正しい意思決定を導く。事業成長のための「常勝」マーケティング最新考
【ネスレ&丸亀製麺】
トップマーケターに学ぶ、データドリブンな顧客理解と仮説設計の極意
ケイ アンド カンパニー
高岡 浩三
トリドールホールディングス/
丸亀製麺
南雲 克明
サイカ
平尾 喜昭
セミナー内容
マーケティング戦略にデータを取り入れることで、ビジネスの成功確率を上げることが当たり前となった。
テレビCMやSNS広告の成果は、数字を見れば一目瞭然。 生活者がブランドに抱くイメージの一端さえ、定量的に把握できるようになった。
しかしそれらのデータは、正しい評価に基づいているだろうか。データの獲得だけで満足していないだろうか。
最も重要なのは、データがとらえた傾向に、人間による洞察を組み合わせて、「この意思決定が、こんな未来をひらくのでは?」という「仮説」を導き、実行すること。
そして、データサイエンスによって「仮説の精度」を最大限に高めて、確信をもって実行することだ。
この「仮説思考」が、データ時代の企業の未来を左右するのである。
では、適切な仮説とはどのように設計すれば良いのか? データで仮説の精度をどう高めるのか? そもそも、正しいデータ分析はどうすれば実現できるのか?
本イベントでは、国内有数のトップマーケターと共に、データドリブンな戦略の成功事例を紹介し、事業成長をもたらすマーケティングのあり方を探求する。
持続的な成長を求められる、全てのビジネスリーダーに。
こんな方におすすめ
- マーケティングにおけるデータ活用を学びたい方
- ブランドビジネスに携わるビジネスパーソンの方全般
セッションの全編を今すぐ視聴
プログラム
- SESSION.1
最新潮流に見るデータドリブンマーケティングの本質と誤解データドリブンなマーケティングの必要性が叫ばれて久しい。しかし、デジタルをプラットフォームとするマーケティング=データドリブン・マーケティングではない。
本セッションでは、誤解されがちなデータドリブン・マーケティングの実像と、時代の変遷によって変わることのないマーケティングの本質を探求する。
スピーカー:
高岡浩三
ケイアンドカンパニー株式会社 代表取締役社長
平尾喜昭
株式会社サイカ 代表取締役社長CEO SESSION.1を視聴する - SESSION.2
うどん一杯に秘めたデータ戦略。 丸亀製麺が実践する 「感動体験」の科学コロナ禍で多くの外食産業が苦境に立たされた中、丸亀製麺は驚異的なV字回復を遂げた。本格的なブランドイメージを継続しつつ、斬新な商品企画やテレビCMで話題を創出。2024年3月期は売上高が過去最高の1148億円を記録し、足元も成長を続ける。
チャネルとニーズが複雑化する時代に、どのように顧客像をつかみ、適切な仮説を設計・実行してきたのか。丸亀製麺のマーケティングトップが、成功の舞台裏を語る。
スピーカー:
南雲克明
株式会社トリドールホールディングス 執行役員CMO/
KANDOコミュニケーション本部長/
株式会社丸亀製麺 取締役 マーケティング本部長
平尾喜昭
株式会社サイカ 代表取締役社長CEO SESSION.2を視聴する - Q&A
NewsPicks Brand Design(2024年9月24日開催)イベント当日のQ&Aとなります。
Q&Aまとめを読む
スピーカー詳細
ケイ アンド カンパニー株式会社
代表取締役社長
高岡 浩三
「キットカット受験応援キャンペーン」を手がけ、キットカットのビジネスを世界一に導き、2020年3月までネスレ日本(株)代表取締役社長兼CEOとしてDXによるネスカフェ・アンバサダーモデルを構築。20%を超える超高収益企業に育てる。20年4月よりケイアンドカンパニー(株)代表取締役としてDXを通じたイノベーション創出のプロデューサーとして活躍。ネスレ退任後、サイバーエージェントなど数社のマネジメントアドバイザーと社外取締役を務めるとともに、自ら「高岡イノベーション道場」というイノベーション創出に特化したスクールを主宰する。
株式会社トリドールホールディングス 執行役員 CMO
兼 KANDOコミュニケーション本部長
兼 株式会社丸亀製麺 取締役 マーケティング本部長
南雲 克明
