言語化とは〝本気で向き合うこと〟──サイカのコンサルタントに聞く、価値を提供するために必要なこと

About XICA

2024年7月、MAGELLAN部の部長に就任し、プレイングマネージャーとして活躍する糸田拓也。

現在は、5人のチームメンバーが担当する各プロジェクトの最終責任者として、QCD(品質・コスト・納期)管理を担いつつ、自身でも複数の案件を担当。さまざまな角度からクライアントと向き合っている。

クライアントから信頼され、関わり続けるにはどうしたらよいのか。クライアントとの関係構築に真摯に向き合ってきた糸田に、サイカで得た自身の成長とともに話を聞く。

糸田 拓也 Takuya Itoda
株式会社サイカ MAGELLAN部 部長

前職、総合広告代理店では官公庁や商業施設のメディア業務を中心に営業と戦略プランニングを担当。データ分析による根拠をもった戦略改善を実行したいと思い、2022年にサイカに参画。
CSとして広告施策の検証ツール(MAGELLAN)を活用し、大手家電メーカーや電気通信事業者にて上流の戦略から施策の運用改善提案まで幅広くマーケティング支援に従事。2024年7月にMAGELLAN部 部長に就任。

サイカが提供する三段階の価値

── サイカに入社する前は、10年間広告代理店にいらっしゃったんですね。

鉄道系の広告代理店で、営業やメディアプランニング、Web広告のバイイングのほか、親会社へ出向して代理店に仕事を依頼する側も経験しました。

── 長く勤めた広告代理店を退職し、サイカに転職することに決めた理由を教えてください。

在籍期間が長かったこともあり、幅広くいろいろな経験ができたと思います。その一方で、なにか物足りなさもありました。

広告代理店では、感性やクライアントに寄り添った提案を求められる場面が多いと感じていました。

クライアントから「売上を上げたい」「人を集めたい」という要望をいただき、期待に応えるためにチームを組み手を動かすのですが、売上などの実データを見ることがないままプロジェクトが進んでいくことも多かったんです。

自分が感じていた物足りなさは、提案の根拠となる「ロジカルさ」だと思いました。

サイカでは、クライアントから売上のような成果データや、過去実施した施策のデータなどを共有いただきます。それらを分析し、ロジカルな根拠に基づいたアプローチで提案をしていくので、当時感じていた物足りなさが埋められたと感じています。

── 糸田さんが部長を務めるMAGELLAN部についても教えてください。

私たちのミッションは、クライアントの満足度や分析に対する納得度を高め、関係を維持し続けることです。

クライアントに価値を提供し続け、サイカがいる意義を感じ続けていただくことが、リテンションの獲得につながると考えています。

── サイカが提供する価値というのは、具体的にはどのようなものですか。

クライアントによって求めるものは異なりますが、いちばん分かりやすいのは、マーケティング施策の効果可視化・予算配分の最適化ですね。

大手企業だと特に、プロモーションをはじめとする数多くのマーケティング施策が同時並行で展開されていることが多いです。

それらの予算配分は果たして最適なのか? 同じ予算でも、配分を変えることでより大きな成果を得られるのではないか? そういった疑問を持つマーケターは少なくありません。

施策と成果の相関を統合的に分析することで、各施策の成果への貢献度を可視化し、最適な予算配分をご提案する、というのが分かりやすい提供価値だと思います。

── まずは「可視化」という価値の提供ですね。ほかにはどのようなものがありますか?

可視化ができ、最適な予算配分がわかっても、「じゃあ次はどうしたらいいの?」という話になりますよね。

そこで、分析結果に基づく次のアクションをご提案するのが、可視化の次にある提供価値です。

分析結果をお渡しして終わりではなく、次のアクションにつながる示唆をお出しすることで、私たちが伴走する意味が生まれてくると思っています。

── そういった価値を提供することで、クライアント企業との関係を維持していくんですね。

実は、肝心なのはさらにその先です。

マーケティングの振り返りは一度やるだけではもったいないんです。定期的に振り返り、次のアクションやマーケティングプランに反映・実行させることで精度が高まっていきます。

そのサイクルの中にサイカが入ることで、クライアント企業が勝ち続けられるようになると考えています。

具体的には、マーケティングのPDCAを回し続けるためのフローや組織体制の構築です。

業務や組織構造そのものを変革するというのが、いま私たちが提供できる最上の価値だと思っています。

言語化とは、本気で向き合うこと

── それらの価値を提供するために、糸田さんが大事にしていることはありますか。

目的・課題の言語化と向き合うことです。

── 「向き合う」とはどういうことでしょうか?

