「ロジック」と「想い」で未開のマーケットを切り開く。元リクルート営業マネジャーが語る、サイカで働く面白さ

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2007年、新卒で株式会社リクルートジョブズに入社した中島由二(なかしま ゆうじ)さんは、営業として約500人の中から2009年通期MVPを獲得。その後、チームリーダー、組織長として最大80名の組織を牽引してきました。

2020年10月にサイカに参画し、現在は、事業本部/カスタマーサクセス統括部/Account Executive部 本部長として、新規のお客様に向けたMAGELLAN(マゼラン)の提案と既存のお客様へのサービス提供の責任者を担っています。

なぜ、中島さんは、多くの実績を積み、やりがいも感じていたリクルートを退職し、ベンチャー企業であるサイカへの転職を選んだのでしょうか。中島さんが志すキャリア、スタートアップから次のフェーズに移るベンチャーだからこそ味わえる、ワクワクする挑戦と仕事の面白さについて聞きました。

中島由二/Yuji Nakashima
株式会社サイカ 事業本部/カスタマーサクセス統括部/Account Executive部 本部長

立命館大学経済学部卒業後、2007年新卒で株式会社リクルートジョブズに入社。営業として約500人の中から2009年通期MVPを獲得。その後チームリーダー、組織長として大阪、東京、札幌、岡山、広島、静岡と複数のエリアにて雇用マッチングに携わる。組織長として最大80名の組織を牽引。2020年10月よりMAGELLAN事業部営業部副部長としてサイカ参画。現在はソリューション統括部 統括部長 兼 MAGELLAN部 部長として、新規のお客様へのMAGELLANの提案と既存のお客様へのサービス提供の責任者を担う。

「求人広告営業」と「マゼラン営業」の違い

── 中島さんは、前職のリクルートで求人広告の営業を経験されてきました。現在携わるMAGELLANの営業と、どのような違いを感じますか?

前職で求人広告を担当していた時は、掲載いただいた後の効果測定の難しさに課題を感じていました。

一方、MAGELLAN(以下、マゼラン)は、クライアントの広告効果を最大化させることをゴールにおいたSaaSツールです。ツール本来の価値を発揮するためには、導入していただくだけではなく、継続的に活用していただく必要があります。

マゼランを導入いただいた後、お客様のマーケティング活動のPDCAに組み込まれているか。社内関係者・経営ボード含めてマゼランの結果と実績が共有、報告なされているかが非常に重要。そのためには、私たちがお客様とより深くコミュニケーションを取り、マゼランの活用をサポートしていく必要があります。ツールの力だけでなく、人が介在してこそプロダクトが真の価値を発揮する。そこが求人広告との違いであり、難しい点ですね。

── どのような難しさがあるんでしょうか?

クライアントの商習慣や組織文化を変えていく必要があることですね。

お客様の中には、分析により得られる予算のアロケーション(予算配分)などは欲しいけれど、得られた示唆をもとにすべてのアクションを変えたり、分析から運用まで一貫してマーケティングPDCAを回したりするのは難しいと思っておられる方もいらっしゃいます。

お客様がアクションを他社に頼みたいと考える背景には、長年積み重ねてきた広告業界の慣習があります。サイカ代表・平尾と、マゼラン初代PM・岩澤の対談記事にもありましたが、「広告のROIを企業側が把握する」という商習慣は、実はまだ広告業界全体に根付いていません。分析された数値をもとにアクションを自社で考えるよりも、これまでの商慣習に従い、「お得意先の代理店にすべてお任せしたほうが効率が良い」と考える企業は少なくないんです。

ですが、自社の課題を深く理解し、課題解決のための精度の高い仮説を持っているのはお客様です。だからこそ、分析結果をもとにお客様自身でアクションまで検討し実行していただくことが、広告の成果を最大化する近道ですし、CSがそのアクションに最大限伴走する。それができてこそマゼランの真の価値をお分かりいただけます。

お客様の商習慣や組織文化を変えるためには、私たちが一歩深くクライアントに踏み込み、深いリレーションを築く「人の力」が大切だと思っています。

ロジックに「人の想い」を乗せていく

── クライアントとの信頼関係がとても重要なんですね。具体的にどのようなことを意識されていますか?

マゼランを主体的に活用していただくためにも、まずは統計の特性を理解してもらうように努めています。統計は過去の分析から未来を予測する手法なので、100%未来を言い当てられないこともあります。変化の激しい現代においては、その前提を理解することが特に大切です。お客様には、分析結果を鵜呑みにするのではなく、分析結果をもとに社内で議論をすることを通して、納得できる意思決定を積み重ねる文化を醸成していただきたいのです。

もちろん、それは成果をクライアント任せにするという意味ではありません。クライアントよりもクライアントを知り、本当にその企業が伸びるための提案をしていく伴走者として、私たち営業とカスタマーサクセスが存在します。

成果に向けて伴走していくために、クライアントの事業理解を深めたり、ステークホルダーの深い本音に耳を傾けたりする密なコミュニケーションを増やそうとしています。

── チームメンバーの皆さんがクライアントに一歩踏み込む関わり合いを習得していくために、意識されていることはありますか?

