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プロダクトをつくるように開発組織をつくる──DevHRが目指す、開発組織のプロダクトマネジメント

サイカには、全社のHR組織とは別に、開発チームの採用と組織づくりを専門的に担うDevHRという組織があります。サイカのDevHRがめざす開発組織について、DevHRマネージャーの渡邊優太(わたなべ ゆうた)さんに伺います。

DevHRとは?

── まずDevHRとは何なのか教えてください。

DevHRは「Developer’s HR」の略で、モノづくりに関わる人のキャリアをデザインし成長を支援する役割を担います。ソフトウェアエンジニア・プロダクトマネージャー・情シスなど、あらゆるメンバーの才能を開花させる組織文化をつくるのもDevHRの重要な役割です。

── DevHRという組織は一般的なものですか?

開発職を専門とした採用活動ができる人材は、採用マーケットでもとても少ないです。
60名規模の企業でDevHRを組織として構築している企業はなかなかないのではないでしょうか。

── なぜサイカにはDevHRがあるんですか?

プロダクトをつくる企業が急成長を遂げるために必要なのは、組織で働く人たちが成長し続けていく仕組みと文化です。サイカはプロダクトの成長と同時に、専門性を持った組織の成果創出を支援する存在として、開発本部にDevHRという専任組織をおきました。DevHRはモノづくりをする人に寄り添い、才能開花できる組織をつくろうとしています。そしてDevHRに所属する人たちが「専門性をもった組織を支援すること」を一つの専門性とし、自らのキャリアにしていくことを目指しています。このモノづくり専門のHR組織の存在は、サイカがモノづくりに力を入れている一つの象徴ともいえます。

▼モノづくり組織に投資する重要性について、CTO是澤が話した記事

【CEO・CTO対談】「いま凄い人」ではなく「これから凄くなる人」と働きたい。サイカの新CTOが目指す”モノづくり”の組織と働き方の理想とは | Xica’s Blog

前職の株式会社Speeeでは、現サイカCTOの是澤と一緒に働いていました。前職でもはじめのうちは、プロダクトチームの採用を全社の採用の中で実施していたのですが、開発組織の採用はビジネス職とは別の戦略が必要という判断に至ったんです。そこから取締役、技術顧問の井原さん、是澤と一緒に開発組織の専任チームを形成し、活動を行うようになりました。

一定の活動を経てプロダクトチームの採用が機能するようになり、RubyのコミッターのmrknさんなどがSpeeeにジョインしてくれました。この経験が、サイカでDevHR組織を立ち上げた原点になっています。

── サイカのDevHRの特徴を教えてください。

サイカのDevHRは3つの役割を担っています。

開発組織の強化はサイカの経営に大きなインパクトをもたらします。
私たちはもともと、効果の⾒えにくいテレビCMや交通広告など、 あらゆる広告の効果を可視化するサービス「MAGELLAN(マゼラン)」を提供していましたが、2020年9月に「ADVA(アドバ)」をリリースし、MAGELLANもADVAのラインナップに統合されました。

現在は、「ADVA MAGELLAN」「ADVA PLANNNER」「ADVA CREATOR」「ADVA BUYER」の4つで構成される、データサイエンスを駆使して、CMを中⼼としたマーケティングの成果を最⼤化させるサービスを提供しています。


サイカがお客様に提供するソリューション一つひとつの価値を上げるためには、プロダクトの提供価値を高めることが必要不可欠で、プロダクトの価値を向上させるには、プロダクトチームの採用力を高め、全員がパフォーマンスを発揮できる組織にすることが重要です。

DevHRの取り組み

── いまDevHRがやっている取り組みを教えてください。

大きく3つあります。
採用活動のデータ化CandidateExperienceの設計良質な習慣づくりです。

採用活動のデータ化

まず採用活動をデータ化し、資産化するしくみをつくりました。
面接官ごとの面談数、候補者の流入媒体、媒体ごとのスカウト承諾率、面接を通した満足度と理解度など、採用活動にまつわる定量的なデータを集めています。

Candidate Experience(候補者体験)の設計

採用では、Candidate Experienceといわれる候補者体験の設計が重要です。採用可否に関わらず、サイカとの関わりが才能開花のきっかけになってほしいので、候補者の方に良い体験を届けられたかを確認するため、面談ごとにアンケートを取らせてもらい、いただいたフィードバックを改善に繋げています。

良質な習慣づくり

DevHRの最重要ミッションは、開発組織の文化をつくることだと思っています。
組織文化は一日でできるものではなく、日々の習慣によって形成されます。なので日々の習慣をより良質にするためのしくみを整備していきました。

たとえば、サイカが四半期ごとに設定するOKRをよりワークさせるため、週次・月次でOKRの進捗を共有する時間を設定しました。3ヶ月の区切りで確実に目標を達成できるよう、進捗や変化を正しく理解する習慣をつくろうとしているんです。

プロダクトをつくるように組織をつくる

僕は前職でプロダクトマネージャーをやっていました。その経験を活かし、組織をひとつのプロダクトに見立て、プロダクトマネジメントの手法にもとづく組織づくりをしてみたいと思っています。

