SMBCコンシューマーファイナンス株式会社

Q. 貴社の事業内容を教えて下さい

弊社は、三井住友フィナンシャルグループにおけるコンシューマーファイナンス事業の中核会社として、「金融事業」をはじめ、「保証事業」「海外事業」「債権管理事業」に取り組んでいます。「金融事業」では、個人のお客さまに対して無担保・無保証による小口資金の融資を通じて、お客さまが安心してお取引いただけるサービスを、「保証事業」では、銀行や信用金庫などの金融機関189先と提携し、提携先金融機関が取り扱う個人向けローン商品の債務を保証する事業を行っています。また、「海外事業」では、国内で培ったノウハウを活かし、香港・タイ・中国本土7都市、台湾にて小口資金の融資を中心に展開し、そして「債権管理事業」では、金融事業の延滞債権などの管理・回収やお客さまからのご返済に関する相談などの対応をそれぞれ行っています。

Q. 担当業務とチームのミッションを教えて下さい

所属は「金融事業部 プロモーショングループ」です。ミッションは、広告を通じて “PROMISE” ブランドの認知向上を図り、新規顧客の獲得、既存顧客の囲い込みを行うことにあります。その中で、私自身は主にオンライン広告、コンテンツマーケティングを中心に、「やっぱりプロミス」と皆さまに感じていただけるよう、戦略の策定や調査、分析のミッションを担っています。

金融事業部 プロモーショングループ 渡邉 紀様

チーム内の情報共有が課題だった

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

ミッションを果たすために、限られた予算でいかに効率良くプロモーションを行うか、ということが大きな意味での課題です。そのために、消費者のカスタマージャーニーやオンライン広告・オフライン広告の相関性などを探って、広告媒体ごとの適切な予算配分や効果検証を行う必要があると考えています。

また、業務が属人的になっている、という問題もあります。例えば、特定の人が居なくなると業務が停滞する、特定の人が作成したファイルなどを後から加工できないなどが挙げられます。異動で新しく加わったメンバーに、いち早く知識を習得していただける体制を敷くことは課題です。時代とともに広告の幅も広がり、それに携わる人の知識の幅も広くならざるを得ません。メンバーと情報共有を図る際、どういう言葉を使うのか、どこまでの情報を伝えるのか、プロモーション戦略はフロントラインの現場スタッフにも理解していただく必要があります。そういった場面での説明も含めて、人材が変わる中で、常に一定の水準で続けなければならないことに難しさを感じます。

金融事業部 プロモーショングループ 川本 竜吾様

MAGELLANに期待するオンオフ統合分析と情報の共有

Q. そのような課題の中で、MAGELLANにどのようなことを期待しているのでしょうか?

テレビCMや屋外看板、中づり広告などに触れた消費者が、Web上で購買に至る数など、オンラインとオフラインの相関性はこれまで算出が困難と言われていました。MAGELLANはその点を “統計学” という背景から明らかにするツールとのことで、大変期待しています。

また、カスタマージャーニーの可視化や、適切な予算配分を示すプランニングと予実管理の機能が備わっていることから、立場の違う人間が「MAGELLAN」という共通のツールを見ながら議論できる、そういったことが業務改善につながると期待しています。さらに、チームの人材が変わる中で、過去の情報やノウハウの蓄積、共有にも活かすことができると考えています。

変わりゆく外部環境への対応がMAGELLANの導入理由

Q. 情報やノウハウの蓄積・共有を含めてですが、どんどん御社は変わられている印象があります。変わっていこうというスタンスのきっかけというのは何かあったのでしょうか?

弊社を取り巻く環境が厳しいものになってきたということがあります。外部環境では、参入を強化して久しい銀行系のカードローンなど、市場におけるシェアの奪い合いが激化しています。また、当業界ではインターネットを通じた購買が主流になりつつあり、データの定量化や深い分析が求められています。出せる情報は出して分析し効率化を図らないと、という意味で、背に腹は代えられない状況にあるのです。 MAGELLANは、市場が成熟してきた場合や、変わらないと負けるのが見えているというところに至ると、より力を発揮できるのではないかと考えています。

