RGMとは?消費財メーカーの収益成長管理と5つのレバー

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RGM(Revenue Growth Management / レベニュー・グロース・マネジメント)とは、価格設定、販促施策、容量・価格帯、チャネル、取引条件など、収益に関わる複数の要素を横断的に管理し、売上だけでなく利益を伴う成長につなげる意思決定の仕組みです。

どの施策が売上を動かしたのか分からない。値上げの幅は全SKU一律で決まる。取引条件は前年を踏まえて更新される——。多くの消費財メーカーで見られるこうした状態から抜け出す仕組みとして、今、日本の消費財業界でRGMが注目を集めています。

本記事では、特に消費財(CPG)・日用消費財(FMCG)メーカーの経営企画・営業企画・マーケティングに携わる方に向けて、RGMの定義、近接概念との違い、5つのレバーの内容、必要なデータと分析、組織のあり方、そして営業プロセスをどう変えるかまでを整理します。

RGMとは何か

RGMとは、Revenue Growth Managementの略で、日本語では収益成長管理と訳されます。データから収益が動くメカニズムを解明し、その分析結果を収益レバー(収益に関わる要素)の意思決定に反映し、実行後の成果を検証して次の意思決定につなげる、という継続的なサイクル全体を指します。単なる分析手法や価格戦略の名前ではありません。

RGMと従来の売上管理を分けるポイントは、売上の大きさだけでなく、その成長がどの程度の利益を生み出しているかまで評価することです。値引きや販促を強化すれば、短期的に売上や数量を伸ばすことは可能です。しかし、その増分が必ずしも利益を伴っているとは限りません。

だからこそRGMでは、収益レバーを横断して捉え、売上・数量・利益のバランスを見ながら、最も収益性の高い組み合わせを探っていきます。

RGMと混同されやすい概念との違い

RGMは近接する概念が多く、社内でも議論が噛み合わないことがあります。主な違いを整理します。

概念主な対象・焦点RGMとの関係
レベニューマネジメント時間経過で消滅する在庫の動的な価格・数量調整(ホテル・航空業界など)収益最大化を目指す点は近いが、RGMとは対象も前提も異なる別の枠組み。名称が近く混同されやすい
プライシング / 価格戦略価格のみRGMの1レバー
TPM(Trade Promotion Management / トレードプロモーション管理)販促施策のみRGMの1レバー
MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)広告・メディア投資MMMは効果を測る分析手法。RGMはその結果を意思決定に活かす仕組みであり、補完関係にある
カテゴリーマネジメントカテゴリー・売場カテゴリーマネジメントは小売主導の枠組み。RGMはメーカー側の収益設計が起点

レベニューマネジメントとの違い

ホテルや航空会社などで活用されるレベニューマネジメントは、客室や座席という「時間とともに消える在庫」を、需要に応じてどの価格でどれだけ売るかを制御する手法です。対象は自社が直接販売する在庫であり、消費者への販売価格を自社で決められます。

一方、消費財メーカーのRGMでは、卸・小売を経由して商品が消費者に届くケースが多く、メーカーが店頭価格(消費者が実際に支払う価格)を直接コントロールできる範囲には限界があります。そのため、出荷価格だけでなく、販促施策、容量・価格帯、チャネル、取引条件などを組み合わせて収益を設計する必要があります。価格と数量の組み合わせによって収益を最大化するという目的は近いものの、扱う対象と前提が異なるため、両者は別の枠組みとして捉えるのが適切です。

MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)との違い

MMMは、広告・販促施策・価格・配荷などのマーケティング活動や市場環境が、売上にどの程度影響したのかを統計的に推定し、マーケティング投資の最適化に活用する分析手法です。

たとえば価格や販促施策は、RGMの重要なレバーであると同時に、MMMで売上への影響を分析する変数でもあるため、対象が完全に分かれているわけではありません。違いを端的に言えば、MMMは「何が売上を動かしたのか」を分析するための手法であり、RGMは「その分析結果やデータを踏まえて、各収益レバーをどう動かすか」を決める意思決定の仕組みです。

したがって、両者は競合する概念ではなく補完関係にあります。MMMによってマーケティング活動や価格・販促施策などの影響を定量化し、RGMによってその結果を各レバーの意思決定につなげることで、マーケティング投資と営業・トレード投資を、より統合的な視点から評価・管理できるようになります。

なぜ今、日本の消費財業界でRGMなのか

RGMという考え方自体は新しいものではなく、海外においては統合的な経営手法として長く実践されてきました。日本でも、サントリー食品インターナショナル(2026年4月にサントリービバレッジ&フードへ商号変更)が、日本事業に取り入れている海外の好事例としてRGMを挙げています(出典:食品新聞、2025年7月)。

