Twitterをトレンド分析に活用|メリットやデメリット、活用方法まで詳しく解説
トレンド分析は、市場の動向や消費者の隠れたニーズを把握するうえで、重要な役割を果たします。しかし、どのようにトレンド分析を行うべきかがわからない方もいるのではないでしょうか。
本記事では、代表的なSNSの一つであるTwitterをトレンド分析に活用するメリット・デメリットや、トレンド分析に活用する方法などを紹介します。
目次
そもそもトレンド分析とは?
トレンド分析とは、Twitter(ツイッター)やInstagram(インスタグラム)などのSNSをはじめとするソーシャルメディア上の情報をもとに、市場の動向や消費者のニーズを分析することです。
世の中のトレンドを分析することで、アンケート調査では把握しにくい消費者の本音や、今後流行しそうな商品・サービスの特徴をつかめるようになります。トレンド分析で得たデータは、自社の商品・サービスの開発やプロモーション、マーケティングなどに活かせます。
また、トレンド分析によって、ユーザーからの注目が高まりやすい時間帯を把握できることも利点でしょう。自社の公式アカウントをSNS上で運用している場合は、より訴求力の高い時間帯を狙って投稿するといった戦略も立てられます。
トレンド分析にTwitterを活用するメリット・デメリット
次に、トレンド分析にTwitterを活用するメリット・デメリットについて紹介します。
トレンド分析にTwitterを活用するメリット
Twitterをトレンド分析に用いることには、おもに以下のメリットがあります。
- 投稿数が多く情報収集しやすい
- リアルタイムの情報が得られる
- 生の声を収集できる
- 1つのツイートが短く話題を特定しやすい
まず、Twitterは投稿数が多く、情報収集しやすいことが大きなメリットとして挙げられます。総務省が発表した資料(※)によると、2021年度(令和3年度)におけるTwitterの利用率は、10代が67.4%、20代が78.6%、30代が57.9%でした。この利用率は、Facebook(フェイスブック)やTikTok(ティックトック)などほかのSNSと比べても高めで、活発なユーザーがいることの証左となっています。
加えて、ツイート内容はリアルタイムで反映されるうえ、消費者の生の声を収集できることもメリットです。例えば、自社のCMをテレビ放映した場合、視聴した人がツイートを投稿すれば、キーワード検索などですぐに確認できます。
さらに、無課金ユーザーが投稿する際、1つのツイートは140字に制限されているため、企業側が話題を特定しやすい利点もあります。
※出典:総務省「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
トレンド分析にTwitterを活用するデメリット
トレンド分析にTwitterを用いるメリットがある一方、以下のようなデメリットもあります。
- 文字数の制限により名称や評価がわかりにくいケースがある
- 投稿者の年齢や性別などの属性がわからない
前述のとおり、Twitterは無課金ユーザーの文字数が140字に制限されているため、商品・サービスによっては、正しい名称や評価を読み取ることが難しいケースもあります。
ただし、「Twitter Blue」という有料のサブスクリプションサービスの加入者であれば、全角2,000字のツイートが可能です。有料サービス加入者の長文のツイートも積極的に分析することで、トレンド分析としての精度を確保しやすくなるでしょう。
Twitterで得られるデータ
Twitterでは以下のデータを収集できます。
データ | 特徴 |
ツイート | Twitterに投稿されるテキスト・画像・動画のこと。「つぶやき」と呼ばれることもある。 |
リツイート | 他者のツイート内容を、自身のフォロワーに転送すること。元ツイートの投稿者情報が保持されたまま広まる特徴があり、「RT」「拡散」ともいわれる。 |
リプライ | 他者のツイートに対する返信内容のこと。特定の話題に対して、人々がどのような感想を持っているのかを確認できる。 |
メンション | ツイートに「@ユーザー名」を付けて投稿すること。@ツイートとも呼ばれ、投稿者がメンションした相手ユーザーに対して通知が届く。 |
上表のとおり、Twitterでは用途に合わせてさまざまなデータ収集が可能です。例えば、企業の投稿したツイートに対する「リツイート」の数を確認することで、ユーザーからどの程度の共感や支持を集めているのかを確認できます。
なお、Twitterのデータのアクセス・獲得には、Twitterが提供するAPIや、サードパーティアプリが使えることも利点です。
API(アプリケーション・プログラミング・インタフェイス)とは、Twitter機能を外部のアプリでも扱える仕組みのことで、広告機能との連携やキーワード検索などを行えます。
