自己肯定感を他人に委ねることをやめた僕が「人の支援」にこだわる理由
2020年1月、人事としてサイカに入社した松下 貴大(まつした たかひろ)さん。人事未経験にもかかわらず、スカウトメールの工夫で、平均返信率3%のところ返信率30%という記録を叩き出し、チームで追う採用目標に大きく貢献。2020年10月には、社内の月間MVPを獲得しました。
「昔は人の反応に自己肯定感を左右されていた」と話す松下さんですが、現在はそれを克服し、学生時代からブレない「人の支援がしたい」という軸で業務に邁進しているといいます。そんな松下さんのこれまでを伺いました。
自己肯定感を他人に委ねることをやめた
── 松下さんは、穏やかな性格の反面、目標達成志向が強くアクティブという、不思議なバランスを持った方だなあと思っています。
確かに、普段はのんびりしていてマイペースと言われますが、アクティブな部分もあると思います。学生時代は海外に一人で行くのが好きで、ミャンマーやボリビアなど計25カ国に行きました。自分の常識が常識ではない場所で、新しい刺激を受けたくて。
でも、SNSでガンガン発信していくようなタイプではないんです。自己顕示欲や承認欲求は強くないんですよね。
── 他人からの承認よりも、自分の達成感や満足感を重視しているんでしょうか?
そうですね。『嫌われる勇気』っていう本知ってます?
その本を読んで、自己肯定感を他人に委ねるのをやめたんです。
── 承認欲求って簡単に捨てられるものなんですか?
ある時、「このままじゃまずい」と思ったんですよね。
褒めてくれる人が周りにいないと、自己肯定感がどんどん下がっていく。
昔は「人からどう思われてるんだろう」と、人の反応を見てネガティブな気持ちになることがよくありました。人から注意されて伸びるタイプと萎縮するタイプがいると思うんですが、僕は完全に後者だったんです。
本を読んですぐに変われたわけじゃないですが、意識するようになってだんだんと気持ちが変化してきました。
── どう変わっていったんですか?
達成感を感じるポイントを意識的に変えていきました。他人からの評価ではなく、決めた目標をクリアしたら達成感を感じるように、考え方を変えていったんです。
そうしたら、例えば営業をやっている時にお客様からの反応がよくなかったとしても気にならなくなり、ノルマを達成したら自己肯定感がちょっと上がる。そんな変化が出てきました。
人事をやっているいまも「採用目標を達成する」ことが達成感と自己肯定感に繋がっています。
一貫した軸は「人の支援」
── そんな松下さんは、新卒でインテリア大手のサンゲツ、2社目で求人広告メディアを運営するシンクロ・フード、3社目でサイカというご経歴ですが、転職の軸はどう設定していたんですか?
「人の支援」ができるかどうかを軸にしていました。
大学に入学する時から、この軸は変わっていないんです。
── 大学では国際学部に進学されていますが、この時の選択軸も「人の支援」だったんですか?
広い意味では、おっしゃる通りです。
例えば、日本で販売されているチョコレートは安いですよね。それは、カカオ豆を生産する新興国で半強制的に児童に労働をさせているからです。これは有名な話ですが、はじめて聞いた時にとても衝撃を受けたんです。
フットワークの軽さを活かし、フィールドワークや現地調査をしながらそういった課題を学び、支援したいと思い、国際学部に進学しました。
── 新卒でインテリア大手のサンゲツにご入社されますが、どんな業務を担当されていたんでしょうか?
海外への興味が強く英語も得意だったので、いずれは海外営業をやりたいと思っていました。人事や法人営業にも興味があったのですが、会社から営業の適性を評価され、営業のビジネスサポート業務からキャリアをスタートしました。
── その後、2社目のシンクロ・フードでは求人広告の営業を担当されるんですね。
飲食業界は常に人手不足といわれています。僕自身も学生の頃、海外旅行に行くお金を貯めるために飲食店でアルバイトをしていました。だけど、人が足りなくて毎日ギリギリのシフトで回さなければいけない。突然人が辞めてしまう。いつも誰かが働きすぎている。常に忙しい。そんな状態だったんです。
飲食業界の課題感を身をもって実感していたから、求人広告でちゃんと人を集め、大変な思いをしている人たちを支援したいと思いました。
── その後転職したサイカで、はじめて人事に挑戦されるんですね。
シンクロ・フードは今でも本当に大好きな会社です。営業目標の達成で充実感も感じていました。ただ、「自分が営業して獲得した広告枠を通して採用された人たちは、その後幸せに働けているだろうか?」と急に不安になったんです。
採用成功して終わりではなく、自分が関わって採用された人が活躍するところも見届けられる仕事をしたいと思うようになり、転職を決意しました。
── 転職活動中は、何社か受けていたんですか?
