株式会社コーセー

認知・興味関心・購入意向を指標に、購入の後押しを図る

Q. 担当業務を教えて下さい

私たちの部署は、各ブランドの宣伝・コミュニケーションを担当しています。ブランドの認知獲得から興味喚起・購入意向の促進をミッションとしており、購入の後押しを図る役目を担っています。

数あるブランドの中、今回MAGELLAN(マゼラン)を導入したブランドは「雪肌精」になります。

宣伝部 宣伝企画・PR二課 課長 千葉 拓也様

Q. 市場の特徴やマーケティングにおける難しさを教えて下さい

まず、市場の特徴は大きく2つあります。 1つ目は、商品種類が豊富で販売チャネルが多様化していることです。ひとえに化粧品・スキンケア商品と言いましても、比較的低価格帯で、ドラッグストアなどの量販店で販売する商品もあれば、高価格帯で、百貨店などでカウンセリングを実施して販売する商品もあります。また、ECでの販売も一定あり、販売チャネルの多様化が進んでいます。

2つ目は、トレンドの影響を受けやすく、市場の変化が速いことです。以前と比べると、お客様の趣味嗜好が多様化しており、トレンドの変化も速くなっていると感じています。そのため、昨年成功した宣伝・コミュニケーションが今年は通用しないなど、市場特有のマーケティングの難しさがあります。

また、昨今はコロナにより市場全体が大きな影響を受けました。外出自粛に伴う店頭で商品をお試しいただく機会の減少や、お客様が情報を得る手段の変化があったため、この変化をすばやく捉えることは大変でした。

変化の時代に実現した「雪肌精」のリブランディング

Q. 変化の激しい時代の中、貴社のマーケティング戦略にも変化はありましたか?

コロナ禍でマスク生活が続き、お肌のお悩みを抱えるようになった方が増えたことや、自宅でゆっくりとケアできる商品へのニーズが高まったこともあり、スキンケア商品は伸びを見せています。そのため、全体最適の一環として、スキンケア商品への予算アロケーションを行いました。

「雪肌精」は、さらなるグローバル化の加速と、新しいお客さまとの接点拡大を目指して2020年9月に誕生35周年で初のリブランディングを実施しました。

雪肌精を長年愛用してくださっているお客様は、年月とともに少しずつ世代が上がってきているため、20~30代を中心とした新しい顧客層に向けたブランディングが必要だと考えています。そのため、新たなミューズ起用やデジタル施策の強化を図りました。

さらに、「Gift from the Earth~SEKKISEI Clarity~」をブランドの新しい価値とし、肌だけでなく、地球環境にも、より優しいブランドとして生まれ変わりました。これまでも「SAVE the BLUE」プロジェクトという、サンゴの保全活動等を行ってきましたが、更に地球環境へ配慮した容器設計に変更するなど、今まで以上にサステナビリティを考慮した取り組みを行っています。

宣伝部 宣伝企画・PR一課 山内 鞠那様

新たに「売上」を指標に、プロモーションの効果可視化を図る

Q. MAGELLANを導入された理由を教えて下さい

認知・興味関心・購入意向という指標以外に、新たに「売上」という指標のもと、プロモーションの効果を可視化したいと考えたためです。これまでの調査において、認知・興味関心・購入意向に対するプロモーションの効果は把握できていました。しかし、実際に売上に対してどのプロモーションが貢献していて、どこに課題があるのかまではなかなか見出すことができていませんでした。 また、リブランディングの結果についても、売上と紐づけてみることで改めて成果を可視化したいと考えました。

加えて、ECなどオンラインの売上に対する効果はある程度可視化できていますが、大半を占める店頭などのオフラインの売上に対する効果可視化は難しいと感じていたため、MAGELLANで分析したいと考えました。 もちろん、プロモーションを展開する上で、認知などのアッパーファネルが大切なことは理解しています。ただ、売上に対する貢献度を可視化することで、今後どのようなプロモーションが最適なのかやどのように予算をアロケーションすべきかなど、より具体的な改善点を見出すことができると考えています。

プロモーションだけが売上に影響を与えるわけではありません。コロナや店頭販促・競合の出稿など、様々な要因が影響しています。これまでの調査は、どちらかというとプロモーションに閉じたものが中心でしたが、プロモーション以外の外部要因も含め、より広い視野を持って調査を行いたいと考え、今回、MAGELLANの導入を決めました。