金融事業部 マーケティング企画室 曽根 優希様

MAGELLANは素人でもわかりやすい

Q. 数々の分析ツールがある中で、MAGELLANを導入された理由を教えて下さい

素人目にもわかりやすい、という点がまず挙げられます。「回帰分析」や「多変量解析」という言葉が出てくると、私など、一旦席を外して深呼吸をして戻ってくる、そんなことをする必要があるのですけれど、MAGELLANは見やすさやわかりやすさを追求したつくりになっていて、直接の担当者でなくても、画面を見ながら議論できるだろうと思っています。特に、ナビゲーション画面に表示されるカスタマージャーニーは、一見して興味をそそる内容だと感じています。

Q. MAGELLANの活用方針を教えて下さい

チーム内の共通ツールとして使用し、現状を把握するための情報共有や、改善に向けた議論に役立てたらと思っています。その他にも、慣れてきたらMAGELLANの「わかりやすさ」を活かして、他のチームとの情報交換に使いたいです。その他、広告代理店様と打ち合わせをする際にも有効ではないかと考えています。

いざというときに、やっぱりプロミスだなというプロモーションを行いたい

Q. MAGELLANを起点にというところで、今後どのようなプロモーション活動を目指されていくのでしょうか?

概念的な話になりますが、お客さまはそれぞれ違った時間に、違った環境で、違ったお気持ちで広告に触れていると思います。ただ、MAGELLANの分析を通じて各種広告の相関性が明らかになってくると、最も効果的なプロモーションの道筋のようなものが見えてくるのではないかと思います。インターネットが普及して以来、オンライン広告の注目度が増してきましたが、効果的なプロモーションにはオンライン広告・オフライン広告双方のバランスが重要であると考えています。日々の生活の中で違和感なく弊社の広告に触れて、いざというときには「やっぱりプロミス」と思い出していただけるような、そんなプロモーション活動を追求していきたいと考えています。

今後のMAGELLANへの期待

Q. それでは最後に、今後MAGELLANに期待することはどのようなことでしょうか?

「分析の精度」と「わかりやすさ」は追求していただきたいと考えています。分析の精度というのは、継続利用によって蓄積されるデータは増えますし、トライアンドエラーによって高まるものだと考えています。特に、オンライン広告・オフライン広告の相関性の明確化に関しては大変期待しています。その他、外部要因として「他社の広告出稿の影響」もありますが、それのみならず、マーケット全体に影響を及ぼすような社会の動きや、都道府県ごとの地域性を加味した分析、それらが可能になれば「MAGELLAN」はより進化するのではないかと思います。

三井住友カード株式会社

Q. MAGELLAN(マゼラン)をご導入いただいた部署の役割を教えて下さい

原様:2017年の5月に設立した統合マーケティング部は、オウンドメディアやメールマガジンといったデジタルチャネルの運営やマーケティング、DMP分析、コールセンター企画の機能を1つにまとめた組織です。オンラインによる情報発信からエンゲージメントの構築、そしてお申し込みまで、お客様との一気通貫したコミュニケーションを設計しています。特に、対応力・理解力・伝達力という3つの力を重視し、お客様のニーズを分析したコミュニケーション改革に取り組んでいます。今年4月から、Web広告のプランニングも管轄しています。

統合マーケティング部 グループマネージャー 原 央介様

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

原様:クレジットカード業界は、大きな変革期を迎えています。これまでクレジットカードと言えば、銀行系・信販系のカードがメインでしたが、現在は流通系企業などの参入が増えています。さらに、お客様のライフスタイルが変わり、接触チャネルも多様化しています。このような環境下において、弊社では新規のお客様獲得の対策が遅れているという課題がありました。例えば、社名検索数の伸び悩みが挙げられます。今やカードのお申し込みは、ほとんどがオンラインです。弊社ではブランド想起を狙い、テレビCMを中心としたプロモーションを展開していますが、クレジットカード全体の検索数に対する弊社のシェアが落ちてきています。さらにテレビCMやその他の施策を改善しようにも、具体的な評価指標がなく、対策が打てないという状況があったのです。

