広告宣伝担当者200人に聞いた 個人情報保護の規制強化への対応実態調査 2019年版
規制強化への対応を完了している企業は5%未満
株式会社サイカ(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:平尾 喜昭、以下サイカ)は、独自の広告調査・研究レポートの第12弾として、「企業の広告宣伝担当者200人に聞いた 個人情報保護の規制強化への対応実態 調査」を実施いたしましたので結果を発表いたします。
本レポートは、2019年7月25日に当社より発行した調査・研究レポート「個人情報保護の規制強化による影響実態 調査」の追加調査として、個人情報保護の規制強化によって広告宣伝担当者の業務で生じている具体的な対応と、その対応状況に焦点を当てて行った調査の結果をまとめたものです。
※ 前回の調査結果は下記のURLよりご参照ください
「個人情報保護の規制強化による影響実態 調査」
https://xica.net/news/privacy-protection-survey-2019-1/
本調査の背景
●日本国内でも強まる規制強化の波
2018年5月に欧州連合(EU)でGDPR(一般データ保護規則)が施行され、同年6月に米国カリフォルニア州で消費者プライバシー法が成立するなど、個人情報保護に関する規制強化の波が世界的に広がりを見せる中、日本国内においても、2020年に個人情報保護法の改正が見込まれ、2019年10月には公正取引委員会がCookieの利用に対する規制の検討に入ったと報じられる*1など、規制強化の動きが強まっています。
こうした状況の中で行った前回の調査では、規制強化に関心を持つ広告宣伝担当者の9割以上が自身の業務に影響する課題として対応を迫られている実態が明らかになりました。
今回の調査では、個人情報保護の規制強化が広告宣伝担当者にとって業務上の差し迫った課題になっている現状において、具体的にどのような対応を迫られているのか、また、課題への対応は進んでいるのか、対応する上で何が障害になっているのか、国内の広告宣伝担当者205名に調査を行いました。
*1: 出典:「クッキー」情報収集、公取委規制へ スマホ位置情報も|朝日新聞デジタル|2019年10月29日
(https://www.asahi.com/articles/ASMBQ7JVNMBQULZU01H.html)
調査結果サマリー
●規制強化への対応を完了している企業は5%未満
個人情報保護に関する規制強化による業務への影響を想定している広告宣伝担当者のうち「対応が全て完了している」と回答した方は5%未満で、一方「全く対応できていない」「対応の多くが残っている」と回答した方が7割を超え、規制強化に対応する必要に迫られながらも実行できていない状況がうかがえました。
対応する上で障害になっている点としては「人員の不足」がもっとも多く挙げられ、次いで「技術的な知見の不足」「資金の不足」が多く挙げられる結果となりました。
また、規制強化の影響により業務上で生じている対応について伺ったところ、広告出稿に関する課題では、ターゲティング広告における「ターゲティングできる対象が減少することへの対策」という回答がもっとも多く、データの取得・管理に関する課題では「個人情報の取得・利用についてユーザーから明示的な同意を得る仕組みの整備」、法的・技術的な課題では「規制に関する法律など情報のキャッチアップ」という回答がそれぞれもっとも多く挙げられました。
広告出稿に関する課題に絞って今後の対応方針を伺った質問では、「投資を強化して今後も個人データを取得する」方針を選択した方が多数派となったものの、「統計分析などの技術を用いてデータ全体の傾向を把握する」方針に切り替えると回答した方も4割を超え、票が割れる結果となりました。
調査結果の概要
1.個人情報の規制強化への関心と、業務への影響の有無
まず前回調査と同様に、個人情報保護に関する規制強化への関心の有無を広告宣伝担当者205名に対し調査したところ、「このテーマについて知らない(22.0%)」と回答した方の割合は4分の1を下回り、前回調査の25.6%から3.6%減少する結果となりました。
次に、関心があると回答した広告宣伝担当者160名に対し、自身の業務への影響の有無を調査し、以下の結果を得ました。
自身の業務に「現在影響が出ている(48.1%)」と回答した方と「今後影響が出る可能性がある(48.1%)」と回答した方が、およそ半数ずつに二分される結果となりました。両者の回答数を合わせると96.2%となり、個人情報保護の規制強化に関心を持っている方のほぼ全体が自身の業務に影響する課題として捉えていることがうかがえました。
2.規制強化による影響への対応状況
自身の業務に「現在影響が出ている」「今後影響が出る可能性がある」と回答した広告宣伝担当者154名に対し、影響への対応状況を調査し、以下の結果を得ました。
規制強化による影響に対して「対応が全て完了している(4.5%)」と回答した方は5%未満にとどまり、「全く対応できていない(23.4%)」「対応の多くが残っている(50.6%)」と回答した方があわせて7割を超え、規制強化に対応する必要に迫られながらも実行できていない状況がうかがえました。
3.対応にあたっての障害
