カスタマーサクセスチームがお客様を成功に導くためのキーワードは「橋渡し」と「伴走」

近年、B2BやSaaS領域においてお客様を成功に導く存在として注目され始めている「カスタマーサクセス」という役割や考え方。サイカでも、カスタマーサクセスディビジョンを新設 ( クライアントサポート体制強化のため、カスタマーサクセスディビジョンを新設。マネージャーとして高橋 歩氏がジョイン )し、クライアントサポート体制強化を図っています。ここでは、CCSO (Chief Customer Success Officer)に就任した高橋 歩が、CEOの平尾、XICA magellanプロダクトオーナーの岩澤とともにサイカが目指すカスタマーサクセスについて語ります。
対談風景(写真左より、CCSO 高橋、プロダクトオーナー 岩澤、CEO 平尾)
対談風景(写真左より、CCSO 高橋、プロダクトオーナー 岩澤、CEO 平尾)

入社後気付いたサイカの強み

平尾:

高橋さんも、入社して1ヶ月ですね。

高橋:

毎日ものすごく濃密な1日を過ごしています(笑)。入社してすぐにスタッツディビジョン(プロダクトのコンセプトモデルを作っている部署)の方と1対1での統計勉強会を開いてもらったのですが、始まる前に「歩さんにとって統計とは何ですか?」「過去どんな課題を統計で解決したことがありますか?」みたいな質問から始まって「うおー今、僕、試されてるぞー」みたいな(笑)。もちろん、分からないところは素直に聞いて全部教えてもらいました。

岩澤:

そしたら、もうXICA magellan(以下:マゼラン)はバッチリですね。

高橋:

いやいや(笑)、だけど、マゼランがマーケターのどんな課題を解決しようとしていて、裏側でどんな統計手法を使っているかはだんだんと分かってきました。サイカがこれまで圧倒的に統計を活用しながらお客様を支援してきた経験とその蓄積は、サイカの強みとして誇るべきだし、もっと広めていきたいなと思いました。正直、入社前には気づけてなかったので。

平尾喜昭:代表取締役CEO
平尾喜昭:代表取締役CEO

サイカが解決したいマーケティングの課題と、その先にある世界観

平尾:

もともと、統計で世の中を良くしたいという思いから、誰でも使える分析ツールを作っていこうとしていました。4年くらい前ですね。その頃、初めて高橋さんともお会いしたんでしたね。

高橋:

はい。僕はその頃事業会社で、アクセス解析データを見ながらサイト改善をする仕事をしていました。リリース前の分析ツールのプロトタイプを拝見して、可能性を感じたのを覚えています。

平尾:

その後、そのツールは多くのマーケターにすごくご理解をいただけてはまっていきました。データを自分で集めてデータを手動で入れて、というのを繰り返すことをやり続けているマーケターを見ながら、こういうニーズだったり共通の問題意識がめちゃくちゃあるんだなと思いました。この確信のもと、テレビCMからオンラインのコンバージョンまでを統合して分析できるマゼランができあがりました。

岩澤:

私は前職でアクセス解析ツールを作っていました。当時のことは以前にも話をさせてもらったけど、ずっと統計を使ってマーケターが求めるプロダクトを作りたかった。マゼランで実現しようと思っているのは、まさにマーケターの現場のデータ分析において「いかに迷わず、かつ時間をかけず、そこで見てきたユーザー像やストーリーを元にどうアクションするか」を手助けできる世界です。

参考記事: マゼランが目指すのは、マーケッター=イノベーターの世界

カスタマーサクセスの役割は「橋渡し」と「伴走」

高橋:

