データをさらに価値あるものに変える

糸島求一氏
ビジネスシーンにおいてデータはどのように活用すべきなのか。業界を問わず、データを活かして活躍している方々にお話を伺うインタビューシリーズ。今回は、技術者、コンサルタント、マーケッターとさまざまな立場でデータと向き合ってきた株式会社ココチエの糸島求一氏にデータとの向き合い方についてお話を伺いました。

転職を経験し、マーケティングの世界で生きていくという軸は固まった。

─── まずは、ご自身の経歴を教えてください。もともと私は就職活動をしておらず、パイロットになろうと思って試験を受けていました。知り合いの広告代理店で働きながら、試験を受け続け、最終審査までいったのですが、結局落ちてしまいました。そこで、キャリアを考え直さなければならないと感じ、ベンチャー企業への転職を考えました。そのときが25-6歳くらいでした。このとき初めて自分の道が見えてきたと思います。 その後、小売業に転職をしました。そこはコンサルティングファーム出身の方が多く、まさにベンチャー企業でした。そこで初めてサイト構築からマーケティングまでを経験したんです。 この頃からマーケティングの世界で生きていくという軸は固まってきていました。 はじめの頃はナレッジがたまっていなかったので、とにかくトライアンドエラーを繰り返しながら基礎的な分析や戦略作成を経験しました。その会社で7年ほど働いた後、ザッパラスに転職し、マーケティングのリーダーとして知見を活かしながら様々な施策を仕掛けていきました。 その会社では3年間ほど働いたのですが、他にもCRM構築などに関わったり、最終的には経営周りの仕事をプロジェクトベースで担当させていただいたりしました。 その後独立をして、マーケティング、分析に関してお客様にソリューションを提供する事をしています。特にデータから見た施策に関して提供させていただいています。今後はマーケティング × ITで新しい価値を創造しながらマーケットを作っていきたいですね。

データとは、意思決定をサポートするための欠かせない素材。

─── データを利用するうえで気をつけていることはありますか?まずは、データを疑うことです。切り分けの仕方でデータが良いものに見えることがあります。しかし深掘りすると正しくないデータだったりすることがあるんですよね。ですので、その切り分けの仕方は重要です。 そこを正しく判断するために、必ず一度ローデータ(Rawdata:加工前の生データ)を見るようにしています。そこから仮説を立てて分析に取り組むことが多いですね。時には、クライアントと一緒に仮説を立てるということもあります。どちらのやり方も正解だと思うのですが、それはクライアントによって使い分けています。客観性と主観性を交互に行き来しているイメージです。 データは過去のものですので、それぞれの意志によって活用の仕方はいろいろあると思っています。─── では、逆に失敗するのはどのような場合でしょうか?そもそもデータが集まっていないことが原因でうまくいかないことはありますが、データが揃っているのに失敗したということあまりないと思います。仮説に沿って、変化に気付けていればうまくいくのではないでしょうか。それができなかった場合でも、失敗と捉えるより“気づけていなかった”ことを知ることができると捉えるようにしています。 例えば、データを信用しすぎることで、うまくいかないことはあると思います。人間の動きは実際にはあまり合理的ではないことも多く、その点はデータを活用する上で懸念材料になってくることもあるでしょう。データはあくまで意思決定の素材ということを意識すべきだと思います。─── 今後データの取り巻く環境はどうなっていくと思いますか?IoTの時代が来ていますし、 あらゆるものがデータ化されていくと思います。しかし、使い手がそれを活用できていないのも事実です。データを“活用できる人”と“活用できない人”の二極化が進んでいく気がします。

データ分析は意思決定の素材。最終的に「人」や「組織」に行き着く

現在は自社サービスを開発しつつ、大手企業を中心にマーケティングのコンサルティングや実行支援をしている糸島氏。マーケティング出身者は社長には向かない?という言葉も出た糸島氏のインタビューは、ビジネスノマドジャーナルから読めます。

インタビューされた人

インタビューした人

「資源」としてのデータ、「道具」としての分析

里 洋平氏
ビジネスシーンにおいてデータはどのように活用すべきなのか。さまざまな業界のスペシャリストにお話を伺うインタビューシリーズ。今回は、ヤフー株式会社、株式会社ディー・エヌ・エーなどでエンジニアとしてデータと向き合ってきたR言語の東京コミュニティTokyo.Rの主催者である里 洋平氏にデータとの向き合い方についてお話を伺いました。