日本の消費財メーカーでRGMが注目される背景には、少なくとも3つの環境変化が関係しています。

コスト上昇に伴う価格改定と容量設計

帝国データバンクが主要食品メーカー195社を対象に行った調査では、飲食料品の年間値上げ品目数は、調査を開始した2022年以降5年連続で1万品目を超えています。値上げ要因(複数該当)では「原材料高」が90.9%で最も多く、「物流費」(65.8%)、「包装・資材」(64.0%)が続きます(出典:帝国データバンク、2026年8月)。

同調査は、価格を据え置いたまま内容量を減らす「実質値上げ」も、値上げ品目として集計対象に含めています。つまり、値上げは価格を上げるか容量を減らすかの選択でもあり、価格改定は容量・価格帯の設計と切り離して判断できないということです。

販売チャネルの多様化

総合スーパー、ドラッグストア、コンビニエンスストア、ディスカウントストア、そしてEC。チャネルごとに客層も価格帯も購買頻度も異なり、同じSKUを同じ条件で販売することが合理的でなくなりました。チャネル間の価格差の設計は利益を直接左右し、チャネルが増えるほど収益管理は複雑になります。

価格比較の容易化

ECやデジタルプラットフォームの普及によって、消費者が販売先をまたいで価格を比較することが以前より容易になっています。そのため、メーカーにとっては「いくら値上げできるか」だけでなく、価格変更が購買行動やチャネルごとの価格に対する認識・納得感にどう影響するかを捉えることが重要になっています。

3つの変化に共通する構造

コスト上昇、チャネル多様化、価格比較の容易化という3つの変化は、一見すると別々の問題に見えます。しかし、その本質的な要因(構造上の課題)は共通しています。それは、価格設定、販促施策、容量・価格帯、チャネル、取引条件といった収益レバーが、それぞれ別の部門の管理下に置かれ、個別の目標に従って最適化されているという点です。部門ごとの最適化をいくら行っても、収益構造全体が最適になる保証はありません。RGMは、この部門分断を見直すための仕組みでもあります。

日本の消費財業界に特有の構造:卸と帳合取引

さらに日本市場においては、この「社内の部門分断」に加えて、「社外の流通構造」が複雑さを増す要因となっています。グローバルで長く実践されているRGMをそのまま適用できない最大の理由が、日本特有の「卸・帳合取引」の存在です。

日本の消費財流通では、メーカーと小売チェーンの間に「卸」が介在する比重が大きく、この構造がRGMの前提を複雑にしています。その中心にあるのが「帳合」です。帳合とは、メーカーの商品がどの卸を経由して小売に届くかという取引経路を指します。同じ小売チェーンに納品していても、店舗や地域によって経由する卸が異なるケースは珍しくありません。メーカーの出荷データに記録されるのはあくまで「卸への出荷価格や取引条件」であるため、複数の卸を経由して届く小売チェーンごとの収益性を出荷実績だけで見ると、この差は平均値に埋もれてしまいます。

実務上のボトルネックは、商流が長いことそのものではなく、商流の途中で情報が切れることです。自社の出荷データは卸までしか追えず、そこから先の店頭で何が起きたかは、POSなど別のデータで補う必要があります。取引条件の一部が卸に対する支払いであることも、支払いと店頭の成果を対応づけにくくしています。

一方で、卸は重要なデータソースでもあります。競合の販促情報など、メーカーが自社では取得しにくい市場の動きを卸を通じて把握できる場合があります。RGMの設計では、卸を経由することで失われる情報と、卸経由でしか得られない情報を分けたうえで、商流のどこまでをデータで把握できるかを最初に確認しておく必要があります。

RGMで重視される5つの主要レバー

このように、部門間の分断に加えて日本特有の複雑な流通構造が存在するからこそ、全体を統合してコントロールする仕組みが必要になります。その対象となるのが、次の「5つのレバー」です。RGMで扱うレバーの分類は企業や業界によって異なりますが、重要なのはレバーの数よりも相互作用を含めて横断的に判断できるかどうかです。

以下では、消費財メーカーの実務を捉えるうえで重要な領域を、①価格設定、②販促施策、③容量・価格帯、④チャネル、⑤取引条件の5つに整理しました。レバーごとに「何を決めるか」「判断に必要なデータ」、現場が陥りがちな意思決定における「典型的な失敗」の順に解説していきます。

① 価格設定(Pricing)

各SKUの価格水準、値上げの幅とタイミング、チャネル間の価格差を決めるレバーです。

何を決めるか:どのSKUから値上げするか、値上げ幅をどこまで設定できるか、いつ実施するか。そしてチャネルごとにどの程度の価格差を許容するか。

ただし、店頭価格を最終的に決めるのは小売であり、メーカーが直接動かせるのは出荷価格と取引条件です。建値制かオープン価格かによって、メーカーが店頭価格の目安を示せるかどうかも変わります。

