〒106-0032
東京都港区六本木3丁目1-1
六本木ティーキューブ14F(受付14階) Google Mapで見る
© XICA CO.,LTD.
※肩書はインタビュー時点のものです
ブランド戦略室長
齋藤 暁彦氏
事業概要
「眼鏡市場」「ALOOK(アルク)」「LENS STYLE」などの店舗ブランドを展開し、眼鏡やコンタクトレンズの販売を行っています。特に「眼鏡市場」は、国内のメガネ業界においてシェアトップを誇っており、全国で1,063の店舗を運営しています※。
※2025年3月時点
取り組み内容
メガネトップ様は、自社が選ばれる「独自の価値」をデータで可視化し、戦略の優先順位を明確化しました。今後は特定されたキードライバーを、現場の行動指針となる「共通言語」として全社に浸透させることで、戦略の実行徹底を図ると同時にデータドリブンな組織風土の醸成も目指しています。
業界トップを誇る同社ですが、市場環境の変化や、これまでのメイン顧客層であった30~40代が上の世代へ移行している背景もあり、「若年層」へのアプローチが注力テーマとなっていました。
コンシューマー・ミックス・モデリング(CMM)を活用し、競合からの「ブランドスイッチ(新規獲得)」と、顧客の「ロイヤル化(離脱防止)」という2つの観点から、若年層を中心とした「ブランド選択メカニズム」を解明する分析を行いました。
キードライバーが特定されたことで、意思決定のスピードが向上。さらに、「経験と勘」を重視してきた組織において、データに基づく客観的な議論が生まれ、より確かな意思決定ができるようになってきています。
若年層からも選ばれるブランドを目指す同社にとって、これからの市場で新たな顧客を獲得していくためには、過去の成功体験にとらわれず、購買を後押しするキードライバー(鍵)を客観的に見極める必要がありました。
そこで用いられたのが、サイカのCMM分析基盤「COMPASS(コンパス)」です。
このアプローチは、消費者意識データから消費者の購買メカニズムを解明し、自社ブランドが選ばれる確率を最大化するためのキードライバーを解明することを可能にしています。具体的には、「どうすれば顧客が他社ではなく自社ブランドを選ぶのか(新規獲得)」「どうすれば既存顧客のロイヤルティを向上させられるのか(離脱防止)」という2つの軸に対し、4P/CX/ブランド資産などの観点から影響を及ぼす要素を洗い出し、統計的に数値インパクトを算出します。特定のブランドイメージが向上した際に消費者が動く確率(スイッチ率)までを算出することで、感覚に頼らない「データに基づいた確かな根拠」を導き出します。

分析の結果、競合から若年層を獲得するためのキードライバーは、単なる「価格」の優位性ではなく、「顧客に寄り添った独自の価値」「購買プロセスにおけるブランドに対するイメージ」※といった「体験価値」にあることが判明しました。さらに、これらの要素は競合と比較しても高く評されており、独自の強みとして注力すべき要素であることがデータによって裏付けられました。
※具体的な分析結果や戦略方針は非公開のため、実際の分析結果を加工・マスクした表現を用いています(以下同様)

ロイヤル化に向けては、利用意向など様々な指標がある中、同社においては「好意度」が重要指標であることがわかりました。さらに、「好意度」につながる要素として、若年層では「品質」と「親しみ」が選ばれました。これらの要素を深堀りした結果、「品質」には「商品の機能的価値」が、「親しみ」には「購買プロセスにおける体験」が関連していることが判明しました。

ブランドスイッチ・ロイヤル化ともに、メガネ選びという体験を通じた「納得感・信頼感」が共通項であることが見えてきました。
また、顧客の世代(若年層・若年層以外)ごとに分析も行っており、それぞれ響く価値が異なることも可視化されました。市場における「重視度」と「自社の優位性」を掛け合わせて整理したことで、「どの層に対し、どのメッセージを優先的に伝えるべきか」というコミュニケーション戦略の輪郭が明確になりました。
「今回の取り組みによって今後の具体的な指針が示されたことは、意思決定のスピード向上において非常に意義のあるものでした。客観的なデータによる裏付けがあることで、『この判断の方が勝てるはずだ』という考え方が社内に浸透したと感じています」(齋藤様)

今後の重要な論点は、特定された本質的なキードライバーをさらに細かな要素に分解し、具体的なアクションへと落とし込むことです。どの行動がスイッチに直結するのかをより具体的な価値として言語化・構造化し、全社で共通認識を持ちながら推進できる状態を目指しています。
「長年培ってきた経験や勘に基づく判断は、決して間違いではないと考えています。しかし、そこに客観的なデータの裏付けを加えることで、より確実な一手を打ちたいと考えていました。現在、ようやく組織としてデータをベースに語り合う土壌ができつつあると感じています」(齋藤氏)
どの企業においても、現場の「経験と勘」は極めて重要な資産です。しかし、市場環境の変化や顧客層の変化に直面した際、それだけでは「どの選択肢をとるべきか」の判断が難しくなる場面が生じます。
同社は、単なる価格競争ではない自社の真の勝機をデータによって特定しました。「購買プロセスにおける体験」といった定性的な体験価値を数値で裏付け、投資すべき領域を明確に定めています。また、こうした分析結果を単なるレポートに留めず、経営層から店舗・営業の現場までが共有できる「共通言語」への変換が、組織としての実行力を引き出す鍵となります。
データを用いて顧客の「意識」と「行動」の関係を客観的に可視化することは、変化の激しい市場において、組織を迷いなく前進させるための強固な羅針盤となるでしょう。
抱えられている課題が本事例と異なる場合でも、データを用いたマーケティングの最適化や意思決定にご関心がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。