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仕事してるというよりは、遊んでる感じ

今回のインタビューは、プロダクトディビジョンの嘉悦。営業支援分析ツールXICA rockhopper(http://xica.net/rockhopper/)のエンジニアとしてサイカにジョインした。幼いころからプログラマーに憧れていたのは、彼が育った環境にあった。

仕事してるというよりは、遊んでる感じ

伸び悩んだときに、お互いに支え合いたい。

加藤 朝彦

嘉悦さんが今までの人生歩まれてくるなかで、影響を与えたと思うできごとを教えていただけますか?


嘉悦 誠之

両親が自営業をやっていたんですが、たまたま父が出かけているときにお客様がいらっしゃって。当時は子どもだったので、無邪気に父の真似をしてお客さまにセールストークをしたら商品を買ってくれたという経験があって(笑)その経験がいまの考え方に大きく影響を与えてるんですよね。

加藤 朝彦

いまの考え方とは?


嘉悦 誠之

言ってしまえば当たり前なのですが、「価値はお客様が決める」という考え方です。お客様が納得するもの、お客様が本当に使えるものを作りたいという想いがあるのですが、それは、その経験があるからです。

加藤 朝彦

貴重な経験ですね。


嘉悦 誠之

もうひとつは、社会人になって、プロジェクトを回していくなかで、当時お世話になった方から「梯子をかけ合っていこう」ってアドバイスされたことがあったんです。

加藤 朝彦

梯子をかけ合う?


嘉悦 誠之

その方は社内評価のコツ的な意味で言ったらしいですけど、僕は「お互いに成長を支え合おう」と解釈したんです。そこから、自分やまわりの人が伸び悩んだときに、お互いに支え合える環境ができたらいいなとずっと思っています。

加藤 朝彦

どうして意図とは違う解釈ができたんですか?


嘉悦 誠之

その方は「組織のなかでどう出世していくか」ということを考える、きちんとした方だったんですが、僕はあまり組織の中での出世欲のようなものがないんですよね。常に「作る側の人間でありたい」と思い続けているので。良いもの作ったり、スキルが身に付くということは、僕のなかでは出世と等価なんです。開発者としてどう“梯子をかけ合えるだろう”と考えたときに、その答えがスキルアップしたいという結論だったんですよね。

加藤 朝彦

なるほど。


嘉悦 誠之

あともうひとつは、東日本大震災が起こったときですね。当時在籍していた会社でもほとんど人が出社できない状態だったんですが、上司からディザスタリカバリのために、即日GoogleAppsを導入して欲しいと言われて。当時在籍していた会社の規模を考えると、どうやっても何ヶ月も準備が必要な作業なんですけど(笑)でもチームや社員が一丸となって、なんとかやり遂げたとき、人間やればできるんだなっていう感覚になりましたね。

加藤 朝彦

ニーズに応えるために、チームで力をあわせる経験だったんですね。


嘉悦 誠之

そうですね。なので、まず第一にお客さんが納得できるものを作る。それをみんなと一緒に一緒に成長しながらやっていきたいなと思っています。

仕事してるというよりは、遊んでる感じ

幼い頃からエンジニアになりたかった。

加藤 朝彦

ファーストキャリアからずっとエンジニアなんですか?


嘉悦 誠之

そうですね。僕は、小学生からずっとプログラマーになりたいと思い続けていました。

加藤 朝彦

プログラマーになりたいと思っていたのは、なにかきっかけがあったんですか?


嘉悦 誠之

父が機械好きで、無線機器とかが部屋に転がっているような趣味人だったんです。そのなかにあった雑誌でパソコンが特集されてて。何やら面白そうなことができるぞ……と。それで、父にパソコンが欲しいと話したら「俺も欲しかったから買ってやる」と言ってくれたんです。ちょうどWindows95が出たくらいの時期でした。

加藤 朝彦

当時はパソコンでどんなことしてたんですか?


