真面目なバランサーだった私が「採用から一歩違うところで価値を出したい」と思う理由
「3姉妹の真ん中で家族のバランサーだった」
そう話すのは2020年10月、人事としてサイカに入社した髙橋 洋子(たかはし ようこ)さん。
「私は真面目さが漏れ出てしまうみたい。個性的な人に憧れる」と言う髙橋さんですが、お話を伺っていると「面白そう!」と感じる場所に自ら飛び込んでいく方という印象も受けます。
そんな髙橋さんに人事としてやっていきたいことを聞くと、子供の頃からバランサーのポジションを担ってきた、髙橋さん独自のキャリアイメージが見えてきました。
個性的な人に憧れる、真面目なバランサー
── まずは、髙橋さんの子供時代について教えてください。
私は新潟県長岡市の出身で、5個上に姉、5個下に妹がいる、3姉妹の真ん中でした。
── 3姉妹の真ん中ってどうなんですか?
常に一歩引いた状態から家族を見ている感じ。
父と妹のケンカを仲裁するなど、バランサーのポジションにいたと思います。
今まで調整系の仕事が多かったのは、そこが原点かもしれません。
── 学校ではどういうキャラクターだったんですか?
小、中学生の頃は「静かにしてください!」って注意して同級生にチッて思われるような学級委員キャラでした(笑)
これをずっとやっていたらみんなに嫌われると気付いて適当にやるようになったんですけど、どうしても「真面目だよね」と言われてしまう。
── 真面目さを隠しきれない。
無自覚なんですけど、漏れ出てしまう真面目さがあるのかもしれないです。
もっと面白い人間になりたいという願望はずっとあるし、個性的な人が本当に羨ましい。
── 高校卒業後は立教大学に進学されていますが、どんなことを学ばれたんですか?
現代心理学部映像身体学科というところで、映像と身体・心理の関係性を探っていく授業を専攻していました。
子供の頃からテレビっ子だったのでその影響が大きいです。
小さい頃はセーラームーンやデジモンなどのアニメが好きで、小学校高学年くらいからは夜10時台のドラマを観ていました。小・中とバレーボールをやっていたんですが、それもテレビでオリンピックのバレーボール競技を見て入部したんです。
何か選択をする時に、テレビの影響で決めたことは多いですね。
私は1年浪人しているんですが、「どうせあと1年勉強するなら、よくわからなくても自分が面白いと感じるところに行こう」と思ったんです。私が通っていた学部は新設して3年目くらいだったんですけど、映像が好きだったので、その学部に決めました。
面白そうと思える会社で「大人の社会科見学」
── 大学卒業後、新卒採用の映像制作をする株式会社揚羽(アゲハ)に就職されていますが、就職活動の軸は何だったんですか?
就職活動を始めた頃、有名企業の説明会にも行ってみたんですが、説明会の途中で帰りたくなるくらいつまらなかったんです。「自分が面白そうと感じるところに行こう」と決めて、ずっと好きだった映像系の会社で探しはじめ、揚羽に出会いました。
説明会に行った時に、直感で「ここで働いたらすごく面白いかもしれない」と思ったんです。そこからはグイグイ突き進んで行きました。
説明会には10人くらい学生がいて、社長が会社説明をしてくれたんですが、「質問ある人いますか?」に対して私一人が3回、4回と質問している状態。「もう時間だからほかにある人いますか?」と聞かれて「もう1個お願いします!」と手を挙げる、みたいな(笑)
── すごい!(笑)
社長が、私のように空気を読まずにガンガン行く人が好きだったみたいで、そのまま入社が決まりました。
── 「面白そうだと感じる会社に行きたい」ということでしたが、どういう部分に面白さを感じたのですか?
揚羽は、新卒採用に使う会社紹介映像やインタビュー映像を作る会社でした。新卒の学生に適切に情報を伝え、ミスマッチによる早期離職や、優秀なのに活躍できないといった問題をなくしていこうという理念を当時掲げていたんです。
自分もまさに新卒で、これからはたらく会社を決めるというタイミング。映像を使って学生の不安を払拭していこうという理念に共感しました。
あと、仕事を通していろんな会社のいろんな人の話を聞けるのが面白そうと思ったんです。数年後に「大人の社会科見学」というキャッチコピーができたんですが、まさにそんな感じでワクワクしました。
まず、隣にいる人の課題を解決したい
── 揚羽では制作進行を担当されたあと、社員教育にも関わるようになったんですよね?
