統計分析の練習に、住んでいる場所のデータを使ってみませんか?地域のデータは、公的なホームページなどで公開されています。静岡県のデータを元に統計分析を行い、静岡の未来を予測してみました。
※この記事は2014年10月に公開した内容を一部編集したものです。地域にも利用可能なデータが存在する
GDPや消費者物価指数(CPI)など、国単位の経済指標の予測は、国全体の経済動向を占う上で重要です。しかし、国全体としては明るい見通しが出ていたとしても、地域単位では経済の未来が危ぶまれていることを見落としてしまう可能性もあります。 そのようなリスクに対して、何か対処する術は無いのか。今回は筆者の出身地である静岡県を取り上げ、都道府県別の経済予測ができるのかについて、検証してみたいと思います。
静岡県の未来を予測する
静岡県のデータは、静岡県公式ホームページ内の「統計センターしずおか」というサイトにあります。このサイトでは、以下のデータが取得可能です。- 静岡県推計人口
- 静岡県鉱工業指数
- 静岡県名目賃金指数
- 静岡県景気動向指数(先行指数、一致指数、遅行指数)
- 静岡県民総生産(国でいうところのGDP)
- 静岡市消費者物価指数(CPI)(※1)
分析内容 ─過去のデータの性質から未来を予測する─
今回分析に用いるデータには、上述の静岡県民総生産以外の指標を用います。(静岡県民総生産は四半期データであるため、今回の分析に用いることは出来ません) 分析の手法には、シンプルで理解しやすい重回帰分析を選択します。また、未来予測をするためにはラグ変数を用いる必要があるため、説明変数はすべてラグ変数としました。各変数のラグ変数の中から、目的変数である静岡県鉱工業指数と特に相関関係の強いラグ変数を統計ソフトで自動で抽出して、説明変数としました(※3)。
分析結果 ─景気の波を感じさせる結果に─
それでは、分析結果について見ていきたいと思います。