マゼランがマーケターを手助けしている世界に近づいていくためにも、カスタマーサクセスはもっと活躍できると考えていて、それは大きく二つの役割で担いたいと思っています。「橋渡し」と「伴走」です。 1つ目の「橋渡し」は、僕らが描いている世界をどうお客様に繋げていくか。僕らのツールとお客様の業務プロセスの橋渡しだったり、僕らが持っている統計の知見とお客様のマーケティングの知見の橋渡しをしていく必要がある。入社してすぐ、岩澤さんに、マゼランのペルソナに「統計がわからない人」を追加したいというお願いをしました。僕らはずーっと統計のことを考え続けているので、統計を知っていることが当たり前になっています。けれどお客様は統計を深くご存じでないかもしれない。だからツールや資料の中に突然難しい言葉が出てくると、とたんに分からなくなってしまう。これは、僕も入社して経験しています(笑)。例えば、分析精度を高めるための考え方である公差検証とか自由度調整済み決定係数があるけど、これってなんでお客様にそのままの単語で伝えているんだっけとか。精度が高まると未来を予測できる確率が上がるのだから、これは「未来予測スコア」と言い換えてもよくない?とか。

岩澤:

先日もマゼラン関係者みんなで集まって「マゼラン用語一新ミーティング」をやりましたね。

高橋:

お客様が自分で理解できる状態にしていかないと意思決定できないし、活用もしていただけない。そこまで我々のツールやサービスがお客様に近づいていく必要があります。また、お客様からマゼランに近づいてきてもらう必要があることもあります。カスタマーサクセスの橋渡しによって、両者を繋いでいきたいですね。

カスタマーサクセスは、カスタマーと向き合ってはいけない!?

高橋:

2つ目は「伴走」。言葉で言うのは簡単だけど、実現するのはすごく難しいと思っていて。僕は、カスタマーサクセスって、カスタマーと向き合ってはいけないと思っているんです。なぜなら、僕らが向き合うべきなのは目の前にいるカスタマーだけではなく、カスタマーの抱える課題や目指すゴールですよね。例えばお客様から「◯◯機能が上手く使えないんだけど」と聞かれた時に、一生懸命その使い方を教えてあげる。それはカスタマーと向き合っていることにはなるけど、もしかしたらそのお客様はその機能が使いたくて聞いてるんじゃなくて、上司から言われたことについて考えたいのかもしれないし、やりたいことのイメージができないまま聞いているのかもしれない。 だから僕らはその対面しているカスタマーからの質問だけに向き合うのではなく、その裏にある「何でこれを聞いているんだろう?」とか「本当はどんなことをしたいと思っているんだろう?」というところをちゃんと想像して、引っ張っていく必要があるんです。お客様とただ向き合ってしまうと、ときに対立してしまう。そうじゃなくてゴールの方向を一緒に向く。同じ方向を向くことができて、初めてカスタマーのサクセスに向けて伴走できる準備になるんです。 この伴走こそが、結果的にマゼランがある未来にお客様をお連れすることだし、お客様からも学ばせていただきながら、僕らが描く未来をアップデートしていくことにつながる。こういう循環をカスタマーサクセスの手で実現したいし、プロダクトやソリューションにも反映していきたいと思っています。

カスタマーと、プロジェクトのゴールを描く

高橋:

そもそも、マゼランのコンセプトって誰が聞いても総論賛成なんですよね。「全体最適×高速PDCA、その通り!」みたいな。でもそれを現場に落としていくときにはそういう訳にはいかない。今ここで、日々CPAの目標を与えられて戦っている現場の運用担当者にいきなり、隣にもっと高い山があるよと言っても登れないじゃないですか。

平尾:

まずはどんなことから始めていくイメージですか?

