xica

〒101-0065
東京都千代田区西神田2-5-2
TASビル2F・3F(受付2F) Google Mapで見る

JP EN

データを業務でどう使う? 職種ごとのデータ活用事例【マーケティング・営業・人事・経理・広報】

データ活用
スキルアップデータサイエンスデータ分析マーケティング

最近は、どの業界・どの職種でも、「データの活用が必須」といわれています。

さまざまな技術の進歩によって、各領域で以前より格段にデータを集めやすくなりました。ですが、「どのようにデータを使えばよいかわからない」「自分の職種ではデータ活用が難しい」と感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、マーケティング・営業・人事・経理・広報といった、近年データ活用が盛んな職種ごとに、どのようにデータ分析を活用しているのかを、具体的な事例とともにご紹介します。ご自身の業務でデータを活用するためのヒントをお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください。

マーケティングとデータ分析

マーケティングのイメージ画像

マーケティングにおけるデータ活用の現状

近年のインターネット広告市場の急成長などを背景に、マーケティング領域は、一般的にテクノロジーの進歩が著しい領域と見られることも多いです。しかし、まだまだ経営者やマーケティング担当者の感覚に頼っている部分が多いのが実情。

マーケティングは、企業の売上やブランド力を左右します。たくさんのデータを使いこなせないまま持て余し、結局、裁量権を持った人物の感覚的な判断に委ねてしまうと、企業の成長機会を大きく損ないかねません。

データ活用事例【マーケティング】

ターゲット顧客の特定

マーケティングを成功させるためには、顧客に対する理解を深め、顧客視点で考えることが重要です。

ターゲット顧客を特定する際は、まず年齢・性別・職業などでグループ分けをします(この特定の条件を元にしたグループ分けを「セグメント」といい、セグメント化することを「セグメンテーション」といいます)。

データ分析をセグメンテーションに活用することで、より客観的で正確な顧客像を把握できます。

顧客の情報には、会員登録などの際に入力してもらった、メールアドレスや居住地、生年月日、職業などの「ユーザー属性」に加えて、購買データや、サイトやアプリ内でどのようなページを閲覧したか等の「行動データ」があり、そのほかに、アンケートやお問い合わせ内容などのデータもあります。

個人情報保護への配慮は必要ですが、これらのデータを有効に活用することで、より的確なターゲットの絞り込みができるでしょう。

▼ 個人情報保護規制やCookie利用の今後の見通しについてはこちら
https://xica.net/magazine/protection-of-personal-information-1/

顧客体験の改善

最近では、テクノロジーの進化によって、消費者が情報に触れる機会が多様化し、それにともなって、購買行動も非常に多様化してきています。

たとえば、化粧品を一つ買う場合、製品の公式サイトのみで情報収集し、そのまま公式サイト内で購入に至るといった行動をとる消費者は少ないかもしれません。

友人からおすすめされ、Instagramで一般の方のクチコミを確認し、YouTubeで使い方や使用感を確認し、クチコミサイトで評価を確認。いくつかの通販サイトを比較していちばんお得に購入できるサイトで購買に至る。こういった複雑な購買経路をたどることが少なくないのです。

マーケターは、よりユーザーファースト、かつ、より売上につながる経路を設計する必要があります。そのためには、ユーザーの行動の傾向がわかるデータを読み解き、正しい顧客心理を把握しなければいけません。

顧客の行動に合わせて最適な価値やサービスを提供できるようになることで、顧客との関係性をさらに向上させることができます。

▼ 広告の正しい効果測定にマーケティング・ミックス・モデリングを使うべき理由
https://xica.net/career/recruit/000107-2/

業務の効率化/コスト削減

データは貯めれば貯めるほど強化されます。より学習できるようになり、精度が上がるからです。データが蓄積されることで、マーケティングの施策の立案、実行、振り返り、改善、というPDCAサイクルを回しやすくなり、よりスピーディーで精度の高いマーケティングが可能になります

また、施策のうち効果の高いものとそうでないものを推測することもできるので、無駄な施策に時間を割かなくてよくなり、金銭的にも時間的にもコストの削減につながるでしょう。

営業とデータ分析

営業のイメージ画像

営業分野におけるデータ活用の現状

営業活動を表す言葉に、勘・経験・度胸の頭文字を取った「KKD」という言葉があります。この言葉に象徴されるように、企業の営業活動は、経験や勘に頼った主観的な方法で実践されることも多く、営業はデータ活用から比較的遠い領域と思われてきました。

