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関西を中心に個人向け、法人向けの通信サービス(光回線)、MVNOサービスを提供
私は個人のお客様向けの事業部門で、個人向けの光回線サービスの「eo光」とMVNOサービスの「mineo」のオフライン広告の企画や制作、出稿計画策定を担当しています。
広告投資の費用対効果を測りにくいという部分です。例えば食料品や一般消費財であれば、ある程度テレビCMを出稿すればお客様のレスポンスがすぐに売上として見えると思います。一方で、弊社のようなインフラサービスの場合、検討期間やお客様ごとの契約更新時期などによるタイミング性が介入するため、テレビCMを出稿した当月に何件ご契約いただけた、というようにすぐに成果が出ず、評価が難しいという側面があります。
もう一つ、インフラサービスの場合、契約時の接客による影響が大きいので、広告効果を評価しにくいという面もあります。店頭におけるリアルな接点で提案を受け、「eo光に申し込んでも良いかな」と思っていただけて初めてご契約いただけるという性質があると考えます。そのため、広告をいくら出稿したとしても、結果として契約時の決め手が店頭での接客やキャンペーンのおかげではないか、という評価になることもありました。
これは業界全体に言えることですが、商品価値の差別化がつきづらく、結局何を軸にどの会社のどのサービスを選んだら良いのかわかりにくいところがあります。そのため、お客様もご自身でお調べにはなるものの、「最終的には店頭で直接説明を受けて契約したい」という方が多いです。弊社はリアルチャネルからの契約も多いので、リアルチャネルにおける提案の影響を排除して広告を評価できないというのは難しい部分です。
デジタルの分野であれば、最低限コンバージョン数・率や獲得単価のようなKPIをおいて評価していました。オフライン広告は、広告認知の広がりや訴求している内容の理解度が上がれば目的は達せられているだろうという前提のもと、一定の予算を持って広告宣伝活動をやってきました。
一方で、多額の投資をすることにはなりますので、社内では定性面だけではなく、定量面にも目を向けて広告効果を評価していくべきだろうという声が高まっていました。
私自身、限られた予算の中で、例えばキャンペーンとしてお客様に還元すべきなのか、広告宣伝に投資をしていくべきなのかを同じ土俵で評価するべきだと考えていました。そうすることにより、より精度が高い予算配分ができるのではないかと感じていました。
「お客様の弊社サービスへの認知度・理解度が上がれば、必ず契約数が伸びます」と断言してしまって良いのかという懸念を持っていました。また、広告宣伝の結果として、当然成果を求められますので、やはり定量的に見ることは大事だと思っています。
弊社では、認知度・理解度だけでなく検討意向なども評価項目としていましたので、定性面での評価だけでも信頼性はあったと考えていますが、定性面の評価と契約数などを紐付けることは難しいですし、その関係性を証明することも困難です。
一度やめてみて広告効果を検証しても良いのではないか、という声がありました。非常にありがたいことではありますが、関西における「eo光」のブランド認知は90%を超えており、たとえテレビCMを出稿しなかったとしても、ある程度お客様の検討候補に入り続けることはできると考えたからです。
一方で、広告は目先の契約獲得のためだけに実施するものではないと思っています。お客様に私共が大事にしているブランド(お客様起点をベースにていねい親身、プロフェショナル、半歩先を読む)としての価値を認知いただいて、ファンになっていただいて、長くご利用いただけるようになる、そういう意味合いもあると考えています。
今まで十数年にわたって関西で一定量のテレビCMを出稿してきたという歴史がある中で、テレビCMの出稿量を減らすことにより、弊社サービスやブランド、そして企業としての認知率が低下するという悪影響も考えられます。
広告の効果を定量的に評価し、その広告を今やるべきなのかを判断したいためです。特に、一番投資しているテレビCMが、1契約あたりどの程度のコストになっているのかをフラットに見てみたいと考えていました。
ある程度私が予想していた通りの結果でした。テレビCMの効果はゼロではないものの、獲得単価は高く見えるだろうと思っていました。ただ、予想通りだったからがっかりしたということではなく、定量化できたということ自体が私共にとって非常に有意義でした。今後新しい広告計画を検討していくにあたって、これくらいの費用対効果を確保しなければならない、という定量的な指標ができたと捉えています。
テレビCMの打ち方を変更しました。先に申し上げたとおり、テレビCMの投資効率が良くないからといってやめてしまうことのリスクもありますので、これまでのように年間通じてテレビCMを打ち続けるのではなく、定性・定量評価で得た知見をもとに打たない期間を設けるなどメリハリをつけて出稿しています。
同時に、電車内の窓枠ステッカーなどの交通広告にも一定の効果があることがわかったので、その予算を増やしました。動画広告も同様です。比較軸ができたことで、今までやっていなかった広告媒体への出稿を試行し、費用対効果が高いものを継続的に実施していくようにしています。
少し意外でした。もちろん、効果を期待して出稿しているのですが、交通広告はお客様の心の中に印象を残しておくという目的で制作しているため、短期的な成果は限定的だと思っていました。実は、まだ疑問符が消えているわけではないのですが、今後続けていく中で、本当に効果があるのか、効果があるとすればその理由は何なのか、というように深堀りしていきたいと思っています。
MAGELLANは使い続けていく方が良いと思っています。様々な施策を同じ土俵で評価できることで、費用対効果の基準が見えてきますし、その基準値をもとに実績を分析し、新施策を評価し、既存施策の現在と過去を比較して検証していく、というのがあるべき姿だと思っています。
より正確に言うと、MAGELLANというツールを使い続けるというより、サイカのカスタマーサクセス部の皆さんのサポートも含めた “サービスとしてのMAGELLAN” を使い続けていくという判断をしています。ツールを渡して終わりではなく、分析自体や分析における精度調整、アウトプットの示唆についてもサポートしてもらえているというのは大変ありがたいです。
活用範囲を広げていきたいと思っています。現在は新規契約数に対する効果分析を主軸に活用しているのですが、既存のお客様の他サービスの追加契約や解約への影響についても分析対象にできればと思っています。
定性面・定量面を総合して自分たちの広告計画や実績を評価し、次により有効な広告を出稿するために議論した上で広告出稿したいと思っています。定量面が重要なのは言うまでもないのですが、定性面も大事にしていきたいです。例えば、自分自身が他社様の広告を見て「この広告好きだな」「このサービスおもしろいな」と思う瞬間はたくさんあります。そういった人間の気持ちが、販売やマーケティングには非常に重要な要素として関わってくるものだと考えています。広告を受け取る、感じるのが人間である以上、そういう気持ちをベースに、今後もMAGELLANとともにオフライン広告の企画や制作、出稿計画策定をしていきたいと考えています。
渉外・コミュニケーション統括本部 ブランド・コミュニケーション本部長
馬場 剛史 氏
事業概要
スマートフォン・携帯電話など従来の通信サービスを中心に、幅広い事業を展開。基盤となる通信を核に、コマース・金融・エネルギー・エンターテインメント・教育などのライフデザインサービスを連携しながら拡充することで、新たな体験価値の提供を目指しています。