あわせて、Web広告のクリックのみを重視する傾向があり、コンバージョンやLTVなどを追わず、申し込みから離脱したお客様へ向けたリターゲティングも行っていませんでした。また、新しいサービスをリリースしても、自社メディアで紹介するだけに留まり、お客様へしっかりと情報をお伝えするという意識も希薄だったのです。

このような状況を踏まえ、2年前にMAを導入し、カスタマージャーニーを描き、顧客視点の全体的なコミュニケーション設計を進めています。

MAGELLANをマス広告とWeb広告の両方を理解する架け橋に

Q. MAGELLANを導入された理由を教えて下さい

福田様:まず大きな理由は、マス広告を活用したWebプロモーションの最適化、そしてプロモーション予算の最適配分のためです。マス広告は、Web広告と比べて定量的な評価指標が多くありません。GRPや視聴率などの他社指標ではなく、独自にプロモーション実績の全体像を把握したいと考え、MAGELLANを導入しました。

さらにMAGELLANを、マス広告とWeb広告を同じ視点で語るための共通言語にしたいという狙いもあります。現状、オンオフ統合プロモーションを行うための体制を築いている段階です。マス広告・Web広告、それぞれの良さを最大限に活かすためにも、MAGELLANを共通指標とし、統計データと実データを用いて、成果を見ていきたいと考えています。最終的には、社内だけでなく代理店や外部パートナーとの共通指標としても、MAGELLANを活用したいです。

統合マーケティング部 部長代理 福田 保範様

インターナルブランディングを強化し、顧客から好意や共感を得られるマーケティングを実現したい

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

原様:まずは、お客様の興味に沿ったあらゆるチャネルを用意し、社会貢献を含めた弊社の役割をご理解いただけるマーケティングを行いたいです。そして、接触した広告やメディア、コンテンツから、好意や共感を持っていただき、三井住友カードのサービスを選びたいという行動へつなげたいです。そのためには、顧客視点の情報発信はもちろん、ファンベースのコミュニケーションが求められます。広告・SNS・コールセンターの対応、サイトのUI/UXすべてで、一貫したコミュニケーションが理想です。

そのためにも、自社のコアバリューを見つめ直し、インターナルブランディングに注力したいと考えています。一貫したカスタマーコミュニケーションの鍵は、従業員の一人ひとりが自社の良さに気づき、お客様と築きたい関係性を理解し、理念を共有していることです。経営層だけでなく、管理職や現場まで含めた全員が、同じ世界観を持ってお客様と向き合える体制を目指していきたいです。

イーデザイン損害保険株式会社

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

テレビCMやYouTubeなど、ブランドへの認知・想起の向上を目的とした施策の効果測定が難しい、という課題がありました。 お客様からのお見積もり依頼やご契約のコンバージョンを目的とした、いわゆる刈り取り系の広告によるアプローチはほとんど飽和状態にあり、ビジネスの成長のためには、ブランドへの認知・想起を向上させて潜在層のボリュームを増やしていく必要があります。一方で、これまで数年にわたってテレビCMなどのマス広告を出稿してきたことで、すでに認知率は高い状態にあり「今までと同じようにテレビCMをやり続ける意味はあるのか」といった疑問もありました。

そのため、認知・想起の向上を目的とした施策の効果を明らかにして、コスト配分を最適化したいと考えていました。

こういった課題を解決できる手段がなかなかなかったのですが、マス広告の効果測定と、マス広告とデジタル広告の統合分析ができるツールとしてMAGELLAN(マゼラン)を知り、導入を決めました。

MAGELLANの導入で、成果が可視化。データにもとづいた対話が生まれる

Q. イーデザイン損保様は、2017年の10月にMAGELLANを導入されました。導入から約1年が経過し、どのような影響がありましたか?

1つ目は、社内のステークホルダーに対して、テレビCMなどの施策の成果を数字で説明できるようになったことです。MAGELLANを導入するまでは、間接効果も含めて定量的に説明できる指標がない状態でした。まだ完璧とは言えませんが、施策の成果について1つの定量的な指標を持って説明できるようになったことは大きいと思いますし、今後は、それをもとに議論を積み重ねていきたいと考えています。

