マーケティング施策の評価に欠かせない : MROI(マーケティング費用対効果)

コラム
マーケティング

マーケティングに成功しているといわれる会社の多くは、スピーディーにPDCAを回しています。中でも、実施した施策の効果を正しく評価し、こまめに改善していくステップはとても重要です。しかし、SNSの発達や顧客行動の多様化が進むにつれ、施策の効果測定そのものの難易度も上がっています。認知向上、刈り取り、リピート獲得など、異なる目的で実施されたあらゆるマーケティング施策の効果を比較する指標の1つに「マーケティングROI」があります。本稿では、マーケティングROIの基本情報をはじめ、マーケティングROIが重要視されるに至った背景や活用方法についてご紹介します。

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そもそも、ROIとは?

ROIとはReturn on Investmentの略で、投資利益率や投下資本利益率と訳されます。投資に対してどれだけ利益を得られたのか、つまり「費用対効果」を表す指標です。現代のビジネスにおいて、欠かせない観点となっています。

ROI (%) = (利益額/投資額)*100

数値が高いほど費用対効果が高く、100%未満は投資額を回収できていないということになります。ROIを改善するためには、投資額を減らすべきなのか売上を上げる必要があるのかといった分析を行うことが重要です。

中でも、マーケティングROIとは、マーケティングにかけた費用に対してどれだけの利益を得られたのか、つまり「マーケティング活動における費用対効果」を意味します。

マーケティングROI(MROI)が重要視される背景

以前より、顧客の心理への影響度が尺度となるため、マーケティング施策の効果測定は難しいと言われていました。さらに近頃では、テレビやチラシなどのオフラインに加え、SNSをはじめオンラインの媒体も発達しており、顧客行動の多様化が進んでいるため、マーケティング施策が行われるメディアも多様化しています。マーケティング活動に注力する会社が増えてきたこともあり、あらゆるメディアで様々な施策を行い、効果がイマイチわからないけれども多額の費用を費やしているという状況でした。

しかし、リーマンショック以降の不況の影響で、マーケティングにおいても「低予算で効果を上げられる施策に注力し、販促費を抑えたい」、「投資額は増やさずに、より効果の高い施策を行いたい」というニーズが高まってきたため、マーケティングROIを用いた施策の効果測定/評価が重要視されるようになりました。

マーケティングROI(MROI)活用のポイント

販促予算配分やシミュレーション

毎年、どの施策にどの程度の予算を配分するか頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。実際、担当者の経験や感覚値をもとに算出しているという話も耳にします。マーケティングROIを基準に施策を比較することで、限りある予算をどの施策に割り当てるべきか論理的に判断することができます。また、利益目標を達成するために必要な販促予算を逆算でシミュレーションすることも可能です。マーケティングROIに基づいた予算配分や予算シミュレーションは、社内提案時の説得材料としても有用です。

適切な利益設定

マーケティングROIの算出にあたり鍵となるのが、何を“利益”とみなすかという点です。利益に設定する値により、ROIは大きく変動します。

例えば、短期間での売上げ向上を“利益”とする場合、認知向上には貢献するが購入につながりにくいテレビCMは、ROIが低いため中止するという結論になるかもしれません。しかし、中長期的なブランド育成を“利益”とする場合、テレビCMを視聴したターゲットがブランドイメージを築いた結果として数年後の購買につながっていれば、テレビCMのROIは高いという結論になります。

適切な利益設定をしたうえで、マーケティングROIを算出することが重要です。

まとめ

マーケティングROIは、マーケティング施策の費用対効果を測定するための指標です。オンラインメディアを中心に多くのデータを取得できるようになったこともあり、今後さらに重要視されるでしょう。マーケティングROIを上手に活用し、さらなるマーケティング施策最適化を検討されてみてはいかがでしょうか。

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