データを蓄積してくノウハウがない企業などの基盤づくりをしたい

─── まずは、ご自身の経歴を教えてください。大学時代から、エンジニアとしてアルバイトをしたり、友達とガソリン価格の共有サイトを制作したり、webサービスを作ることに興味は持っていました。その頃は、サービスを作れることが大事だろうと考えていていたんです。 新卒で入社したヤフー株式会社では、webエンジニアとして新規事業の立ち上げていくなかで、動画のレコメンドエンジンや、市場予測モデルなどにデータを活用していました。その後入社した株式会社ディー・エヌ・エーは、データ分析が意思決定に直結する企業でしたので、そのようなカルチャーを経験したいと思い入社しました。そこでは、分析基盤の構築からレポーティングやKPI分析、予測モデルの構築や異常検知など幅広いことをやらせてもらいました。その中でも、テレビCMの効果測定では、金融工学で使われている手法や異常検知などいくつかの手法を融合させた効果測定モデルを作り、費用対効果を測れるようにしていました。 その後、株式会社ドリコムに転職し、データ分析環境の構築や人材育成などをしていました。 現在は、コンサルタントとしてクライアントと向き合いながらデータを活用しています。今後は、そもそもデータを蓄積してくノウハウがない企業などの基盤づくりもしたいと思っています。─── 企業でデータを活用するために、気をつけているポイントはありますか?とにかくアウトプットは非常にシンプルにすることですね。できるだけ専門的な話はしないようにし、どのようなことをしているのかを噛み砕いていく必要があると思っています。─── 分析がうまくいかないケースには、共通点などはありますか?目的変数(成果)が曖昧なままに「いい感じに分析してほしい」と言われたような場合は、大体うまくいかないですね。元々、因果関係が無いものもありますし、何がこのプロジェクトの「成果」なのかが無いと、やってもやっても「なんか違う」ということがおきてしまいます。 また、データ分析のアウトプットには「意思決定に使うもの」と「システムに組み込み自動化するもの」と大きく2つがあるのですが、その区別がはっきりしていないと、結局のところ何をすればよいのか分からなくなり、うまく行かないことが多いです。 例えば、簡単な集計でも意思決定できてしまうようなことでも、高度なモデルで精度を求めてしまうケースは失敗になります。時間(=コスト)がかかっている分、集計でさくっとだした結果よりも費用対効果が低くなります。─── 現在はどのような案件が多いですか?広告の効果測定が多いですね。どの広告がどの程度効果があるかを知りたい、というクライアントが多いです。通常だと多重共線性が起こって、あまり効果測定がうまくいかないことが多いのですが、その点を改善したサービスを提供すると価値を感じていただけます。また各施策が成果に直接的に影響しているのか間接的に影響しているのかの測定をしています。

データは“資源”で、分析は“道具”。

─── では、データ分析にはどのような可能性あると思いますか?データは“資源”で、分析は“道具”です。データが発展していけば、あらゆる意思決定に使われるようになる。今は企業の意思決定に使われることがほとんどですが、そのうち個人でも活用されるようになると思います。つまりは、データを使っている人と使ってない人で差が出る時代が来ると思います。 例えばカーナビでデータが簡単に取れるようになってくると、そのデータを活用している人は目的地までに到達する時間が短縮される。そのように、データによって意思決定が大きく左右される時代がくるのではないでしょうか。

「データ分析が意思決定に使われている」が、最大の成果

エンジニア出身ながら、データサイエンティストとしてのスキルを持つ希少な人材である里氏のスキルがいかにして構築されてきたかについて語られています。 インタビューは、ビジネスノマドジャーナルから読めます。

インタビューされた人

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データ整理を省力化し、価値ある時間の使い方を

吉田拳氏
ビジネスシーンにおいてデータはどのように活用すべきなのか。さまざまな業界のスペシャリストにお話を伺うインタビューシリーズ。今回は、パソコン表計算『Excel』専門の業務改善を行う『株式会社すごい改善』代表取締役 であり『たった1日で即戦力になるExcelの教科書』の著者でもある吉田 拳氏です。データを効率良く整理することで、組織に何がもたらされるのか伺いました。

