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ChatGPTとは?できることや仕組み、ビジネスにおける活用方法やリスクを解説

コラム
イノベーションデータサイエンス

2023年に入り、IT業界で話題となっているのが「ChatGPT」です。2022年11月にリリースされたChatGPTは大きな反響を呼び、リリースからわずか5日間で100万ユーザーを超えました。

ChatGPTに対して、どのような仕組みなのか? 何ができるのか? など、さまざまな疑問を持っている方は多いでしょう。「ビジネスで活用できないか」と、利用方法を模索している方もいると思います。

この記事では、はじめてChatGPTに触れる方に向けて、ChatGPTとは何か、使い方、仕組み、ビジネスにおける活用方法やリスクに至るまで、ChatGPTの基本的な知識をわかりやすく解説しています。今後、あらゆるビジネスで重要性が高まっていくと考えられているので、この機会にChatGPTについての理解を深めておきましょう。

ChatGPTとは

ChatGPTとは、膨大な自然言語データを学習したことで、ユーザーとの自然な会話を実現したAIチャットボットサービスです。アメリカ・サンフランシスコに本社を置く、OpenAI社(*1)が開発し、2022年11月に一般リリースされました。

誰でも無料で使うことができ、前述の通りリリースからわずか5日間でユーザー数が100万人を超え、2023年1月にはユーザー数1億人を突破しています。

ChatGPTはAIを搭載したチャットボットサービスで、ユーザーが入力したテキストを処理し、最適な返答を行います。歴史に関する質問からプログラミングのサポートまで、幅広い分野に対応しています。

ちなみに、ChatGPTを開発したOpenAI社には、Tesla社やTwitter社でCEOを務めるイーロン・マスク氏が共同設立者として名を連ねています。2023年1月にはMicrosoft社からの数十億ドルの追加出資が発表されるなど、業界の注目を集めている企業です。

(*1)OpenAI社は非営利団体であり、OpenAI LP社が営利団体としてGPT-4などの次世代言語モデルを提供しています

ChatGPTの使い方

ChatGPTは誰でも無料で利用できるAIチャットボットサービスです(2023年4月現在)。使い方はとても簡単なので、ぜひ始めてみてください。

OpenAIのホームページを開いたら、「Try ChatGPT」をクリックします。

OpenAIのホームページの画像

「Sign up」をクリックしたら、登録するメールアドレスとパスワードを入力し、「Continue」をクリックします。

ChatGPTのWebページの画像
ChatGPTのWebページの画像

次に、OpenAIから受信した確認メールを開き、「Verify email address」をクリックします。

ChatGPTのWebページの画像

表示されたページで氏名と電話番号を入力し、受信したSMSに記載の確認コードを入力すれば、ChatGPTへの登録は完了です。

ChatGPTのWebページの画像

早速質問を入力し、ChatGPTとの会話を楽しんでみてください。

簡単な質問ならかなり的確に答えてくれます。

ChatGPTのWebページで会話をしている画像

日本語でも利用可能

「データサイエンスとは何ですか」と質問した画像でわかる通り、ChatGPTは日本語でも利用できます。登録後に言語設定を行う必要はありません。登録すれば、すぐに日本語で質問ができます。

もちろん英語など他の言語でも質問可能であり、「日本語で返答してください」というお願いにも、しっかりと対応してくれます。

ChatGPTで会話をしている画像

ChatGPTの仕組み

あらゆる質問に返答し、ユーザーと自然な会話をするChatGPTの仕組みには「深層学習(deep learning)」が取り入れられています。

深層学習はAI研究分野の1つで、人間の神経細胞の仕組みを再現したニューラルネットワークを用いてデータを学習させます。これによりChatGPTのように自然言語を処理できるAIや、過去のデータから予測値を導き出すAIなどの開発が可能です。

ChatGPTの前身であるGPT-3やInstructGPTでは、基本的な「機械学習(machine learning)」が用いられ、徐々にその精度を上げていきました。ちなみに機械学習とは、膨大なデータをコンピュータに学習させるAI研究分野であり、深層学習は機械学習の一部です。

