マーケティングオートメーションはここ数年でかなり浸透し、多くの企業が導入し、活用できているようです。
弊社では2017年2月からPardotを導入し、活用を開始しました。「マーケティングオートメーションで失敗する理由」としてよく挙げられるような部分がないことを事前に確認した上でスタートしましたが、結果的に当初思い描いていたような活用には至りませんでした。
現在(2018年4月上旬)、Pardotのリプレースを含めて、様々な振り返りをしています。その中で、あまり表には出てこない「マーケティングオートメーションで失敗する理由」を2つ挙げてみようと思います。
ベンダーが語るマーケティングオートメーションで失敗する理由
改めてマーケティングオートメーションで失敗する理由について、マーケティングオートメーションツールを提供しているベンダーがどう考えているかを調べてみました。
ListFinder(提供会社:株式会社イノベーション)
マーケティングオートメーション(MA)の導入でよくある失敗とその原因
- 機能が複雑・難解で使いこなせない
- 十分な人的リソースがない
- 設計ができていないままツールを導入している
Kairos3(提供会社:カイロスマーケティング株式会社)
マーケティングオートメーション導入の失敗によくある4つの理由
- マーケティングオートメーションで解決することを明確にしていなかった
- 機能が必要以上に複雑だった
- 関係する部門との連携ができていなかった
- 担当者をあいまいにしていた
Marketo(提供会社:株式会社マルケト)
- ターゲットオーディエンスを個人として扱っていない。
- ユーザー行動がオーディエンスのターゲティングに使われていない。
- マーケティング活動によって重要な事業目標を達成しようという計画がない。
- 見込み客がいるチャネルで活動を展開していない。
Hubspot(提供会社:HubSpot Japan株式会社 ※ 下記記事はHubspot代理店のリードプラス株式会社によるものです)
導入企業が陥りやすいマーケティングオートメーション4つの落とし穴。失敗する前にポイントを解説
- 運用がマーケティング部で完結している
- コンテンツを改善していない
- リードジェネレーションがストップしている
- コストと工数が増加してしまう
まとめ
各社の理由で、全く同じものがないというのは面白いですね。少なくとも、「目的・目標が明確でないと失敗する」というもののようです。
ベンダーが語らないマーケティングオートメーションで失敗する理由
弊社はPardotを導入し、1年が経過したのですが、当初想定より活用できていないので、失敗だったと言えなくもないかなと思います。では、弊社が失敗した理由は何だったのでしょうか?ベンダーが語らない失敗理由が2つありますので、ご紹介します。
- 細かくリストを分けることができなかった
- SFA(営業管理システム)の運用がまずかった
細かくリストを分けることができなかった
弊社の場合、細かくリストを分ける必要がありましたが、(一般的に)マーケティングオートメーションツールではそれが難しいようです。例えば、リストが5種類(A、B、C、D、E)あったときに、そこから、
- AリストのリードからBリストのリードを引いて、リストPを作る
- CリストとDリストで重複しているリードを抜き出し、リストQを作る
- リストPのリードからリストQのリードを引いて、リストEのリードを加えて、リストRを作る
というような形でリストを作ることができませんでした。
弊社の場合、
- メールを配信したいリード
- メールを配信したくないリード
- メールを配信してはいけないリード
を抽出するために複雑な条件設定が必要だったのですが、それがツール上で実現できませんでした。
SFA(営業管理システム)の運用がまずかった
SFAはSalesforceを利用しているのですが、こちらの運用漏れや運用ミスがあると、メール配信をしようと思っても結局目視で確認する必要が生じるため、もはやマーケティングを自動化できなくなります。多くの企業において、SFAの情報を正確な状態に保つのは簡単なことでないと思います。弊社もご多分に漏れず、情報を正確な状態に保てていません。
まとめ
リストをわけることができないのは機能面、SFAの運用がよくないのは運用面ですが、結果として「セグメンテーションを意図通りに行えない」状態に陥り、ツールのポテンシャルを引き出せていません。
まとめ
弊社がマーケティングオートメーションで失敗した理由を、恥を忍んで公開してみました。
個人的には、データが正確かつ新鮮な状況を維持する、というのがマーケティングオートメーションツール活用の前提なのかなと思っています。そして、それには相当優れた仕組みと、ある程度のコストが必要になりますので、マーケティングオートメーションツールを導入する際は、「データが正確かつ新鮮な状況を維持する」ことができるか否かも検討することをお勧めします。