【CEO・CTO対談】「いま凄い人」ではなく「これから凄くなる人」と働きたい。サイカの新CTOが目指す”モノづくり”の組織と働き方の理想とは

About XICA

お初にお目にかかります。PR・ブランディング室で室長をしております、国松と申します。
(Wantedlyに投稿するのが初めてなので書き出しが固くなっています。笑)

今回はサイカにとってのビッグニュースをお知らせしたく、ストーリーを投稿します!

そのビッグニュースとは、新CTOの就任です。

CTOに就任したのは、これまで数多くの企業で開発組織をリードしてきた是澤太志さん。
是澤さんのサイカ入社、そしてCTO就任を報せる記事として、今回はCTO是澤さんとCEO平尾さんの対談の様子をお伝えします!
対談では、是澤さんが入社に至った経緯、そして、新たなCTOである是澤さんと共にサイカがこれから目指す組織や働き方の理想像について語られています。

是澤 太志
2000年に愛媛のITベンチャーで働いたのをきっかけにITエンジニアとなり、株式会社トーセ・株式会社シーエーモバイル・株式会社ALBERT・株式会社Speee・株式会社メルカリなど12社でテックリードやCTO、VPofEngineeringというエンジニアキャリアを経て、2020年にサイカにジョイン。またその傍ら、8年ほど続けてきた個人事業主を2018年8月に法人化し、合同会社クロスガレージのCEOとして複数社の技術・組織・プロダクトの顧問などもつとめる。

「課題だらけ」の組織からのスタート。しかしチャレンジを実現する土壌があった

代表取締役CEO 平尾 喜昭(以下、平尾):まずは、ご入社おめでとうございます(笑)。

執行役員CTO 是澤 太志(以下、是澤):ありがとうございます(笑)。

平尾:サイカ新CTO就任、ということで、今回は普段の社員インタビューとは趣向を変えて、是澤さんが入社した経緯や、これからサイカで実現したい開発組織や働き方の理想像について私から色々と聞いていこうと思います。

是澤:よろしくお願いします。

平尾:まずは入社の経緯から聞いていこうと思いますが、是澤さんにはサイカに入社する以前から約2年間にわたって外部アドバイザーとしてサイカの開発組織をサポートしてもらっていました。少し聞くのが怖いですが(笑)、外部アドバイザーとしてサイカをサポートし始めた当時、是澤さんからサイカはどう見えていましたか?

是澤:率直に言って、課題だらけでしたね(笑)。最初は「開発の採用をサポートしてほしい」というオーダーをもらっていたんですけど、そもそも開発組織としてのビジョンが無かったり、開発のスタイルが定まっていなかったり、採用以前の問題が山積してる状態でした。なので、早々に平尾さんを巻き込んで開発に期待することを明確にするためのオフサイトをしたのを覚えています。

ただ一方で、当時からサイカに対して良いなと思っていた面があって、まさに「サイカ」という社名のとおり、会社として「才能開花」するために、これからの事業フェイズにおいて経営陣がモノづくりに期待を持って投資する覚悟を決めてましたよね。そこに会社として急成長していくための素地を感じました。あと、当時は平尾さんや開発マネージャーの松嶋さんに対してかなり厳しいフィードバックをする場面もあったんですけど、平尾さんや松嶋さんはそれに食らいついてきてくれました。経営陣もエンジニアも本気で「成長したい」という意思を持っている点はすごくポジティブに捉えてましたね。

平尾:是澤さんと初めて会った日に「本気でモノづくりを良くする覚悟がありますか?」と聞かれたのは今でも印象に残ってます。「こんなに強烈な主体性を持った外部アドバイザーは初めてだ」と(笑)。

あと当時の是澤さんについて印象に残っていることが2つあって、1つ目が「すごく才能開花を体現してる人だな」と。組織づくりをする上で、所属するメンバーのキャリアや成長について常に本気で考えられているのが伝わってきました。2つ目は、僕は「イノベーションこそ仕事だ」と思ってるんですけど、是澤さんも「小さい成功を求めるのではなく、世の中を良い方向に変革していくために仕事をするべき」という考えを持っていて、そこの感覚がすごく合うなと。そういう人や仕事に対する価値観が合っていたので、「一緒に働きたい」と考えるようになったのも自然な流れだったかなと思います。

是澤さんは、なぜサイカで働こうと考えるようになりましたか?