経験や勘に頼った営業活動は、人によって判断基準が異なり、客観的な根拠にも乏しいといえます。また、経験や勘、度胸は属人的なものなので、ノウハウが共有されにくいというデメリットもあります。

データ活用事例【営業】

市場動向の分析

自社の製品を顧客に営業する際に、自社が属している市場のトレンドを分析できていると、営業施策を立てやすくなります。

市場のトレンドや季節的な要因などで、顧客のニーズは常に変化していきます。データ分析によって市場の動向をリアルタイムで把握・可視化していくことで、営業担当者はより顧客に合った提案をしやすくなります

受注までの流れの分析

営業データを分析すると、実際に顧客に営業活動をする一連の業務の流れを可視化することができます。これは、顧客への最初の接触から受注までの一貫した流れをパイプラインに例えて、パイプライン分析とも呼ばれています。

顧客に対して行う営業活動である、問い合わせやヒアリング、初訪問、提案、合意、契約などの一つひとつのプロセスを切り出し、時系列で状況を可視化することで、どの案件のどのフェーズで進捗が鈍っているのかが見えるようになります。

単に営業の数字が悪い、と終わらせるのではなく、どのプロセスに問題が潜んでいるのかを把握できるので、営業担当者ごとの課題も発見しやすくなり、人材育成に活用することもできます。

また、過去の営業データの比較で、より正確な売り上げ予測を立てることも可能になります。

組織内での営業スキル・ノウハウの共有

営業データには、営業活動の日報、社員の営業成績、顧客データ、案件データなどがあります。これらの様々なデータを統合し、分析すれば、ノウハウとして組織に蓄積することができます。それにより、組織全体の営業スキルの底上げと、脱属人化を実現できます。

担当者の勘や経験に頼った営業活動では、商材販売に役立つスキル・ノウハウを体系化することは難しいと考えられてきました。担当者が退職してしまうと、営業ノウハウが引き継がれにくいなどのデメリットがあるからです。

しかし、社員の営業活動・営業成績のデータ化・分析をすれば、失敗・成功の原因を見出し、洗練された営業ノウハウと働き方を、チーム内で共有することができます。

人事とデータ分析

人事のイメージ画像

人事におけるデータ活用の現状

近年、人事データを分析し活用する「ピープルアナリティクス」や「データドリブン人事」といったトレンドワードが注目を集めています。

人事におけるデータ活用の普及率のグラフ
出典:https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/people-analytics-survey2019.html

人材管理も、経験による管理だけではなく、データを使った、より合理的で戦略的なものへの転換が求められているのでしょう。

しかし実際は、必要な人事データの蓄積ができていなかったり、データはあるものの、データ活用を推進できる人材がいなかったりで、データ活用が進んでいない企業が多いのも事実です。

データ活用事例【人事】

採用プロセスの改善

人事データを分析することで、企業が理想とする人材像を把握しやすくなり、採用や面接の基準を明確にできます。

欲しい人材や判断基準が明確になると、より採用ターゲットに近い層へのアプローチが可能になります。ターゲット層からの応募が増えれば、マッチング率が上がり、採用コストの削減も見込むことができます。

また、入社した後も、待遇や職場環境などを整えやすくなり、働きやすい労働環境を作りやすくなります。それによる社員の定着率の増加も期待することができます。

人材育成プロセスの改善

データを活用すると、社員一人ひとりがもつ、業務経歴・目標・人事評価・スキル等を可視化できます。

それができると、従業員の評価や育成の進捗、達成状況が明確になるので、その社員を多角的に分析し、客観的に評価することができるようになります。

社員のデータが可視化されれば、その社員の強みや伸ばしていくべきスキルなどが、客観的に明確になり、人材育成にも役立てられます。社員に対して適切な教育をすることができれば、優秀な人材の定着にもつながるでしょう。