はい。最初は、自分が担当していた制作進行ポジションで後輩の教育をするところからスタートしました。
営業担当の若手が制作現場を知るために制作進行をやることがあったのですが、制作進行のイロハを知らないまま入るので、お客様や制作パートナーからクレームをもらってしまったり、うまく進められないことも多かったんです。でも「ちゃんと教えてあげていないのにクレームだけ受けるのはかわいそうだよね」と思って。
── 近くにいる人の課題をまず解決したいと。
自分の隣にいる人の課題を解決してあげたいと思って教育担当に名乗り出ました。そうしたら、人事部長を兼務していた当時の上司が「『人事の学校(※1)』に行ってみないか」と声をかけてくれたんです。
そこで出会った先生の考え方がとてもしっくりきて、人事って面白いかもしれない、と思うようになりました。
※1:https://www.fournotes.co.jp/school/
── それが人事の仕事に進むきっかけなんですね。
「会社の成長と社員の成長のベクトルを合わせにいくのが人事の仕事」「採用前から退職後までは全部が繋がっていて、人事はその人の人生に関わっていく」という話にすごく共感したんです。
帰属意識や評価制度が整っていないと、社員一人ひとりのモチベーションに頼ることになってしまいます。そうすると、モチベーションが落ちた人から辞めていく。その過程でどんどん疲弊してしまう。一緒に働いている好きな人たちがそうなってしまったら悲しい。
会社が求めていることに社員が応えて、社員が求めてることに会社が応えて、両者が相乗効果でどんどん成長していけたら会社はもっと良くなる。それにすごく腹落ちして、人事をやりたいと思いました。
ホームページに載っている社員インタビューは全部読んだ
── 5年間揚羽で勤務されて、マイネットにご転職されるんですね。その時の転職では何を大事にしていたんですか?
一緒に働く「人」です。
私は、社内の人のために頑張るとモチベーションが上がります。だから、同じ会社の人たちを好きになれなかったらきっとモチベーションが保てない。
だから、採用ページを持っている会社は隅から隅まで見て、公開されている社員インタビューは全部読みました。この人は考え方が合いそう、この人は話したら面白そう、とか。
── マイネットさんでは新卒採用、中途採用、人事労務などを約2年半担当されて、その後サイカにご転職されるんですね。サイカに入社した決め手は何だったんですか?
軸は変わっていなくて、第一は「人」ですね。
── 一貫してるんですね!
柔軟性がないのかもしれませんが(笑)
もうひとつの軸でいうと仕事内容ですね。キャリア採用からスタートしたとして、そこから外に業務の幅を広げていけるかどうか。
── 業務の幅を広げたいと思う理由を教えていただけますか?
人事全般を理解できている状態で、自分の強みを見つけていきたいと思っているんです。できればその強みを活かす仕事をしていきたい。会社のフェーズによって人事に求められる役割は変わるので、人事という枠の中で柔軟性を持って仕事ができる人材になりたいです。
全般ができるからこそ、特化する部分により強みを持てると思っています。
人事の仕事は入社前から退職後まで繋がっているので、「広い知識がある中で採用が強い」のか「採用しか知らない」のかで、できることが全然違ってくるはず。できることが多くなれば、その分いろいろな掛け算ができるようになると思うんですよね。
── 今後サイカではどんな役割を担っていく予定ですか?
エージェントとコミュニケーションを取っての母集団形成、カジュアル面談、選考が進行中の候補者の方・エージェント双方のフォローなどをやっていく予定です。
採用から一歩違うところで価値発揮できるようになりたい
── これから人事としてどのような仕事をしていきたいですか?
人事の仕事は、営業要素の強い採用のような仕事から、複雑に絡まったものをほどいて整理していくような仕事まで幅広くあります。
その中で私は、複雑化したものを整理して効率化したり、どうしたらミスなくできるんだろう、どうしたらはたらく人が楽になるだろうということを考えるのが自分に合っていると思っています。
1社目で制作進行の仕事をしていた時も、全員が良いものを、楽に、納期を守って作るための最初の段取り、リスク察知の部分を特に意識してきました。人によって締め切りギリギリに出す人やおおざっぱな人もいるので、相手に合わせてやり方や伝え方を変えていく工夫が楽しくて、そこにやりがいを感じていたんです。
── いまある業務をもっと良くする改善業務がご自身には向いていると。
そう思っています。
サイカに入社して思ったのは、本当にみんないい人だということ。要所要所で困っていることを察知してくれたり、私が溶け込めるように誘ってくれたり、人の優しさや気遣いをすごく感じます。
だからこそ、人事としてどこまでみんなのキャリアに寄り添っていけるんだろうとは思いますね。ざっくりいうと、サイカに入った人が幸せになったらいいな、と本当に思っているんです。自分がなりたい姿になるための仕事ができていて、自分の大事なものを犠牲にしなくてもちゃんとなりたい姿に向かって進むことができる。そんな会社になれたら素敵だと思います。
そのために、人事として効率化できるところや整理できるところはまだまだあると思うので、その部分をやっていきたいですね。
── まさに、会社と社員のベクトルが合うかどうかですね。
個人のキャリアと会社の目指すものが合致するかどうかをまず採用の時点ですり合わせることが大事だし、社員の成長の過程で個人のより良いキャリアを一緒に模索していきたい。
踏み込めば踏み込むほど震えますよね、人事って(笑)
── 今後ますますのご活躍が楽しみです! 髙橋さん、本日はありがとうございました。
※インタビュイーの所属・役職は取材当時のものです。