7つの統計用語を知りましょう|マーケティングと重回帰分析 – その2

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7つの統計用語を知りましょう|マーケティングと重回帰分析-その2

マーケターの必須スキル・プロモーションの分析に、重回帰分析を使ってみましょう。5回にわたって、重回帰分析の基本を学びます。第1回では、図を使って「ざっくり」と重回帰分析を理解しました。続いては、よく使われる統計用語7つをご紹介します。

分析方法のひとつ、重回帰分析。 成果に対して複数の要素の関係・影響度をみることができるため、プロモーションの分析にピッタリと図を使って解説しました。 重回帰分析を数式に表すと、専門的な用語がいくつか登場します。重回帰分析だけではなく、より統計を理解する上で理解をしておくとプラスになります。 ですが、マーケのネタ帖が目指すのは「数式いらずの統計分析」です。

今は理解ができなくても、「統計の言葉なんだな」と把握しておくだけでOK。 では、7つの用語をご紹介します。

重回帰分析を数式で表すとこんな感じ

重回帰分析を理解するために必要な7つの用語

1:目的変数

他の変数によって「説明される」変数のこと。先ほどの重回帰式で言えば「=」の左側にある変数のことを指します。

2:説明変数

目的変数を「説明する」変数のことであり、重回帰式の「=」の右側にあるものです

なお、「目的変数&説明変数」は、「被説明変数&説明変数」や「従属変数&独立変数」など、いくつかの呼び方がありますが、意味することは同じです。

3:係数

説明変数が目的変数にどの程度の影響を与えるかを表す数値で、係数が大きいほど影響は大きくなります。

しかし、係数の大きさは説明変数のデータの単位によって影響を受けるため、同じ重回帰式の中でも、他の説明変数と影響力の大きさを比較することに使うことはできません。例えば、メートルのデータをセンチメートルに変えると、係数は100倍になってしまいます。 説明変数の影響の大きさを比較するには、後述するt値を用いることで代替できます。

4:定数項

定数項は、y切片とも呼ばれ、説明変数の変動に影響されない値のことを指します。

5:決定係数

まず1段目の決定係数から

上段にある「決定係数」は、重回帰式の精度を表す指標であり、目的変数の動きが説明変数によってどの程度説明できているのかを表している数値です。 100%に近づくほど精度が高いことを表します。R2とも表記され、重回帰分析の場合は「重決定係数」と呼ばれることもあります。 なお、決定係数は説明変数が増えると増加するという性質を持っています。しかし、これは見かけ上の精度が良くなるだけなので、自由度によって調整をした自由度調整済み決定係数を用いることもあります。

6:t値 7:p値

t値とp値

続いて、下段のt値とp値です。重回帰分析において、t値はそれぞれの説明変数が目的変数に与える影響の大きさを表し、絶対値が大きいほど影響が強いことを意味します。なお、ひとつの目安としてt値の絶対値が2より小さい場合は統計的にはその説明変数は目的変数に影響しないと判断します。p値は、それぞれの説明変数の係数の有意確率を表します。一般的に、有意確率が5%を下回っているとその説明変数は目的変数に対して「関係性がある」という判断をします。

統計用語として知っておくだけでも違ってくる

一気に難しくなった印象がありますか? 最初でも説明したように、すぐに理解をする必要はありません。単語を知っているだけで、統計学の本や資料が読みやすくなったり、理解が深まるはず。続いての第3回は、重回帰分析の失敗パターンについて説明します。

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