早稲田大学大学院商学研究科卒MBA。コナミスポーツ、サザビーリーグなどB2Cの事業会社において様々なブランドのマーケティング責任者を歴任。2018年トリドールホールディングス入社。2022年より現職。“感動(KANDO)”を起点に、感性とデータサイエンス両側面から持続的に選ばれる確率を高める「感動ドリブンマーケティング」を推進。ブランド力向上と顧客体験価値(CX)向上を軸に、新しい価値創造によるイノベーションまで、ビジネスと企業価値をグロースさせ続けるマーケティングの革新と拡張に取り組む。
株式会社サイカ
代表取締役社長CEO
平尾 喜昭
慶應義塾大学総合政策学部卒業。
父親の倒産体験から「世の中にあるどうしようもない悲しみを無くしたい」と強く思うようになる。
大学在学中出会った統計分析から経営支援の可能性を見出し、2012年2月に株式会社サイカを創業。
統計学と経済学をベースに、これまで数多くの大手クライアントにてマーケティング精度向上のコンサルティングを行ってきた。同経験を背景として、XICAの各種ツール開発におけるプロダクトオーナーを歴任。
開催概要
- 視聴方法
- 当ページのビデオプレイヤーから再生いただけます
- 受講料
- 無料
- 会場
- オンライン配信
NewsPicks Brand Design(2024年9月24日開催)にて配信したものと同じ内容です
- 主催
- NewsPicks Brand Design
- 協賛
- 株式会社サイカ
イベント全編(SESSION.1 & SESSION.2)
SESSION.1
SESSION.2
SESSION.1でご紹介している「データ分析の8ステップ」の詳細を学びたい方は、「成果に繋げるデータ分析の「基本の8ステップ」~ビジネスの現場で使えるデータ分析の押さえるべき点とは?~」をご参考ください。
データ分析を意思決定や具体的なアクションにどのように繋げれば良いのか、理解を深められる内容となっています。
また、イベント内で紹介したソリューションに関する詳細は下記をご確認ください。
Q&Aまとめ
NewsPicks Brand Design(2024年9月24日開催)イベント当日にいただいた質問に対する回答のまとめとなります。
追加でご質問のある方は、こちらよりお問い合わせください。
Q. MMMの検討について。思想やアプローチに共感できる一方で導入のハードルが高いように感じます。効果的に実施・検証をして自社のモデル化を目指す場合に何から始める・相談すると良いでしょうか。
A.(平尾より)
効果的に実施・検証をして自社のモデル化を目指すためには、まずは分析結果をアクションに反映し、成果(実績)を出すことがポイントです。成果が出ることで、分析に対する組織の納得度・信頼度が高まり、効果的に運用を継続することができるようになります。分析を継続することで、自社のモデルの解像度がさらに高まっていきます。
その際、最初から全体的な改善を目指すのではなく、まずは部分的な改善から目指し、小さな成果を積み重ねることを意識するとよいでしょう。例えば、テレビCM等の多くの人が関わる施策ではなく、まずはオンラインの認知施策等の少数の人数が関わる施策から改善アクションに繋げるというイメージです。
Q. Awareness分析のパートの「うどんが美味しい」のブレイクダウンが印象的でした。ブランドの提供価値が差別化され強化されると、毎回の示唆とブレイクダウンが同じような内容になりやすいのではないか(ユーザーから意向される要因が強くなるということなので)と感じます。
その状況下において仮説を更新するために必要な観点を教えてください。
A.(平尾より)
前提として、ご紹介した分析において解明する影響因子は、「今どこが強いか」という見方ではなく「どこが伸び余地なのか」(どこを上げれば成果を更に押し上げることができるのか)という見方をしています。
おっしゃる通り、戦略がはまるとコアとなるKPIは強固なものとなります。ただ、そのKPIを押し上げる因子は、改善されると別のものにスイッチされていきます。KPIは変わらなくとも、その因子(優先的に打つべき要素)は動的に変わるため、それを定点で捉えていく必要があります。
また、KPI自体も、少し長いスパンでみると消費者や競合の影響で変化する可能性もあります。KPI自体が変わらなくとも、成果に対する関係度合いが変化する可能性もあります。このような変化を的確に捉えながら、仮説を更新していくことが重要です。
Q. NPSの分析とそれを基にした具体的アクションはどのくらいの頻度で回されていますか?
またその分析内容の結果共有とアクションの落とし込みを本社から店舗レベルにどのように実践されていますか?