判断に必要なデータ:SKU別の店頭価格と販売数量の推移、価格改定時の数量変化、競合の価格動向。これらから価格弾力性(価格を1%変えたときに需要が何%動くか)を把握します。弾力性は単なる前後比較ではなく、販促施策や競合・季節性など価格以外の要因を分離したデータ分析によって推定する必要があります。この考え方は価格に限らず5つのレバーすべてに共通する要件であり、詳細は「RGMを支える分析」で解説します。

典型的な失敗:売上高だけで値上げの成否を評価すること、そして全SKUに一律の値上げ率を適用することです。

価格を上げると通常は販売数量が減りますが、「売上が減る=失敗」とは限りません。たとえば、200円の商品(変動費120円・限界利益80円)を5%値上げして210円(限界利益90円)にした際、販売数量が7.5%減ったとします。売上高そのものは2.9%減少しますが、手元に残る限界利益の総額は逆に約4.1%増加します。「どこまでの数量減なら、値上げ前と同じ限界利益を確保できるか」(この例では約11.1%)という線引きができて初めて値上げという意思決定につながります。

② 販促施策(Promotion)

特売、チラシ掲載、エンド陳列といった販促施策への投資配分を決めるレバーです。

何を決めるか:どの施策に、どの取引先で、どのタイミングで、いくらを配分するか。そして、どの施策をやめるか。

判断に必要なデータ:販促実施データ(施策の種類、期間、対象SKU)と販促費用、店頭のPOSデータ、通常時の販売数量。

典型的な失敗:販促費を総額でしか管理しておらず、ベースライン(施策がなくても売れた数量)と増分が分離できていないことです。投資の総額や施策中に売上が伸びたかだけを見ていては、どの施策が本当に売上を押し上げたのかを評価できません。この分離をどう行うかは「RGMを支える分析」で詳述します。

もう1つは特売の常態化です。値引きの頻度が高く値引き幅が大きい状態が続くと、消費者が特売価格を基準に考えるようになり、通常価格で売れにくくなる可能性があります。特売によって短期的に販売数量を伸ばせても、そのすべてが持続的な需要につながるとは限りません。RGMでは、販促施策による短期的な売上増加だけでなく、ベースラインとの比較や販促施策実施後の需要変化まで含めて、施策が利益を伴う成長につながっているかを評価します。

③ 容量・価格帯(Price Pack Architecture)

容量、パッケージ形態、チャネルごとの価格帯を1つの体系として設計するレバーです。

何を決めるか:どの容量をどのチャネルに置くか。容量間の価格の刻み(価格ラダー)をどう設定するか。業務用・家庭用、単品・マルチパックをどう配置するか。

判断に必要なデータ:容量別・チャネル別の販売数量と価格、購買頻度、併買の状況(購買者ID付きのPOSデータ=ID-POS)。

典型的な失敗:チャネルごとの個別最適でパッケージやSKUを無計画に増やし、自社商品同士でのカニバリゼーション(奪い合い)を引き起こすことです。特に、大容量と小容量で「容量あたり単価」の差が不適切に縮まっている状態や、容量が違うのに「1個あたりの店頭価格」が近すぎる状態を放置すると、利益率の高いSKUから低いSKUへ需要が流れる可能性があります。「容量の差」と「価格の差」が適切な価格ラダーになっているか、そして製造・物流コストを含めたポートフォリオ全体で採算が合っているかを検証していないことが主な原因です。

④ チャネル(Channel & Mix)

どのチャネル・取引先にどのSKUを置き、どこに注力するかを決めるレバーです。

何を決めるか:チャネル別・取引先別に、どのSKUを配荷するか。どこに注力し、どこから撤退するか。

棚割を決めるのは小売バイヤーのため、メーカー側で事前に収益性と需要の両面から重点展開SKUを判断しておくことが前提になります。

判断に必要なデータ:取引先別・SKU別の出荷数量と収益性、配荷率(対象店舗のうち何%に商品が置かれているか)、チャネル別の価格帯。

取引先別の実質的な収益性を捉えるには、取引経路である帳合単位までデータを分解する必要があります。

典型的な失敗:配荷の最大化そのものを目標にすることです。配荷を広げれば売上は増えやすい一方で、条件の厳しい取引先が増えれば利益率は下がります。重視すべきなのは、単なる配荷率ではなく、1店舗あたり・1取引先あたりにどれだけ利益が残るかです。

⑤ 取引条件(Trade Terms)

卸・小売との年間取引における各種の金銭条件や負担条件を設計するレバーです。企業や契約によって定義は異なりますが、リベート(割戻し)、販売奨励金、センターフィー、物流協力金、販促協賛金などが含まれます。

何を決めるか:これらの条件を、何に対して、どのような基準で支払うか。年間の交渉でどの条件を見直すか。

判断に必要なデータ:取引先別の条件の内訳と支払実績、条件と実際の売上・利益の対応関係。

典型的な失敗:前年踏襲のまま条件を更新し続けること、および条件の緩和そのものを目的にすることです。取引条件は、経理上の総額こそ把握しやすいものの、店頭での成果との対応関係が見えにくいため、見直しの根拠を持ちにくいのが実情です。だからといって一律に条件を切り下げれば、取引先との関係が損なわれ、配荷を失うリスクがあります。目指すべきは緩和ではなく、支払いの根拠を取引量の実績から達成してほしい成果に置き換え、条件と成果の対応を継続的に検証できる条件設計にすることです。

