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【経営陣インタビュー】論理性とクリエイティビティが繋がる社会へ──サイカCOO彌野が考える”変革”の要諦とは

これまでにない商品・サービス、ビジネスモデル、市場を生み出す「イノベーション」。企業成長や産業の発展に、イノベーション(=変革)は欠かせません。

では、変革を起こす企業に必要な要素とは何なのか。また、そうした組織で働く個人に求められる自己変革とは。本連載は「変革」をテーマに、サイカの経営陣4名の考えをお届けします。

今回話を聞いたのは、これまで、大手からベンチャーまで、さまざまな企業で事業開発や事業運営を手がけてきた、サイカ取締役COOの彌野正和(やの まさかず)。

彌野が考える、変革の要諦、そしてサイカが目指す“変革”について話を聞きました。

株式会社サイカ 取締役COO彌野 正和氏
株式会社サイカ 取締役COO
彌野 正和(やの・まさかず)

ゴールドマン・サックス証券に入社し株式セールストレーダーとして従事。その後転身しDeNAにてマーケティングおよび新規事業開発、ベンチャー企業にてCOO、リクルートにて事業戦略、アライアンス、新規事業開発、プロモーションチームを担当したのち、2018年1月よりサイカに参画。2018年4月に執行役員COOに就任。2019年3月より現職。

常に「変革」の種を探している

株式会社サイカ 取締役COO彌野 正和氏

ー彌野さんは「変革」という言葉の定義をどう捉えていますか。

私は“変革”を、シンプルに「新しい価値の創造によって社会に貢献すること」と捉えています。新しい価値とは、「これまでより早い」「これまでより楽」「これまでより楽しい」などさまざまな指標があると思います。

これまでのキャリアでは、新規事業立ち上げに関わる機会が多くありました。
なぜそのようなキャリアを歩んできたかと考えると、きっと「新しい価値を創造すること」が好きだったからですね。

ーいつ頃からそうした価値観を持つようになったのですか。

学生のころから好きだったように思います。例えば高校の頃は文化祭を企画し、大学では起業家と少人数の学生が語りあうイベントを主催しました。

当時、起業家の話を聞ける機会は仰々しいイベントしかありませんでした。でも、学生がもっと身近に知らない価値観に触れられる機会を作りたいと考え、参加しやすいイベントを作ったんです。

今でも、常に、「もっとこうした方がいい」「もっとこういう機会があったら良さそう」という考えが自然と湧いてきます。きっと、癖づいているんですね。

組織と個人の「ビジョン」のアライン

株式会社サイカ 取締役COO彌野 正和氏

ーこれまで、さまざまな企業に携わる中で、変革を起こす組織に共通する特徴はなんだと思っていますか?

まず、一番大切なのは変革後のビジョンを持っていることですね。これは、組織に限らず、そこにいるメンバーにもいえます。組織と個人の両方がビジョンを持っていること。そしてそれらが一直線上にあることで、変革は加速していく。

「組織ビジョン」と「個人ビジョン」は、どちらが欠けてもいけないんです。

組織にビジョンがない場合、企業はどうしても短期的にわかりやすいもの、例えば短期的な事業成長だけを追求するようになります。達成した先にどんな未来があるのか描けなければ、働くメンバーのモチベーションは保ちづらく、消耗戦になってしまいます。

逆に、組織ビジョンはあるけれど個人ビジョンがない状態も問題です。組織ビジョンをもとに戦略が組まれて役割が割り振られても、個人ビジョンと全く違う方向性だったらパフォーマンスは出しづらい。メンバーに「もっとこうしたらいい」とフィードバックをしても、メンバーが求めているものと違うから、成長が促進されない場合が多いんです。

組織と個人が、お互いのビジョンでアラインしている部分と異なっている部分を把握し、違いをどう応援し合うかを考えるのが大事だと思います。そうすれば、組織も個人も変革しやすくなるんじゃないでしょうか。

株式会社サイカ 取締役COO彌野 正和氏

ービジョンを描く際、どんなことを意識していますか?

ビジョンというと大袈裟に聞こえますが、小学生の頃に「将来こうなりたい」と夢を描く純粋な感覚に近いと思います。先輩や、すごい経営者への憧れ、お子さんがいる方ならお子さんに喜んでもらいたい気持ちでもいい。

最初から論理的に描くのではなく、よりハッピーな状態を想像することから始めるんです。そのためには、意図的に自分の世界にない情報を仕入れ、ワクワクする心を持ち続けることがすごく重要だと思います。

さらに、そうした感覚を起点に描いたビジョンを「自分や仲間内に閉じない」ことも大切です。

自分や仲間内だけで考えたビジョンには、必ず反対意見や違った観点を持っている人がいます。ビジョンをより強固にするためには、そうした方々の話に耳を傾けることが必要不可欠。

「賛同を求める」のではなく、違う角度のアイデアが生まれる要素をもらいにいく、ほかの人の考えを把握しにいくイメージです。自分がずれた感覚を持っていることも多分にありますし、他者の意見を聞くことで、みんなが幸せだと思う「あるべき姿」が見えてきて、揺るがないビジョンになっていきます。

さきほど組織と個人のビジョンの話をしましたが、この2つは独立して存在しているわけではありません。お互い影響を受け合いながら変化していくんです。自分なりのビジョンを考え抜くことと、他者の意見を聞くことのバランスを取りながら、柔軟に変化していくビジョンを描けるのが理想だと思います。

