経営の意思決定を支援する、データアナリストの仕事とは
サイカのデータアナリストの仕事は、単なるデータ分析にとどまりません。データ分析は課題解決の手段と考え、経営判断の材料となる「使えるデータ」にこだわります。そんなサイカのデータアナリストは、どんな仕事をしているのか。何を大事にしているのか。サイカのデータ分析を担う、ADVA Analysis部部長・西津平に聞きました。
ビジネスに活きるデータを提案する、「広告×統計」のプロフェッショナル
──まず、サイカのデータアナリストの役割を教えてください。
広告に関わるデータを高いレベルで分析する「広告×統計」のプロフェッショナルが、サイカのデータアナリストです。分析結果は出して終わりではなく、経営の意思決定やアクションの実施につなげることが重要です。そのために、この結果が出た理由や、期待していた結果との差異、推定原因、今後どのようなデータを分析するとよいかなど、結果に解釈を加える役割を担います。
──ADVA Analysis部の組織体制について教えてください。
ADVA Analysis部は、MAGELLAN(マゼラン)課、IES課、研究課の3つの組織に分かれています。
MAGELLAN(マゼラン)課は、ヒアリングしたお客様の課題を解決するため、データサイエンスを駆使してお客様に並走するチーム。IES課は、広告のバイイングやクリエイティブの制作を行うIES事業部と連携し、広告の中でも特にテレビCMに課題感を持っているお客様を対象にテレビCMの深堀り分析を行うチーム。研究課は、マゼラン課とIES課が蓄積したナレッジを体系化し、再現性あるノウハウにしていく役割と、いまのソリューションでは解決できない新しい課題が現れたときに、新しい分析方法を研究して生み出していく役割を担います。
──データアナリストは、業務をどのように進めていくのですか。
業務は、私たちデータアナリストと、対面業務を行うコンサルタントが2人1組でペアを組んで進めます。
まずは、お客様の解決したい課題をヒアリングし、何が知りたいのか、分析結果をどんなアクションに使いたいのか、ご要望を詳しくうかがっていきます。次に、ヒアリングした情報をもとにデータ分析の目的を合意します。そのあとはお客様に必要なデータを集めていただき、こちらで分析を行います。最後に、お客様の解決したい課題に合わせた形でレポートを提出し、コンサルタントと一緒にアクションプランをご提案します。
ここまでが基本のPDCAで、この一連の流れをスピード感をもって繰り返していきます。
主体的な提案で、人を動かす
──お客様とコミュニケーションを取る機会が多そうですね。
そうですね。データ分析をする人って、1人で閉じこもって数字を黙々といじっているのが好きな方もいると思うんですけど、サイカのデータアナリストはお客様と対話しながらデータの有効な活用方法をご提案する、コンサルティングに近い役割まで担います。
なので、コミュニケーションが得意な「喋れる理系」が向いていますね(笑)
──最終的なゴールは、お客様に課題解決のためのアクションを実行していただくことだと思いますが、そのためには何が必要なのでしょうか。
人を動かすのは難しいですよね。意外かもしれませんが、絶対に必要なのは主体性だと考えています。人がアクションするきっかけは、前のめりに考えた意欲的な提案だったり、お客様の状況を深く理解したうえで出てくる深い示唆だったりするんです。その部分が浅いと、お客様を動かす分析結果はなかなか出てこないんですよね。
──統計の知識はどのくらい必要ですか。
一定の知識はもちろん必要ですが、仕事をするなかで自然と身につくものでもあります。なので、統計の知識よりも主体的にお客さんのこと考えられる力のほうが重要度が高いです。
スキルについてあえていうならば、データ分析は、目的の設定が何より重要です。なので、どんな業界のどんな分析でもいいので、「こういう目的のために、こういった仮説を立て、こんな分析をした結果、分析の前後でこうアクションが変わった」という経験が一つでもあれば十分だと思いますね。
──入社したらどのように業務に入っていきますか。
新入社員には、必ずメンターとなる先輩社員がつきます。その上で、丸1ヶ月研修を行います。2〜3ヶ月目は、細かい業務を覚えてもらうために、OJTでいろいろな案件に関わってもらいます。4ヶ月以降は先輩社員と一緒に自分の案件を持ち、実際の進行を学んでもらう形です。半年くらいのスパンでしっかり育成していくオンボーディング制度が整っているので、スキルや経験が浅くても大丈夫です。
豊富な学びと実践の場で、スキルを積み重ねていく
──データサイエンスのプロフェッショナルである皆さんは、お客様の経営課題をどのように把握しているのですか。
ペアになるコンサルタントと協力しています。
データアナリストは分析結果をまとめ、結果からお客さんの課題を解決できるような示唆や解釈を考える役割。コンサルタントはデータアナリストが考えた示唆や解釈をどう提案すればお客様に使ってもらえるかを考える役割を担います。
お客様との対面業務をメインとするコンサルタントは、お客様の真の課題を日々深くヒアリングしています。ここでしっかりとコミュニケーションを取りながら、経営判断に使える分析を考えていきます。
──自分が担当する案件以外の分析ノウハウや広告トレンド、各業界のビジネスモデルなど、業務に必要な情報はどのようにキャッチアップしていますか。
全メンバーが参加する部内のミーティングで、全案件のレポートを共有すでに社内にノウハウがあるものが多いです。
あとは、1ヶ月に1回のスパンでコンサルタントを含めた勉強会を実施しています。ここでは具体的な分析事例を学んでいきます。ほかにも、自主的に事例を学ぶ会が積極的に開催されているので、学びの場はたくさんあります。
走りながら考える、スピードとロジックの共存
──ADVA Analysis部は、研究課を中心に分析ノウハウをお客様に還元していく役割も担っています。分析ノウハウがあることで、お客様はどんなメリットを受けられるのでしょうか。
企業の広告担当やマーケティング担当の方がいちばん気にされているのは、実は「この業界の傾向は?」「直近の広告トレンドって何?」というところなんです。もしかすると、自社の広告効果以上に知りたい部分なのかもしれません。
私たちはこれまで100社以上のナショナルクライアントのデータ分析を行ってきました。良い意味で偏りがなく、網羅的な分析実績がたまっています。業界の傾向やトレンドを知りたいというご要望に応えたいと思った時に、我々が蓄積してきた分析を体系的にまとめたデータは、非常に有用なナレッジです。
業界の傾向や広告のトレンドが分かると、自社の分析傾向の把握や、示唆の深掘りにつながっていきます。広告には流行もあるので、「いまやるべき」というタイミングの判断や施策のスピードアップにもつながりますね。
──ADVA Analysis部が大事にしていることを教えてください。
ADVA Analysis部は、サイカのルーツであるデータサイエンスの技術をより磨きながら、いままでなかった新しいことにもチャレンジしていく組織です。
そのためには、走りながら考えられることが大事です。考えがまとまらないと動けないのはだめだし、考えがないまま動いてしまうのもだめです。自分なりのロジックを持ち、こういうふうにやってみたらどうだろうと考え、スピード感を持って、進めながら軌道修正していく。そんなスピードとロジックが共存したデータサイエンスをこれからもアップデートしていきたいです。
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※インタビュイーの所属・役職は取材当時のものです。