嘉悦 誠之

当時、まだインターネットは普及してなかった頃なので、ネットワークといえば、『パソコン通信』と呼ばれるものがあったんですが……。電話回線を使ったサービスですね。その中で、チャットのような、遠く離れた人と文字で話せる、『リアルタイム会議』というサービスがあったんです。すごく感動してのめり込んじゃって、電話代を使いまくって怒られました(笑)ただ、それがきっかけで人と人をネットワークでつなぐものを作りたい、とはずっと思っていました。

加藤 朝彦

そこからずっと、ずっとエンジニアの勉強をしてるんですね。


嘉悦 誠之

勉強というか…もう、超遊んでましたね。とにかく面白かったんで、ずっと遊んでたいなって思ったっていう感じですか(笑)

加藤 朝彦

今も感覚としては、そういう感覚なんかあるんですか?


嘉悦 誠之

そんな感じですね。もうパソコンで仕事してるというよりは、遊んでる感じ(笑)

加藤 朝彦

エンジニアを職業として意識したのはいつぐらいですか?


嘉悦 誠之

ちゃんと意識したのは20歳くらいです。

加藤 朝彦

そのきっかけは?


嘉悦 誠之

高校三年生の時に父が亡くなってしまって、それから2年間くらい、家庭の事情などで何もできなかったんです。ようやく落ち着いたころに「そろそろ就職しないと、食っていけんな」と思って(笑)たまたま親戚のおじさんが地方のSIerをやっていたので相談しに行ったんです。そのときに「やりたいこと決まってるんだったら、早く就職しちゃったほうがいい。君がやりたい仕事は大学に行かなきゃできない仕事でもないし、時間がもったいない」とアドバイスをもらって、良さそうな専門学校を紹介してくれたんです。「よし、そうしよう!」と思って問い合わせたら、その日が願書締切日だったんですよ(笑) ギリギリでなんとか入学させてもらいました。

加藤 朝彦

ものすごい縁ですね。


嘉悦 誠之

そうなんですよね。そのあとのキャリアでも本当に縁には恵まれてたと思います。

仕事してるというよりは、遊んでる感じ

まわりに作れる人がいないなら、僕がやる。

加藤 朝彦

やっぱり人生においては、お父さんの影響は大きいですか?


嘉悦 誠之

はい。父がなんでも自分で作る人だったんです。だから自分で作るのが当たり前と思ってました。幼いころに「ミニ四駆でレースしたい」って言ったら、おもむろにベニヤ板と木の板でジャンプ台までついてるコース作り始めて(笑)

加藤 朝彦

すごいですね。自分で欲しいものがあったら作ればいいというのはそこからきてるんですね。


嘉悦 誠之

ただ一方で、何でもかんでも自分で作る必要はなくて……。例えば、ロゴが作りたいんだったら、デザイナーに作ってもらえばいい。でも、デザイナーがいないなら自分で作るという感じですね。折角上手い人が居るなら、その人に作ってもらえばいいや、と。

加藤 朝彦

プログラミング以外でも何でもできるってことですね。


嘉悦 誠之

できるというか、必要なことで、自分の興味があればやってしまいますね。特に上手くは無いですが(笑)

加藤 朝彦

ベンチャー向きの性格ですよね。


嘉悦 誠之

「周りが誰もやれないなら、とりあえずやってみようかな」って思っちゃうんです。やってみて上手くいかなかったら誰かを頼ればいい。ベンチャーでの経験が長いので、それが当たり前になってます。

加藤 朝彦

嘉悦さんのなかで、やりたいかどうかの価値基準ってなんなんですか?


嘉悦 誠之

楽しいかかどうかだと思います。

加藤 朝彦

なるほど。もうちょっと掘り下げて、どういうことが楽しいと思うんですか?


