営業研修に失敗したら絶対やってほしい無料で試せる営業分析

無料の営業分析をしましょう

営業部のある企業にとって、各営業社員のレベルアップは重要な課題のひとつです。それに対するアプローチは企業によって様々ですが、その中で「研修」を選択される企業も多いと思います。ひとくちに研修を行うと言っても、

  • 確立された研修カリキュラムのもと、営業研修を行う
  • 外部講師を招いて営業研修を行う
  • OJTを重視する

など、対応は様々です。

一方で、実施したものの効果が見られなかったという声もよく聞きます。知識研修(主に座学で業務に関連する知識を植え付ける)やマインド研修(営業社員として結果を出すための考え方を植え付ける)と異なり、実技の習得は短期間では困難であるため、効果が見えにくいという実感に行き着きがちです。

あるいは、その場ではできたつもりになっても、実際の現場に出ると全然できない。これは私が様々な営業研修を受けてきた中で、私自身も体験したことであり、営業研修の効果自体を疑うきっかけにもなりました。

私は営業研修が無意味だということを言うつもりはありません(思ってもいません)。ただ、効果がなかった場合に、「研修内容を工夫する」「別の講師を招く」「別のメンターをつける」等の「改善」に取り組むのではなく、一度立ち止まって、無料で試せる営業分析を行って欲しいと思っています。

営業研修が失敗する理由

営業研修が失敗する理由は様々です。「営業研修 失敗」で検索すると、その具体的な理由や事例はたくさん見つけられます。参加者に主体性がなかった、研修の目的が明らかになっていなかった、自社の商材と外部講師の研修がリンクしていなかった、参加者のレベルにばらつきがありすぎた、等々がよく目にし、耳にする理由でした。

少し抽象度の高い理由としては「営業の属人性」が挙げられます。営業においては、その人だから契約できた、というような再現性のない成功要因を排除しきれません。同じ商品で、一言一句同じ営業トークでも、売れる人と売れない人がいます。売れる営業である講師が営業研修を行っても、皆が売れるようにはならないのは、営業の属人性が関係しています。

もちろん、可能な限り再現性のあるノウハウを使った研修を行う人や研修会社も多くあると思います。ただ、どれだけ気をつけても、属人性を排除しきることはできないのです。

無料で試せる営業分析の考え方とその手法

属人性を排除するためには、属人性を排除できるアプローチを選択する必要があります。それが、営業社員の行動データを使った営業分析です。

営業研修が「できる人の真似をする」アプローチである一方、営業分析は「平均的な人が成功する要因を明らかにする」アプローチです。「特定の誰か」ではなく、「その商材を扱っている全員」の行動が分析対象ですから、当然、「その商材を扱っている全員」の平均的な行動が、成果に対して影響を与えているか否か、与えているとしたらどういう影響を、どの程度与えているのかがわかるようになります。

営業分析にも多くの種類がありますが、このページでは

  • 無料で実施可能
  • 分析結果から示唆を得やすい
  • 得た示唆を行動に移しやすい
  • 成果を実感しやすい

という4つを満たした重回帰分析を紹介します。

重回帰分析でわかること

営業分析をする上での重回帰分析は「目標に対して影響を与えているものを明らかにし、その影響度を図る分析」と理解しておけば問題ありません。

事例として、営業の効率向上を課題として抱えている投資用マンション販売会社であればどうするかを考えてみます。投資用マンションの販売にあたって、営業社員はターゲットの簡単な属性情報の入った電話番号リストを与えられ、そこに電話をかけてアポイントを獲得し、商談、契約という流れで成果を上げていきます。

今回は目標を「マンション販売手数料(四半期)」とします。この投資用マンション販売会社では月単位での成果にはブレが生じる(営業社員の実力を適切に測れない)という経験則があったため、3ヶ月合算数値で評価するのが慣例でした。目標設定にはその慣例を適用しています。

それに影響を与える営業社員の行動が何かを考えていきます。この会社の社長は、時間の使い方が仕事の成果を決めると考えており、前四半期の開始時から、営業社員がどういう行動に、どの程度の時間をかけていたかを記録するツールを導入していました。データが取れるため、経験則から「架電時間」「移動時間」「初回商談時間」「2回目商談時間」「3回目以降商談時間」「社内作業時間」が影響を与えているという仮説を立てました(各行動時間は四半期累計)。

この分析についての詳細や分析に使った架空データは「架空の投資用マンション販売会社の営業分析」として、別記事(準備中)に記載してありますので、より詳しく知りたい方はそちらを御覧ください。

分析結果から、

  • 架電時間は販売手数料(四半期)に影響を与えていない
  • 移動時間は販売手数料(四半期)にプラスの影響を与えており、移動時間が1時間増加すれば、平均X万円販売手数料が増加する
  • 初回商談時間は販売手数料(四半期)に影響を与えていない
  • 2回目商談時間は販売手数料(四半期)にプラスの影響を与えており、2回目商談時間が1時間増加すれば、平均Y万円の販売手数料が増加する
  • 3回目以降商談時間は販売手数料(四半期)にマイナスの影響を与えており、3回目以降商談時間が1時間増加すれば、平均Z万円販売手数料が減少する
  • 社内作業時間は販売手数料(四半期)に影響を与えていない

ということがわかりました。表にすると下記のとおりです。

影響影響度
架電時間影響なし
移動時間プラスの影響X万円
初回商談時間影響なし
2回目商談時間プラスの影響Y万円
3回目以降商談時間マイナスの影響Z万円
社内作業時間影響なし

この分析結果は、売れる営業社員の行動をもとに算出したものではないため、誰でもこれを参考に自分の行動を改善することができます。自分の行動を見なおして、3回目以降商談時間が長過ぎるのであれば、それを減らしつつ、2回目商談時間を長くとる、ということが改善に繋がる可能性があります。移動時間が短いのであれば、移動時間を長く、つまり、少し遠方の見込み客にも目を向けたり、フォローをしたりすることが改善に繋がる可能性があります。

まとめ

全社の営業効率、営業生産性を上げたい会社にとっては、そのための施策として営業研修にたどり着くのは当然のことです。ただ、営業という仕事はどうしても属人性を排除できないため、研修の効果が顕著に現れない場合もあります。もし、その属人性が理由で研修の効果が上がっていない可能性があるのであれば、一度営業分析をやってみると、今まで見えなかった改善の仕方が見つかる可能性があります。