高橋:

どのタイミングで、誰に何を伝えるとお客様にとって良いか、というのがまだまだ改善できるのではないかと思っています。今の状態って、ともすると、目の前の課題への対応になってしまうことがある。例えば富士山に登るとしても1合目までの課題だったり、場合によっては次の電信柱まで、とか。 本当は僕らが描く未来はここにあるんだよね、お客様はここに行きたいんだよね、最初の3ヶ月の小さなゴールはここだよね、だからここまで行くんだよということを示した上で歩くほうが歩きやすいはずなんです。どこまで到達するのか、というのが分かっていない状態で歩かされるとものすごく遠く感じますよね。どこまで行くよと言われていれば近く感じるのに。お客様に提出する資料ひとつとっても、なぜこのタイミングで必要なのかとか、これはあとでここで役に立つよというところが整理されるとよりお客様に伝わっていくんじゃないかなと思います。

岩澤:

高橋さんがよく言う「小さな成功体験」も、ここに繋がるんですね。

高橋:

さらに言うと、お客様自身がゴールを描き切れていないこともある。そのときは、僕らが信じているマゼランがあるHappyな未来を提示する必要があるし、そこまで伴走していきたいですね。

岩澤利貢:XICA magellan プロダクトオーナー
岩澤利貢:XICA magellan プロダクトオーナー

マゼランがマーケターをHappyにする未来

岩澤:

だからこそマゼランの目指す世界として、マーケティングや現場がどういう価値観になるのか、どういう世界になっているのか、というもう一個上のワンフレーズが欲しいですよね。マゼランとしての存在価値というか、マゼランが広がっていくことによってこういう世界が待っているんだよ、どういうHappyが待っているのかという。 今は「すべての広告を変える」というフレーズを使っている。けどまだしっくりきてなくて、それを変えることによってどうHappyになれるの?というのが欲しいんですよね。

平尾:

いま提示している「全体最適×高速PDCA」も現場のファクトから出てきた解決コンセプトじゃないですか。それを解決した先に何があるんだっけとか、それによって何が実現するんだっけ、というところは僕らが言葉にしないといけない。

岩澤:

この間高橋さんと食事していた時にそのフレーズがあるだけで色々なものがブレなくなるなって話してたんですよね。こういう世界を目指すにはあえてこの機能はいらないといった見極めができる。 目指す世界のために今カスタマーサクセス・営業・マーケティング・プロダクトが何をすべきかが明確になる。

平尾:

そしてその答えを出すことがイノベーションに繋がっていくと。

高橋:

そうですね。そこまで繋がると良いですね。 カスタマーサクセスとしてお客様に伴走する中で作り上げていきたいと思っています。

カスタマーサクセスとして、サイカとしての才能開花

高橋:

入社する前に平尾さんと飲みながら才能開花の話もたくさんしました。僕は音楽をやらないから平尾さんのバンドの例え話はあまりピンとこないんだけど(笑)こういうことだなというものを、2つ受け取りました。 1つは「その人自身の強みをしっかり見極めましょう」という話と「その強みをしっかり伸ばすことができる支援をしていきましょう」ということだと思ったんです。 僕自身も強みにフォーカスするって、とても大事なことだなと思っています。ともすると自分ができないことって気付きやすいし、周りから指摘も受けるから、弱いところを埋めていこうとするじゃないですか。それって画一化された定常業務をやっていく上では必要だけど、ビジネスやサービスを作っていったり、お客様を成長させていくときには必ずしも大事じゃないんじゃないかと。 むしろ、カスタマーサクセスのメンバーはそれぞれが得意なことがあって、できないこともいっぱいあるけど互いにそれを知っていて、「自分はここが強いから、逆にここの部分はお願い」と言えるような環境にできたらなって思っています。その分、ひとりひとりは自分の強みを総動員してお客様の伴走をする。これを「才能開花」のサイカとして、それこそ会社の存在意義レベルから応援できる。こんなに素晴らしいことはないと思うし、そういう組織にしていきたいなと思っています。

高橋 歩:Chief Customer Success Officer
高橋 歩:Chief Customer Success Officer

カスタマーサクセスとして、ともにお客様を成功に導いていきましょう!