サイカの行動指針をまとめた「XICA WAY」を大事にしています。中でも「挑戦を愛する」は特に意識してほしいと思っています。フロントに立つメンバーには、「クライアントの為になることなら、思い切りよく踏み込んで提案しよう」とよく伝えています。

サイカにはロジカルな思考が得意なメンバーが多いんです。ですから、提案やコミュニケーションが、正しく、ロジックに則ったものになる。それは素晴らしいことで、サイカメンバーの強みです。ただ、ロジックの確からしさに、向き合っているクライアントのミッションや戦略の方向性、上司や組織、他部署との関係性や役割を把握した上での提案が重なることで、人は動いてくれます。真摯に関係性を深めたいという気持ち、その上でお役に立ちたいという感情的な想いが人を動かすと思うんです。

商談の中で、商品説明をするだけではなく、自分たちは課題解決に本気で向き合いたいんだという情熱も伝えていく。こういった一つひとつのアクションが「この人と一緒にやっていきたい」という信頼につながっていく。僕はリクルート時代に学んだこのエッセンスを、サイカに還元したいと思っています。サイカが持つデータサイエンスや分析の強みに「人の想い」を乗せていくことこそ、僕がやるべきことだと考えているんです。

まだ世の中にないマーケットを作る挑戦

── 中島さんのリクルートでの知見と、サイカの強みを掛け合わせていこうとしているんですね。リクルートではどのような経験をされてきたのでしょうか。

前職のリクルートジョブズには新卒で入社し、13年間勤務しました。飛び込み営業からスタートして、徐々に中小企業や大企業の求人を担当するようになります。その後、誰もが知っている企業で年間約1000人の採用計画を立てるなど、プレーヤーとしてできる役割はほとんど経験させてもらいました。

7年目には、同期の中で比較的早くマネジメントを任せてもらいました。一番多い時には80人のマネジメントを経験。仕事の規模も大きくなり、影響力のある仕事を任され、やりがいを感じる毎日でした。

── すごいですね。大きなやりがいを得られていたにもかかわらず、なぜ転職を考えられたんですか?

転職を考え始めたのは、マネージャーを始めてから4、5年目、入社から10年目あたりです。その頃は、3,000億円にも及ぶ非正規雇用の求人市場のうち、1,500億円ほどのシェアをリクルートが持っている状態。僕はそのシェアを1、2%増やしていく仕事に取り組んでいましたが、ふと自分の働き方にモヤモヤするようになったんです。

もともとリクルートに入社した理由は、自分で事業を創り上げるスピード感や、事業を伸ばしていく鮮やかな戦略に憧れたからでした。しかし、すでに大きい事業を守ることしかできていない現状に、違和感を感じていたんだと思います。

そこで、自分のキャリアを振り返ってみると、一番楽しかったのは札幌の事業所に着任した時だったことを思い出しました。着任当時20%だったシェアを、一気に40%まで伸ばし、道内で2番手からトップになる経験をしたんです。こうやって、目の前の状況を大きく広げていく、ワクワクする挑戦がしたい。まだ世の中にない事業やマーケットを、自分の手で創っていきたいと思って、転職を考えるようになりました。

── 転職先としてさまざまな選択肢があったかと思いますが、なぜサイカを選ばれたんですか?

最初はリクルート内のグループ会社に移ることも考えましたし、他社からの転職の引き合いもたくさんきました。でも、「まだ自分が知らない魅力的なサービスやプロダクトに出会い価値を広げたい」「世の中にまだないマーケットを作るような挑戦がしたい」と外に出ることを決めました。

サイカに出会ったのは偶然でしたが、国内で唯一無二の統計分析ツールを世の中に広げようとする新しさと、「見えなかった広告効果を可視化し、クライアントの意思決定につなげる」というストーリーの一貫性にとても魅力を感じたんです。

前職で扱っていた求人広告では、経験則や自社に蓄積された事例をもとにしたアウトプットしかできず、成果を出せない悔しい思いもしてきました。クライアントのデータに基づき最適なアウトプットを導き出すマゼランならではの価値は、手前味噌ながら素晴らしいと思います。

自分の営業の強みとサイカの技術力が合わされば、歴史の長い広告業界にイノベーションが起こせると確信して、入社を決意しました。

次のフェーズに向けて動き出す今こそ、一番面白いフェーズ

── 中島さんのサイカにかける情熱がひしひしと伝わってました。営業とCSを率いる中島さんの、今後の挑戦について教えてください。

まず挑戦したいのは、「勝てる方程式」を見つけることです。人材領域でしたら、営業で成果を出すためには「人の数×商品の強さ×行動量」のように、方程式が明確でした。異動や退社が多いシーズンなど外部要因も明確で、営業戦略が立てやすかったんです。

しかし、企業におけるマーケティング活動は、クライアントによってまったく状況が異なります。その中で共通項を見つけ、営業活動をパターン化するのが非常に難しい。だからこそ面白いのですが、なるべく早く、誰もが成果を出せるような方程式を見つけたいと思っています。

── 組織作りにおける挑戦はありますか?

組織作りで一番急務なのは「ミドルマネジメント層の採用」です。前職で学んだのは「リクルートの強さは、ミドルマネジメントの強さ」ということ。強い組織になるためには、経営と現場とクライアントの間を橋渡ししながら、全方位の要望に対して的確に答えていくタフな人材が不可欠です。社内での育成、社外からの採用ともに取り組んでいきたいと思っています。

── これから、さまざまな挑戦がありそうですね。

そうなんです。スタートアップから次のステージに移る今だからこそ、より大きく複雑な課題もたくさん出てくるかと思います。だからこそ、今のサイカは一番面白い経験が積めるはず。会社が上手くいったかどうかは、何年か後にしかわからないものですが、信頼できるサイカの仲間達とならきっと乗り越えられると信じて、僕は挑戦していきたいと思います。

※インタビュイーの所属・役職は取材当時のものです。

[インタビュー・文] 佐藤史紹
[撮影]小池大介
[企画・編集] 川畑夕子(XICA)

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