「1人で孤独な分析をしない」分析のチームマネージャーに聞いた、チームづくりの秘訣
統計分析の技術を駆使してお客様の意思決定をサポートするカスタマーサクセス部アナリシス課は、サイカの分析の要です。アナリシス課はサイカでもっとも人数が多いチームですが、一体感が強くコミュニケーションが活発。常にチームでサポートし合う仲の良さが魅力です。
アナリシス課のチームづくりの秘訣を、課長の西 津平(にし しんぺい)さんに伺いました。
目次
統計の道に進んだきっかけ
── 西さんは九州大学大学院工学府を修了されているんですね。大学院ではどのような研究をされていたんですか?
原子力発電の研究をやっていました。小さい頃から数学や確率論が好きで、好きなことにひたすら没頭する偏った理系でした。データ分析と統計学をしっかり学び始めたのは大学院の頃ですね。
── 大学院修了後は、遊技機メーカーに就職されるんですね。
はい。3年半、ゲームの確率設計と市場動向の分析をやっていました。
自分の好きな統計分析と確率論を使って、自分の好きなスロットを作れて、本当に楽しかったです。
大学院を出た25歳頃の僕は本当に世間知らずで、この会社以外を受けていないんですよ。落ちてたらどうなってたんだろう…(笑)
狭く深くから、まんべんなく深く
── ご転職を考えたのはなぜですか?
仕事の不満は1ミリもありませんでした。でも、自分も28歳になっていて「このままだとまずいかも」とぼんやり思い始めていました。業界で使える統計やデータ分析のスキルは身についたけれど、業界に偏らない汎用的なスキルを持てているんだろうか? と不安になったんです。
── サイカに入社した決め手を教えてください。
まず、マーケティング業界は統計技術を積極的に活用している印象がありました。
サイカは、マーケティング領域で、統計や数理の知識を活用したプロダクトをつくっています。サイカだったら、自分の得意な統計知識をさらに幅広く活かす能力をつけられるし、自分に合うと思いました。
すごくワクワクしたんです。
── 初めはアナリストとしてご入社されたんですね。
そうですね。最初は戸惑いと驚きばかりでした。
働き方もスピード感も全然違って、常にマルチタスクです。前職では1個のプロジェクトに狭く深く向き合っていましたが、サイカではまんべんなく深くやるので、慣れるまでは大変でしたね。
マネージャーになったのは「良いズレ」だった
── 2018年10月にご入社されて、翌年1月にはリーダーに、2020年1月にアナリシス課課長になられています。入社当初マルチタスクに戸惑ったということでしたが、役割の変化に伴ってさらにマルチタスクになっていったのでは?
そうですね。確かに入社前の仕事のイメージとは結構ずれているかもしれません。
でも、良いズレでした。
これまで後輩を育てる経験を積んでこなかったので、メンバーのキャリアに向き合う中で新しい学びがあるし、1種類の分析だけではなく、多種多様な企業の様々な分析ができる。ずっと面白いことをやっている感覚です。
お客様の意思決定をサポートする
── アナリシス課のお仕事について教えてください。
お客様の課題に対して様々な分析を行い、意思決定を支援するのが私たちの仕事です。
例えば、テレビCMを出稿したいお客様に対しては、テレビCMの効果を予測し、いくらお金をかけたら効果が最大化するかを、マゼランを使って算出します。広告出稿後には、お客様にいただいたデータを分析して効果測定をします。それらの数字をお客様の課題に繋げるロジックを組み立てて説明し、次のアクション決定をサポートするんです。
── 面白さややりがい、難しさはどういうところですか?