2つ目は、いろいろなマーケティング改善のトライができるようになったことです。MAGELLANの分析により実施した施策の効果検証ができるようになったことで、まだ数はこなしていませんが、例えば、エリア別に出稿の仕方を変えてみる、テレビCMの出稿の仕方を変えてみるなど、様々な試みをして、その結果を振り返って改善に活かすということができるようになりました。

Q. MAGELLANの今後の活用方針を教えて下さい

エリアごとに異なる特性を考慮し、それぞれのエリアで最大の効果につながるメディアミックスは何かを検証していきたいです。それを実現するためには、マス広告を含む各施策の間接効果までを明らかにしなければならないため、MAGELLANの分析結果を活用しながらPDCAを回していこうと考えています。

お客様ごとにパーソナライズしたコミュニケーションを実現したい

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

繰り返しではありますが、MAGELLANのデータ分析をベースとした、最適なメディアミックスとその予算配分を突き詰めたいと考えています。効果の最大化には、最適なメディアプランニングとクリエイティブがセットですから、クリエイティブ要素もどのように分析していくか考えたいですね。

そして、お客様のライフスタイルが多様化した現在においては、コミュニケーションのパーソナライズが必要です。お客様に合ったタイミングやサービス、伝達方法で、「興味のない広告を見せられている」ではなく、「良い情報を知ることができた」と思っていただけたら良いですよね。そのためにも、デジタルでの接客とでも言いますか、お客様一人ひとりに最適なコミュニケーションを追求していきたいです。

アイフル株式会社

認知系施策の評価に課題

Q. 担当業務を教えて下さい

MAGELLAN(マゼラン)を導入した宣伝部は、主にオフライン広告・オンライン広告の企画・出稿をメインに協賛イベントの立案やWebサイトのUI・UXの改修、SEO・LPO、新規業績に対する分析など、多種多様な業務を行っています。

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

オフライン広告の効果が見えづらいというのが一番の課題でした。オフライン広告は、オンライン広告と比較すると、KPIや成果への間接効果を測定することが非常に困難です。特に、オフライン広告とオンライン広告を結びつけるというところが難しく、認知を高め、獲得をしていくというバランスを保つことに課題感を持っていました。

この業界は同業他社との製品差別化が難しいため、自社の特色をプロモーションでアピールしていかなければなりません。オフライン広告、特にテレビCMでは弊社の特色をアピールできていたと考えていますが、オンライン広告ではそれがなかなか難しかったです。それは、これまで採用していた手法が限定的にならざるを得なかったということが理由です。弊社の特色をアピールできるオンラインメディア、オンライン施策は様々考えられますが、CPAで考えてしまうと、新しい手法を確立していくことが難しくなるという状況でした。やりたいと思っても、どう評価していくのかに大きな課題がありました。

施策別・流入経路別に成果への貢献度を数値化

Q. MAGELLANを導入された理由を教えて下さい

広告効果の可視化や分析が行えることが採用した理由の一つになりますが、一番の理由は統計学などの専門的な知識を必要とせず、実績データをインプットするだけで誰でも分析が行えることです。宣伝業界やマーケティング業界のような専門性の高い分野においては、業務が属人化となる傾向があります。属人化はプラスにもマイナスにも働きますが、マイナスに働いた際の影響は今後の業務運営にあたって大きなリスクであると言えます。

そういった中でMAGELLANは「誰でも」「均一な考え方で」「客観的」な分析が可能となることで、担当欠員による業務停滞=効率悪化を抑制できることが大きな魅力であり、メリットと感じられたことから採用しました。

Q. 実際に、MAGELLANを導入してよかった点はどういったところでしょうか?

オフライン広告・オンライン広告の成果が数値化されることで施策の評価がしやすくなり、どのような経路で流入してきたのかが可視化できたことにあります。オンライン広告・オフライン広告を展開されているどの企業様も、オフライン広告がどのような経路で成果につながっているのか、オンライン広告との関連性はどのように確認すれば良いのか、一番頭を抱えておられることだと思います。