データを持っていても、多くの会社が活かせていない。

─── まず、吉田さんのご略歴をお伺いできますか?『株式会社すごい改善』を起業するまでの10年間、会社勤めをしていました。4社目に入社したのがメルシャンというワインの会社で、そこではビジネスデータを使った販売データの分析・加工集計を担当していたんです。しかし、今までExcelをほとんど使ったことがなかったため非常に苦しみました。分析も未経験でしたし、初めの頃は終電まで残業ということがよくあったんです。Excelにはさまざまな機能があることは知っていたのですが、当時は知識がないためすべての作業が“力技”。でも「これだと今以上の仕事ができない」ということに気がついて、解決しようといろいろなことを調べてみたら、楽をする方法がいっぱいあることに気がつきました。そこから効率化を図っていったんです。さらに仕事を進めていくと求められる知識が増えてきて、その都度、技術を習得していきました。 具体的に言うと、カバー率という概念がありますよね。つまり、日本中にある多くの店舗の中で、自社商品がどれくらいの店舗に置いてあるかという配荷率です。もちろん、それが多ければ多いほど、店頭での顧客接点が増えるじゃないですか。それがなければ売れない。それで顧客接点を増やそうとしたときに、やみくもに「営業頑張ろう」じゃなくて「顧客接点がない店を潰していこう」というように、具体的な指標が大事だな、と思ったんです。 今まではなんとなく、60%、というような概算値だったんです。でも、それだと「どの店舗に行けばいいのか」ということになる。手当たり次第にお店を回って営業しても、すでに商品がおいてあるあるお店もあります。そこで「まだ商品が置いてないない店を探さなければ」という話になる。 60%という概算値じゃなくて、具体値を見ないといけないんですよね。分母と分子があるから、パーセンテージで出てくるわけです。ちゃんと固有名詞でリストアップしたうえで未配荷店を見れば、行かなければならない店舗がわかるわけじゃないですか。そういうアイデアは浮かぶのですが、その資料を作るとなると、技がなければものすごく大変。それを作るためだけに1ヶ月かかるようでは意味がないので、これを一瞬で、しかも全員分作ってあげるにはどうしたらいいんだろう? と思ったときに「技術が要るな」と。そしてこれを解決するには、関数だけじゃだめだ、マクロも必要だ。じゃあVBAを勉強しよう…という流れでやっていったわけです。 そこからはもう面白くなってきて、徐々に「教えたいな」という気持ちも生まれてきたんです。ちょうど社内の人間からもExcelの悩み相談を受けるようになり「これは、きっと他の会社でも同じ問題が起きているんだろうな。それなら、そのソリューションを提供するビジネスができるかもしれない」と思い、2010年の6月に退職し、8月には今の会社を立ち上げました。─── 仕事の中でやりたいことがあって、解決方法も浮かぶけど「どうやればいいのかわからない」という人を助けたいと思ったんですね。そうなんです。私が思ったのは、まず企業が業績を伸ばして成長するには「社員のExcelのスキルを底上げしないと、何やってもだめだろう」ということ。ビジネスマナーやセールスプレゼンテーションのスキルを上げる以前に、Excelが無駄の温床ですから。1カ月かけて資料を作っても、使うタイミングを逸してしまっては意味がないですよね。1分で終われば、それだけ新しい時間が生まれる。その時間で、もう少し生産的な新しい仕事をやりませんか、というメッセージを伝えたかったんです。 実際にクライアントの多くは、さまざまなデータを持っています。売れたら売れたで几帳面に帳簿をつけていらっしゃるので、販売データは蓄積されているのですが、それを活かせていないんですね。顧客データや営業の行動記録もすべて貯めているだけで、見ることができていないんです。売り上げという概念は金額合計だけでなく、件数もありますから、それを割れば1件あたりの平均単価は出ますよね。あとは前年比、予実比、構成比を割り出していけば、いろいろな切り口で売り上げを見ることができます。
吉田拳氏