また、今後はスポットではなく定常的に調査を行うことで、プロモーションにおける高速PDCAを回していきたいと考えています。費用面やアウトプットまでのスピード感といったところも、MAGELLANは私たちの課題に対するソリューションとしてマッチしていると考えています。

Q. MAGELLANの今後の活用方針を教えて下さい

まずは、これまでの調査では可視化できなかったプロモーションと売上との相関性を可視化したいです。過去の調査結果や経験値をもとに設計してきたプロモーションがどれだけ売上に貢献していたのか、その良し悪しを明らかにしたいと考えています。

また、外部要因の影響も可視化することで、プロモーションの効率化を図りたいと考えています。例えば新商品に関して、これまでは棚取りを考慮し、発売日に合わせたプロモーションを展開してきましたが、実は発売日に合わせるよりも効果的なプロモーションタイミングがあるかもしれません。時期の最適設計はあくまで一例ですが、このように次につながるアウトプットを得られることを期待しています。ブランドがどこに進んでいくべきか、その方向性を見極める材料を得られたら嬉しいです。今は雪肌精でMAGELLANを導入していますが、今後は他のブランドにも展開していけたらいいですね。

データを正しく扱い、理解することで、 変化の先をいく新しい宣伝・コミュニケーションを実現したい

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

デジタルシフトが進み、様々なデータが手に入るようになりましたが、「どのデータをどのように扱うか」が重要だと考えています。データ自体は嘘をつきません。ですので、収集できるデータはきちんと収集すべきです。ただし、データがすべての正解を出すわけではないということは、肝に銘じておく必要があります。どのデータをどのように扱い、どのように理解するかが大事だと考えています。 データをうまく活用することで、世の中の変化に正確についていくだけでなく、スピード感をもって対応していくことで、変化の先をいくような新しい宣伝・コミュニケーションを目指していきたいです。

株式会社秀英予備校

少子化の進行や地域特性、商圏エリアの狭さといった 市場特有のマーケティング課題

Q. 担当業務を教えて下さい

私が所属する広告宣伝課は、戦略策定から企画・制作、そのディレクションまで、広告出稿に関する業務全般を担当しています。チラシやパンフレット、テレビCMやWeb広告などの施策を実施していますが、私はその中でも主にWeb広告を担当しています。

Q. 市場特有のマーケティングにおける難しさを教えて下さい

大きく3つあります。 1つ目は、少子化によりターゲットの母数が少なくなりつつあることです。首都圏に関しては、まだそこまで大きな影響はないのですが、特に地方都市は少子化が進んでいる印象があります。

2つ目は、地域ごとに選ばれる学習塾が異なることです。地域によって競合も異なれば、弊社のブランド力も異なります。その地域ごとに特色があるため、同じプロモーションを展開したとしても、効果がまったく異なることがあるのです。そのため、現場のスタッフと話し合いながら、地域の特色に合わせた訴求を行うことを徹底し、対策を強化しています。

3つ目は、商圏エリアが限られてしまうことです。前提として、通いやすさが重要視されるため、自宅から通える距離の学習塾という点が重視されます。Web検索で見つけていただいたとしても、自宅から通えないと判断された場合は、お申込みいただけないケースも多々あるのです。そのため、私たちの業界では、特定エリアに配布ができるチラシが長らく重宝されてきたのですが、時代の移り変わりとともに、そのチラシの効果も薄れつつあると感じています。

テレビCMなど各施策の “正しい” 広告効果を可視化し、 最適な予算配分を実現したい

Q. MAGELLANを導入いただく前のプロモーションの課題を教えて下さい

まずはチラシについて、効果が薄れつつあると感じながらも、次の一手をどう打つべきか見極めきれていないという課題がありました。チラシには、施策ごとに個別のIP電話番号を付与しているため、直接お問い合わせにつながった効果は計測が可能です。そのため、徐々に購読率が下がり、チラシの効果も薄れてきていることは把握できていたのですが、以前は広告費のほとんどをチラシに投資する時期もあったほどチラシを活用してきたため、チラシへの投資を本当に削るべきかの判断が難しいと感じていました。また、削るにしてもどれくらい削るべきなのかを見極めきれていなく、最適な予算配分を実現するためのロジックが足りていない状況でした。