実は、2社しか受けていないんです。
「人を支援する」という軸が明確だったので、会社のミッション・ビジョン・バリューが自分の考え方と合致する企業だけを受けました。
その中で、当時サイカが掲げていた、“みんなが「最高の人生」を選択できる世界をつくる”というビジョンにとても共感したんです(※1)。
※1:2020年1月時点。同年9月にビジョン・ミッションを再定義し、現在のビジョンは「才能開花に満ちた公正な世界をつくる」。意志を持って挑戦する人を、私たちのソリューションで後押しし、サイカの事業を通して、製品・サービス、コンテンツを作る企業が生み出す価値が最大化される世界を作っていきたいという思いを込めている。
サイカは思ったよりすごい会社だった
── サイカに入社してみていかがですか?
僕が前職で扱っていた求人広告は、例えば100万円を投資した時に、何人採用できるかが事前に分かりません。ROI(投資対効果)が見えづらいんです。サイカのマゼランは、マーケティング領域のこのような課題感を統計学のロジックで可視化し、ROIを事前に予測します。
入社する前もサイカのプロダクトはすごいと思っていたのですが、入社してみたら、マゼランも、マゼランを含むサービスADVA(アドバ)も、統計や数理の専門知識を駆使した、僕が思っていたよりもすごいプロダクトでした。
もうひとつ驚いたのは、「チームで動く会社」だということです。
僕がやっていた法人営業でいうと、基本的には個人勝負になることが多いんです。でもサイカは、セールスもアナリストもカスタマーサクセスも、チームみんなで目標達成を目指す組織風土があります。他者を尊重し、励まし合い、仲間の仕事もジブンゴトにする。そこにとても魅力を感じています。
ロジカルさと素直さ
── 松下さんは候補者の方とお話する機会も多いと思いますが、こういう人はサイカに合いそうだな、と思う特徴はありますか?
まずはロジカルさだと思います。
大きな広告予算を持つ、日本を代表するナショナルクライアントの経営層に向けてコンサルティングをするため、質問に対して的確に、端的かつ分かりやすくお答えいただける方は、ご入社後も活躍できると思います。あとは、マーケティングや統計が好きな人も楽しく仕事できるのではないかと。これらがスキル面ですね。
お人柄でいうと、僕がお話する若手の方の場合、素直さと成長意欲だと思います。
サイカは、ADVAを通して今まで誰もやったことがないことをやろうとしているので、従来の型にとらわれてしまうと難しいかもしれません。新しいことを柔軟に吸収して未知の環境を楽しめる人だったらきっとサイカは合うと思います。
その人にとって最高の人生を選択してほしい
── 松下さんの現在のメイン業務を教えてください。
今は、ダイレクトリクルーティングやエージェントリレーションを用いた母集団形成から、面談・面接、クロージングまで中途採用業務全般を担当しています。中でも、僕の強みはダイレクトリクルーティングで、一緒に働きたいと思う方にスカウトのメールをお送りしています。
── 10月には、社内の月間MVPを獲得した松下さん。採用目標人数の達成だけでなく、ある媒体では、スカウトメールの返信率平均3%のところ返信率30%を記録したとか。
前職の求人広告営業で、クライアントの求人票やスカウト文面を一緒に考えていたので、そこで蓄積した、人に響く文章、返信が来る文章をつくるナレッジをいまの仕事にも活かしています。お一人お一人のご経歴を見て、カスタマイズした文面を考えているんです。
特に力を入れているのは、タイトルと冒頭の3行。そして、お送りしたものが候補者の方に響かなかった時に次のアプローチを即座に出すことです。
「未経験歓迎」「ジョブチェンジ歓迎」「ポテンシャル採用」など、媒体によって響くキーワードが違いますし、漢字とカタカナの違いでも反応が変わります。PDCAを回すうちに、媒体ごとの特徴も見えてきました。
── ご自身の成長という点ではいかがですか?
上司の中澤さんは、僕の長期的なキャリアを考えて目標設定をしてくれます。いろんなことを任せてもらい、できることがどんどん増えている実感があって、本当に楽しく感謝しています。
── 「人の支援」をしたいという希望はサイカで叶っていますか?
叶っていると思います。
僕が面接でお会いするのは、僕と年齢が近い20代の方が多いので、はじめて転職を考えている方だったりするんです。そういう方に、サイカの魅力を伝えるだけじゃなく、転職活動の進め方を一緒に考えたり、話をしながら相手のキャリアの棚卸しやキャリアプランの整理ができたり、「人の支援」という意味では理想的な仕事ができていると感じます。
そうやってお話をした方が入社してくださり、その方の成長を近くで見られるのはやっぱり嬉しいですよね。もしサイカに入社されなかったとしても、お会いした方が良い転職をして、理想のキャリアや人生を選んでくれたらいいな、と思っています。
── 最後に、今後人事として挑戦していきたいことを教えてください。
今後は、いま整備中なのですが、入社後のオンボーディングや活躍支援の仕組みをさらに充実させ、メンバーが最高のキャリアと人生を歩めるよう支援していきたいと思っています。
※インタビュイーの所属・役職は取材当時のものです。