最初に着手するレバーはどれか

これら5つのレバーは互いに影響し合います。価格を上げれば販促施策の必要量が変わり、取引条件を変えれば店頭価格が動くこともあります。RGMが部門横断の取り組みでなければならない理由がここにあります。

では、最初に着手すべきレバーはどれでしょうか。多くの消費財メーカーでは、②販促施策の効果の可視化と最適化が最初の着手点になります。理由は2つあります。

第一に、5つのレバーの中で最も動かしやすいためです。価格改定や年間の取引条件は交渉と社内調整に時間がかかり、変更の機会も限られます。一方で、販促は施策の単位が小さく実施サイクルも短いため、検証と修正を短い間隔で回すことが可能です。

第二に、日々の営業活動の中心にあるためです。取引先との商談の多くは販促設計と実行に費やされています。販促施策の効果が数字で見えるようになること自体が、営業の交渉材料と社内の議論の前提を変えることにつながります。

ただし、販促施策から着手することはその領域だけを見ることではありません。販促施策の効果は通常価格の水準やパック構成などにも左右されるため、分析の対象を販促施策に絞る場合でも、価格と容量といった情報も併せて揃えておく必要があります。実際の進め方は「飲料メーカー:販促投資の配分見直し」の事例が参考になります。

RGMに必要なデータ

ここまで5つのレバーにおいて「各領域で何を判断し、どういったデータが必要か。そして典型的な失敗は何か」を見てきました。では、実際に分析を実行するために、現場ではより具体的にどのようなデータを、どう揃えていけばよいのでしょうか。

まずは、価格、原価、取引条件など、部門ごとに散在しているデータを「SKU×流通(取引先)」という共通の単位に揃えます。分析の前に、部門間で共有できる「同じ数字(事実)」をつくることが出発点です。

各種データは、分析の範囲や成熟度に応じて収集・統合していきます。以下では、最も着手しやすく効果が見えやすい②販促施策の効果可視化と最適化から始める前提で、段階を追って収集・拡張していく流れを整理します。

着手時に必要なデータ:ベースラインと増分の分離に向けて

販促効果を切り分けるには、次の2種類のデータを、自社商品と競合商品のそれぞれについて揃えます。いずれも、店舗別・SKU別に日次または週次の粒度で揃えます。期間は過去2年分が目安です。

※下記の区分は飲料・食品などのFMCGを想定した目安です。カテゴリーの粒度や販促種別の分類は業種によって異なります。

データ種別含まれる項目
POSデータ販売数量、販売金額、商品名、容量、容器種別、カテゴリー(例:緑茶、ミネラルウォーター、ブラックコーヒーなど)
販促施策データ施策の種類(値引き、1個買うともう1個無料など)、実施期間、対象SKU

メーカーの出荷データは卸までしか追えず、店頭で何が起きたかは分からないため、POSデータが欠かせません。また、競合のデータが揃わないと、自社施策の効果は切り分けられません。同じ期間に競合が販促施策を実施していれば、観測された数量の動きに競合の影響が混ざるためです。

なお、最初から全取引先・全店舗を一度に対象にする必要はありません。現実的な進め方は、取得しやすい範囲から始めることです。データが揃っている特定の小売チェーンに絞り、その全店舗・全対象SKUでモデルを構築し、判断に使えるかを確かめます。そこで有効性が見えれば、範囲を広げる根拠となります。

分析できる範囲を広げるための追加データ:金額・利益ベースでの検証に向けて

以下は必須データではありません。最低限必要なデータから分析を始め、必要な範囲に応じて収集するのが現実的です。

データ種別含まれる項目何が分かるようになるか入手元
販促費用売価引き、納価引き、POP費用などの金額と内訳販促費に対する効果(費用対効果)営業企画、経理
自社原価データ売上原価、納価自社の利益ベースでの効果経理
外部環境データ気温、降水量外部要因の影響を分離した効果気象データ提供事業者

なお、気温や降水量などの外部環境データは分析を行う側で新たに用意することも可能ですが、社内(営業企画など)ですでに参照している数字があれば、そちらを優先して使用することをおすすめします。どれだけ正確なデータを使っても、現場が普段見慣れている数値とズレがあると「数字の妥当性」の議論に時間を取られ、本来の意思決定に進めなくなるリスクがあるためです。