今回導入したMAGELLANは、実績データをインプットし分析ボタンをクリックするだけで、施策別・流入経路別に成果への貢献度を数値化できたことに大変驚きました。また、分析結果においても、弊社が過去から蓄積してきた知見・経験・実績と照らし合わせても精度の高さが感じられ、納得いく内容だと言えます。

Q. MAGELLANの分析結果をもとに、具体的にどういうアクションを行ったのでしょうか?

分析結果から得られた情報をもとに、各広告施策へ評価を行いました。評価の基準としては「どれほど実績に貢献しているか」を数値で表し、数値化した施策評価を過去の実績などを照らし合わせ、評価の妥当性を検証します。検証した評価をもとに予算のアロケーションを実施し、そこから得られた実績から施策の再評価、次回の予算アロケーションにつなげる、といったPDCAを実施しています。

Q. その具体的なアクションの結果として、どういった成果が上がったのでしょうか?

MAGELLANを導入してまだ間もない状況であり、直接的効果の立証は得られてはいないものの、広告費の最適化の視点からプラス成果が得られているものと考えています。 また、業務の効率化も大きく変化しています。従来であれば膨大なデータ量から様々な視点で紐解いてファクターとなる要素を抽出し、個々のファクター・要素を線で結び、背景・根拠を関連付けて、のような複雑な作業が必要でした。MAGELLANを導入したことで、大枠とはなりますが個々の関連性を瞬時に確認することができ、数日費やす作業を数分でアウトプットできることで業務の効率化にも貢献しています。

人間の感覚だけでは市場環境の変化に対応できない

Q. MAGELLANの今後の活用方針を教えて下さい

季節要因の影響を明らかにできればいいなと思っています。私共の業界は成果に対する季節要因の影響が大きいため、例えば、○月はこの施策を増やしたほうが良い、逆に減らしたほうが良いなど、そういう意思決定をできるようになりたいです。そして、そういった要因を加味した上で、来月の広告予算をどう配分すれば良いかというのがボタン一つで出てくる環境を作る、それが今後のMAGELLANに期待したいところです。

Q. ちなみに、MAGELLAN導入以前の予算配分はどのように実施されていたのでしょうか?

基本的には前年度予算に対して、前年度実績や季節性を考えながら、「○%を増やす」「○%減らす」という形で実施していました。ですので、過去のやり方を聞いておかなければならないですし、担当が変わってしまうと配分も変わってしまうという状況でした。

Q. ほとんどの会社が同様の状況だと思うのですが、なぜそれを問題視されているのでしょうか?

時代に応じて効果的な広告が変わっていくからです。あるときはアフィリエイト広告、あるときはディスプレイ広告、あるときはリスティング広告が良いなど、メニュー自体の良し悪しもありますし、広告の実施時期やキャンペーン内容によっても、どの広告が効果的かは変わってしまいます。また、新たなメディアが出てきて勢力図が一変する、ということも考えられます。人間の勘や経験、前年踏襲の予算策定は、基本的には「過去が正しい」から「未来もこうしよう」という考え方ですが、「過去が正しくなくなったとき」、つまり市場環境が変化したときにはこの予算策定の方法では耐えきれません。勘や経験ではなく、普段から数値で評価できていると、その数値の変化をもって「考え方を変えなければならない」というのがわかるようになります。

弊社のサービス自体は大きく変わらないため、時代の変化にいち早く気づき、対応していかなければなりません。そのためには、MAGELLANのような分析が必要になってくると考えています。

消費者金融という枠を超えた会社になっていきたい

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

この業界は商品の差別化が少なく、広告の差別化も少ないので、ユニークな広告、新しい取り組みをやっていくことで、新しいファンを増やしていきたいです。

これまで、お金を借りるということについてはネガティブなイメージがあったと思います。お金を使うことでこういうハッピーなことがある、というときに、電子マネーに近い感覚でキャッシングのカードも使ってもらえるような環境を整備したいです。お金を得るという意味では、CtoCのフリマアプリで自分の服を売る、というのも、弊社のサービスを使うのも同じだと考えています。今はお金を得る手段は多様化していますので、その手段の1つとして選ばれるようになりたいですし、消費者金融という枠を超えた会社になっていきたいと考えています。