高橋:

そして、いよいよ採用のことも本格的に考えなくちゃならない。今年はカスタマーサクセスディビジョンがもっと大きくなっていきたいという人員計画の話もあるし、多くの方からサイカのカスタマーサクセスでチャレンジングな仕事をしたいと興味を持ってもらえるように、しっかり実績を作りポテンシャルを示していきたいなと。サイカには、このフェーズだからできる楽しいことが山盛りありますからね。 最後にもう一つ。カスタマーサクセスって、まだまだ認知も広がっていないし、B2BやSaaSに取り組んでいる各社それぞれが試行錯誤している。そういった中で、会社の枠を超えたカスタマーサクセスの勉強会のような企画も始めています。カスタマーサクセス業界自体も盛り上げていきたいなと。もし「私もカスタマーサクセスをやっているよ」って方がご覧になられていたら、ぜひ声をかけてほしいです。

現在、サイカでは、「XICA magellan」によって、お客様のマーケティング課題に寄り添いつつ、導入後の理想的なマーケティング体制の構築をするカスタマーサクセス担当を募集しております。

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誰からも「変わったね」と言われるくらいの新しい側面を見つけた。

今回のインタビューは、ビジネスディビジョンの岩澤。プロモーション分析ルーツXICA magellan(http://corporatet.temp513.kinsta.cloud/magellan/)のプロダクトオーナーとしてチームを引っ張っている。もともと引っ込み思案だったという彼が主体的に課題解決に向き合うまでの変化がとても興味深い。自ら行動することで周囲を巻き込んできた彼の大切にしている“想い”を知ることができた。
誰からも「変わったね」と言われるくらいの新しい側面を見つけた。

間接キスが人生の転機に

interviewee

岩澤さんの人生に影響を与えたと出来事をお聞きしたいと思います。 小さい頃はどんな子だったんですか?

岩澤 利貢

小さいころは人見知りでした。小さいころというか…中学、高校ぐらいまでは人見知りでした。人と話すのが苦手で、表に立ってなにかをするようなキャラではなかったですね。

interviewee

いまの岩澤さんからあまり想像つかないですね(笑)

岩澤 利貢

自分でもキャラが変わったなと思いますね。

interviewee

変わったきっかけはあったんですか?

岩澤 利貢

ひとつは、高校3年生のときかな。受験勉強しているときに、たまたま中学生のころの友だちと会ったんです。そのときにその友だちの女友だちもいたんですけど、人見知りだから友だちとしか話せなくて…。でも、その子が結構ざっくばらんに話しかけてくるんですよ。で、俺が飲んでたジュースを抵抗感なく飲んだんです。「それ間接キスじゃん」って(笑)そのときに「間接キスとか別に何とも思わないような人が世の中にいるんだ」というのが衝撃だったのは覚えています。

interviewee

めちゃめちゃ純粋、ウブだったんですね(笑)

岩澤 利貢

かもしれないですね(笑) それまでは引っ込み思案だったんですけど、それがきっかけに人との付き合い方に対する考えが変わった気がします。

interviewee

引っ込み思案で自分から前に出られないころは、どういう子だったんですか?

岩澤 利貢

例えば小学校の授業で手を上げたりすることはなかったですね。もう恥ずかしくて。でも、小学校3年生で一度、大阪に引っ越してるんです。環境ががらりと変わったことで、どうやったら周りから浮かないか、というのは常に考えてた気がします。

interviewee

なるほど。

岩澤 利貢

ただ、高校の部活は変化するきっかけだったのかもしれないです。高3の時にキャプテンになったんです。その時に初めて前に立って引っ張っていけなければならなくて…。

interviewee

そこまで引っ込み思案だったらキャプテンにも立候補しなそうですけど。

岩澤 利貢

同世代が2人しかいなかったんですよ(笑)2人しかいなかったんだけど、一学年下の後輩は15~16人くらいました。そうなると、最初は言うこと聞くんですけど、だんだん生意気になってきてクーデターとか起こすんですよね。

interviewee

クーデター?

