サイカのDevHRが創るのはモノづくりをする人にとって魅力的であり続ける組織
サイカはプロダクト開発に大きな投資をしています。最新の技術を取り入れ、国内外でエンジニアリングのトップを走るアドバイザリーの方々にご支援いただいています。しかし社外から見ると、「開発が強い会社」ではなく「マーケティングの会社」というイメージを持たれていました。
サイカのDevHR、文野 冴香(ぶんの さえか)さんは、2020年7月にサイカに入社。同年10月、開発組織のイメージを覆すエージェント説明会を実施します。
開発組織のイメージを変えたエージェント説明会
── エージェント説明会には41社53名の方にご参加いただき、これをきっかけに1名の採用が決定。文野さんは11月の社内MVPも受賞されました。
4月に開催した説明会の約3倍となるエージェントの方々にお集まりいただき、「サイカの開発組織がこんなにレベルが高いと思っていなかった」「プロダクトにこんなに投資している会社だとは知らなかった」といったフィードバックを多数いただくことができました。結果として、今のサイカの開発組織にマッチした優秀なエンジニアの方1名のご入社も決まりました。
── そもそも、なぜエージェント説明会を実施することになったのですか?
課題感の発端は採用です。ビジネス職に比べ、採用が難しいといわれる開発職。中でも現在サイカが募集しているのは比較的グレードが高いポジションの方です。「サイカ=マーケティングの会社」というイメージも加わり、開発職の採用はさらに難しくなっていました。
解決策の一つとして考えたのがエージェント説明会です。
「開発者の採用においてはダイレクトリクルーティングのほうが成果が出る」という前提もある中、サイカを知ってもらうためにできることがまだあると思いました。
挑戦してみてうまくいかなかったら、エージェント経由の採用に注力するのはやめる覚悟のもと、実施を決めました。
── どんなコンテンツを企画したんですか?
メインは、CEO・CTOによるプレゼンとパネルディスカッションです。事業成長とともにプロダクトへの投資を進めていること、開発部門の採用に力を入れていること、事業とプロダクトの距離の近さなど、サイカが持つ魅力を最新情報とともに伝えるコンテンツを用意しました。
合わせてエージェントの方が「参加したい」と思うのに必要な要素を考えました。エージェント側からすると、候補者が採用に至るファーストステップとして「面談に進めること」が魅力になってきます。そこで「お土産」という形で「説明会参加後にブラインドレジュメ(※1)ベースの打ち合わせを実施したら、CTOとの面談を2回まで確約します」という特典をつけてご招待しました。
※1:個人を特定できない状態にした採用候補者のレジュメ(履歴書・職務経歴書)のこと。企業が求める人材と候補者の経歴をすり合わせる際、エージェントが用意することが多い。
── 一連の流れを戦略的に考えたんですね!
はい。正直これまでは、スキルの高い候補者さんにサイカの開発組織を紹介しようと第一想起してもらえる状態ではなかったので、エージェント説明会がサイカの優先順位を上げるきっかけになるように準備をしました。
「転職したほうがいい」と言われ、自信を失ったまま転職活動
── 文野さんは、高校卒業後、イギリスの大学でバイオサイエンスを学んだそうですね。単身海外へ行くことに抵抗はなかったのですか?
子供の頃から引越しが多かったので、抵抗は全くなかったです。渡英後もホームステイをしたり、大学寮で男女12人での共同生活を経験したり、自分自身が「外国人」の立場でもあったので、新しい場所や人に適応するのは得意だと思っていました。
── 新卒で入社した会社では営業を担当されていたんですね。
はい。当時はコミュニケーション能力が自分の強みだと思っていたので、スイスのバイオ系IT企業の日本支社に、営業として入社しました。
── 当時は?
実は仕事がうまくいかなかったんです。
いざ社会に出てみたら、思っていたよりもコミュニケーション能力がありませんでした。ビジネスマナーも営業のやり方もわからない。できないことが多すぎて、「私、本当に何もできないかもしれない」と思うくらい自信喪失してしまったんです。
新卒採用をしていない会社で即戦力と期待されて入社した経緯もあったのですが、期待値に全く届きませんでした。ついに上司からも「うちには教育するリソースがないから、このままだとお互いに不幸。早めに転職したほうがいい。」と言われ、自信を失ったまま転職活動を始めました。
自分にしかできないことをするため人事の道へ
── 次の会社はどうやって決めたんですか?
正直「こんな自分でもできる仕事があれば」という気持ちで転職活動をしていました。入社したのは総務職に応募した会社です。
── でも2社目でも営業をやっていたんですよね?