ChatGPTに対してその仕組みについて質問をしてみると、次のような回答が返ってきました。

ChatGPTで会話をしている画像

ChatGPTにできること

「ユーザーと自然な会話を行う」というのが、ChatGPTの基本的な機能です。しかし、その利用範囲を広げてみると、さまざまなことができます。ここからは、ChatGPTにできることを解説します。

自然体に近い会話

すでに解説しているように、ChatGPTはユーザーと自然に近い会話を行えるAIチャットボットサービスです。さまざまな質問に回答し、その後も自然な流れでの会話を可能にしています。

ただし、ChatGPTは次のようなテーマに関する会話を、拒否することがあります。

  • 主観に基づくテーマ
  • 政治に関するテーマ
  • 犯罪に関するテーマ
  • 差別的なテーマ
  • 暴力的なテーマ

たとえば、コンピュータウイルスや爆弾の作り方などは、質問をしても回答を拒否されます(抜け道を見つけるユーザーもいますが、コンテンツポリシーに違反する可能性が高いので行わないようにしましょう)。

疑問・悩みに対する返答

ChatGPTは素朴な疑問から、人生を左右するような悩みまで、幅広いテーマに返答をくれます。ChatGPTの面白いところは、単に疑問・悩みに対して返答するだけでなく、「人格を作ったうえで返答してもらえる」という点です。

たとえば、「優しくも厳しい言葉で背中を押してくれる上司」のような人格を与えたうえで、ChatGPTに対して人生相談をすることもできます。

このように、ChatGPTに特殊な命令を下すことを「プロンプトエンジニアリング」と呼びます。AIチャットボットサービスの思考や回答を助けるプロンプトエンジニアリングも、いま注目されている技術の一つです。

複雑な計算

ChatGPTは複雑な計算も可能です。たとえば、次のように計算を求めてみました。

ChatGPTで会話をしている画像

厳密には「9999(整数)」が答えなのですが、かなり詳細な計算方法を教えてくれるうえに、ほぼ正解に近い回答を返してくれます。

この他にも微分・積分など、高校3年生レベルの数学問題にも難なく回答してくれました。

このように複雑な計算も可能ですが、答えにバラツキがあることにも注意しましょう。計算の答えを導く助けにはなりますが、ChatGPTに計算を丸投げするのはおすすめしません。

プログラムコードの生成

ChatGPTが進歩すれば、将来的にプログラミングは不要になるかもしれません。というのも、ChatGPTに質問をすれば、それに応じたプログラミングコードを生成してくれるからです。

たとえば次のように質問をしてみると、しっかりとプログラムコードを生成してくれました。しかも、コメントアウトや解説も付いています。

ChatGPTで会話をしている画像

このようにChatGPTが生成したプログラムコードは、必ずしも正解ではありません。しかし、プログラミングにかかる作業と時間を、大幅に削減する助けにはなります。

指定したテーマで文章作成

ChatGPTテーマを指定し、文章を作成してもらうことも可能です。たとえば、次のようなテーマで文章を作成してもらってみました。

ChatGPTで会話をしている画像

文章に多少の違和感はありますが、文章のベースとして使用するには何ら問題はなさそうです。時事情報まで入れてくれるのは驚きですね。

文字数は「400文字前後」と指定しましたが、全体で300文字弱となりました。細かい点に目をつぶれば、文章の叩き台を作成するツールとしては優秀です。

作詞・作曲

ChatGPTは作詞・作曲までこなすということで、多くのユーザーがChatGPTを使い、さまざまな楽曲をSNS上で公開しています。

たとえば次のようにテーマを指定し、作詞してもらいました。

ChatGPTで会話をしている画像

「パプリカじゃない」の部分は謎ですが、それ以外は歌詞としてしっかりと成り立っています。さらに次のように指定し、歌詞を修正してもらいました。

ChatGPTで会話をしている画像

今度はサビの部分も含めて歌詞として成り立っています。ChatGPTを使って作成した歌詞・曲の著作権は、ユーザーに帰属するものと考えられていますが、論争が始まっているのも事実です。