プロダクトマネジメントをする時は、最初にユーザーストーリーを考えます。採用の場合も同じように、候補者の方がカジュアル面談に参加し、選考、入社、オンボーディング、成果を出すまでの一連の流れをユーザーストーリーとして設計します。ストーリーの中で足りない部分をissueと定義し、施策として改善していくんです。

この中でいまいちばん課題感があるのがオンボーディングです。個人の生活からは遠いプロダクトを扱っているので、ユーザーの課題感やプロダクトの価値が理解しにくいんです。数理統計の知識も必要で、つまづきの要素がたくさんありました。

これらを解消し早期に成果を出してもらうため、オンボーディングの定義を定めました。いまはステップごとに必要なオペレーションをつくっています。今後対外的にもプロセスを公開していく予定です。

ホスピタリティある「出る杭」になってほしい

── サイカの開発組織はどんな組織ですか?

一言でいうとチャレンジできる組織ですね。なぜチャレンジが肯定されるかというと、CTOの是澤が作った「モノづくりビジョン」の存在があります。

あらゆる意思決定の基準になる「Refine your choice & make it the best(自ら意思決定した選択を最高まで磨き上げる)」という開発組織のビジョンがあり、サイカの開発組織はひたすらこのビジョンに向かっています。良い意味でも悪い意味でも他のしがらみがないので、自分のスキルを活かしてやりたいことにチャレンジでき、パフォーマンスが出せて、さらに成長できる。努力する人に挑戦の機会が与えられる組織です。

── サイカの開発組織に合うのはどんな人だと思いますか?

自分の可能性に期待できて、努力を続けられる人だと思います。自分のWillがちゃんとあり、自分に上限をつくらず努力できる人は、サイカに合うと思うし活躍できると思いますね。逆に、野心が強くないとサイカにはあまり合わないという判断になるかもしれません。また自身より能力が凄いと思った人からスキルを吸収できたり、他者のフィードバックをギフトとして受けとれるスタンスを持つことは特に重要に思います。

── 「出る杭」になってほしいですか?

なってほしいです。開発本部では「これからどうなっていきたいか」のWillが強い人には期待値をあげてチャレンジさせる傾向にあります。ただこれは自身のWillをやみくもに主張するのではなく、自らの力で組織内や社会で成果を出し、プラスな影響を及ぼす覚悟がセットになります。良いプロダクトをみんなでつくることに喜びを感じたり、Willを叶えながら組織としての成功にコミットできるホスピタリティはもっていてほしいですね。

企業と個人が良い意味で両立・共存できる組織にしたいと思っています。
それができるからこそ、企業も個人の成長に最大限の投資ができると思うので。

全員が主役になれる開発組織へ

── 最後に、DevHRが目指す理想の開発組織を教えてください。

個人に自由を与えられれば大きな成果を残せ、個人が自律すればするほど組織と社会がよくなり、全員が主役になれる組織を目指しています。

そのために、業務委託の方を含めたメンバー全員がスポットライトを浴びられる機会をより増やしていきたいと思っています。

たとえば開発組織のOKRは、組織戦略の遂行と個人の成長、両方のためにあります。
挑戦的なOKRを実現することで得られる個人の成長を、開発組織全体で戦略的に支援し、結果的に組織の目標を達成しようとしているんです。業務委託の方も含めて全てのメンバーにOKRがあり、3ヶ月単位でふりかえりを実施しています。

また、いまカジュアル面談ではBGMを流しているんですが、これはメンバーの意見を参考にはじめた取り組みです。「面談・面接でこれは良かったという経験を教えてほしい」とみんなに聞き、もらった経験談や意見をもとに良い面談はどんなものなのか考えていきました。

── メンバーの意見を施策に反映させているんですね。

はい。情報がなめらかに流れる、みんなが声を挙げて、みんなで良い組織にする文化をつくりたいと思っています。

ほかにも「#dev-gaya」というSlackチャンネルをつくりました。

20人規模のオンラインミーティングだとリアクションが見えづらく、一言も喋れない人が出てきてしまいます。ユーザー参加型イベントをイメージして、ミーティングと並行してリアルタイム実況ができる場を用意したんです。

大事なのは自身をオープンにできることで、いちばん辛いのはしんどい時に「しんどい」と言えないことだと思います。なので、ネガティブな感情を抱いた時、その感情を素直に発信できる組織にしていきたいですね。

XICA WAY(サイカのValues)にも「Resilience」が掲げられているとおり、等身大で自分らしくいられる、しなやかな強さを持った組織が理想です。

最後に、綺麗事を言える組織にしたいですね。
「このビジョンを達成したら世界が変わる」という正しさに向かって、みんなが成果を出し喜びあう、そんな組織をつくっていきたいです。

▼DevHRマネージャー渡邊のインタビュー記事はこちら!

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サイカのDevHRが創るのはモノづくりをする人にとって魅力的であり続ける組織 | 株式会社サイカ

※インタビュイーの所属・役職は取材当時のものです。