そうなんです。面接でお会いした社長がなぜか営業について話すので「総務の面接ですよね?」と確認したら「君は営業をやるべき。ぜひ営業として来てほしい。」と言われました。
自信がなかったのですが、選考が進むうちに私の強みを信じて期待してくれるこの会社なら貢献できるのではないかと思うようになりました。
── それで営業として入社を決めたんですね。
はい。医療系のスタートアップでした。
入社してすぐ、医師の方が集まる学会にブース出展しサービス登録を呼びかける仕事を担当したのですが、これがうまくいったんです。
最初は1日10名登録してもらうのも難しかったのですが、しばらくすると3日間の学会で100名以上の登録数を維持できるようになりました。
この業務は、毎回派遣の方に手伝っていただくのですが、成果を出せる人と出せない人が明確に分かれます。どんな人にも成果を出してもらいたいと、トークスクリプトやOJTで試行錯誤して、しだいに個人の成果の最大化を考えるようになりました。
それと、結局意欲があり楽しく働いている方が最も成果を出せるので、楽しんでいただけるように工夫していました。
── だんだんと視点が他者の成長に向いて行ったんですね。
はい。転職して2年目、上司にもらった言葉が自分のキャリアを考え直すきっかけになりました。
「文野さんは人事にも適性があると思う。どんな相手にもフェアに接することができるのはすごい。誰にでもできることではない。」
会社からは営業として期待されていたので「営業の道でやっていくんだ」と自分に言い聞かせている節がありました。ただ「誰にでもできることではない」という上司の言葉が心に残り、自分の適性はなんだろうと考えていたんです。
そのタイミングで経営管理部の前任者が退職することになり、「このポジションなら人事にも挑戦できる可能性があるから、よければ後任に推薦する」と上司が提案してくれました。やるしかないと思い、社長は最初猛反対でしたが、上司のサポートもありなんとか押し切ってしまいました。
── そこから人事としてのキャリアが始まるんですね。
経営管理部の業務は幅広く、最初は総務、労務、法務等の仕事をしていましたが、CTOがエンジニア採用に注力するタイミングで「手伝います!」と手を挙げました。人事として採用に関わるようになったのはそこからですね。
── エンジニア採用の仕事はどうでしたか?
楽しかったです。CTOと一緒にEmployee Experience(従業員体験)を考えるのも、採用面接でエンジニアの方のキャリアの話を聞かせていただくのも。
キャリアコンサルタントの国家資格も取得し、ますます人事としてのキャリアを目指す想いが強くなっていたのですが、会社の採用がひと段落し、縮小する方針となり、人事以外の仕事が8割以上を占めるようになりました。ただやっぱり「人」に関する専門性を磨きたくて、転職することにしたんです。
成長に投資するのは、成長のためのチャレンジを続けるため
── サイカに入社を決めた理由を教えてください。
CTOの是澤さんがつくった「モノづくりビジョン」に感動したからです。
開発組織だけでこれだけ明確な指針を持っているのに驚きました。大きな伸びしろがある組織で「Refine your choice and make it the best (自ら意思決定した選択を最高まで磨き上げる)」というビジョンを当たり前に体現できる環境を追求したいと思い、入社を決めました。
── 開発組織で働くメリットを教えてください。
才能開花が社名の由来である通り、人の成長と挑戦に投資を惜しまない環境です。
中でも、他ではなかなかないと思ったのは、アドバイザリーボードの方々との距離の近さです。サイカの開発組織は、メルカリCTOの名村卓さん、メルカリでMicroservicesを推進する田中慎司さん、Google本社の池田俊さん、数理の分野ではRubyのコミッターの村田賢太さんにアドバイザリーとしてご支援いただいています。サイカに入社するとアドバイザリーの皆さんとの1on1の時間をもらえ、その後はSlackなどでコミュニケーションを取れます。
── どんな人と一緒に組織を成長させていきたいですか?
ご自身のwillがあり自分の成長を追い続けられる方と一緒に働けたら嬉しいです。
ただサイカの開発組織が目指すのは、時代や社会にインパクトを与え続ける開発組織。なので、「生涯かけて特定の技術だけを極めたい」というwillだと、もしかしたらサイカには合わないかもしれません。アジリティの高い開発組織であり続けるためには、今の技術を捨て、新しいチャレンジをすることも大切だと考えています。
モノづくりをする人たちにとって魅力的であり続ける組織
── 最後に、DevHRが目指す開発組織について教えてください。
DevHRは「開発に関わる人たちがモノづくりに集中できて、最高の成果と成長ができる環境を創り上げる」を目標に日々動いています。
環境も人も変わり続けると思いますが、常に「モノづくりをする人たちにとって魅力的であり続ける組織」であることが重要だと思っています。
成長意欲の高い方がここにいたいと思える。ここでなら成長できると思える。そんな組織を追求し続けたいです。サイカでの成長を経て、会社はもちろん世の中にもインパクトを与えるような存在になっていただけたら素晴らしいですよね。
── 「いろいろな経験を経て、自分自身の自己実現にようやく向き合えるようになった」と話す文野さん。人と組織の成長に向けて邁進する文野さんの想いが聞けました。ありがとうございました!
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プロダクトをつくるように開発組織をつくる〜DevHRが目指す、開発組織のプロダクトマネジメント〜 | 株式会社サイカ
※インタビュイーの所属・役職は取材当時のものです。