岩澤 利貢

何人かに「もうやってられません」って途中で練習をボイコットされたんです。でも帰るわけじゃなくて、体育館の隅で集まってるんですよ。それを見ながら、他の部員は練習を続けてて…。俺はボイコットした部員たちにどう接すればいいのか葛藤しながら、結局別に何も言わずに練習終わっちゃったんですよ。そしたら、次の日は何事もなかったかのように普通に練習に来てた。

interviewee

そういうのってどう接したらいいか分からないですよね。

岩澤 利貢

いま考えると、変に振る舞わなかったのがよかったのかなと思います。ボイコットした連中に対して、「ちょっと待てよ」とかも言わなかったんです。一切無視。内心はおどおどしてましたけどね。

interviewee

自分でどういうキャプテンだったなって思いますか?

岩澤 利貢

駄目なキャプテンだったと思いますよ。ある試合に負けたとき、誰のせいでもないんだけど、その時うまくできなかった奴のせいにしたことがあったんです。ミスしちゃうのは仕方ないのに「お前のせいで負けた」みたいなことを言っちゃったんですよね。それはよくなかったなと、今でもはっきり覚えてて。ちょっと人間としてあり得ないですよね。

誰からも「変わったね」と言われるくらいの新しい側面を見つけた。

interviewee

僕のなかでは、どちらかというと岩澤さんはリーダー気質があると思ってるんですけど、人見知りで引っ込み思案の性格だったというころと比べて、本来の自分はどっちだと思いますか?

岩澤 利貢

どっちが自分なんだろうっていうのは俺も分からないんですよね。両方いるなという感じです。人と話すのが好きな反面、ボーッとしていたいのもあるので…。でも、親は俺の引っ込み思案の姿をずっと見てきているので、今の感じを見るとすごい驚いていますよ。「え、こんな子だった?」みたいな(笑)。

interviewee

小さい頃に何かきっかけがあって引っ込み思案になったとか?

岩澤 利貢

そういうわけではないですね。もともと大勢の前では母親の後ろに隠れるようなタイプでした。父親は恐いというか短気だったので、「自分はキレないようにはしたい」みたいなのは子どもながらありましたね。

interviewee

反面教師にした感じですかね?

岩澤 利貢

そこは完全に反面教師にしていますね。でも、血は争えない部分はありますけどね。ムカッてくるのは早いほうだと思います。

ものづくりに目覚め、大学のカリキュラムにも関わる。

interviewee

そこから性格が変わっていくターニングポイントは? 間接キスは“ひとつのきっかけ”とおっしゃってましたが。

岩澤 利貢

そうですね。大学に入る時は中学とか高校の時とは考えられないくらい性格が変わってました。友だちになれそうな人には自分から声をかけたりとかしてましたから。積極的に飲み会の仕切りとかもやっていたし。大学に入ってからいきなり変わったわけではないので、高校卒業から浪人時代くらいには徐々に変わっていったんだと思います。

interviewee

じゃあジワジワとした変化・・・サナギの中ではいっぱい変化が起こっているけど、見た目は変わらないみたいな感じですかね。

岩澤 利貢

そんな感じかもしれないですね。そういうのって周りから見ててもわからないですよね。

interviewee

わかんないですね。

岩澤 利貢

さっきの話でいうと、うちの父親を見ていても、「すぐキレる」みたいな感じだったから、「いないいないバア」をやっている姿は想像つかなかったんですけど、孫に対してやっているんですよね。

interviewee

知らなかった父親の一面ですね。

岩澤 利貢

そう。あと、「親父は人間関係とか上手くねえんだろうな」と勝手に思っていたんですけど、定年退職後に自分で仕切って友人たちとよく会っていたりするの見てると「なんか似てるな」っていうのがあるので…元々持っていた気質が徐々に芽生えていったのかもしれないですね。遺伝子には逆らえない(笑)

interviewee

(笑)大学に入ってからは?