是澤:平尾さんが言った「小さな成功を求めない」という話に繋がりますけど、次のチャレンジとして僕は「いままでの経験を超えるようなモノづくり組織を創りたい」という想いがあって、破壊的イノベーションを起こすような開発組織を創ることに本気でチャレンジしたかったんです。平尾さんやサイカの経営陣と話していく中で、サイカでならそのチャレンジができると思えたのが、入社を決めた大きな理由ですね。

サイカは平尾さんが言っている「世の中を変革するようなチャレンジ」に本気で賭けようとしていましたし、BtoBのSaaS事業でビジネス基盤が安定してきているのもあってモノづくりにしっかりとした投資ができるフェイズに入ってきたので、僕がやりたいチャレンジを実現できる土壌があると思いました。

目指すのは技術の先にある”モノづくり”。エンジニアの枠を超える人材を育てたい

平尾:「チャレンジ」という話が出たので、次は是澤さんがCTOとしてサイカで実現したいことや取り組んでいきたいことについて聞いていこうと思います。

是澤さんはサイカに入社してまず、サイカの開発組織のビジョンである「モノづくりVISION (※)」を作りましたが、モノづくりVISIONを作った意図と、モノづくりVISIONで語られている3年後の理想像について改めて教えてください。

※ 「モノづくりVISION」の詳細は是澤さんのnoteをご覧ください

CTOはじめました、そして「モノづくりビジョン」を公開します。|futoshi|note

是澤:3年後の開発組織の理想像を目指すにあたって、メンバーの一人ひとりに、技術を磨くことだけに集中するのではなくて、技術を一つの手段として使ってどういう価値を生み出すか

平尾:「TECH VISION」を定義している企業は多いと思いますけど、あえて「TECH」ではなく「モノづくり」としたのは、技術の先にあるプロダクトや価値にフォーカスしたかったからなんですね。

是澤:まさにそうです。エンジニアが開発だけをするのではなく、たとえば企画の立ち上げからビジネスチームの巻き込みまでも自分でやって、それが会社の中核事業に育っていく、みたいな状況が生まれる土台を3年後までに築きたいと思ってます。

そして、その土台を築いた上で、さらに将来的には、事業やプロダクトを生み出したい意思を持ったモノづくりの人達が自律的にチームを作ってチャレンジしていく状況を作りたいです。この20年を見てきても、IT業界で成功してる企業はそういうことができてると思うんですよね。

そういう状況の延長線上で、モノづくりの人達が経営に携わる機会が増えていって、モノづくりを経験してきた経営者や投資家がたくさんいる、という世界を20年後には創りたい。

平尾:なるほど。モノづくりVISIONを作るのとあわせて、アドバイザリーボード(※社外のプロフェショナルで構成される、サイカのモノづくりをサポートする組織)も立ち上げましたね。

是澤:モノづくりVISIONの実現に向けて、モノづくりにおいて試行錯誤してきた企業のやり方や、業界内で経験を積んできた人たちの考え方をしっかりキャッチアップしながら、それをサイカの中で実証実験していきたいと考えてます。たとえばGoogleはこの20年でもっとも大きく飛躍したモノづくり企業のひとつですが、アドバイザリーボードにはそこでの経験を持つ池田さんにも入ってもらっていて、Googleの思想や考え方だったり、アメリカでトレンドとなっているビジネスや開発のやり方をインプットしてもらいキャッチアップしています。

アドバイザリーボードには、それぞれの領域において「未来を語れる人」に入ってもらっているので、モノづくりVISIONの実現に向けて、アドバイザリーボードのメンバーと未来を見据えたディスカッションをさらに重ねていきたいですね。

平尾さんはサイカのCEOとしてビジネス成長に責任を持ってますが、その立場として僕や開発組織に期待していることはありますか?

平尾:是澤さんが外部アドバイザーだった頃から「メンバーが才能開花できる開発組織を3年かけて作っていこうね」という話をしてましたが、そこが変わらず期待しているところです。「凄い人がいっぱいいます」という組織も良いとは思いますけど、それだと組織の強さが属人的になってしまうので、経営視点では安定性に欠けるなと思っていて。それよりも、ルーキーがエースに成長していける組織の方がはるかに安定的なので、その下地を作っていくことを是澤さんに期待してますし、経営者として自分もコミットしていきたいと思っています。

是澤:それには完全に同意です。今進めている採用活動でも、「いま凄い人」よりも「これから凄くなる人」、たとえばテックリードであれば「この人は3年後にCTOになれる可能性があるな」と思える人を狙って採用してます。もちろん、今すでに大きな実績と高い能力を持っている人も来てくれたらありがたいですけど、大きな実績と高い能力を持っている人であっても「さらに成長できる人かどうか」という点は重視していくべきだと思います。

成長を最大化するために与えるのは”自由”

平尾:最後に、ここからは今後目指していく働き方について聞ければと思います。是澤さんは現在サイカのCTOですが、自身の会社も経営されていたり、サイカの外でも様々な活動をしていますよね。普段はどんな働き方をしていますか?

是澤:サイカを中心に置きながら、自分の会社で受けている顧問業なども日々パラレルでやってます。今はサイカでやるべきことがたくさんあるので、午前中は自宅ワークをした後、昼前には出社して、18:00くらいには退社して顧問先の会社に行ったり会食に行ったり勉強したりしています。日によっては出社してから途中で抜けて英語のレッスンに行ったり顧問先に行くこともあります。自由な働き方をさせてもらってますね。

平尾:今後、開発組織のメンバーも是澤さんのような自由な働き方にしていきたいですか?