イオンクレジットサービス株式会社

さらに幅広い顧客層の獲得を目指し、広告施策を展開

Q. 担当業務を教えて下さい

営業本部はクレジットカードにおける新規入会者数の最大化をミッションとしています。 クレジットカードへの入会は店頭とネットの2つのチャネルから可能となっており、ネット会員推進部はネットにおける新規会員の獲得をミッションとしています。現状は店頭からの新規入会が多いのですが、ネット経由での新規入会も強化したいと考えています。

Q. 市場の特徴を教えて下さい

クレジットカード業界の特徴は2つあります。 1つ目は、多くのお客さまが一人複数枚のクレジットカードを所有し、買い物をする場所によって使い分けているということです。様々な決済手段が増える中で、各社がメインカードとして利用してもらう施策を行っています。

2つ目は、クレジットカード会社ごとに会員属性が異なるということです。お客さまは買い物をする場所において一番お得なクレジットカードを選択されるため、属性の違いが根強く現れます。例えば私たちの場合、イオングループの店舗にご来店いただいたお客さまにその場でご入会いただくことが多いため、家族のいる女性層の割合が高いです。一方、男性層やクレジットカードを初めて持ち始める若年層の割合はまだまだ低いため、今よりもさらに幅広い顧客層の獲得を目指し、広告施策を展開しています。

各広告施策の費用対効果が可視化できず、最適な予算配分が難しかった

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

各広告施策の費用対効果をしっかりと可視化できていないことが課題でした。オンライン広告は入会1件あたりいくら費用をかけているのかが明確です。一方で、テレビCMなどのオフライン広告は、かけた費用に対してどれくらいのリターンがあるのかを明確化することが難しく、そのため、的確な予算配分も難しいと感じていました。

Q. MAGELLAN(マゼラン)を導入された理由を教えて下さい

テレビCMなどのオフライン広告の費用対効果が可視化できるためです。年間の広告予算をどう効率的に活用していくかは常に議論していたところでした。また、決まった予算の中で成果最大化を目指したい中で、どのようにテレビCMを活用していくべきかを模索していました。

また、私たちの部署では新規会員の獲得に向けた広告施策を展開していますが、別の部署では既存会員向けに、利用促進を図る広告施策を展開しています。目的の異なる広告施策ですが、それぞれが相互に影響しあっている可能性があるのではないかという仮説があります。MAGELLANでこの相乗効果も深掘りし、最終的な成果最大化のための最適な予算配分を行いたいと考えました。

キャンペーンごとに細かく分析し、最適化を図る

Q. MAGELLANの分析結果に対する印象を教えて下さい

予想通りの結果でした。例えば、テレビCMを出稿することで検索などのオンライン広告の効果が高まり、入会につながると感じていましたが、実際にテレビCMにより新規入会者数が伸びていることが数字で明らかとなりました。一方で、テレビCM出稿にかかる費用が増加することよって、効率が下がる期間があることもわかりました。予算配分を最適化することで、新規入会者数を拡大しつつ、費用対効果も改善したいと考えています。

Q. 今後、MAGELLANをどのように活用していきたいと考えていますか?

今回は年単位のデータを用いて分析したため、大枠の傾向を見ることができました。次はキャンペーン単位で細かく分析する必要があると考えています。また、クレジットカードの需要は春に高まる傾向があるため、キャンペーン内容だけではなく、季節要因などでも効果が変わると考えています。今回の分析結果だけを今後すべての広告施策に当てはめるのではなく、より細かい単位で分析し、分析結果を蓄積していくことで、さらに最適化をしていきたいです。