さらに、テレビCMについては効果の把握が難しく、どう評価すべきか長年悩んでいる状況でした。これまでの経験値やエリアコストを見比べるなどして予算配分を行っていましたが、チラシ同様、ロジックに基づいた予算配分ができていないという課題を抱えていました。

Q. MAGELLANを導入された理由を教えて下さい

先ほどご説明した課題にもつながることですが、まずはテレビCMを含む各施策の “正しい” 広告効果を可視化したいと考えたからです。“正しい” というのは、直接効果だけでなく、他施策へのアシスト効果までを含めた広告効果という意味です。チラシやWeb広告などは効果を計測できているものの、直接効果しか把握できていません。そのため、アシスト効果も含めて、各施策が一体どれくらいお問い合わせ件数に影響を与えているのかを把握したいと思っていました。

その結果をもとに、最適予算配分のシミュレーションができるというのも導入の決め手の1つです。広告効果を可視化できるサービスは他にもありますが、そのほとんどが可視化に終始したものばかりです。一方、MAGELLANであれば予算配分の最適化、さらには、その結果、売上がどれくらい拡大するのかの予測シミュレーションも可能という点が魅力的でした。数値的根拠をもとに、今後のプロモーションについての示唆を得たいと考えました。

また、専属のコンサルタントが分析結果をレポーティングしてくれる点も良いですね。

季節性を加味した分析など、 より細かな粒度で広告効果を可視化していきたい

Q. MAGELLANの分析結果に対する印象を教えて下さい

まず、アシスト効果など、これまで可視化できなかった部分が可視化できたことには驚きました。基本的には肌感に合う分析結果でしたが、例えばテレビCMは想像したよりも効果があったため、この結果は今後のプロモーションに反映できたらと考えています。

他にも、各施策から自社サイトだけでなく、学習塾検索サイトへ流入する割合を可視化できたのも興味深かったです。各施策の効果だけでなく、その因果関係までをずっと把握したいと思っていました。

もちろん、分析結果をすべて鵜吞みにしているわけではありません。本当にそうなのかと疑念を抱いている部分もありますので、一度アクションしてみることで、今後検証していきたいと考えています。

Q. MAGELLANの今後の活用方針を教えて下さい

今後は、まだ可視化できていないことを、より粒度を細かくして可視化していきたいです。例えば、市場の特徴として、春・夏・冬の講習の時期にお申込みが増えるのですが、季節によって各施策の効果が異なるのではないかという仮説があります。弊社は、特に夏期講習のお申込みが多いのですが、こうした季節性による効果の差分も明らかにしていくことで、春・夏・冬それぞれに最適なプロモーションを展開したいと考えています。

また、Web広告に関しては、今は刈り取り施策が中心となっているため、認知獲得につながるような施策も実施し、その直接効果・アシスト効果を可視化していきたいです。

説明責任を果たし、 全員が納得した上でプロモーションを実施する

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

当たり前のことではありますが、現場スタッフや経営層に対して、どういうプロモーションを展開することで売上拡大が見込めるのか、しっかりと説明できることが理想です。そのためにも、これまで可視化できなかったものはすべて可視化し、全員が納得した上でプロモーションを実施したいです。プロとして、ロジックをきちんと提示できるというのが理想ですね。

株式会社ベルーナ

国内業界シェアNo.1だからこそのマーケティングの難しさと市場特有の課題

Q. 担当業務を教えて下さい

私は経営企画室に所属しながら、今回MAGELLAN(マゼラン)を導入したナースリーのマーケティングも担当しています。経営企画室は各部門をサポートする役割も担っているため、後方支援という意味合いでマーケティング業務も兼任しております。

経営企画室 参事 亀山 亮様

経営企画室 参事 亀山 亮様

Q. 貴社や市場特有のマーケティングにおける難しさを教えて下さい

大きく2つあると考えています。 1つ目は、獲得ボリュームを維持、さらには拡大させながら獲得効率を上げることの難しさです。おかげさまで、ナースステージは国内の業界シェアが約7割と多くの方々にご愛顧いただいているのですが、だからこそ単純に量を確保するだけでなく、質も重要視していかなければならない点に難しさを感じています。

