三井住友カードにおける、ブランディング広告強化に伴うオンオフ統合分析

BRANDING

8月6日(火)16時開催のTVISION INSIGHTS株式会社と株式会社サイカの共催セミナーに先立ち、当日登壇していただく三井住友カード株式会社の佐々木執行役員にお話を伺いました。

話し手:佐々木 丈也 様

佐々木丈也
三井住友カード株式会社
執行役員 マーケティング統括部長

1991年に三井住友カードに入社。
法人営業、個人営業や商品企画等に携わり、2013年よりネットビジネス事業部長。
2017年改組により統合マーケティング部長を経て、2019年執行役員に就任し、マーケティング統括部長。
現在はブランディングからTVCM等のマス、デジタル、データ等、全体を俯瞰した統合マーケティングを指揮。

聞き手:平尾 喜昭

佐々木丈也
株式会社サイカ
代表取締役CEO

慶應義塾大学総合政策学部卒業。 父親の倒産体験から「世の中にあるどうし ようもない悲しみを無くしたい」と強く 思うようになる。 大学在学中出会った統計分析から経営支援 の可能性を見出し、2012年2月に株式会社 サイカを創業。
統計学と経済学をベースに、これまで 数多くの大手クライアントにてマーケティ ング精度向上のコンサルティングを行って きた。 同経験を背景として、サイカの各種ツール 開発におけるプロダクトオーナーを歴任。

今回のセミナーでは、御社のブランディング広告「Have a good Cashless.」を起点に、ブランディング広告強化におけるオンオフ統合分析について伺っていきたいと思っています。

キャッシュレスといえば「三井住友カード」のポジションを取りたかった。

昨年末からかなり話題になった御社の「Have a good Cashless.」ですが、構想はいつ頃からあったのでしょうか?

2018年6月中旬くらいからですね。意外と短いんですよね。CMを流し始めたのが同年10月末からなので、かなり短期間で立ち上げました。

短期間で立ち上げる必要があったのでしょうか?

はい。2018年に入り、経産省の後押しもありキャッシュレス関連のニュースを毎日目にするようになり、世の中のキャッシュレスへの関心も急速に上がって来ていることは実感としてありました。その高まる機運の中で、弊社のキャッシュレスに対する姿勢や考え方を伝えていくことが必要と考え、早期立ち上げが必要でした。
ご存知の通り、2019年には、10月消費増税が控えており、そのタイミングでキャッシュレス・消費者還元事業のスタートという大きなイベントがあり、キャッシュレス市場にとっては激動の年になると考えられます。
その中で弊社が、
・「お客様起点」でキャッシュレス社会の課題を解決していくのか、
・キャッシュレスで、お客様にどんな価値を提供していくのか、
ということを正しく世の中に伝えて行かなければならないし、その結果、「キャッシュレス=三井住友カード」というポジションを築けたら良いなと考えてます。

そういったポジションを取れるという前提があったからこそ、キャッシュレスに目をつけたのでしょうか?

いえいえ、ポジションを取れる前提とはおこがましいです…笑
ですが、弊社全体戦略の中に、キャッシュレス戦略というものは元々描かれていいました。
弊社のキャッシュレス戦略のポイントは、「お客様起点」ということ。健全なキャッシュレス社会の実現に、最も必要なことはお客様視点、すなわちキャッシュレス決済を使う「利用者=消費者」と「お店=事業者」という二つのお客様の視点です。
「お店」と「利用者」の双方が抱える課題に対し、お客様目線でネックを解消し、利用しやすい環境づくりをしていくことで、キャッシュレス社会の実現に貢献したい。そんな思いが込められてます。
その戦略を世の中にアウトプットしていくために、ブランディングキーメッセージとして「Have a good Cashless.」をつくり、世の中に伝えていく努力をしているところです。

なるほど。確かに当時はキャッシュレスを全面に出したブランディング広告をやっている企業はなかったですね。

まぁ一番初めに言うことにはこだわりました(笑) 後々各社がキャッシュレスを謳ってくることはわかっていましたので。その中で、コンセプトを整理して、世の中に対してどういう価値を提供するのかというブランディング、キーメッセージのタグラインをしっかり作って、マス広告だけでなく、デジタル広告も含めて価値訴求をしようと考えました。

マスとデジタルの一貫性がなければ伝わらない

デジタル広告も含めて、なのですね。

はい。マスとデジタルを分けて考えてしまうと伝わらないと考えています。

なぜ伝わらないのでしょうか?

マスとデジタル、それぞれ特徴がありますが、消費者にとってはメディアの区別などなく、どちらも同じ企業からのメッセージということです。 そもそも、クレジットカードはコモディティ化していて、ポイントやキャッシュバック等、これまでは単なる利得性の競争になりがちでした。もちろん会員獲得や利用促進において、利得性は今なお重要ですが、一方で日本の消費の8割はまだ現金が使用されています。
これから迎えるキャッシュレス社会に向けて伝えなければならないこと、これこそ我々の考えるキャッシュレスの本質的な価値であり、“Have a good Cashless”と考えています。
しかし、一貫性なくマスでブランディング広告、デジタルで利得性訴求型の広告をしていては、お客様には表面的な印象だけ与え、結果伝えたいことは届きません。
マスだけでなくデジタルも含め、お客様とのあらゆる接点でメッセージが一貫していること、加えて、お客様へ提供する商品やサービスについても、“Have a good Cashless”を体現していることが重要であると考えています。
結果、我々は昨秋からブランディング広告を全面展開し、「お金ってなんなんだろう?」というメッセージを届けたうえで、2019年3月にアプリのフルリニューアルにより利便性を向上し、大型キャンペーンで利得性を提供しました。ステートメントで宣言している通り、これからもお客様起点で次々と実現していきます。

一貫性が重要なんですね。

そうですね。一貫性を持ったメッセージを届けるだけでなく、施策の結果もマスとデジタルを繋げて把握する。そして、一時点だけでなく、継続的にかつ定量的に把握することが重要だと考えています。我々がマゼランを導入した目的はまさにそこにあります。

ありがとうございます(笑) そんな背景がある中で、実際に“Have a good Cashless”というテレビCMをオン・オフ統合分析して出てきた結果が・・・・