また、クレジットカード業界でどういった傾向があるのかも確認したいと思っています。業界トレンドと自社で、有効な広告施策に違いがあるのかを見てみたいです。両方の分析結果をもとに、次回以降の最適な攻め方がわかるとおもしろいと思っています。

一番に投資すべきところを見極め、効率の最大化を目指す

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

新規会員の獲得効率を改善し続けたいです。2020年より拡大したコロナ禍で改めて痛感したのは、効率最大化がいかに鍵となるかということでした。一番に投資すべきところを見極め、効率最大化を目指したいです。

また、私たちの強みは店頭などのリアル領域ですが、その反面ネットなどのデジタル領域が弱い傾向にあります。この領域はまだまだ成長できる部分が多いため、ネット経由の新規入会者数を増やし、いかにお客さまにご利用いただき喜んでいただけるかを追求していきたいです。

レオス・キャピタルワークス株式会社

強みを活かし、顧客獲得数の最大化を図る

Q. 担当業務を教えて下さい

私が所属しているマーケティング部では、ひふみ投信やひふみワールドなど、当社レオス・キャピタルワークス(以下、レオス)から直接商品をご購入いただく直接販売の購入促進・顧客獲得をミッションとしています。また、証券会社や銀行など、当社以外の金融機関から間接的に商品をご購入いただくこともできるので、そのサポートも行っています。

Q. 市場における貴社の強みを教えて下さい

強みは3つあります。 1つ目は、実際に企業に足を運び、その成長を自分たちの目で確かめながら投資先を見極めていることです。レオスでは実際に投資先のオフィスや工場などに訪問し、財務情報などの定量面だけではなく、経営者やIR担当の方のビジョン、ミッション、お人柄などの定性面でも調査を行います。調査対象の企業も、広く知られているような大企業だけではなく、地味で地道な中小型銘柄を独自に発掘する「目利き」を行っています。

2つ目は、「守りながらふやす」運用を行っていることです。IT企業などの成長銘柄やディフェンシブな割安株、地味で地道な地方の中小型銘柄まで多様な価値観を組み入れることで “打たれ強いファンド” を目指しています。日々変化する株式市場の変化に柔軟に対応できるようにポートフォリオを構成しています。相場の上下によるお客様のハラハラドキドキをできるだけ低減するよう努めています。

3つ目は、「顔が見える」運用を行っていることです。レオスでは2021年1月に「お金のまなびば!」というYouTubeチャンネルを開設しました。レオスの代表取締役会長兼社長であり、「ひふみ投信」シリーズのファンドマネージャーでもある藤野英人を始め、その他の社員やゲストがお金や投資について共に考え、語り合い、学び合うようなコンテンツを公開しています。また、YouTubeだけではなく、お客様と交流するようなイベント・セミナーも積極的に開催していることが特徴です。

課題を捉え、打ち手を実行 ――ブランドコンセプトの一新や、YouTubeチャンネルの立ち上げ

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

いかに “共感度” の高い顧客を獲得できるか、その方法を模索していました。 投資信託事業は、お客様が預けてくださる金額と、商品を所有してくださる時間に応じて売上が変動します。例えば、サブスクリプションサービスなどは、満足度が高いと継続してご利用いただけますが、金融商品は成績が良く、一定のリターンが生まれると利益確定のために売却、すなわち解約されてしまうこともあります。私たちのビジネスの価値は売却時に生じるので、お客様に満足いただいた上で売却されることは嬉しいのですが、相場の上下によって短期のお付き合いになってしまうことも少なくなく、大きな課題でした。お客様の立場からしても、一般的な個人の資産運用においては、短期の売買ではなく、長期投資が有効とされていますので、もどかしい思いでした。お客様とのつながりをどう維持していくかが求められました。

そこで、いかに私たちの商品を「好き」と感じてもらえるか、つまり、いかに “共感度” を高められるかを考え、商品のブランド化に取り組みしました。役職も年齢も関係なく、部署横断でプロジェクトチームを組成し、ブランドコンセプトを1年かけて作り上げ、私たちの「価値」を形にしていきました。