まずは「楽をする方法はないか」と疑ってみる。

─── なるほど。では、Excel使って仕事ができる人と、できない人との違いはどんなところにあるのでしょうか?アウトプットの方法が明確にデザインできて、それを瞬時に正確に出すための仕組みを作ることができるかどうかでしょうね。デザインがあったうえで、その手段として仕組みを作り上げられること。まずは最初にどんな表を描くかを考えられないと、5年後には機械に取って代わられてしまいますから。 アウトプットするための準備はすごくシンプルで、見せたい項目を揃えるだけ。材料となる蓄積されたデータを変換する技術はなくていいんです。まずはどう見せたいかだけを考えればいい。どんな資料をExcelで作れば成果につながるか、ということはクライアント自身に考えて頂く必要はあります。多少はアドバイスできる部分はあるかもしれませんが、そこは自己責任で考えていただいて、その代わり、アウトプットの資料を一瞬で正確に出す技術は私たちが提供できるということです。 アウトプットのデザインは、基本さえ覚えておけば取っかかりはできるはず。例えば、売上の分析をする場合。売上分析の基本は先ほども申し上げた、前年比と予実比と内訳構成比。まずこの3つを出すのが基本だと覚えることで、取っかかりはできると思うんですよ。売上台帳を渡されて「分析して」と言われたときに新人がフリーズするのは、何から手をつけたらいいかわからないからなんですよね。「合計はいくらです」で終わってしまう。 分析は、「分けて比べる」なんです。どう分けて、何と比べるかという基本を簡単に教えてあげるだけで違ってきます。─── 具体的に「機能としてこれくらいは知っておくべき関数」など、乗り越えたら楽になるポイントはありますか?以前、顧客リストの電話番号が全角になっているところをすべて半角に打ち直さねばならず、数千件をこつこつと打ち直していた人がいました。これはASC関数を使えば一瞬で終えることができます。 このように楽をする方法がたくさんあります。最初から全部の知識を持っておくことは不可能ですが、何か面倒なことが起きたら「楽をする方法はないのか」とまず疑ったほうがいい。間違ってもそこで根性を発揮して頑張ってはいけない。もう少し別の方向で頑張った方が、絶対にいいと思います。─── それができなかった人ができるようになると、どう変わると思いますか?以前、自信がつくでしょうね。私のセミナーに来られる方は「自分が使っている時間は本当に生産的なのだろうか」などと迷いながら仕事をなさっている方が多いのですが、そこにひとつの解を提供すると、まずExcelの作業効率化についての迷いが消えると思います。Excelの作業自体の効率化について悩む時間がなくなり「より良い資料をつくるにはどうしたらいいか」といった、もっと生産的な、価値ある悩みに変わっていくはずです。

ツールが使える=ツールの使いどころを知っている。

─── 一方で、それを組織の文脈に変えたときにどうなるのか、ということが、本日一番お伺いしたかったことです。ツールを使える人がひとりいると確かに仕事は進みますが、それだけでは成果にならない。誰かに伝える、一緒に仕事をする、ということがないと、結局あまり大きなことにはなりませんよね。個人がツールを使えることと、組織の中で成果になることについて、吉田さんはご経験の中でどう捉えていますか?まず初めに「ツールを使える」ことは「ツールの使いどころを知っている」ということだと思うんですよね。統計分析も「それは本当に必要なのか」と考えた方がいいと思うんです。まずシンプルな数字を見ることから始めて、それだけでは見えてこないものを見るときに、いろんな分析手法、統計学の手法を覚えればいいのだと思います。 “ビッグデータ”という言葉が流行った背景には「統計ツールにデータをぶっ込んでおけば何か見えてくるんじゃないか」という淡い期待がありましたけど、そうではないんですよね。仮説があって、証明をするのに統計手法がある。 ツールを組織の中で活かしていくためには、全員のスキルを平準化する必要があります。ばらつきがあるとものすごく非効率ですし、得意な人が苦手な人をカバーしなければならないという現象が出てきます。それを解決するには、全体を底上げする研修や作業が必要ですね。「こういうことができるはず」ということを全員が同じように知っていて、調べるリテラシーを身につけることが重要です。─── 吉田さんのクライアントで「これはもったいないことをしている」と思う状況や現場はありましたか?顧客リストもいっぱいあって、せっかく累計の売り上げデータも入っているのに、五十音順の顧客名簿の「あ」から順番に電話をかけていく、ということをやっている方がいらっしゃいました。それは、ただただ「もったいない」の一言に尽きます。例えば、売り上げ順に並び替えをすれば、たくさん買ってくれている方に早くアプローチできます。上手にExcelを活用できれば、まずどこから攻めるかという優先順位をつけることができるようになるんです。Aランク、つまり8割の売り上げを占めている2割の顧客をあぶりだし、そのAランク顧客層の流出防止、取引拡大が最優先であると判断できる。その圧倒的な客観的事実があったうえで「Aランクは確かに大事だね。Bランクは後回しにしようか」と言えば「でも、Bランクにもいい人がいるかもしれない」という主観的な意見よりも全体最適を見据えた客観的な判断ができるということです。
吉田拳氏