岩澤 利貢

大学はとにかく自分自身で楽しもうと思ってました。「積極的にやらないと損でしょ」みたいな感じでしたね。そのあたりは、いまと変わらないかなと思います。

interviewee

積極的に何かに関わったエピソードとかあります?

岩澤 利貢

入学したのが情報科学部という新設の学部だったんです。カリキュラムも一応作りましたという感じ。担当教授もそのカリキュラムに納得いっていないみたいで。すごく適当に授業をしているような気がして、ムカついたんです。だから「教授が考える良いカリキュラムにしてください」ということを率先して訴えたんです。「1年目だからお試しみたいなのは納得いかないんです。教授がやりたいカリキュラムがあるなら、それをやってください」と。実際にそれでカリキュラムが変わったものもありました。新しいカリキュラムを作っていくなかで、一緒に考えていくのは良い経験でしたね。

interviewee

自分が動くことで、大きな変化を経験したんですね。

岩澤 利貢

自分でやらないと変わらないですからね。流されたら損するという感覚はそのときに感じたことかもしれないです。大学生活はずっとそんな感じでした。

歴史に残るものを作りたい ── ものづくりへの芽生え

誰からも「変わったね」と言われるくらいの新しい側面を見つけた。

interviewee

社会人としてのファーストキャリアは?

岩澤 利貢

初めて就職したのは6,000人規模のSIerでした。情報系の学部ということでIT系の企業しか受けていなくて。いまでも視野が狭かったなと思っています。新卒って最大の権利じゃないですか。いろいろな業界に行ける可能性があったのに…。そこで、もし違う業界に入っていたら、いまとはまったく違うキャリアを歩んでいただろうし、別業界を見ていなかったのはもったいなかったと思います。

interviewee

そこでの経験はいまに活きていますか?

岩澤 利貢

エンジニアリングの経験は自分の根底にあります。そこから飛び出すと自分の強みがなくなってしまうと思っています。飛び越えたいと思ったこともありましたけれど、たぶん飛び越えられないし…。モノを作るっていうのはもともと好きだったんですよね。

interviewee

なるほど。モノづくりに興味を持ち始めたきっかけってなんですか?

岩澤 利貢

大学も本当は情報科学部じゃなく建築学科に行きたかったんです。高校生のころに家族で行った海外旅行で日本には無いような古くて大きい橋を見たときに感動したんです。そこで「こういう歴史に残るものを作りたい」って思ったんです。それが職業に対して初めて意識した瞬間ですね。

interviewee

へぇ。エンジニアからディレクターに変わっていったのはどのような経緯だったんでしょうか?

岩澤 利貢

2社目はWEB制作会社だったんですけど、最初はエンジニアとして入社したつもりでした。でも配属されたのはディレクションする部隊だったんですよね。そこでエンジニアの部隊に配属されていたら、多分そのままエンジニアになっていたと思います。ただ結果としてエンジニアリングも分かるディレクターという立場でいろいろな案件はできましたね。

interviewee

両方できるのは強みですね。

岩澤 利貢

そうですね。なかなかいなかったので。そのあと、いろいろな案件をやってみて「受託よりも自分自身でビジネスを考えて作っていきたい」と思うようになり事業会社に転職することにしました。 そこで、次に行った会社で忍者になったんです(笑)

芽が出なくてもやり続ける

interviewee

噂の!(笑)前職はどんな会社なんですか?

岩澤 利貢

「忍者ツールズ」という個人向けのアクセス解析のサービスなどを展開している企業です。アクセス解析のツールではかなり老舗です。そこでアクセス解析の新規プロジェクトやアドサービスを作ったりしました。在籍していた間にローンチしたサービス数は一番多かったんじゃないかな。

interviewee

在籍している間にどれぐらい立ち上げをされたんですか?

岩澤 利貢

5年で8プロジェクトですね。

interviewee

半年に1回ペースぐらいで出している…新規事業立ち上げ屋さんですね。その時はどういうモチベーションで新しいものを立ち上げていかれたのですか?