5つのレバーを横断する際に必要なデータ:レバー全体の最適化に向けて

②販促施策を超えて、①価格設定、③容量・価格帯、④チャネル、⑤取引条件まで横断して管理する段階では、以下のデータを部門横断で統合していきます。

データ種別含まれる項目何が分かるようになるか関連レバー入手元
出荷データ取引先別・SKU別の出荷実績と出荷価格取引先・SKUごとの出荷価格と出荷構成(ミックス)の偏り①④⑤自社基幹システム
取引条件取引先別の条件の内訳と支払実績取引先ごとの収益性(条件差し引き後の実質利益)①④⑤営業企画、経理
配荷データ配荷率配荷拡大による売上への寄与(他施策の効果から配荷の影響を除く際にも使用)②④小売、調査会社
ID-POSデータ購買者ID付きの購買履歴容量・価格帯変更時のカニバリゼーションや購買行動の変化③小売、データ提供事業者

出荷データや取引条件のデータが複数のレバーにまたがるのは、レバー同士が互いに強く影響し合っているからです。たとえば「価格設定」を単独で評価しようとしても、裏で連動する値引きやリベートを差し引いた「実質的な取引価格(ネットプライス)」を見なければ、本当の収益性は分かりません。レバーを個別に追うのではなく、データを統合して横断的に評価すべき理由がここにあります。

財務データとSCMデータの扱い

ここまで見てきたデータに加えて、社内には財務や物流(SCM)など様々なデータが存在します。「どこまでデータを統合すべきか」という範囲と優先順位の整理も、プロジェクトを頓挫させないための重要なポイントです。

まず、財務データ(売上原価や納価など)との接続は、利益ベースで効果を測る段階で不可欠になります。原価が入って初めて、施策による「増分」が最終的な利益にどう貢献したかを正しく評価できるためです。一方で、SCM(サプライチェーンマネジメント)データとの結合は、データの粒度や更新頻度、マスタ構造が販売系データと大きく異なるため、統合の難易度が非常に高くなります。そのため、RGMの初期段階で取り組む対象としては現実的ではありません。

データ統合は一足飛びに行うのではなく、まず販売と販促施策、次に原価、(将来的な)SCMというように、段階的に範囲を広げていくことが着実な推進につながります。

RGMを支える分析

RGMの5つのレバーを統合判断するためには、まず「何がどれだけ効いたか」の切り分け(効果の特定)が前提となります。価格を1%変えたときの数量変化、特定の販促施策が生んだ増分、配荷を広げたことによる売上への寄与。これらは、観測された販売実績をそのまま読んでも区別がつきません。

そこで、データ収集の際に揃えた「SKU×流通(取引先)」単位の実績データに対して、回帰分析を中心とした効果分析モデルを構築します。過去2年分のデータから、これらの影響を気温や降水量といった外部要因と切り分け、それぞれ係数として推定します。

ただし、どこまで識別できるかはデータの粒度や施策の実施状況、モデル設計によって異なります。過去のデータに十分な変動がなければ推定できない要因もあり、その場合は、次期の施策設計で意図的に条件の差を作り、推定に必要な変動を確保するという進め方もあります。

分析における2つの論点

こうしたモデル構築が必要な理由は、観測された生の販売数量から、効果やその要因を統計的に切り分ける必要があるからです。 

ベースラインと増分の分離:観測された販売数量には、施策や変更がなくても発生したと考えられる「ベースライン」と、追加的に生じた「増分」が含まれます。値上げ後に数量が5%減ったとしても、それが値上げによるものかは「値上げがなかった場合の数量」と比較して初めて評価できます。評価の対象は常に「実施した場合と実施しなかった場合の差」であり、これは販促施策に限らず、配荷拡大やパック構成の変更も同じ構造です。

要因の識別:販売数量は、価格、販促施策、配荷、季節性、競合、天候などの複数要因が同時に動いた結果です。単純な前後比較では値上げの影響と販促の影響を区別できないため、これらを同時に扱えるモデルが必要になります。

レバーを共通の指標で比較する

ベースラインと増分の分離、および要因の識別ができて初めて、レバーをまたいだ比較が可能になります。代表的な指標は次の2つです。

増分ROI:「施策によって生じた増分利益(限界利益ベース)÷ 増分投資額」を指します。観測された売上や利益の総量ではなく、施策がなかった場合と比べて追加的に生じた分だけで評価する点が重要です。この考え方により、異なる販促施策や取引条件の支払いを共通の物差しで比較できます。

ネットプライス:各種の値引き・リベート・協賛金などを差し引いた「実質的な取引価格」のことです。出荷価格が同じでも、条件の内訳が異なれば取引先ごとの実質価格は変わります。価格設定と取引条件を切り離さずに評価するための指標です。

シミュレーションによる意思決定の検証

こうしてSKU×流通単位で構築したモデルは、施策を実行する前のシミュレーションに活用します。「特定SKUだけ値上げ幅を抑えた場合の利益変化」や、「値上げと同時に販促施策を減らした場合と、値上げ幅を抑えて販促施策を維持した場合の限界利益の比較」など、複数のレバーが互いに及ぼす影響を試算し、確かめてから実行に移します。

