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イケてるマーケターは読んでいる。マーケティングのトップジャーナル3つ

そもそも「トップジャーナル」とは?

経済学もそうですが、マーケティングに関しても、研究者にとって専門雑誌に論文を掲載し、多くの研究者から自分の論文を引用してもらうことは重要になります。ここでいう専門雑誌というのは、書店に売っているビジネス書や教科書というのではなく、匿名の査読者に付いてその雑誌に掲載する価値がある論文かをチェックしてもらう雑誌(ジャーナル)になります。

雑誌によって投稿された論文の中から掲載される論文の率がまちまちですが、トップと呼ばれるジャーナルでは数%しか掲載されないというものもあります。

昨今のSTAP細胞問題で話題に挙がったNature誌など、理系の分野では当たり前になってきている査読誌の質と量、引用数という評価軸ですが、マーケティングの分野においても、そのような基準で大学教員等の研究者の質を判断する状況になりつつあります。

そこで今回の内容は、マーケティングのトップジャーナルとして、どのような雑誌があるかを、そのジャーナルの特徴を踏まえてご紹介します。

アメリカトップ3のマーケティングジャーナル

あらゆるアカデミックなジャーナルについて絶対的な指標があるわけではありませんが、今回はAcademy of Marketing Scienceに掲載されている順位(http://www.ams-web.org/?10)に則って、その中のトップ3をご紹介します。

この順位付けは、アメリカの研究者1000人を対象に、アカデミックな研究所(Doctoral Institutions)に所属していると研究者と、非アカデミックな組織(Non-Doctoral Institutions)に所属している人とで分けて検証しております。いずれの人たちでも共通しているトップ3は(1)Journal of Marketing、(2)Journal of Marketing Research、(3)Journal of Consumer Researchの3誌となります。

Journal of Marketing

1936年創刊されたマーケティング系ジャーナルのリーダー的存在の雑誌です。マーケティングやマーケティング・マネジメントの重要な問題に焦点を当てた、マーケティングの原理に関するプレミアムかつ幅広い学術雑誌です。

取り上げられる論文の特徴としては、「理論と実践(マーケティングに関する共通知等)の間に存在するギャップを解消し、研究者と実務家との両方に共有される情報を提供する」というモチベーションのもと、マーケティングの問題に対する解決策となる新しい手法の提示をしたもの、マーケティングの事実の一般化や検証結果の提示をした論文などが多く掲載されています。やはり、トップジャーナルですので、”Good”ではダメで、”Excellent”であることが求められているジャーナルです。

Journal of Marketing Research

マーケティング哲学・概念・理論から、手法・技術・応用までをテーマとしており、対象読者はリサーチアナリスト、教育者(研究者)、統計家となっています。

「職業の最前線、最先端の情報の収集を求めているマーケティングリサーチ学問家や実務家向けの情報を提供し、マーケティングリサーチ全体の流れを伝える」というモチベーションのもと、マーケティング課題の解決に関する新しい技術の概念、手法、応用などがあり、理論だけでなく、経験に基づいたマーケティングノウハウが示されています。

Journal of Consumer Research

1974年創刊された消費者行動分析のフィールドのトップジャーナルです。消費者行動の説明・描写に関する学術研究が中心となっており、経験的、理論的、方法論的な論文からなり、分析の専門性により学際色の強い雑誌でもあります。

分野としては心理学、マーケティング、社会学、経済学、コミュニケーション学、人類学が扱われています。内容としては、ミクロレベル(ブランド選択など)からマクロレベル(唯物論的な価値の発展)まで幅広くなっています。

ここではトップ3のジャーナルを挙げましたが、それ以外にもマーケティングの分野について、数理モデルや統計分析を用いた研究が多く取り上げられるMarketing Science誌や小売業のマーケティングに焦点を充てて分析しているJournal of Retailing誌、経営学やマーケティングの先端の研究をアカデミックでない人たちにもわかりやすく紹介しているHarvard Business Review誌などがトップ誌としてピックアップされております。

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