岩澤 利貢

自分で考えたのもあるし、同僚が作りたいと言ったものを一緒に作ったのもあります。事業会社は自分たちで考えたものをアウトプットできるので、すごく楽しかったですね。

interviewee

そんななか、どのタイミングで忍者になるんですか?

岩澤 利貢

忍者になったのは確か入社2年ぐらい。そのとき担当していた新しいアクセス解析のサービスをどうPRするかということを社内で話し合っていたときに「せっかくなら注目されるようなことやろうぜ。せっかく“忍者”と名乗ってるツール出してるんだから忍者の服着て、背中にQRコード背負って歩くと、ちょっとバズるんじゃねえの?」と同僚たちで盛り上がって、街中を歩き回ったんです。

interviewee

すごい気合い入ってますね。結構それは話題になったんですか?

岩澤 利貢

全然話題にならなかったんです。バレンタインデー企画で「忍者にチョコをくれる人、大募集! 会社で待ってるよ!」みたいな…でも誰も来ない(笑)そのあとのホワイトデー企画で、「1個も貰ってないけどお返しあげます! マシュマロ欲しい人、ハチ公前に集合!」って。でも、待っていても誰も来ないっていう…(笑)

interviewee

(笑)。でも、それをどんどんやれるっていうのはすごいですね。

岩澤 利貢

いろいろやりましたけど、「合ってないな」と思うんですよね。そういうのをできる方って面白いことをやることが生活の一部になっているんですよね。頑張ってやるもんじゃないと肌身で感じました(笑)

interviewee

私生活までできるかって言ったら…みたいな。

岩澤 利貢

家から忍者服を着て通勤とかはしてましたけど、もっと突き抜けないとニュースにはならないなと思いましたね。「継続は力なり」だと思うんです。芽が出なくてもやり続けないと話題にもならないし、それが肌に合っている人がやり続けないと面白いものにはならないんだってことは痛感しました。忍者姿でLIGさんへも行きましたけど、彼らは完全に楽しんでるんですよね。そのときに「何が当たるか分かんないし、やり続けないと結果は出ないから、心を折らずとにかくやり続けることが大事」とおっしゃってて…気持ちが違いましたね。

interviewee

それは名言ですね。

誰からも「変わったね」と言われるくらいの新しい側面を見つけた。

課題感があれば、仕事に向き合える

interviewee

その後にサイカを選んだ理由やきっかけは?

岩澤 利貢

前々職のときから統計分析に興味があったんです。自腹で授業を受けたりしていました。そのときは、提案書を差別化するための手段として学んでました。やはりデータで説明できると説得力が違いますし。

interviewee

根拠を持たせられるのは統計とかデータの強みですもんね。

岩澤 利貢

その後、アクセス解析や広告サービスを作っていくなかで、膨大な数字に溺れちゃうことがたくさんあったんです。ユーザーの方もそうでしす、自分自身も「いったいどの数字を見りゃあいいの?」と分からなくなってくるんですよね。

interviewee

それは、あるあるですね。

岩澤 利貢

アクセス解析サービスの提供を通じて感じたことは「ユーザーは数字を見たいわけではなく、数字の裏のアクションを知りたいんだ」ということです。ターゲットとなるユーザー像を知りたいんだけど、単純に数字を出しているだけでは分からない。でも、例えばそこに統計的な技術があると、いままで提供できていなかった価値を出せるんじゃないかと考えていたんです。

interviewee

なるほど。

岩澤 利貢

でも、なかなか統計に詳しいメンバーがいなくてサービスに反映することができませんでした。そんななかでサイカのことを知り「これだ!」と思ったんです。だからマゼランは実体験から出てきた問題意識そのものなんです。

interviewee

岩澤さんが働くうえで大切にしているものって何ですか?