ChatGPTで生成したコンテンツの著作権について結論が出るまでは、「作詞・作曲をしてプライベートで楽しむ」程度に留めておきましょう。

ChatGPTのビジネス活用例

ChatGPTのさまざまな可能性が模索されているなか、ビジネス活用にも期待が寄せられています。ここでは、今後期待されているビジネス活用の一例を紹介します。

チャットボット開発

ChatGPTはAPIが提供されています。APIとは「Application Program Interface」の略で、APIを使うとプログラムの特定の機能を呼び出し、自身のプログラムに流用することができます。

たとえば、ChatGPTのAPIを利用すれば、LINEと連携し、LINE上で機能するチャットボットを作成できます。ユーザーとのコミュニケーションやクーポン配布など、さまざまなビジネスシーンで活用できるのが特徴です。

今後はChatGPTのAPIを利用した、自然言語処理型のチャットボットサービスが増えていくことが考えられます。

ソフトウェア開発の高速化

前述のように、ChatGPTではプログラムコードの生成が可能です。つまり、ChatGPTを利用すれば特定のプログラムコードを生成してもらい、ソフトウェア開発の高速化も行えるようになります。

大規模なプログラムコードを生成するのは難しいですが、機能単位での生成は可能です。また、ChatGPTが生成したプログラムコードは完璧ではないものの、適宜修正を加えればしっかりと機能するため、ソフトウェア開発の高速化にやはり期待が持てます。

プログラムコードのエラー検知にも活用できるので、ソフトウェアのセキュリティ向上のためにも活用が進むでしょう。

カスタマーサポートの改善

ChatGPTをうまく活用すれば、カスタマーサポートの改善にも役立ちます。たとえば顧客から問い合わせやクレームを受けた際に、その内容をテキスト化し、ChatGPTに入力すれば適切な対処法を教えてくれるかもしれません。

ChatGPTのAPIを顧客管理システムなどに搭載し、顧客情報を匿名化したうえで利用すれば、すべての顧客情報を分析したうえで最適な対処法を提案してくれるようになります。

カスタマーサポートのオペレーターからすれば、ChatGPTをAIアシスタントのように利用する未来が、すぐそこまで来ています。

マーケティングシナリオの立案

従来のマーケティングシナリオ立案は、「人手によるクリエイティブな仕事」として行われてきました。しかし、自社の顧客情報を与えたうえでChatGPTにマーケティングシナリオを立案してもらうことも、もはや不可能ではありません。

複雑かつ綿密なマーケティングシナリオも、ChatGPTに与える情報と、いくつかの質問・条件指定によって可能となります。

そのため、今後はマーケターにおいてもChatGPTのようなAIチャットサービスをうまく利用し、より効率的にマーケティングシナリオを立案するスキルが求められるようになるでしょう。

分析レポートの自動出力

ChatGPTにCSV形式(テキストをカンマで区切る形式)でデータを与えると、分析レポートの自動出力も可能になります。さまざまな分析ツールが提供されている中で、ChatGPTが優れているのは「自然言語で分析レポートを出力できること」です。

グラフや事前定義された文章だけでなく、データをもとにしながら、ChatGPTが独自に分析レポート用の文章を作成します。これを利用すれば、分析レポートの報告会などに費やす時間を大幅に削減できそうです。

ChatGPTはデータ分析の分野において、さまざまな期待が集まっています。ビジネスアナリストなどデータ分析に携わる人材においても、今後はAIチャットボットサービスのスキルが求められるようになるかもしれません。

ChatGPTが抱えるリスク

世界のユーザーや企業に衝撃を与えるほど高性能なChatGPTですが、様々なリスクを抱えているのも事実です。ChatGPTが抱えるリスクをいかに解決するかが、AIチャットボットサービスの未来を決めると言っても、過言ではありません。ここでは、そんなChatGPTが抱えるリスクについて紹介します。

誤った情報によるリスク

ChatGPTが返す回答は、必ずしも正解とは限りません。そのため、間違った回答を鵜呑みにすることで様々なリスクが発生することが考えられます。

特に、健康や金銭に関するテーマの誤情報は人に与える影響が非常に大きいため、企業のコンテンツ制作等で活用する場合は、情報を正しく精査するスキルが求められます。

フェイクニュースが大量生成されるリスク

ChatGPTは質問に対して、架空の情報を回答するケースがいくつか報告されています。たとえば、ChatGPTに特定の氏名を入力し、その人物について教えて欲しいと質問をすると、存在しない人物について詳細な情報が返ってきます。

