いまさら聞けないマーケティング用語

ポップアップストア

ポップアップストアとは、空き店舗や貸しスペースなどに期間限定で出店される店舗の事を指します。

広義のポップアップストアと狭義のポップアップストア

ポップアップストアは広義には期間限定で出店される店舗全般の事を指しますが、実際には、このような広義の意味でポップストアという言葉を用いる事はあまりありません。例えば、百貨店や商業施設の催事に期間限定で出店する事も広義の意味ではポップアップストアになりますが、このような出店をポップアップストアと呼ぶ事は少ないです。

ポップアップストアはどちらかというと販売手法ではなくプロモーションという観点から出店される期間限定の店舗の事を指します。すなわち、ただ商品を販売して収益をあげるのではなく、ブランド認知の向上や、ユーザーとのコミュニケーションなどを目的としており、SNSで拡散したくなるアミューズメント性やテレビなどが取材したくなる話題性を持った店舗やサービス作りを行っている期間限定の店舗の事を指してポップアップストアと呼んでいます。

ちなみに、ポップアップストアの他に、ポップアップショップやポップアップリテールなどと呼ばれる事もあります。

ポップアップストアを出店するメリット

では、なぜプロモーションの一環としてポップアップストアが選択されるのでしょうか。

SNSを通じて宣伝の拡散が期待できる

まず、ポップアップストアのメリットとして挙げられるのがバイラルマーケティングと相性が良いという点です。バイラルマーケティングとは商品やサービスについてユーザーが家族、友人、同僚などに紹介したくなるようなプロモーション手法の事を指します。特に、近年ではFacebookやTwitter、InstagramなどSNSの利用増加に伴い、ユーザーが話題にしたくなるようなコンテンツを提供すればその情報がSNSを通じて一気に拡散します。

ポップアップストアはこのようなSNSでの情報拡散を目的として出店コンセプトなどを設計しています。ユーザーが写真を撮ってSNSに投稿したくなるディスプレイや商品メニューを作り、店舗の外装・内装についても話題性がありプロモーションしたい商品やサービスの内容が伝わるように常設の店舗と比較すると個性的なデザインが行われます。

また、SNSでの拡散だけではなくその珍しさからテレビや雑誌などの取材なども期待でき、マスメディアからの広告効果も期待できます。

顧客とのコミュニケーション、テストマーケティングが行える

例えば、通販だけで商品を販売しているお店の場合、直にユーザーと触れ合う機会はほとんどありません。ただし、常設の店舗を持とうとしても通販と店舗小売ではマーケティングのノウハウや売れ筋の商材が違う事も多いので高いハードルがあります。

このような理由から、一等地に店舗を常設する事には大きなリスクが伴うので、期間限定で一等地に店舗を出店する事によって新商品のテストマーケティングやユーザーとのコミュニケーションの場としてポップアップストアを利用する事ができます。

広告効果を測定しやすい

オフライン系のマーケティングでは広告効果を測定する事が難しいプロモーション方法は少なくありません。例えば、テレビCMの場合だと、そのCMによって何人のユーザーが自社ブランドを認知したり、購入に繋がったのかは別途調査を行わなければ効果を測定できませんが、ポップアップストアによるプロモーションの場合は

  • 期間中の来場者数
  • 店舗での売上
  • 店頭で配布したクーポンの利用者数
  • SNSのハッシュタグなどを元に話題になった数

のように定量的な目標を設定し効果の検証を行いやすいと言えます。

ポップアップストアの事例

では、ポップアップストアにはどのような事例があるのでしょうか。

ポップアップストアはイギリスのロンドンで大手小売店がクリスマス商戦で、船の上に期間限定で店舗を作って話題になったのが始まりだと言われています。そこから、ポップアップストアという手法は全世界、様々な業種に波及していきます。

例えば、日本でも2017年にLOUIS VUITTONとSupremeのコラボレーション商品が発売された際には、表参道のポップアップストアには1万人に近い行列ができたと言われています。

また、ネット通販大手のAmazonはネットだけではなく定期的にポップアップストアとして実店舗の出店を行っています。例えば、2017年7月には六本木にプライム会員の特典・サービスが無料体験できるポップアップストアを出店しましたし、10月にはAmazonのお酒の品ぞろえが楽しめるAmazon Barを銀座でポップアップストアとして出店しました。また、年末にはサイバーマンデーに合わせてポップアップストアを渋谷に出店し、大きな話題を集めました。

プロモーションの場としての店舗

このようなポップアップストアの事例からわかる事が店舗はただ商品を販売する場ではなくなったという事です。リアルとネットの関係はWebでプロモーションを行って店舗に誘導して収益をあげるというという一方通行なものではありません。ポップアップストアでプロモーションを行ってWeb通販で売上をあげるという逆の流れも起こりうるのです。

このようにリアル・ネットのそれぞれが持つプロモーション効果を上手に使い分ける事が求められていると言えます。

まとめ

ポップアップストアは広義には期間限定の出店の事を指しますが、狭義にはプロモーションを目的とした期間限定の出店の事を指します。特にIT系BtoCビジネスの場合、Webマーケティングが販促の中心になりがちですが、ユーザーとのコミュニケーションのためにはこのようなリアル系のプロモーションも重要だと言えます。

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