ブランドコンセプトに基づき作成した新たなロゴデザイン

Q. 他に、これまで抱えていたマーケティング課題はありましたか?

新規顧客を継続的に獲得し続ける仕組みづくりができないか考えていました。従来、レオスではお客様の口コミや代表の藤野の書籍やテレビ放送が認知経路のメインであり、広告宣伝に積極的に投資をしておりませんでした。とはいえ、先ほどお伝えしたように、お客様の売却が目立つようになり、また新規顧客の獲得も頭打ちになりつつありました。

この課題に対する打ち手として、YouTubeチャンネル「お金のまなびば!」を立ち上げ、企画・運営を始めました。YouTubeチャンネルというコンテンツをプロモーションの手段として据えた背景としては、投資信託、として私たち「ひふみシリーズ」の魅力を伝えるためには、数十秒のテレビCMやランディングページでは決して十分とはいえず、ある程度の情報量が必要だと感じていたためです。繰り返し述べているように “共感” してもらい、「好き」と感じていただかなければお客様と深いつながりを維持することは難しいことはわかっていました。

また、当社の成功体験のひとつとしてテレビ番組の出演がありました。その構成や内容を分析し、YouTubeというプラットフォームで私たちが番組を制作し、分析し、より再現性のある施策にしたいと考えていました。

Q. YouTubeチャンネルについて、他に工夫されていることはありますか?

「自分で人生をデザインできる投資家をふやす」ことを目標に、企画・運営をしています。投資信託の仕組みを勉強するような動画もあれば、お笑い芸人の方をお招きしたエンタメ動画、経営者やその道の専門家の方をお招きして対談をするような動画まで、フックを散りばめつつ継続して楽しんでいただけるコンテンツ作りを心掛けています。動画そのものはもちろん、動画を企画制作するプロセスで得た知見も大切な資産ですので、中長期でマーケティング効果を活かせると考えています。

YouTube施策の効果可視化に課題

Q. MAGELLAN(マゼラン)を導入された理由を教えて下さい

このYouTube施策にどれだけ影響があり、成果にどのように寄与しているのかを明らかにするためです。コストもリソースもかけている以上、顧客獲得やお客様の商品所有時間にどの程度影響しているのかを可視化し、社内外に説明する責任があります。YouTubeからの顧客獲得までのトラッキングはクッキー情報では取得できないので、MAGELLANでその影響度を可視化していきたいです。

Q. MAGELLANの今後の活用方針を教えて下さい

まずは、先ほど述べた通りYouTube施策が成果に対してどのくらい効果があるのかをより正確に見ていきたいです。口座開設にどれだけ寄与しているのか、また、銀行や証券会社経由で購入いただくお客様に対しても影響があるのか、その影響度を可視化したいと考えています。

その次のフェーズとしては、より細かい粒度で分析を行いたいと考えています。例えば、コンテンツの訴求軸や配信曜日・時間帯など、どういう戦術が最適なのかを見極めていきたいです。テレビCMの効果分析に似ているところがあると思いますので、テレビCMの分析知見が豊富なサイカと一緒に最適解を見つけていきたいです。

私たちが大切にしている “共感度” がどう上がったのかも気になります。例えば、一見再生回数は少なくても、私たちがこれまで接触できていなかった層に対して効果的にアプローチできる動画であったり、より深い共感を得られるような動画であれば価値がありますので、新たな指標なども創り出して細かく分析していきたいです。

「好きになってもらう」ことがマーケティング

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

社内外で当社がよく伝えている言葉のひとつに「 “好き” を大事にする」という言葉があります。私たちの事業そのものである投資という活動もそうですし、その他にも個人のキャリア、習い事、恋愛など、私たちの生活の上で多くの判断は「損得」で考えてしまいがちですが、実は「好き嫌い」が「損得」よりも中長期的には重要であり、かつ結果として正しいジャッジになることが多いという考え方です。私も非常に共感しており、この「好きになってもらう」ことがマーケティングの目的だと考えています。私たちの商品「ひふみシリーズ」だけではなく、多くの日本人に投資を好きになってもらう。この業界全体の持続的な成長を目指す上でも大切にしていきたい考えです。