岩澤 利貢

とにかく良いプロダクトを作りたいですね。過去の経験から、どこかで妥協しちゃう部分ってあるんですよね。妥協しちゃうとプロダクトはへにゃっちゃうので、そこは信念を持って言うべきことは言ったほうがいいと思う。ただ、その信念が自分よがりになってはいけないんですよね。本当にクライアントのニーズなのかを常に振り返りながらプロダクトを作っていかないといけないと考えてます。

interviewee

良いプロダクトの価値基準というものは、自分自身がやりたいのではなく、お客さんのニーズに合っているかどうかということ。

岩澤 利貢

そうですね。そこはずらしちゃいけないなというのはあります。あと、いろいろなサービスを作ってきたなかで分かったことは“作れるプロダクトと作れないプロダクトがある”ということ。担当者が本当に課題感を持っているものかどうかで、プロダクトが成功するか否かっていうのはあるかなと思います。

interviewee

課題感があるからこそ、そこに向き合えますしね。

岩澤 利貢

そうですね。自分が体験したことのなかで解決したいと思えないとプロダクトとして深くなっていかないと思うんです。広告に課題感があったからマゼランには向き合えています。これが例えばロックホッパーだと無理だと思うんです。自分には営業をするなかで出てきた課題を解決したいというものがないので。

interviewee

岩澤さんが今後のキャリアを考えたとき、自分はこうなっていたいと思い描いているものってありますか?

岩澤 利貢

とにかくビジネスとして成功させたいというのはすごくあるんですよね。唯一、ビジネスとして成功させた事例があるんですけど、やってみたらたまたま爆発したみたいな感じだったんです。全然狙ってなかったので満足感があまりなくて…。だからマゼランは狙って成功させたいなっていうのはあるんですよね。

interviewee

成功体験できるかどうかはたしかに重要ですよね。

岩澤 利貢

失敗ももちろん大事だと思うんですけど、ひとつの成功体験を語れるか否かというのは、今後のキャリアパスにすごく影響があると思うんですよね。結局みんな似たような発言をするのなかで、大切なのは発言した方のバックボーンだと思うんですよね。苦労して成功させているサービスの話は重みが全然違うし、それによって周囲がどう動くかが変わってくるので、確固たる成功体験を自分自身で築きたいです。

受け身では絶対に才能は開花しない

interviewee

最後の質問をしたいと思います。岩澤さんは「才能開花」という言葉をどう捉えていますか?

岩澤 利貢

自分が大学と高校の間で人格が変わったように、いい意味で「変わったね」という新しい側面を見つけられるのが才能が開花している感じなのかもしれないですね。

interviewee

つまり今までの延長線ではないものに…。

岩澤 利貢

そうそう。「飛び越えたね」みたいな。「想像つかないんだけど、何があったの?」というのが訪れると、それは何かしら開花してますよね。

interviewee

じゃあ、例えば「成長したいんです。才能開花するために必要なことはなんですか?」みたいな質問をされた時にどうアドバイスします?

岩澤 利貢

難しいですね。仕事の面で言えば「頑張るしかないよね」としか言いようがなくて、とにかくアクションするしかないかな。

interviewee

「やり続けるから見えるよ」という感じ?

岩澤 利貢

受け身では絶対に開花しないので、積極的に動いていかないと。誰かから与えられるものではないですからね。ただ、それを得ようしたときに助けてくれる人がたくさんいるような会社にサイカはなっていたいなというのはありますね。

interviewee

なるほど。今日はありがとうございました。

インタビューを終えて

岩澤 利貢

改めて自分自身の人生を振り返った時に高校までの自分とそれ以降の自分の違いには驚く部分があります。自分自身何がきっかけで今の自分があるのかを振り返ったり、今の自分の行動の土台には何があるのかを定期的に考えるのはいいことだと改めて思ったインタビューでした。受け身ではなく自ら行動する!さらに人の才能開花も自ら積極的に動くことで支援する、そのためには自分はどうなったほうがいいかをサイカで突き詰めていけたら素晴らしいなと思える貴重な時間になりました。

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