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「資本市場を通じて社会に貢献します」という企業理念のもと、2003年に設立。主に日本の成長企業に投資をする投資信託「ひふみ投信」や、海外の成長企業に投資をする投資信託「ひふみワールド」などを扱う。
私が所属しているマーケティング部では、ひふみ投信やひふみワールドなど、当社レオス・キャピタルワークス(以下、レオス)から直接商品をご購入いただく直接販売の購入促進・顧客獲得をミッションとしています。また、証券会社や銀行など、当社以外の金融機関から間接的に商品をご購入いただくこともできるので、そのサポートも行っています。
強みは3つあります。 1つ目は、実際に企業に足を運び、その成長を自分たちの目で確かめながら投資先を見極めていることです。レオスでは実際に投資先のオフィスや工場などに訪問し、財務情報などの定量面だけではなく、経営者やIR担当の方のビジョン、ミッション、お人柄などの定性面でも調査を行います。調査対象の企業も、広く知られているような大企業だけではなく、地味で地道な中小型銘柄を独自に発掘する「目利き」を行っています。
2つ目は、「守りながらふやす」運用を行っていることです。IT企業などの成長銘柄やディフェンシブな割安株、地味で地道な地方の中小型銘柄まで多様な価値観を組み入れることで “打たれ強いファンド” を目指しています。日々変化する株式市場の変化に柔軟に対応できるようにポートフォリオを構成しています。相場の上下によるお客様のハラハラドキドキをできるだけ低減するよう努めています。
3つ目は、「顔が見える」運用を行っていることです。レオスでは2021年1月に「お金のまなびば!」というYouTubeチャンネルを開設しました。レオスの代表取締役会長兼社長であり、「ひふみ投信」シリーズのファンドマネージャーでもある藤野英人を始め、その他の社員やゲストがお金や投資について共に考え、語り合い、学び合うようなコンテンツを公開しています。また、YouTubeだけではなく、お客様と交流するようなイベント・セミナーも積極的に開催していることが特徴です。
いかに “共感度” の高い顧客を獲得できるか、その方法を模索していました。 投資信託事業は、お客様が預けてくださる金額と、商品を所有してくださる時間に応じて売上が変動します。例えば、サブスクリプションサービスなどは、満足度が高いと継続してご利用いただけますが、金融商品は成績が良く、一定のリターンが生まれると利益確定のために売却、すなわち解約されてしまうこともあります。私たちのビジネスの価値は売却時に生じるので、お客様に満足いただいた上で売却されることは嬉しいのですが、相場の上下によって短期のお付き合いになってしまうことも少なくなく、大きな課題でした。お客様の立場からしても、一般的な個人の資産運用においては、短期の売買ではなく、長期投資が有効とされていますので、もどかしい思いでした。お客様とのつながりをどう維持していくかが求められました。
そこで、いかに私たちの商品を「好き」と感じてもらえるか、つまり、いかに “共感度” を高められるかを考え、商品のブランド化に取り組みしました。役職も年齢も関係なく、部署横断でプロジェクトチームを組成し、ブランドコンセプトを1年かけて作り上げ、私たちの「価値」を形にしていきました。
ブランドコンセプトに基づき作成した新たなロゴデザイン
新規顧客を継続的に獲得し続ける仕組みづくりができないか考えていました。従来、レオスではお客様の口コミや代表の藤野の書籍やテレビ放送が認知経路のメインであり、広告宣伝に積極的に投資をしておりませんでした。とはいえ、先ほどお伝えしたように、お客様の売却が目立つようになり、また新規顧客の獲得も頭打ちになりつつありました。
この課題に対する打ち手として、YouTubeチャンネル「お金のまなびば!」を立ち上げ、企画・運営を始めました。YouTubeチャンネルというコンテンツをプロモーションの手段として据えた背景としては、投資信託、として私たち「ひふみシリーズ」の魅力を伝えるためには、数十秒のテレビCMやランディングページでは決して十分とはいえず、ある程度の情報量が必要だと感じていたためです。繰り返し述べているように “共感” してもらい、「好き」と感じていただかなければお客様と深いつながりを維持することは難しいことはわかっていました。
また、当社の成功体験のひとつとしてテレビ番組の出演がありました。その構成や内容を分析し、YouTubeというプラットフォームで私たちが番組を制作し、分析し、より再現性のある施策にしたいと考えていました。
「自分で人生をデザインできる投資家をふやす」ことを目標に、企画・運営をしています。投資信託の仕組みを勉強するような動画もあれば、お笑い芸人の方をお招きしたエンタメ動画、経営者やその道の専門家の方をお招きして対談をするような動画まで、フックを散りばめつつ継続して楽しんでいただけるコンテンツ作りを心掛けています。動画そのものはもちろん、動画を企画制作するプロセスで得た知見も大切な資産ですので、中長期でマーケティング効果を活かせると考えています。
このYouTube施策にどれだけ影響があり、成果にどのように寄与しているのかを明らかにするためです。コストもリソースもかけている以上、顧客獲得やお客様の商品所有時間にどの程度影響しているのかを可視化し、社内外に説明する責任があります。YouTubeからの顧客獲得までのトラッキングはクッキー情報では取得できないので、MAGELLANでその影響度を可視化していきたいです。
まずは、先ほど述べた通りYouTube施策が成果に対してどのくらい効果があるのかをより正確に見ていきたいです。口座開設にどれだけ寄与しているのか、また、銀行や証券会社経由で購入いただくお客様に対しても影響があるのか、その影響度を可視化したいと考えています。
その次のフェーズとしては、より細かい粒度で分析を行いたいと考えています。例えば、コンテンツの訴求軸や配信曜日・時間帯など、どういう戦術が最適なのかを見極めていきたいです。テレビCMの効果分析に似ているところがあると思いますので、テレビCMの分析知見が豊富なサイカと一緒に最適解を見つけていきたいです。
私たちが大切にしている “共感度” がどう上がったのかも気になります。例えば、一見再生回数は少なくても、私たちがこれまで接触できていなかった層に対して効果的にアプローチできる動画であったり、より深い共感を得られるような動画であれば価値がありますので、新たな指標なども創り出して細かく分析していきたいです。
社内外で当社がよく伝えている言葉のひとつに「 “好き” を大事にする」という言葉があります。私たちの事業そのものである投資という活動もそうですし、その他にも個人のキャリア、習い事、恋愛など、私たちの生活の上で多くの判断は「損得」で考えてしまいがちですが、実は「好き嫌い」が「損得」よりも中長期的には重要であり、かつ結果として正しいジャッジになることが多いという考え方です。私も非常に共感しており、この「好きになってもらう」ことがマーケティングの目的だと考えています。私たちの商品「ひふみシリーズ」だけではなく、多くの日本人に投資を好きになってもらう。この業界全体の持続的な成長を目指す上でも大切にしていきたい考えです。
渉外・コミュニケーション統括本部 ブランド・コミュニケーション本部長
馬場 剛史 氏
事業概要
スマートフォン・携帯電話など従来の通信サービスを中心に、幅広い事業を展開。基盤となる通信を核に、コマース・金融・エネルギー・エンターテインメント・教育などのライフデザインサービスを連携しながら拡充することで、新たな体験価値の提供を目指しています。