【営業プロセス公開】データからお客様の想いを読み解く──営業組織にデータサイエンスを
▲DNX Ventures・倉林陽様よりいただいたコメント
▲アーキタイプベンチャーズ株式会社 代表取締役・福井 俊平様よりいただいたコメント
目次
「組織のオペレーションにデータサイエンスを持ち込む」
冒頭でご紹介したのは、サイカの営業プロセスについて、投資家の倉林様、福井様よりいただいたコメントです。
トライ&エラーを繰り返しながらつくってきたサイカの営業プロセスは、いまやサイカの事業のコア。株主の皆様からの関心も高く、株主報告会では参加者が一気にノートに筆を走らせる注目のトピックです。
企業が大きな投資をする広告宣伝費。私たちはお客様の貴重なデータをあずかり、データ分析技術を駆使してお客様の広告効果を最大化する事業を展開していますが、お客様により精度の高い分析結果を提供するため、自社の組織でも数値化・可視化を徹底したプロセスを構築しています。
今日は、データサイエンスを取り入れたサイカの営業プロセスをご紹介しながら、私たちのデータ分析にかける思いをお伝えしたいと思います。
お客様の気持ちをデータから読み解く
サイカのセールスチームは、マーケティング→インサイドセールス→フィールドセールス→カスタマーサクセスに機能分業した「THE MODEL(ザ・モデル)」式の組織体制を採用しています。
出典:https://www.salesforce.com/jp/hub/sales/the-model/
サイカでは、この一連の営業プロセスの中に、受注のキーアクションとなる「顧客フェーズ」を設定し、フェーズごとに数字を追っていく「顧客フェーズ管理」の仕組みを組み込みました。
顧客フェーズの定義に置くのは「お客様に起こる変化」。契約に至ったお客様や契約を更新いただいたお客様の、受注に至った理由をキーアクションとし、キーアクションによってお客様に起こった感情・行動の変化を顧客フェーズの定義に設定しています。
サイカ営業組織の強みは、スピード・精度・再現性
顧客フェーズは徹底的に数値管理しています。データから示唆を抽出する当社独自の分析技術を活かし、データからお客様の思いを読み解き、精度の高い改善の仮説を導き出します。この一連の営業アクション改善をフローを、営業プロセス内に組み込んで仕組み化することで、スピード感ある改善ができるようになっています。
また、営業データは数値化して蓄積しています。溜まった営業ノウハウとナレッジは誰もが数値ベースで確認できるので、個人の勘や経験に依存しない再現性ある営業が可能になります。
顧客フェーズの定義については、部門ごと・部門横断の振り返りで定期的に確認します。「いまの定義はお客様の気持ちを正しく汲み取り言語化したものになっているか」「本当にお客様の思いに寄り添えているか」を数値ベースで振り返り、改善を繰り返しています。
営業の属人化を解決したい
3年前の2017年まで、サイカは一人の営業担当がアポから受注までを担う旧来型の営業プロセスを採用していました。この時期のいちばんの課題は、業務の属人化。
- 営業プロセスが可視化できない
- 営業ノウハウが蓄積されない
- 仮説の精度が低い
- お客様目線の営業ができていない
属人化が引き起こすこのような課題を解決するため、「THE MODEL」式の組織体制への変更を試みます。
どうやったのか
体制変更にあたり、「THE MODEL」の生みの親でありサイカの株主でもある、セールスフォース・ドットコム社から、インサイドセールスとして活躍されている方をお招きし、「THE MODEL」型の営業プロセスについてレクチャーいただきました。
体制変更後、「受注に至るキーアクション」を洗い出す目的で営業プロセス変更のプロジェクトが立ち上がります。2018年1月、COOに彌野が就任したことで、組織体制と運用フローが固まり、プロジェクト立ち上げから約1年後、いまの顧客フェーズ管理が形になりました。
▼新サービス「ADVA」リリースの指揮をとった、サイカCOO彌野さんのインタビューはこちら
強さの秘訣は「みんないいやつ」 新事業責任者に聞くリリースの裏側 | Xica’s Blog
現在、フィールドセールス・カスタマーサクセスではそれぞれ10前後の顧客フェーズを設定しており、受注・失注データにUX(ユーザーエクスペリエンス)の観点を掛け合わせて仮説を立て、改善を繰り返しています。
徹底的な数値管理と顧客理解がもたらした変化
徹底した数値管理とユーザーに寄り添った営業プロセス設計によって、組織にこんな効果が現れてきました。
- お客様についての情報共有がスムーズになった
- 組織横断のコミュニケーションが活発になった
- 経営目標に紐づく目標設定ができるようになった
スムーズに情報共有できる仕組みが整ったことで、お客様の要望を営業チーム全体でしっかり受け取る体制ができ、社内的にも経営に近い目線での目標管理が可能になりました。
この営業プロセスをつくった理由
サイカは、効果の⾒えにくいテレビCMや交通広告など、 あらゆる広告の効果を可視化するサービス「ADVA MAGELLAN(アドバ マゼラン)」を提供しています。
マゼランが得意とするのは「データの可視化・数値化」と「適正評価」です。
マゼランで実現してきた2つの強みを営業組織に落とし込むことで、属人性が排除された再現性のある組織になる。そこにUX観点を組み合わせることで、よりお客様の成果に貢献できるようになる。その思いでこの営業プロセスをつくりました。
今後も、自社の強みを最大限に活かしてナレッジを溜め、お客様の成功のために精度の高い改善を続けていきます。
こんなサイカの営業組織に興味を持った方は、ぜひお気軽にお話を聞きに来てください。