それによって、社員の信頼を得たり、社員の生産性とモチベーションを高めたりすることができます。

退職予測

応募時のデータと入社後の成績やパフォーマンスを統合的に分析すれば、会社との相性や将来性を考慮に入れた分析もできるようになります。

退職率や離職率を予測することもできるので、適切な社員のケアや配置転換が可能になり、社内の人材管理がやりやすくなります。

経理とデータ分析

経理のイメージ画像

経理におけるデータ活用の現状

経理は、企業が管理しているお金に対して必要な手続きを行なうという、管理がメインの仕事です。

経理業務の効率化や人的ミスを防ぐためのシステムなどは一般にも広く普及してきました。

しかし、データを活用し、事業をより推進する「攻めの経理」を実践している企業は、まだ多くないかもしれません。

しかし最近では、経理部門がもつ会計データから得られた情報をスピーディーに経営の意思決定に活かすなど、経理領域でのデータ活用にも注目が集まっています。

データ活用事例【経理】

経営の的確な意思決定を支える

経理業務である会計には、財務会計と管理会計の2種類があります。

財務会計は、外部の投資家や債権者、税務署などに対して、企業の財政状態と経営成績を報告するために行う会計のことで、企業が必ず行わなければならない会計業務です。

一方の管理会計は、経営層が会社の方針を見極めるために活用されるもので、法的な強制力はありません。

財務会計と管理会計
出典:https://proactive.jp/resources/columns/words-management-accounting/

ですが、管理会計にデータ分析を導入すると、経営状況を定量的に評価でき、経営の的確な意思決定が可能になります。

具体的には、ビジネスの方針を決定し、予算の予測を立てるビジネスプランニングや、実際の売り上げや費用、利益の分析、そして、投資の判断に役立てられます。

経営の重要な意思決定を自分自身の直感に委ねず、客観的な会計データを活用すれば、合理的な意思決定ができるだけでなく、その意思決定の理由を明確に説明することができるようになるでしょう。

業務の効率化・ミス防止

経理の業務において、仕訳や会計ソフトへの連携など、人間の手で行う作業や紙ベースの作業が多いと、どうしてもミスが発生しやすくなってしまいます。

これらの業務をデータ化すると作業時間が短縮するだけでなく、人為的ミス削減に貢献できます。業務が効率化することで、決算の早期化にも役立ちます。

2021年6月に行われた東証のコーポレートガバナンスコードの改定によって、人的資本の情報開示が義務付けられたり、ESG(E: Environment、S: Social、G: Governance)経営が注目されている背景により、税務情報の適切な開示が求められたりなど、業務量が煩雑化している傾向があります。その解決のためにも、経理部門のデータ活用が効果的だといえます。

広報とデータ分析

広報のイメージ画像

広報におけるデータ活用の現状

消費者がさまざまな情報を簡単に得られるようになってきた現代、企業にとって「なぜやるのか」というパーパスは、より重要度を増しています。これらをつかさどる広報・PR活動の重要性も、より高まってきているといえるでしょう。

しかし、広報・PRが目指す指標は、数値化が難しく効果測定がしづらいと言われてきました。

例えば、メディアへの露出がブランド力や認知度、好意度にどのくらい影響を与えたのかといった効果測定は、感覚や「広告換算値」などの間接的な指標によって確認するしかないというのが現状でした。

データ活用事例【広報】

効果的なブランディングが可能に

自社のユーザーや採用ターゲットに関するデータを活用することで、より効果的なブランディングが可能になります。ターゲット媒体やコンテンツの読者像が明確になることで、自社にとって望ましいブランディングのあり方を見極められるようになるからです。

ターゲットを明確にした上で、認知度・好意度等の定量的な調査と定性的なアンケート調査を組み合わせ、施策の効果を確認すれば、難しいといわれているブランディングの効果測定も可能です。

効果的なブランディングができると、自社のファンが増え、企業の価値も高まっていくでしょう。

トレンドの把握が容易に

最近では、プレスリリース等のデータをAIで解析し、トレンド予測やメディア分析を科学的に提案・実行する、広報PR支援サービスが開発されています。

業界のトレンドや季節性のデータを活用すると、トレンドに合わせた広報戦略を考えられるようになります。また、トレンドの把握だけでなく、各メディアとの親和性が高いキーワードの選定や、適切なリリースのタイミングの検討などを行うことが可能になります。

広報は業界の潮流に敏感である必要がありますが、感覚だけでなくデータで根拠を提示することで、より説得力のある企画が提案できるでしょう。

社内での理解を得やすくなる

社内で広報活動の理解を得られないというお悩みもよく聞きます。

上記のようなデータを分析し、広報活動の効果を定量的に説明することができれば、他部署も広報活動の動向や成果を把握しやすくなり、社内の理解を得やすくなります。戦略的な広報活動には他部署との連携や協力も必要です。

また、広報活動を仕組み化することで、担当者にしか分からない広報システムが出来上がらないようにし、属人化も防ぐことができます。企業の広報組織全体を活性化させることもできます。

まとめ

今後もIT技術の成長やDX推進などの背景により、データ活用はますます広まっていくでしょう。

データ分析の手順や、メリット・デメリットを理解し、適切に業務に導入していけば、ビジネスの可能性が広がります。

この記事が、ご自身の業務でデータ活用を取り入れるためのヒントになれば幸いです。

この記事を読んだ方におすすめの記事