何に困っていて、どうなりたいのか。

なんとなくはわかっているけれど、クライアント自身もまだぼんやりしていることは結構多いです。

そのように、ふわっとした状態でいただいた問題や課題を、曖昧なまま受け取るのではなく、いかに精緻に言語化できるか、プロジェクトメンバー全員で目線を合わせられるかが大事だと思っています。

継続的にお付き合いを続けることで、クライアントからいただく情報やコミュニケーション量は増えていきます。なので、向き合う課題の精度を高めるためにも、関係を維持し続けることが重要なんです。

── リテンションを決定づける要素というのはあるんでしょうか。

分析結果への納得感など、リテンションを決定づける要素として私たちが重要視しているものはあったのですが、それらがわかっていても、過去、チャーン(解約)に苦しむ時期がありました。

それをきっかけに、自分たちが重要だと思っている要素をより詳細に言語化して、チームでの解像度を高めていったんです。

「なんとなく理解できた」という状態で終わりにするのではなく、自分たちのアクションや意思決定に落とし込めるレベルまで解像度を上げたことで、クライアントの継続意向の向上につながってきていると感じます。

言語化と向き合って得た成長

── 今後どういったチームにしていくのか、糸田さんの展望を教えてください。

2つの目標があります。

まずは、チームが対応できるキャパシティをより広げていくことです。

私たちの部署は「MAGELLAN」を中心にお客様への提案を行っていますが、MAGELLANだけをやっている人になるのではなく、自分のやりたいことや描く将来像を大切にしながら、どこにいっても価値のある人材になってもらいたいと思っています。

担当領域から染み出し、いまやっていること以上の業務を遂行できるようにサポートすることで、チーム全体で対応できる領域を広げていきたいです。

もう一つは、組織の拡大です。

世間一般に浸透はしてきてはいますが、MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)自体の理解やMAGELLANの認知もまだまだ伸びしろがあると感じています。

世の中のニーズに合わせて今後は仲間を増やすことで、組織を強く大きいものにしていきたいです。

── 描く未来に向けて、メンバーにはどのようなスキルが求められますか。

スケジュール管理のような細かな業務から抽象度の高いクライアントへの最適な価値提供の検討といった、粒度の違う2つの視点を行き来するプロジェクトマネジメントスキルが必要だと思います。

あとは、仮説構築力ですね。「なぜこの分析結果なのか」とお客様に説明を求められるシーンはたくさんありますが、自分なりに「こういう理由なのではないか」と仮説を立て、伝えることが求められるんです。

最後は月並みですが、コミュニケーション力です。その場の雰囲気づくりはプロジェクトを円滑に進めるためにやはり必要なスキルだと思います。

── 糸田さんはサイカに入社してもうすぐ3年になると思いますが、入社後に成長できたと感じることはありますか?

思い返すと、サイカに入社する前はさまざまな能力が足りていなかったと感じます。

いまもまだ勉強中ではありますが、3年前と比較した時のいちばんの変化は、聴く力・話す力・読む力・書く力のそれぞれが伸びてきたことだと感じます。

「聴く力」は、言語化しにくいお悩みを持つクライアントに対し、アクティブリスニングのような形で問いかけ、言語化を促していくスキルです。「話す力」は、ファシリテーションやプレゼンテーションのスキル、「読む力」は数値やグラフを見て「この数値が上がっている理由はこうなんじゃないか」と読み解いていく力ですね。ドキュメントやレポートの作成を通して「書く力」も鍛えられました。

── 代理店時代と比べて、ほかにも変化がありましたか?

代理店時代は、自分のことを振り返ってくださいと言われても、なんとなくでしか答えられなかったんです。

でも、サイカに入社して、逃げずに言語化と向き合い続けてきた結果、自分の成長についてもちゃんと答えられるようになりました。このインタビューもそうですよね。

── ありがとうございます。最後に、今後の抱負をお聞かせください。 一人の人として、プロジェクトチームとして、サイカという会社として、常にクライアントの隣に居続けられる”パートナー”となれるように日々努力していきたいと思っています。

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