直感は大事。しかしそれだけでは話にならない。

─── 個人がExcelやデータをうまく使うことができ、それをちゃんと組織としてできるようになると、新しいことがステップに進めるのかなと思います。これまでの吉田さんのご経験で、次の一歩が踏み出せていると感じられる企業や仕事の仕方に共通点などはありますか?私は直感が大事だと思うんですよ。もっと言えば、意思決定は直感だけでもいいと思っているんですよね。ただ「じゃあ、なぜそれを決めたか」という判断が「直感です」では話にならない。それを裏づけるために、直感を事実と紐付けることが大事です。それが正しいということを、何かしら数字で裏づけるという努力は必要ですよね。そうすることで、不安は消えますし、確証を持っていける。それが数字の力だと思います。 曖昧としたものが明確になったときの、行動の圧は随分違います。カバー率を10%上げるというときに、よくわからないままとにかく「10%上げよう」と努力をすることと、「10%上げるには300店舗に新規納入が必要、その300店舗はここです、明日から手分けして回ろう」という具体的な行動と、どちらが目標に近づくかといったら当然後者だと思うんです。「本当にうまくいくんだろうか」という、達成のイメージがわかない状況でやみくもに努力するより、行動計画を数字で落とし込こんだ方が絶対に目標に近づきやすいと思います。─── データが土台にあるからこそ、直感をより働かせることができるますよね。でも、それがなかなかできない人が多いと思うのですが。定点チェックの仕組み作りが大事だと思います。例えば株価や為替を記録している人がいますが、その推移をずっと見ていると、何かがひらめくというのもよく聞く話です。ビジネスでも、推移をグラフ化して見ておくと、ちょっとした異常値に気づけることもあるかもしれない。その定型パターンが見えてくると、ふわっと浮かんでくるものもあるわけですよね。せっかくそのチャンスを示す異常値が出ていても、それを異常だと気づくには、通常がこうであるという認識がなければ絶対見えないじゃないですか。だから常日頃の数字をチェックして、自分にとっての“通常”と“異常”を定義づけることは大切だと思います。 それをやっておかないと、失敗にも成功にも気づかないんです。小さい失敗が蓄積すれば、大きいダウンにつながっていくし、逆に、小さい成功体験を積み重ねることによって、より良い方向にもつながっていく。それを証明するためにも、きちんとExcelで数字を出しておくことが必要です。 直感は頭の中にあるものから生まれるはずなので、やっぱり日々のインプットなんですよね。現状を把握できていない状態の直感って、間違っているんですよ、結構。ひらめいた直感を信じていい環境を作るために、日々データを正しく見るクセが大事なんです。─── 見るべき数字はいくらでもありますもんね。しかも、これからどんどん増えていきますし、使い道はいくらでもあるという状態の中で、成果につながっていかないと何も意味がないですよね。そうですね。具体的な行動計画につながらなければ何も意味がないですね。分析をして「前年比が落ちました、ピンチです」となったとします。そこで「とにかく頑張りましょう」ではなく、どう頑張るかですよね。データがあっても、すぐにアウトプットの方法が出るわけではありませんから、会議をするなり、次の行動を考えるなり、穴埋めのためにはいろいろな選択肢があります。このように、分析が次の行動に繋がらないと意味がありません。そうでないと、そのために費やしたデータを作るための時間や会議もまったく無駄なものになりますしね。

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