2つ目は、カタログを発行する際のセグメント設定の難しさです。対個人への発行はもちろんのこと、対病院・医療施設への発行も行うため、1冊のカタログでどれだけ多くのターゲットへアプローチできるかが鍵となります。看護師や医療従事者の方がターゲットとなると、それ自体で十分セグメント設定されていると思われるかもしれませんが、その中でも年代や嗜好性などは大きく異なるため、ここに市場特有のマーケティングの難しさを感じています。

また、業界の専門性が高いため、以前は知る人ぞ知るブランドだったのですが、コロナ影響によりマスク品切れ報道などが相次いだ結果、一般の方々からもご注文をいただける機会が増えました。これまでは、購入履歴のある方には定期的にカタログを発行させていただいていましたが、一般の方にとっては一次的な需要である可能性もあるため、購入履歴だけでは発行可否の判断がしにくく、こうした変化もセグメント設定の難しさにつながっています。

テレビCMの効果可視化とカタログへの投資の最適化を図りたい

Q. MAGELLANを導入された理由を教えて下さい

理由は2つあります。 1つ目は、テレビCMの効果を可視化するためです。これまでは、テレビCMを出稿する前後の期間で、テレビCMを出稿しているエリアと出稿していないエリアの売上の伸び幅を比較し、その差分を確認することで効果を把握していました。しかし、テレビCMと同じ内容の動画はWebサイトやYouTubeでも同時公開しています。また、テレビCMがSNSで話題になるケースも多いため、この手法では純粋なテレビCMの効果がわからず、分析精度にはやや疑念がありました。分析結果に対し、社内では「テレビCMは分析結果には表れない効果もあるのではないか」という声もありました。

また、テレビCMは認知獲得や信頼感の醸成のためにも活用しており、売上に対する効果がすぐに出るとは限らないとも考えています。中長期的な効果も踏まえた上で、テレビCMを正しく評価したいと感じていました。

2つ目は、カタログへの投資を最適化するためです。コロナ影響も相まってEC化が進んでいることもあり、発行頻度や部数、先ほど申し上げたセグメントなどの最適化が徐々に難しくなってきていると感じていました。また、もともとカタログ起源の通信販売の会社であるため、過去の成功体験もあり、ECへ大きくシフトしにくいという課題がありました。そのため、数値をもとにした客観的かつ納得感のある最適化が求められていました。他にも、カタログとECの両経路を横断した場合の効果検証や、テレビCMなどの他施策との連動性も検証し、全体最適を行うことを目的に、MAGELLANの導入を決めました。

また、コロナ特需により、どこまでがプロモーションによる成果なのか見極め切れないという課題もありました。前年対比や前シーズン対比などで効果を把握することが難しくなった今、外的要因を切り離した純粋なプロモーションによる成果を可視化する方法を模索していました。

今後に続く分析や結果を確立し、MAGELLANの横展開を目指す

Q. MAGELLANの分析結果に対する印象を教えて下さい

自分たちがこれまで持ち得ていなかった視点でレポーティングいただき、いろいろと新たな発見がありました。特に、各プロモーションを横断したテレビCMの波及効果や、これまで経路の詳細を把握できていなかった売上を経路別に可視化できたことで、一歩前進できた気がします。また、カタログからECへのつながりも可視化できたことは新鮮でした。

今後は、分析結果をもとにカタログ・Webプロモーションの投資最適化を徐々に行っていきます。分析前からカタログの発行部数の抑制や、余剰予算をWeb・ECのプロモーションに回すことを検討していましたが、MAGELLANの分析結果が後押しとなり、アクションにつながりました。

Q. MAGELLANの今後の活用方針を教えて下さい

まずは、継続的に活用していくことでMMMの分析精度を上げていき、より良い示唆を得たいと考えています。今はナースリー事業のみで導入していますが、ゆくゆくは他の事業にも横展開したいと考えています。今後に続くような分析や結果を確立したいです。

ナースリーを必要としていただける方に必要なタイミングでコミュニケーションする

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

私たちは自信を持って商品・サービスを展開しているため、認知いただければ期待に応えられると自負しております。そのため、ナースリーを必要としていただける方で、まだご存知ない方に、必要なタイミングでしっかりとアプローチしていきたいと考えています。お客様にとっても企業にとっても、一番効率的な接点の持ち方ができるマーケティングを目指したいです。