中で、テレビCMを含めたオフライン施策がどのようにオンライン施策の成果に影響しているのかがわからないという課題も出てきました。

もちろん、テレビCMの放送有無でオンライン施策の反応も変化があるので、その差分が効果だという捉え方もできます。しかし、季節要因やオンライン施策自体の影響を加味すると、この差分のみでテレビCMの効果を判断することは正しくありません。各広告の正しい効果を把握するためには、オフライン施策とオンライン施策、そして外部要因なども統合して分析することが重要だと考えています。

数字をもとに仮説を立てられるようになりたい

Q. MAGELLANの今後の活用方針を教えて下さい

槇田様:MAGELLANを導入し、まず手を付けたいのが各媒体別の広告効果の可視化をすることです。MAGELLANを使って正しい効果を把握した上で、数字をもとに仮説を立てられるようになりたいと思っています。

さらにMAGELLANに期待していることは、成果を最大化させるために、最適な予算配分ができるような指標を作ることです。考えた配分案に対して「投資に対する見返りはどのくらい?」と聞かれたとき、「わかりません」では通用しません。この根拠をしっかり数字で示すこと、そしてその根拠が成果を最大化させるための最適解であることが重要です。MAGELLANの場合は、オフライン媒体単体、オンライン媒体単体ではなく、統合的に分析できるので、施策全体における最適解が出せると期待しています。

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

槇田様:出会ったお客様と最低でも三年はお付き合いしたいと思っています。こう言うと恋愛の話に聞こえますが、実は、お客様の離脱ポイントの行動は恋愛と似ているのです。まずは一途にお客様のためにできることを尽くしていきたいと思っています。長く関係を築けるよう、お客様とのコミュニケーションをこれからも大切にしていきたいですね。

上間様:お客様とのより良いコミュニティを築いていきたいです。例えば弊社には競歩の元オリンピック選手の社員がいるのですが、その社員の特技を活かしてウォーキングのセミナーをお客様のために実施することなども考えています。もっとお客様のためにできることがないか、これからも模索していきたいです。

アンファー株式会社

重要なのは、オンラインからオフラインまで含めたコミュニケーション設計

Q. 皆様の役割とMAGELLAN(マゼラン)をご導入いただいた部署の役割をそれぞれ教えて下さい

池城様:メンズブランドのテレビCMも含めたプロモーションからデジタルマーケティングの統括をしており、ミノキ兄弟を軸にプロモーションを行っている医薬品のメディカルミノキ5やメンズシャンプーのスカルプDなど、メンズ5ブランドのPL管理がミッションとなります。

佐久間様:デジタルマーケティングユニットのリーダーとして、オンライン領域全般のマーケティングを担当し、メンズブランドのWeb全体売上目標達成がミッションとなっております。他にも、プロモーションユニットと連携した広告施策の推進や、メンズブランド全体の分析も担当しています。

本郷様:デジタルマーケティングユニットにて、メディカルミノキ5の広告業務をメインに担当しています。また、ブランドサイトの制作ディレクションや、CRM対策としてのメールマガジンの配信なども行っております。

MAGELLANはデジタルマーケティングユニットで導入しているのですが、オンライン広告だけでなく、テレビCMや交通広告など、プロモーションユニットが担当するオフライン広告のデータも取り入れており、オンライン・オフラインを統合した分析を行っています。

Q. 市場の特徴や貴社の状況を教えて下さい

ヘアケア市場は競合が非常に多いことが特徴です。薄毛・抜け毛の悩みに対する育毛剤・発毛剤などの商品だけではなく、クリニックなどのサービス全般も競合に当たります。競合が多い分、販売チャネルの多様化が進んでおり、競合との機能的価値の差別化が難しいことも特徴として挙げられます。

私たちの商品は、ヘアケア市場の中でも高価格帯の商品、かつ悩みに対する商品のため、お客様の多くは購入に至るまでに様々な情報を調べ、比較・検討されます。そのため、オンラインからオフラインまで含めたコミュニケーション設計がより重要となり、ここがマーケティングを行う上で難しい点だと感じています。また、医薬品のメディカルミノキ5の発売開始に伴い、薬機法に則った広告表現をより意識する必要があるなど、医薬品ならではの難しさもあります。

カスタマージャーニーが複雑化する中で、各広告効果の可視化が難しかった

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

オンライン・オフライン問わずどの広告が売上に寄与したのかという、広告効果の可視化が正確にできていないことに課題を感じていました。認知から購入に至るまでのカスタマージャーニーが複雑化してきており、広告に接触した後も様々なメディアに接触して購入に至るため、各広告がどれだけ効果があったのかがわかりませんでした。