是澤:そうしていきたいですね。より大きな成果と成長を軸においたとき、こういうパラレルな働き方は推奨されるべきだと思ってますし、世の中としてもそれができるようになってきたと思います。たとえば、社外で自分の会社を経営することでエンジニアやプロダクトマネージャーに経営することを経験して学んでもらえたら、サイカで役員に抜擢しても成果が出やすくなりますよね。社外で自分の時間を使って主体的に経験を積み重ねていくことでより企業内で大きな成果を出していくような働き方は、これから増えてくるんじゃないかなと思いますし、ゆくゆくは当たり前になってくるんじゃないかなと。なので社内で活躍して成果を残し続けている人には、お金だけではなく自由も与えられるような制度を用意していきたいと考えています。

こういった「エンジニア職やクリエイター職の自由な働き方を会社として推奨する」というのは、経営者やビジネスサイドからすると、ハレーションを気にしてしまって許容するハードルが高いという見方もあると思いますけど、平尾さんとしてはどうですか?なんで僕が自由に働くのを許容してくれたんでしょう?(笑)

平尾:個人的にはそんなに難しい話ではないと思っていて。経営の責任は成果を最大化することですが、自由な働き方を推奨することは、会社の成果を最大化することと矛盾しないと思っています。「自由」をどう捉えるか、という話ですが、会社としてメンバーに「自由を与える」ということは、「個人の生き方やキャリアを尊重する」ということだと考えてます。それを自由と捉えると、これは開発に限らない話ですけど、そこ(個人の生き方やキャリア)にちゃんと向き合えている人が成果を出していると思うし、向き合えない人が成果を出せるとは思えない、という単純な話です。なので、そういう働き方を実現していくことは、最終的に会社の成果を最大化することに繋がっていくと思います。

是澤:だからこそ成果を残している人達に対しては、お金だけを与えるのではなく、新しい役割や自由な時間を与えることで、さらなる成長を促す仕組みを作りたいですね。

平尾:そうですね。社内でのグレードが上がるほどに制約が増えていく企業も多いですけど、そういう状態だと、成果を出せてグレードが上がっていく人ほど辞めたくなっちゃう気がします。なので、自分の会社を経営するにせよ、社外のプロジェクトに参加するにせよ、それを制限するのではなく、むしろ支援することでより成長してもらって更にサイカに貢献してもらえるような仕組みを作っていく方が、会社としても合理的だと思います。

是澤:成果を出してきた優秀な人から独立したり、新しい役割でのチャレンジを求めて会社を辞めていく、というケースはよくありますし、「今まで成果を残してきてるし、たぶん時間とか関係無く成果残すでしょ」って考え方で自由にやってもらえる環境にしていった方が良いですよね、会社と個人とのフェアさもあって。そういう人たちに居続けてもらうことで、より大きな成果を会社が生み出せるようになるでしょうから、ビジネスチャンスとかファシリティとか自由な時間とか、会社のリソースを提供して個人を支援していきたいですね。そうやってEmployee Experienceを良くしていくことで、サイカに身を置いてもらいながらも、どんどん成長の機会を得て、社会に対してサイカの外でも実力を発揮してもらう、その相乗効果をいかに生み出していくのかっていうことを考え続けることが大事だと思います。

平尾:そうですね。では最後に、今回はWantedlyに掲載する記事なので、どんなメンバーと一緒に働いていきたいか、これからサイカに入社していただけるかもしれない方々に向けてひと言お願いします。

是澤:やっぱり「もっと成長したい」「もっと成長させたい」という成長意欲のある人と働きたいですね。サイカでチャレンジしてさらに成長してもらって、業界や社会に対して影響を与えまくってほしいですね。自由なワークスタイルとライフスタイルで成果出しまくって人生楽しんでもらって次の時代を担う子供たちにも大人になって働くってことはワクワクすることだって思わせてほしい(笑)。

その過程では、日本の伝統的なやり方をそのまま踏襲するというよりも、そこにある良さを理解した上でグローバルな視点を取り入れて、これからのモノづくりのやり方や基準を変えていくことで、いかにより高い成果を上げていくのか、いかにこの世界を面白くしていくのかを考える。そういうことに本気で思考を回して、仮説実証と社会実装をしたいと思う人と一緒に働けると最高ですね。

平尾さんはどうですか?

平尾:さっきも言ったとおり僕は「イノベーションこそ仕事だ」っていう思いがあるので、「固く成功しよう、上場しよう」ではなくて、世の中を変革することに対してエキサイティングだと思える人と一緒に働きたいですね。

あと、自分に対して無限の可能性があると信じて、そこを探求し続けられる人が来てくれたら嬉しいなと思います。「僕はこんなもんだ」「私はこんなもんだ」っていう思考が才能開花していく上で一番の敵だと思っているので、そういう無意識に自分の可能性に限界を作ってしまう回路がぶっ壊れてる人だったり、それをぶっ壊したいと思ってる人がたくさん集まってきてくれたら素敵だなと思います。

※インタビュイーの所属・役職は取材当時のものです。

この記事を読んだ方におすすめの記事