一方、サードパーティアプリとは、Twitter外部で開発されたアプリのことです。さまざまな種類が提供されており、自社の用途に合わせたアプリをTwitterカウントと連携させて操作できます。
Twitterのデータを活用した分析方法
ここでは、Twitterのデータを活用した分析方法を3つ紹介します。
キーワードやハッシュタグ分析
自社に関係のあるキーワードや、ハッシュタグの投稿量、頻度を確認することで、トレンド分析に活かせます。ハッシュタグとは、キーワードの先頭に「#」を付けて投稿する形式のことで、タグ化されることで検索性の向上や、嗜好の似たユーザー同士での交流を可能にしています。
なお、キーワード検索の際に、Yahoo!リアルタイム検索というサービスを使えば、指定した期間中のツイート数を確認できるうえ、ツイート数の推移をグラフでチェックできます。指定期間は、6時間・24時間・7日・30日から選択可能です。
ネットワーク分析
Twitterに特化したマーケティングツールを活用すれば、ツイートの普及率や情報の拡散性、影響力の高いユーザーの特定などのネットワーク分析を行えます。
Twitterのアプリを開いて一つひとつキーワード検索をせずとも、操作性の良い画面で簡単に知りたい情報を得られるため、分析を実施する際の効率がアップするでしょう。マーケティングツールは複数あり、自社の用途に合わせて適したものを選ぶことが大切です。
感情(センチメント)分析
感情分析とは、あるトピックに対する感情や意見を把握する手法です。この分析手法の目的は、ユーザーが投稿したテキストに含まれている感情や意見を客観的に把握して、自社の戦略に活用することにあります。
例えば、自社の商品・サービスに対してユーザーが抱く感情を分析した結果、ポジティブな感情よりもネガティブな感情の割合が多い場合、早急な改善が求められます。商品・サービスに関するユーザーの反応を把握することで、意思決定やリスク回避に役立てられるでしょう。
Twitterでのトレンド分析をマーケティングに活用する方法
ここからは、Twitterでのトレンド分析をマーケティングに活用する方法を紹介します。
1.市場動向の予測
市場の拡大もしくは縮小といった変化を、定量・定性的に把握しつづければ、市場動向の予測に活用できます。特定のキーワードやハッシュタグの投稿、投稿内容に含まれる感情や要素を定期的にチェックすることで分析が可能です。
特に、規模が縮小している市場では利益を生み出しづらいため、事前に市場動向を予測しておけば、新規事業として参入したあとの成功確度を高められます。
2.競合他社の分析・比較
Twitter上で競合他社が行っている活動や、競合他社の商品・サービスに関するツイートを分析することで、差別化を図りやすくなります。
例えば、他社が実施している広告展開やブランディングの特徴をあらかじめ知っておけば、自社で取り組む際に独自の戦略を立てられるでしょう。
また、特定のトピックにおける自社と競合他社の比較も可能です。トピックに対して、一般ユーザーがどのように評価、反応しているかを分析することで、改善点を見出しやすくなります。
3.マーケティングメッセージの開発
トレンド分析にTwitterを使えば、マーケティングメッセージの開発に利用できます。マーケティングメッセージとは、単なる商品・サービスのメリットを伝えるものではなく、顧客側が得られる真の価値を訴求できるメッセージのことです。
Twitterを介して、自社の商品・サービスに関する生の声を抽出することで、これまでにない訴求軸を見つけられるようになるでしょう。
本当の価値を届けられれば、商品・サービスにおけるコンバージョン率の向上も期待できます。また、マーケティングメッセージの開発もしくは改善であれば、Webサイトの大規模な改修などと比べてコストを抑えられるうえに、今日からでも実施できます。
4.新商品の開発
Twitterの投稿内容から、人々が抱えている悩みごとやニーズを探ることで、新商品の開発もしくは既存商品の改善に活かせるでしょう。
特に近年は、ニーズに寄り添いながら新商品の開発や既存商品の改善を行うことが、企業にとって重要な課題となっています。Twitterならリアルな声を拾い上げられるため、企業がユーザーと同じ視点に立ったうえでの活動を実現しやすくなります。
まとめ
Twitterはいまや多くの人々が活用しているSNSで、トレンドについて分析するうえでは不可欠ともいえるツールです。ユーザーの生の声がリアルタイムで反映されるため、移り変わりの激しい市場動向を客観的にチェックできます。
Twitterによる分析をマーケティングに活用すれば、市場動向の予測や競合他社の分析・比較、マーケティングメッセージの開発などに活かせます。
これからトレンド分析でTwitterを活用したいという方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてはいかがでしょうか。
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