主な分析単位を「SKU×流通」とするのは、カテゴリー全体の平均では、値上げ余地の大きいSKUと小さいSKU、販促が効く取引先と効かない取引先の差が打ち消し合って見えなくなるためです。 

分析の粒度と意思決定の粒度を一致させ、実行前に分析で確かめること。これがデータに基づいたRGM推進の核となります。

RGMを担う組織:誰が意思決定するのか

解明したメカニズムは、誰が、いつ、何を見て決めるのかという仕組みに落とし込まれて初めて機能します。接続先が定義されていない分析は、報告書として残るだけで、価格改定や条件交渉の意思決定にはつながりません。

専任機能を置くか、既存部門に持たせるか

RGMが分析だけで完結しない最大の理由は、レバーを管理する部門が分かれており、追っているKPIが異なる点にあります。営業は売上・数量・シェア、マーケティングはブランドや需要、財務は利益・コストを追います。それぞれの立場から見れば判断は正しくても、全体最適を議論する場ではしばしば衝突します。衝突の原因は個人の判断ではなく、部門ごとに別々の目標を課している設計そのものにあります。

こうした部門ごとの利害対立を乗り越え、全社視点で最適化を行うためには、組織体制をどう設計すべきでしょうか。RGMを推進する体制には、大きく2つの型があります。

専任機能を置く型:営業企画やファイナンスの配下にRGM機能を設置し、価格・販促施策・取引条件を横断管理します。判断の一貫性は保ちやすい一方、現場との距離が生まれると、実行されない計画になる可能性も否めません。

既存部門に持たせる型:既存の部門構造を維持したまま、横断の会議体で調整します。現場の感覚は保てますが、部門間の利害調整に時間がかかり、結論が慣習に流される可能性があります。

どちらが正解ということはありません。重要なのは、手法の選択以上に「価格や取引条件などの最終判断(決裁権限)を誰が持ち、どの会議体で決定するか」をあらかじめ定義しておくことです。その判断がどの場で下され、営業の行動をどう変えるかは、次に見ていきます。

RGMは営業プロセスをどう変えるか

実務では、RGMは分析プロジェクトとしてよりも、営業の進め方の変化として現れます。取引先ごとの販促設計、条件交渉の準備、実績の振り返りといった日々の判断に、共通の指標が加わるためです。

取引先との対話はどこが変わるか 

増分ROIやネットプライスといった共通の指標と、施策の事前シミュレーションを使うことで、取引先とのやり取りは次の3つの場面で変わります。

場面これまでこれから
取引先ごとの販促設計提案の根拠が過去の実施実績と自社の期待に寄り、取引先の側で採否を判断する材料が乏しい値引き幅・期間・対象SKUごとの増分の見込みを示せるため、取引先も自店の売上・利益の観点で納得感を持って判断できる
条件交渉の準備条件の見直しが関係性や過去の経緯の話になりやすく、双方が持ち出せる根拠が限られる条件変更が双方の損益にどう効くかを示し、代替条件(配送頻度や発注量の見直しなど)とセットで持続可能な提案ができる
実績の振り返り達成率の共有にとどまり、次回の合意形成につながりにくい施策がなかった場合との差を示せるため、次回の販促設計や発注計画、容量構成の見直しを同じ数字で議論できる

増分の見込みを取引先と共有できるようになると、商談のテーマは施策の採否だけにとどまりません。想定される販売数量に見合った発注量や容量構成といった、商談の前提そのものを双方にとってメリットのある形で設計できるようになります。

増分の見込みを取引先に示せる状態をつくるには、社内で数字を決める場が明確になっている必要があります。四半期の価格・販促計画、年間の条件交渉、月次の実績検証という3つの場が、取引先との3つの場面に対応します。どの場でも、誰が何を見て何を決めるかを、あらかじめ決めておきます。

そのうえで、その場で使われる指標が部門間で共通していることが前提になります。増分ROIやネットプライスが共通言語になれば、取引先に何を提案するかの判断も、部門ごとの立場ではなく、同じ数字から導けます。

RGMの取り組み事例

ここでは、特定のレバーを起点として着手したサイカの支援事例を2つ紹介します。2つ目は家電メーカーの事例ですが、卸・量販店を経由し、店頭価格をメーカーが直接コントロールできないという流通構造は消費財メーカーと共通しているため、同じ考え方が適用できます。

飲料メーカー:販促投資の配分見直し

飲料メーカー:販促投資の配分見直し
  • 扱ったレバー:②販促施策
  • 課題:販促費の総額は把握できていたものの、施策別の効果を可視化できておらず、どの施策を減らし、どの施策に投資を割り振るべきかを数字で判断できない状態でした。
  • アプローチ:全取引先を対象とはせず、まずはデータが取得しやすい特定のチェーン(コンビニエンスストア等)に絞り、SKU単位のモデルから分析を実施しました。観測された販売数量をベースラインと販促施策による増分に分離し、施策ごとの増分ROIを共通の指標で比較しています。
  • 結果:投資配分を見直した場合をシミュレーションした結果、販促費を1.1%抑えながら販売金額を2.3%増加させる配分が導かれました。さらに、「どの販促施策が、どのSKU・取引先で、どの程度需要を動かすか」という分析の知見を販促計画に持続的に反映するため、需要予測や販促計画につなげるAIプラットフォームの構築まで支援範囲を広げています。