また、オンライン広告費がテレビCMの広告費を超えて成長を続けているというメディアトレンドを加味し、最近ではオンライン領域での認知施策としてWeb動画広告などの比重を上げています。コンバージョン獲得に直接つながりにくい認知系のオンライン広告が増えてきたことで、各広告をフラットに評価することが難しく、プランへの落とし込み方が手探りの状態でした。

さらに、楽天やAmazonといったモールでの売上も大きい中、自社広告がモールの売上にどれほど寄与しているのかを数字で見ることが難しかったため、ここも分析して深掘りしたいと思っておりました。

自信を持って最適な投資バランスの判断ができるように

Q. MAGELLANを導入された理由を教えて下さい

MAGELLANは統計的アプローチで分析・評価できる点が魅力的でした。

また、課題として挙げている、 ①各広告の売上に対する効果を可視化したい ②刈り取り施策や認知施策など、異なる指標を持つ施策を同じ土俵でフラットに評価したい ③モールにおける売上への影響を可視化したい という、これまで経験値で評価・判断していた上記3点が数値でわかるということも導入の決め手となりました。

Q. MAGELLANの分析により、何か新しい発見はありましたか?

売上に対するテレビCMとWeb動画広告の相乗効果が数字で可視化できたのは新しい発見でした。これまでは、はっきりと自信を持ってWeb動画広告を使った認知施策に投資をしていたわけではなく、メディアトレンドを加味したり、他施策への間接効果を経験値で判断したりして投資をしていました。MAGELLANの分析結果を受け、Web動画広告の予算を増額させた結果、テレビCMとの相乗効果が生まれ、全体的な投資対効果がプラスになるということがわかりました。経験値で判断していたことがしっかりと結果として出てきたため、Web動画広告を使った認知施策を強化していこうという今後のアクション決定にもつながりました。

また、ブランドを跨いだ効果も見えています。2018年のメディカルミノキ5の発売以降、広告予算の主軸をスカルプDからメディカルミノキ5に切り替えています。この切り替えでは、メディカルミノキ5からスカルプDをはじめとする他ブランドへの効果の広がりも意識していました。MAGELLANの分析の結果、メディカルミノキ5の広告がスカルプDの売上にも影響していた、つまり他ブランドへの波及効果があったということを数字で可視化することができました。

Q. 今後、MAGELLANで分析したいことはありますか?

数字で見えにくかった各広告効果やつながりの見えにくい広告同士の効果を可視化することで、最適な投資バランスの判断ができるようにするということは、今後もMAGELLANに期待したい点です。

新たに見ていきたい点としては、月々の施策の振り返りだけでなく、施策を積み重ねてきた結果、売上のベースにどれだけ影響しているのかといった、中長期的な考え方も分析に取り入れていきたいと思っています。今やっていることを、効率的に今後の成果につなげていきたいです。

数字の先にあるお客様とのコミュニケーションを大切に

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

お客様視点で常に考えることを大切にしています。「ブランドが提供したい価値が何なのか」「それをいかにお客様に届けることができるのか」をメンバー全員が意識したマーケティングを行っていきたいと思っています。

私たちの商品は、ネガティブになりがちな悩みに寄り添う商品なので、少しでもお客様にポジティブになってもらえるような、お客様の人生が楽しく・明るくなるようなお手伝いをしたいと思っています。そういう気持ちを忘れずにお客様と向き合うことで、結果的に目標とする売上につながるのではと考えています。MAGELLANについても、数字を見ることが目的にならないように、その先にあるお客様とのコミュニケーションの指針として活用していきたいと思います。

マルコ株式会社

ニッチな商材であるがゆえに、認知度の低さが業界全体の課題に

Q. 担当業務を教えて下さい

マーケット開発部にて、オンライン広告・オフライン広告問わず、あらゆる媒体を活用し、新規顧客を獲得することをミッションとしています。

今でこそテレビCMなどにも出稿していますが、もともとはクローズドマーケットだったこともあり、広告宣伝活動をあまり積極的に行っていませんでした。本格的に広告宣伝活動に取り組み始めたのは、RIZAPグループへグループ入りをした2016年からです。以降、RIZAPグループのノウハウを取り入れた広告宣伝活動を一気に強化しています。

Q. 市場の特徴を教えて下さい

市場の特徴の1つ目は、補整下着業界はニッチな商材であるため、業界全体としてまだまだ認知度が低いということです。理想の体型を目指すにはエステやダイエットなど、様々な選択肢がありますが、その中で補整下着はなかなか選択肢に挙がりません。「下着で体型を整えられること」をいかに認知させられるかが、業界全体の課題となっています。

