オルビス株式会社

1987年創業。ポーラ・オルビスグループの基幹ブランド・通販化粧品のパイオニアとして誕生し、通販チャネルで成長。「自分らしく前向きに、美しく生きる人々であふれた世界を実現する。」をミッションに2018年8月、新ブランドメッセージ「ここちを美しく。」を発表。同年主力のスキンケアシリーズ「ORBIS U」を刷新し、19年日本初の、肌へのトクホ「ORBIS DEFENCERA」の提供を開始。プロダクト、サービス、組織の改革で従来の総合通販ビジネスからビューティーブランドビジネスへの転換を図る。

ダイレクト領域だけではなく、ブランド領域でもPDCAを回していくために

ブランド領域を含めた「つながり」を可視化したい

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

今井様:私がマネージャーを務めている新規戦略グループは、新規のお客様の獲得が主なミッションです。

昨年12月にオルビスがリブランディングを行った目的の一つに、「通販の会社」というイメージから脱却し、ブランドビジネスを展開していきたい、という考えがあります。ブランドビジネスを展開することで、ゆくゆくはメーカー側がお客様にアプローチするプッシュ型のマーケティングから転換して、お客様がオルビスを見に来てくださるプル型の状態を作りたいと考えています。お客様が自らモチベーションを持って検索して流入してくださる状態を作ることができれば、CPOを下げられ、LTVも圧倒的に高くなります。

それを実現するために、リブランディング前は広告費の大半をダイレクト領域に投資していましたが、現在はブランド領域への投資を増やしています。しかし、従来のようにダイレクト領域のみであれば施策の評価をしやすいのですが、テレビCM、Web動画、イベントなど、様々な施策を行う中で、どの施策が新規のお客様や売上の獲得に貢献しているのかが見えにくくなりました。アトリビューション分析も行っていますが、ブラウザとアプリでつながりが切れてしまうなど、どうしても効果を測定できないメディアがあり、例えば「Web動画を見たことでコンバージョンが増えている」というようなつながりは見えにくく、投資判断が非常に難しいです。

また、つながりが見えないために、2回、3回と継続的にプロモーションを行っても、振り返りができず、PDCAが回らない。ダイレクト領域では常にPDCAを回している一方で、ブランド領域はPDCAが回せていないので、両者を統合的に見ている立場としては相対的にブランド領域への課題観が色濃くありました。

諸町様:私が所属するコミュニケーション戦略グループでは、チャネル横断でお客様のファネルを俯瞰し、最適なブランドコミュニケーションを企画しています。

リブランディングを契機として、現在は従来のように通販ありきではない、お客様を中心としたチャネル横断のコミュニケーションの設計を進めています。お客様との一気通貫のコミュニケーションを実現するため、各部門が横断的に連携する動きを始めていますが、「チャネルを横断してLTVを見ていこう」と考えたときに、部門ごとに持っているKPIはあるものの、全体の良し悪しを共通指標で評価できる仕組みがなかったのです。そのため、今後、お客様と一気通貫のコミュニケーションが取れる状態が整った時に、同時にそれを評価できる仕組みも整っていなければならない、という課題を感じていました。

個人を追うことも、全体を俯瞰することも、両方が必要

Q. MAGELLAN(マゼラン)を導入された理由を教えて下さい

今井様:オルビスは売上の多くの割合を通販が占めているので、お客様個々人に紐づくデータを取得しやすく、これまでプロモーションの評価は「個人を特定して追跡する」というアプローチが主でした。MAGELLANは個人を追うアプローチではなく、これまでのオルビスのやり方と異なるので、分析の確からしさについて不安視する声も社内にありました。

しかし、私は個人で見るアプローチも、全体を俯瞰して見るアプローチも両方必要だと考えています。個人で見るアプローチだけに頼ると、「木はものすごく見ているけど、森がどうなっているかを見ていない」状態になってしまいます。木ばかりを見た結果、上から見たら「いびつな形の森になってしまった」という事態は避けたいと思い、全体を俯瞰できるMAGELLANを導入しようと考えました。

諸町様:オルビスにはデータ分析を行う専門チームがいるわけではないため、支援がないとMAGELLANを導入するのは少し難しかったと思います。しかし、各部門のメンバーに対して何度も説明会を開いてもらうなど、初期の導入支援をしっかりとしてもらっており、そういった支援があるという点でも、導入を考えやすかったです。

新規獲得の可視化から、リピートの可視化へ

Q. MAGELLANの今後の活用方針を教えて下さい

諸町様:まずはスモールスタートとして、プロモーションの投資額が最も多い、新規獲得領域を対象に、トライアルセット、もしくは本品を初めてお買い上げいただくところまでにフォーカスしています。あらゆる施策を統合的に分析し、どの施策が新規の顧客の獲得や売上に貢献しているのかを明らかにしていきたいと考えています。それを実現した上で、長く製品をお買い求めいただけるリピートのお客様まで対象を広げ、施策全体の効果可視化・最適化を納得感をもって図りたいです。

今井様:前にやった施策を、しっかりと次に活かしてPDCAを回すために、新規、リピートといった「幅」に加えて、経年の「奥行」も見たいと考えています。このプロジェクトを通じて、ブランド領域への最適な投資バランスの判断について知見を積みたいです。

その他のお客様の声

Other Client Testimonials
消費者意識と事業成果の構造を解明し、コミュニケーションの最適化を図る

渉外・コミュニケーション統括本部 ブランド・コミュニケーション本部長
馬場 剛史 氏

事業概要
スマートフォン・携帯電話など従来の通信サービスを中心に、幅広い事業を展開。基盤となる通信を核に、コマース・金融・エネルギー・エンターテインメント・教育などのライフデザインサービスを連携しながら拡充することで、新たな体験価値の提供を目指しています。