A.(南雲様より)
NPS分析は1か月に1回。それを営業部のマネージャーへ展開しアクションをエリアごと・店舗ごとに展開してもらっています。
現在はNPSとともに「丸亀感動スコア」を毎日店舗ごとにフィードバックし、CX向上と従業員モチベーション向上へ活用してもらっています。
Actionへの落とし込みは営業部、エリアマネージャーへ任せています。「丸亀感動スコア」については成功事例の共有を適宜行うようにしています。
Q. お客様から得た定性データ(ブランドに対する印象等)から重要なものを選ぶときに、気をつけるべきことはありますか?
A.(南雲様より)
お客様がブランドを選択するのに、また差別化するために、重要な指標・イメージなのか?をしっかりと見極めることです。
また、定性データを表面的に判断しないようにしています。
その真意は何か?どれくらいの人が言っているのか?要因は何か?限定的なのか全体なのか?など多角的にデータや自分の目でもチェックして判断するようにしています。
Q. データがそもそもたまっておらず、分析できる環境が整っていません。
あるあるの事象だと思いますが、アドバイスいただけないでしょうか。
まずは、目的課題を整理し、どのデータを定点観測していくべきか決めるところからでしょうか?
A. (平尾より)
データ分析はお金をかけてデータを溜めなければできないというわけではありません。わざわざ調査をしなくても、分析ができる対象は、仮説次第で世の中そこら中にある場合が多いです。まずは、今すぐ分析すべきものを定めて分析をすることをオススメします。
Q. NPSを有効活用できておりません。取得して終わりになっています。
A. (平尾より)
そもそもNPSが自社(自ブランド)において重要なKPIになるのかを評価するところから始めるとよいと思います。
KPIとして響いているのであれば、NPSを押し上げる要因を解明し、そのレバーを引き上げる方法を検討することを推奨します。
Q. データドリブンマーケを組織文化として浸透させるために必要なアクションやTIPSはありますか?
A. (南雲様より)
2点あります。
まずは、小さいことで良いので問題を解き明かし、組織の信頼を得ていくこと。それを通して組織にデータサイエンスを使うことを根付かせること。そしてもう1つは、Small Winを積み重ねた先で、大きな問題を解き明かすためのリソース(人・時間等)をしっかりと張り、それを解き明かしに行くこと。いきなり大きな取り組みをすることは難しいので、何年かかけて取り組みを大きくしていくことが重要です。
また、Small Win / Quick Winに留まらず、しっかりとその先の問題の解決に取り組むことが大切だと思います。
Q. このような戦略策定~分析~施策実行を行うにあたり、マーケ部門の体制(人員数や分析選任担当などの役割分け等)を教えていただきたいです。
またサイカさんの関与範囲などもわかるとありがたいです。
体制の質問に関連して、仮説立案やデータ分析を行う際には丸亀さん社内でアナリストやストラテジストなどの専門の人材orチームで実行されていますか?
A. (南雲様より)
丸亀製麺では20名程のマーケティング部員で展開しています。コミュニケーションデザイン、体験デザイン、ブランド戦略を担う3つの部門があります。また、自社のみでなく、各パートナー企業の強みを生かして一緒にプロジェクトを進めているのが丸亀製麺の強みだと思っています。パートナー企業も含めてワンチームで進める体制にしています。例えば、会議も一緒にしているのが特徴です。
ただ、最も重要なのは、「こうしたい」「これを達成したい」というのは事業会社が決め、それをしっかりと示すことです。これが無いと各パートナーも力を発揮できないので、このようなビジョン・目標の提示が重要です。
Q. 感性とデータからユーザーのインサイトを導き出していく中で、感性を可視化する方法はアンケートでしょうか?
頻度も週に1度と伺いましたが、毎週アンケート結果を確認されているということでしょうか?
A. (平尾より)
感性を可視化する(成果に対するキードライバーを特定する)方法としてはアンケートを利用しています。
まず初めにモデルを構築するときは、仮説をベースに影響し得る要素を全て盛り込んだアンケートを実施します。その後、定点でモニタリングする分析においては、前段の分析で絞り込んだ要素を中心にアンケートを実施します。
頻度としては、モデルを構築するアンケートは年に1回、定点のモニタリングにおいては、施策との関係性を見に行く分析をする場合は週に1回、施策との関係性を見に行く必要がない場合は四半期に1回の実施となります。
丸亀製麺様の場合は、施策との関係性を分析しているため、毎週アンケート結果を確認されています。
Q. 「企業(コーポレート)マーケティング」「事業マーケティング」の組織は分かれていますでしょうか。横串をどう指しているのか、大変気になっております。
A. (南雲様より)
「コーポレートコミュニケーション部」と「マーケティング部」に分かれています。
ただし、すべてを統括して全体最適化する必要があるので同じ「KANDOコミュニケーション本部」内に組織があり、どちらも私が見れるようにして全体最適と相乗効果が出るようにディレクションしています。