お客様の課題と分析結果がぴったり合って提案に納得してもらった時は、ピースがはまる感覚で楽しいです。
難しいのは、お客様が考えている仮説と分析結果が合わなかった時ですね。「これはやめたほうがいいです」と数字だけ提示しても納得いただけないと思うんです。そこで、分析結果とお客様の仮説をロジックでどう繋げていくかを考える。分析で加味されていないところを見つけて別角度からの分析をご提案する。そういったアプローチが必要になります。お客様が求めていない内容が出てきた時にどうコミュニケーションを取るかは、ビジネスとしてデータ分析を行う難しさだと思います。
── チーム構成と役割分担について教えてください。
アナリシス課は、僕含め12人のチームです。
カスタマーサクセスチームの中に、僕らのアナリシス(AN)課とアカウントマネジメント(AM)課があり、対面営業を行うフロントがAM、データのやり取りやロジックの説明をするのがANです。
また、アナリシス課は社内でいちばんマゼランを使う部署なので、プロダクト開発にも関わります。いま僕らが人力でやっている分析をプロダクト内で完結できるよう、新機能の仕様を開発側と相談して詰めていきます。
「1人で分析すると迷子になるから」チームで助け合う雰囲気をつくりたかった
── 「失敗して指摘されることがあっても嫌われない安心感がある」。メンバーの方がそう仰っていました。西さんが描く理想のチームってあるんですか?
尊重しあう、高めあう、助け合う。
そういうチームを目指したいと思っています。
分析って、1人でふさぎ込んじゃうとつらくなるし、いい案も出ないし、迷子になりやすいんです。だからこそ、すぐ人に聞けていつでも助けてもらえる環境がいいな、と思っていたので。
自分もきつい時期があったので、僕がそうしたかったんです。
── 具体的にはどんな取り組みをしているんでしょうか。
お客様の事例を共有しあう勉強会を週1回、お客様のレポートを共有する定例会を週1回実施しています。ほかに、ナレッジを貯めるシートも用意しています。
全員が顔を合わせる頻度を増やし、情報をオープンに共有する場を複数設けているので、ほかの人の担当企業についてもすぐに助け舟を出せるような雰囲気ができているのかもしれません。
ナショナルクライアントの多種多様な分析を通して分析官としてのスキルが広がる
── サイカのアナリシス課ではたらくと、どんないいことがありますか?
ひとつは、多種多様な業界のマーケティング分析ができることです。
私たちはナショナルクライアントのデータを分析するので、規模が大きく難易度の高い分析も多くあります。大量の事例が社内に蓄積されているので、分析官としてのスキルが広がると思います。
もうひとつは、ロジカルシンキングの力が身に付くことです。
社内にはロジカルなコミュニケーションが浸透しています。加えて、私たちがコミュニケーションを取るのは大きな広告予算を持つ企業の経営層の方々です。限られた時間でお客様の意思決定をサポートする分析と提案をご説明することで、論理的思考力が鍛えられます。
── アナリシス課に合う人はどんな人だと思いますか?
3つあります。
仕事をジブンゴトにできる人、成長意欲が高い人、柔軟性がある人です。
常に新しいロジックやソリューションが生まれている環境なので、なんでもジブンゴトとして捉え、古いやり方を捨てて新しいやり方に変えていく柔軟性を持ち、自分も常にレベルアップしていく意識は大切だと思います。
スキルで引っ張るマネージャーになりたい
── 西さんが理想とするマネージャー像を教えてください。
マネージャーにも色々タイプがあると思うんですが、僕がなりたいと思うのは、自分自身が高いスキルを持っていて、仕事で背中を見せるマネージャーです。
── 背中で語る、みたいな。
持っているスキルはメンバーと違うけれどマネジメントが上手というマネージャーも良いな、と思うんですが、僕は自分自身が好きで分析をやっているタイプなので、スキルで引っ張っていける人になりたいですね。
── お話を伺っていると、ご自身が先頭に立って背中を見せつつ、みんなが円滑にコミュニケーションできる場を用意する後方支援をして組織を成長させている印象を受けました。
そうですね。両方大事だと思います。
メンバーには、さらに上にあがってほしいと思っています。マネージャーとしては、一定の分析力がついたあと、柔軟にキャリアパスを描けるようにしてあげたいですね。
マネジメントがしたいのか、分析スキルを極めたいのか、分析だけじゃなくて対面営業がやってみたいのか、人によって描くキャリアプランが違うと思うので、個々の分析スキルを身に付けてもらいつつ、それぞれの志向に合わせたキャリアパスを提示し、みんなが納得感を持って成長できるようにサポートしていきたいです。
── 穏やかにメンバーの成長を願う西さんの想いが聞けました。西さん、ありがとうございました!
※インタビュイーの所属・役職は取材当時のものです。