家電メーカー:価格下落メカニズムの特定と条件設計

家電メーカー:価格下落メカニズムの特定と条件設計
  • 扱ったレバー:①価格設定、④チャネル、⑤取引条件
  • 課題:「いつ、どの取引先に、どの施策を打てば全体の利益が最大化するか」が不透明でした。特に問題となっていたのは、取引先間で市場価格が連鎖的に下落していく構造です。この現象自体は認識されていたものの、どの取引先が価格崩壊の起点になっているかまでは特定できていませんでした。
  • アプローチ:主要な8つの取引先・3機種を対象に、パネル分析を組み合わせて計32モデルを構築し、取引先間の価格連動構造を推定しました。
  • 結果:ある大手取引先の店頭価格の変動が、市場全体の価格変動に先行・連動する構造が示されました。この結果を受け、大手取引先には価格防衛を意図した条件設計を行うこと、中堅取引先には販促効果が最も高い数社に施策を集中させ、効率的にシェア獲得を図ることを決めました。

自社にRGMの余地があるかを確かめる

ここまで、RGMの考え方や分析のメカニズム、そして実事例を見てきました。では、「自社において、RGMに取り組む余地(伸び代)がどこにあるのか」はどのように見極めればよいでしょうか。以下の簡易チェックで、どのレバーの、どの意思決定に改善の余地があるかを確認してみましょう。

なお、このチェックリストは本記事独自の簡易診断であり、RGM成熟度を客観的に測定するベンチマークではありません。

価格設定
□ 値上げの幅が、ほぼ全SKU一律で決まっている
□  値上げの成否を、売上高で評価している

販促施策
□ 販促費の総額は分かるが、施策別の効果は誰も答えられない
□ 特売の実施回数や時期が、実質的に前年踏襲で決まっている

容量・価格帯
□ 容量ごとの価格帯の刻み(価格差)に、明確な根拠や設計がない
□ 自社SKU間のカニバリゼーション(奪い合い)を確認したことがない

チャネル
□ 取引先別の収益性を、取引条件まで含めて把握していない
□ 配荷率の拡大自体が、そのまま目標になっている

取引条件
□ 取引条件が、前年を起点に更新されている
□ リベート・協賛金などの取引条件が、いくらの増分を生んだかを検証する場がない

組織
□ 価格・販促施策・取引条件などの最終判断者が明確になっていない
□ 営業・マーケティング・財務が、それぞれ別の指標で議論している

結果の読み方

チェックリストの該当項目が多いこと自体が問題なのではありません。重要なのは、チェックがどのレバーに散らばっているかです。

価格だけに該当するなら、価格設定の見直しから始められます。価格・販促施策・取引条件・組織にまたがって該当するなら、レバーを個別に改善するよりも、部門横断で意思決定の仕組みを見直すほうが適しています。ただし着手の順序としては、該当箇所が広い場合でも「最初に着手するレバーはどれか」で述べた理由から、販促施策から着手するケースが多いです。

RGMを単発の分析で終わらせないために

RGMの価値は、価格、販促施策、容量・価格帯、チャネル、取引条件という複数のレバーを横断し、それぞれが売上・利益にどう影響するかを捉えたうえで、持続的な意思決定につなげることにあります。

そのためには、分析を一度実施して終わるのではなく、実行前にシミュレーションで確かめ、実行後に結果を検証し、次の意思決定(価格改定や販促計画、条件交渉など)へ反映するサイクルをつくることが重要です。このサイクルが一巡するごとに、判断の根拠は確かで再現性の高いものへと進化していきます。

つまりRGMは、5つのレバーを管理するフレームワークではなく、レバーを横断してデータから意思決定、実行、検証までをつなぐ「経営の仕組み」そのものです。そしてその変革の成果が最も目に見える形で現れるのが、日々の営業現場における取引先との商談の場なのです。

サイカは2012年の創業以来、データサイエンスの力で日本を代表する多くの企業のマーケティングを科学してきました。「SKU×流通」を起点としたメカニズム解明とシミュレーションを通じて、収益レバーの定量評価から社内の意思決定プロセスへの定着まで、企業の持続的なRGM推進を支援しています。

関連サービス: 収益成長管理|消費財メーカーのためのRGMコンサルティング

RGMに関するよくある質問

RGMとは何ですか?