自身の業務に「現在影響が出ている」「今後影響が出る可能性がある」と回答した広告宣伝担当者154名に対し、規制強化による影響に対応する上で障害になっている点を調査し、以下の結果を得ました。
対応する上での障害として挙げられたのは「人員の不足(71.4%)」がもっとも多く、次いで多く挙げられた「技術的な知見の不足(55.2%)」「資金の不足(53.2%)」に15%以上の差をつけての首位となりました。
4.規制強化により生じる業務上の対応
自身の業務に「現在影響が出ている」「今後影響が出る可能性がある」と回答した広告宣伝担当者154名に対し、規制強化による影響で生じる業務上の対応について「広告出稿に関する課題」「データの取得・管理に関する課題」「法的・技術的な課題」の3つの側面から調査し、以下の結果を得ました。
規制強化による影響で生じる業務上の対応として、広告出稿に関する課題では、ターゲティング広告における「ターゲティングできる対象が減少することへの対策(66.2%)」という回答がもっとも多く、データの取得・管理に関する課題では「個人情報の取得・利用についてユーザーから明示的な同意を得る仕組みの整備(42.2%)」、法的・技術的な課題では「規制に関する法律など情報のキャッチアップ(38.3%)」という回答がそれぞれもっとも多く挙げられました。
5.広告出稿に関する課題への対応方針
規制強化による影響で「広告出稿に関する課題」で対応が生じると回答した広告宣伝担当者144名に対し、課題への今後の対応方針を調査し、以下の結果を得ました。
広告出稿に関する課題への対応方針について、「投資を強化して今後も個人データを取得する(49.3%)」方針を選択した方が多数派となったものの、「統計分析などの技術を用いてデータ全体の傾向を把握する(42.4%)」方針に切り替えると回答した方も4割を超え、票が割れる結果となりました。
調査の概要
調査名 | 企業の広告宣伝担当者200人に聞いた 個人情報保護の規制強化への対応実態調査 |
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調査対象期間 | 2019年10月 |
調査方法 | Webアンケート調査 |
調査対象 | 以下の条件を満たす205人の広告宣伝担当者インターネット広告を出稿している企業の勤務者 (インターネット広告のみを出稿している企業に限定せず、並行してオフライン広告を出稿している企業も含みます)その企業にて、広告出稿業務、ならびに出稿した広告の効果測定業務に現在従事している者 |
※サイカおよびXICA、XICA magellanの名称・ロゴは、日本国およびその他の国における株式会社サイカの登録商標または商標です。
※その他、記載されている会社名・商品名についても、各社の商標または登録商標です。
本ランキング作成の背景
テレビCMなどのオフライン広告*2は、国内で1年間に約5兆円*3の費用が使われながらも、効率的な広告出稿や効果測定の手法が確立しておらず、情報も得にくい領域です。
そのような現状に対し、インターネット広告とオフライン広告の統合的な分析を可能にするマーケティングツール「XICA magellan(マゼラン)」を提供するサイカは、オフライン広告領域の実態を明らかにすべく、調査・研究を行っています。
その調査・研究結果の第12弾として、「企業の広告宣伝担当者200人に聞いた 個人情報保護の規制強化への対応実態 調査」レポートを作成いたしました。
*2: オフライン広告とは、インターネットを介さない広告のことで、テレビCM、ラジオ、新聞、雑誌、チラシなどが含まれます。
※その他、記載されている会社名・商品名についても、各社の商標または登録商標です。
*3:出典:2017年(平成29年)日本の広告費|株式会社電通|2018年2月22日(http://www.dentsu.co.jp/news/release/2018/0222-009476.html)
株式会社サイカについて
https://xica.net/
サイカは、“すべてのデータに示唆を届けすべての人に幸福を届ける”というミッションのもと、2012年の創業以来、統計分析システムの企画・開発・提供分野において急成長を続けているITプロダクト開発企業です。創業当時より「分析のプロ」ではなく「現場のプロ」であるビジネスパーソンをユーザー対象としており、その独自戦略のもとに鍛え上げられた、プロダクトの操作性と直観性が高く評価されてきました。
XICA magellanについて
https://magellan.xica.net/
インターネット広告(リスティング広告、動画広告など)、テレビCM、交通広告など多種多様な広告の効果を統合的に分析し、広告予算の最適な配分案を算出することで、企業の全体最適なマーケティング活動を支援します。2016年9月の提供開始以来、テレビCMを出稿する国内大手企業を中心に100社以上の企業に導入され、国内の広告宣伝費トップ100企業*4の10%の企業で広告分析にマゼランが利用されるなど、高い評価を得ています。
*4: 出典:「広告宣伝費」が多いトップ300社ランキング|東洋経済オンライン|2017年09月10日(http://toyokeizai.net/articles/-/187757)
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