特徴の2つ目は、ネガティブなイメージを持たれやすいということです。例えば、補整下着と聞くと「ファッション性に乏しい」「締め付けられるのでは」といったイメージを抱く方も多くいらっしゃいます。こうしたネガティブイメージを払拭するべく、私たちは「補整下着」の機能性、着用感、デザイン性を改良した「ボディメイクランジェリー」を通して、世の中に補整下着がグレードアップしたことを伝えていきたいです。

広告宣伝活動の開始に伴い、ターゲット層が拡大 ――ターゲットに合わせた最適施策でより効率化を図りたい

Q. 貴社の特徴を教えて下さい

私たちは、女性の体を、補整下着を着用していない状態でもキレイにすることを最大の目的としています。そのため、単に補整下着を販売するのではなく、ご購入後のアフターフォローまで無料でしっかりと行うことが一番の強みです。経験豊富なボディスタイリストが専属で担当し、きちんとコンサルテーションをしながら、プロポーションを美しく整えていくお手伝いをしています。お客様の中には、通われて10年20年以上の方も多く、長くお付き合いさせていただいています。

Q. メインターゲットを教えて下さい

若い女性向けのラインナップが豊富だったこともあり、これまでは20代から30代前半のお客様に多くご利用いただいていました。広告宣伝活動を始めてからは、特にインフォマーシャルの影響もあり、30代後半から60代以上のお客様も増えています。今では、どの年代のお客様にも均等にご利用いただいている状況です。

ターゲット層が拡大したからこそ、ターゲット年代別に最適な商品や施策が何かを細かく分析し、効率化していく必要があると考えています。

オフライン広告の効果を、他施策への波及効果を加味して精緻に分析したい

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

テレビCMやインフォマーシャル、折込チラシなど、オフライン広告の効果を精緻に分析する方法を探していました。オンライン広告はデータがあるため、一定の分析はできていると感じています。オフライン広告においては、テレビCMやインフォマーシャル放映前後のセッション数の変化で効果を測定してきました。ただ、この方法では他施策への波及効果を加味した分析ができないため、それぞれの媒体を過小評価、あるいは過大評価している可能性があります。また、どの媒体を経由して来店予約に至ったのかというヒアリングのデータからも分析を試みていますが、印象に残った媒体を回答する可能性が高いため、この手法でも適正な媒体評価が難しいと感じていました。

また、コミュニケーションの観点でいうと、広告表現の難しさに課題感を感じています。一般的に、補整下着は着用時にしかキレイになれないのではないかと思われることが多いです。しかし、私たちはアフターフォローもしっかりと行っているため、着用していない状態でも理想の体型へと変えていくことができます。この強みを表現していくことは大変難しいのですが、3か月間継続着用した成果をデータで証明するなどで工夫し、少しずつ強みを表現できるようになっています。

Q. MAGELLAN(マゼラン)を導入された理由を教えて下さい

先ほど申し上げたように、オフライン広告の効果を他施策への波及効果を加味して精緻に分析するためです。これまで様々な分析手法を取り入れてきましたが、オフライン広告の効果を適正に評価することが難しいと感じていました。オフライン広告は広告宣伝費のうち非常に大きい割合を占めるため、費用対効果が見合うのかどうかをMAGELLANで明確化したいと考え、導入を決めました。

また、コロナなどの外的要因の影響が可視化できることも導入の決め手の1つです。コロナ禍においても新規顧客を獲得できており、要因もある程度は推測できているのですが、その推測が正しいのかどうかを丁寧に分析したいと考えています。

Q. MAGELLANの今後の活用方針を教えて下さい

まずは、最大の目的であるオフライン広告の効果可視化を行い、新規顧客の獲得数を最大化するための最適な広告予算配分を実現していきたいです。また、外的要因も含めた分析や、ターゲット年代ごとの細かい分析も行い、効率化を図りたいと考えています。

その後、店舗ごとに実施している独自キャンペーンや、販売スタッフへのインセンティブ制度の効果可視化にもチャレンジしたいと考えています。どのようなデータを使用するかは検討中ですが、キャンペーンのオファー内容が売上に貢献しているのかという点や、インセンティブ制度はどのくらい効果があるのかという点などを分析したいです。

誰もが憧れるブランドを目指す

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

課題として挙げていたことですが、「MARUKO」は認知がまだまだ低いため、まずは誰もが知っているブランドになっていくことを目指しています。また、認知されるだけでなく、誰もが憧れるようなブランドにしていきたいです。そのためにも、当社の商品とサービスがしっかり伝わるようなマーケティングを行い、市場全体を牽引していきたいと考えています。