RGMは、Revenue Growth Management(レベニュー・グロース・マネジメント)の略で、収益成長管理と訳されます。価格設定、販促施策、容量・価格帯、チャネル、取引条件といった収益レバーを横断的に管理し、売上だけでなく利益を伴う成長につなげる意思決定の仕組みです。なお、社内での呼称は企業によって異なることが多く、外資系企業の日本法人ではRGMのまま運用され、日本企業では収益管理などの部門名で呼ばれることもあります。呼称や前提が揃っていないと部門横断でのスムーズな議論や連携が難しくなるため、まずは社内で用語の定義を合わせておくことが出発点になります。

RGMはどのような業界で使われますか?

主に、飲料・食品・日用品・化粧品などを扱う消費財(CPG)・日用消費財(FMCG)メーカーが該当しますが、家電メーカーなど商流構造の似た業態(卸・小売を経由するため店頭価格を直接決められないこと・SKU数が多く価格反応がSKUごとに異なること・取引条件の支払いが利益に対して大きな比重を占めること)でも同じ考え方が応用されています。

RGMとレベニューマネジメントの違いは何ですか?

最も大きな違いは、価格を自社で決められるかどうかです。ホテルや航空会社などで活用されるレベニューマネジメントは、自社が直接販売する客室や座席を対象とするため、需要に応じて価格と数量を自ら制御できます。一方、消費財メーカーのRGMでは商品が卸・小売を経由するため、店頭価格を直接決められません。そのため出荷価格に加えて、販促施策、容量・価格帯、チャネル、取引条件などのレバーを最適に組み合わせて収益を設計する必要があります。名称は似ていますが、前提の異なる別の枠組みです。

RGMの5つのレバーとは何ですか?

本記事では消費財メーカーの実務に沿って、「価格設定、販促施策、容量・価格帯、チャネル、取引条件」の5つに整理しています。レバーの分類は企業や業界によって異なりますが、数そのものよりも、5つが連動する点が重要です(例:配荷を広げれば取引条件の厳しい取引先が増え、取引先別の収益性が変わる)。担当部門ごとに1つのレバーを最適化しても、収益構造の全体最適にはつながりにくくなります。

販売奨励金とリベートの違いは何ですか?

一般に、リベートは取引量の実績に応じて後から支払う割戻し、販売奨励金は特定の販売活動や目標の達成に対して支払うインセンティブを指します。ただし明確な区分は企業によって異なり、両者を分けるかどうか、また会計上どう処理するかは各社の運用に依存します。そのため、RGMの実務においては一般的な定義を探すよりも、自社の取引条件にどのような支払いが含まれ、それぞれ何に対して支払われているかを具体的に棚卸し、整理することが第一歩となります。

RGMはどのレバーから始めるべきですか?

販促施策から始める企業が多い傾向にあります。価格改定や年間の取引条件は交渉と社内調整に時間がかかる一方、販促施策は実施サイクルが短く、効果の検証と修正を短い間隔で回せるためです。ただし、同じ施策でも通常価格の水準や容量構成によって効き方が変わるため、販促施策から着手する場合も、価格と容量のデータは同時に揃えておく必要があります。

RGMとMMMは何が違いますか?

両者は競合せず、補完関係にあります。MMMは、広告や販促施策、配荷などが売上にどの程度影響したかを統計的に推定する分析手法です。RGMは、その推定結果を価格や販促施策、容量・価格帯、チャネル、取引条件の意思決定に反映させるための仕組みです。つまり、MMMが施策の効果を定量化し、RGMがそのデータをもとに具体的なアクションを決めます。

RGMを始めるには最低限どのデータが必要ですか?

自社と競合の、POSデータと販促施策データの4種類です。店舗別・SKU別に、日次または週次で過去2年分を揃えます。競合データが必須なのは、同じ期間の競合施策の影響を除かなければ自社施策の増分を切り分けられないためです。販促費用、売上原価、気温などは測定できる範囲を広げますが、着手の条件ではありません。

RGMの実践にはどのくらいの期間がかかりますか?

期間を左右するのは、分析の難易度よりも対象・範囲の広さです。データが揃っている特定の小売チェーンに絞った初期分析であれば数か月単位です。価格・販促施策・取引条件を横断する意思決定の仕組みとして定着させる場合は、年単位の取り組みになります。

RGMを導入すると営業プロセスはどう変わりますか?

取引先への提案に、増分の見込みを数字で添えられるようになります。販促設計、条件交渉の準備、実施後の振り返りという業務そのものは変わりません。変わるのは、提案の妥当性を自社の期待ではなく推定された効果や増分の見込みで説明でき、取引先と同じ数字をもとに商談できることです。

RGMの効果(成否)はどう判断すればよいですか?

売上ではなく成長が利益を伴っているか、またデータに基づいた意思決定サイクルが回っているかで評価します。施策単位では増分ROI、価格の面ではネットプライス、全体では営業利益への貢献を見ます。数値的な利益の伸びだけでなく、感覚や前年踏襲に頼っていた商談・判断が合理的なプロセスに変わったかという組織変化も、重要な評価軸となります。

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