固定観念に囚われず「挑戦を賞賛する」組織文化

株式会社サイカ 取締役COO彌野 正和氏

ー変革を起こそうとするとき、逆風が吹くこともあると思います。逆風の中でも進み続けるために必要なことは何でしょうか。

「前からずっとこの方法でうまくいっていた」「その方法は試したけどだめだった」。逆風は、こういった過去の固定観念がもとになって起こる場合が多いです。

前提として、世の中は変わり続けます。その時は正解だったことが、今の段階では間違っているケースもたくさんあります。でもなんとかして正解と言いたいから過去にしがみつく。そういった固定観念や過去を思い切って捨てられる組織が、変革を起こせる組織です

そのためには、ものごとを成功か失敗かではなく、すべてがビジョン達成のための学習であると捉え、「挑戦を賞賛する組織文化」が必要です。

そうした組織文化を根付かせられるか否かは、経営陣やマネジメント陣が、その文化の重要性を理解し体現できるかどうかにかかっていると思います。

私は、世の中はあるべき姿からもう逃れられないと思っているんです。情報がたくさん流通しているので、失敗をうまく隠して、あるべき姿からずらしていく行為って、短期的にはワークするかもしれませんが、ゆくゆくは瓦解する。

上の立場の人間が信頼を失うことを恐れ、自分たちの失敗を隠したり、成功したように見せかけたりしていたら、挑戦を賞賛する文化は築けないですよね。

私がサイカで特にいいなと思っているのが、成功でも失敗でもチャレンジした結果を賞賛し、失敗を失敗にしない文化です。失敗から学習し得られるエッセンスを活かして成功すれば「よくやった!」って言える。

うまくいかなかったことも共有し、原因をみんなで考え、次の成功につなげていく。そうした、成功体験の積み重ねがあると、徐々にメンバーも「挑戦をしてみよう」と考えてくれるようになります。

論理性とクリエイティビティがシームレスに繋がる社会へ

株式会社サイカ 取締役COO彌野 正和氏

ーここからは「業界・社会」の変革について伺いたいと思います。まず、サイカが目指すマーケティング業界の変革とはどんなものか教えてください。

私たちが目指すのは、データに基づく論理性とクリエイティビティがミックスされ、相乗効果を発揮できるマーケティング業界です。

事業の拡大や経営において、マーケティングはもはやトップイシューの一つです。だからこそ、過去の知見やデータというアセットをしっかりと活用するべきだと考えています。

一方で、データということばを聞くと人肌感のない印象を受けるかもしれません。でも実際のところ、データは人が試行錯誤して、チャレンジして、アクションを起こした結果なんですよね。その都度その都度みんなで新しいアイデアを考え出すのもいいですが、過去の実績と先人たちがたらした汗水をバトンとしてつなぎ、もう一段クリエイティブなジャンプができたら面白いと思うんです。

過去のデータを見ること。データから見えた示唆をクリエイティブなアクションに落とし込むこと。これらはどちらも、まだまだ改善の余地があると思っています。

データの強みと人間のクリエイティビティをミックスできるのがマーケティングの面白さです。これができれば、世の中全体が進化していくと思うんですよね。

株式会社サイカ 取締役COO彌野 正和氏

ー論理性とクリエイティビティをミックスさせる難しさはどこにあるのでしょうか?

論理性を支える「ロジックの精度」と、「ロジックの分かりやすさ」のバランスです。

例えば、ものすごい天才が、彼にしか分からない言語でものすごく精度の高い分析をしたとします。でもそのロジックを分かりやすく説明できない。こうなると、データに基づく論理性がクリエイティビティ溢れる議論の土台としてワークしない。逆に、わかりやすいけれど粗い分析だと、そもそもの論理性が崩れてしまいます。

サイカは、この論理性とクリエイティビティのミックスにチャレンジしてきました。データで測りきれないクリエイティビティへの理解があること。これはサイカの強みの一つだと思っています。

データサイエンスとツールを組み合わせ、シンプルなロジックながら繰り返し計算により分析の精度を上げ、 PDCAを高速で回し更に精度を上げていく。こうやって精度と分かりやすさを担保しています。

私たちはこの『MAGELLAN』という統合分析ツールを、マーケティング業界のスタンダードにしようとしています。その先には、過去の集積であるデータと、未来を創造するクリエイティビティが、シームレスにつながる社会があると考えています。

株式会社サイカ 取締役COO彌野 正和氏

ーサイカの掲げる変革を実現するために、今後特に力を入れていきたいことはなんですか?

私が今後大事になってくると思っているのが「透明性」です。

成功も失敗も、よかったことも悪かったこともつまびらかに明らかにして、そこから学んで改善していく。そういう透明性を持ったスタンスっていうのは、私たちがお客様と向き合うときにも、業界や社会全体と向き合うときにも必要なものだと思っています。

それに加えて、やはり「変革」を起こす組織に求められる基準はすごく高いと思うんです。私たちにも、データサイエンスの知見やプロダクト開発の技術、コンサルティング力、実績、透明性あるスタンス、すべてにおいて業界最高水準のレベルが必要とされます。

手前味噌ですが、現在のサイカは、非常に優秀で多彩な才能をもった人材が集まっています。スキルもソリューションも、グローバルでも戦えるくらいレベルが高いと思っています。そして向かうべき壮大なビジョンですね。

これらがそろった環境で働けるのはとても面白いと思います。今後組織が大きくなっても、ビジョンに向かい変革を起こす組織でいられるよう、精進し続けたいです。

株式会社サイカ 取締役COO彌野 正和氏

[インタビュー・文] 佐藤史紹
[撮影]小池大介
[企画・編集] 川畑夕子(XICA)