ChatGPTは存在しない情報に対して、基本的には回答できません。しかし、特定のワードを入力したり、プログラムの抜け道を利用すれば、フェイクニュースを大量生成することも難しくないのです。

ChatGPTの発展により、ネットユーザーには一層の情報リテラシーが求められるようになったといえるでしょう。

サイバー攻撃に利用されるリスク

ChatGPTは基本的に、犯罪的・暴力的なテーマについて回答しません。しかし、サイバー攻撃に利用されるリスクは大いにあります。

たとえば、2015年頃から被害が頻出している「標的型攻撃」は、ユーザーや顧客などに扮したメールを攻撃対象に送り、添付のファイルを実行させてコンピュータウイルスに感染させるサイバー攻撃です。

ChatGPTを利用すれば、標的型攻撃に利用する偽装メールを作ることも難しくありません。また、一部では「ChatGPTを使ってコンピュータウイルスの生成に成功した」という報告もあります。

カナダのセキュリティ会社であるBlackBerry社が行った調査によれば、ITセキュリティ専門家の51%が、「ChatGPTを起因としたサイバー攻撃が1年以内に発生する」と考えています。

学生の利用による学力低下のリスク

ChatGPTを利用すれば、論文作成なども可能です。前述のように複雑な計算も可能なので、学生がChatGPTを利用し、学校の課題やレポートを作成する可能性があります。

そのため、学生の利用による学力低下のリスクが懸念され、実際、ChatGPTに対する教育機関の対応についても注目が集まっています。

人の仕事が減り失業率が上がるリスク

ChatGPTがさらに進歩すれば、今後はさまざまな分野でAIチャットボットサービスが利用されると考えられます。

イギリスの大手新聞社であるThe Guardian社は、2022年12月に「教授やプログラマー、ジャーナリストは数年後に職を失うかもしれない」という内容の記事を投稿しています。

出典:AI bot ChatGPT stuns academics with essay-writing skills and usability|The Guardian

実際にそうした未来が到来すれば、多くの人が職を失い、失業率が上がってしまうリスクがあります。

企業の情報漏洩リスク

2023年(令和5年)5月現在、ChatGPTの商用利用は禁止されていません。しかし、ChatGPTには機密情報漏洩のリスクもあるため、社外秘の文書や顧客データ、プログラムのソースコードなど、機密性の高い情報の入力には注意が必要です。

ChatGPTに入力した情報は、ChatGPTの学習用データに取り込まれます。そのため、入力した機密情報がOpenAI社の社員の目に触れたり、ほかのユーザーの質問に対する回答の参考にされたりする可能性があります。

実際に、韓国のSamsung Electronicsで、機密性の高い社内情報をChatGPTに入力する事案が報告されています。

ChatGPTは正しく使えば非常に便利で、業務効率化に大きく貢献するものです。商用利用する際には、まず企業としての利用スタンスを明確にした上で、利用ルールを社内規定に盛り込んだり、研修を実施したりすることで、情報漏洩のリスクを回避することが重要です。

ChatGPTとデータサイエンスの可能性

データサイエンスとは、「企業が保有している膨大なデータを解析し、ビジネスの利益になるような知見を導き出すためのアプローチ」です。このデータサイエンスにおける、ChatGPTの活用が注目されています。

たとえばデータサイエンスの現場では、データ分析を極力正しく行うために、さまざまなバイアス(認識の偏り)を意識しなければいけません。データ分析を行う前段階として、「どのようなバイアスに注意すべきか?」、または「収集したデータにどのようなバイアスが生じているか?」など、自分では気付けないバイアスをChatGPTを通じて発見できる可能性があります。

その他、データのクレンジング(整理)やモデリング(設計)においても、ChatGPTを活用できる余地が大いにあります。

ChatGPTをデータサイエンスに取り入れられれば、データサイエンティストやデータアナリストは、より正しい分析結果を用いて、ビジネスの改善に取り組めるようになるでしょう。

おわりに

この記事で解説したように、ChatGPTはさまざまなビジネスシーンでの活用が期待されています。

これからのビジネスやデータサイエンスのあり方を大きく変える可能性のあるChatGPTに、今後も注目していきましょう。

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