嘉悦 誠之

意味が見出せない作業は全然楽しくないです。逆にその作業に意図があるならある程度楽しいと思っちゃうんですよね。

仕事してるというよりは、遊んでる感じ

技術的なポリシーを持たないことでエンジニアとしての幅を広げた。

加藤 朝彦

サイカに入社されたきっかけっていうのは何だったんですか?


嘉悦 誠之

もともと医療関連のBIツールを開発しているベンチャーにいたこともあって、データをビジュアル化することに興味があったんです。その時、ソフトウェアで世の中が効率化されていくのは面白いなと思ったんです。だからサイカも面白いに違いないと思ったから(笑)

加藤 朝彦

入社前、サイカのここを解決できるのでは、とかイメージされてましたか?


嘉悦 誠之

数学はあまり得意ではないので、統計に関してはこれから勉強しないといけないと思ってます。ただ、技術的な課題とかでお手伝いできそうなとこはたくさんありそうだな、と。

加藤 朝彦

なるほど。技術的なところでのポリシーとか、何か大切にしていることはあったりするんですか?


嘉悦 誠之

ポリシーを持たないことがポリシーです。

加藤 朝彦

ポリシーを持たないのがポリシー?


嘉悦 誠之

この開発言語が大好きだからそれしか使いたくない、というのは持たないようにしてるんです。それぞれの言語には適した活用方法があるので、技術的な取捨選択を幅広くするために、特定のものに固執しないというのをポリシーにしてます。

加藤 朝彦

エンジニアリングに固執しないというのも同様の理由ですか?


嘉悦 誠之

そうそう。最終的にお客さんが喜ぶものができればどんな形でもいい、と思っているので、こだわりを持たないことが一番いいと思ってるんです。

加藤 朝彦

そう思うようになったきっかけってありますか?


嘉悦 誠之

ベンチャー業界にずっといるので、お客さまとの距離が近かったこともあり、反応がダイレクトに届いてたんですね。そんななかで、凄く頑張って工夫したところでもあまり必要とされない場面や、逆に五分くらいでちゃちゃっと作った物で大感激された場面も多く見てきたんです(笑)そういう経験をすると「やっぱり、価値決めるのは僕じゃないんだな」っていうのは痛感しますよね。

加藤 朝彦

そのなかでも、エンジニアには譲れない技術的なこだわりがある方はたくさんいらっしゃると思うのですよね。嘉悦さんはそうじゃなかったんですね。


嘉悦 誠之

僕はそうじゃないですね。だから、ある意味エンジニアじゃないのかもしれないですね(笑)

加藤 朝彦

そんななかでこだわっている部分はどこですか?


嘉悦 誠之

作った物を価値あるものにしたい、というところですかね。

加藤 朝彦

嘉悦さんはエンジニアリングをどう捉えてますか?


嘉悦 誠之

エンジニアリングって、誰かの課題を解決するためにあると思っています。だから、サイカの名刺裏にある『私の才能開花』という項目(※)にも、「課題に向き合う」というのを書いたんです。僕自身は、才能の定義を「何かに向き合い続ける力」だと思っているので、まずは向き合い続けるものを決めることが才能開花に繋がると思っています。エンジニアリングが向き合い続けるものは『課題』だと思っていますので、お客様にちゃんと価値あるものを提供したい、と意識してます。


※ サイカでは「私の才能開花」というテーマで自分のチャレンジしいたいことを宣言し、名刺に記載しています。

加藤 朝彦

そこで内側じゃなく外に向いたというのは、嘉悦さんのキャラクターなのかなって気がします。


嘉悦 誠之

ああ、なるほど。多分、自分の課題を解決するのが趣味で、人の課題を解決するのが仕事じゃないかなと思うんで。だからじゃないですかね(笑)

加藤 朝彦

なるほど。確かにそうですね(笑)


嘉悦 誠之

自分の課題は自分で解決すべきものであって、それはお客さんには関係ないので。お金をもらわないところでは自分の趣味全開でいいと思うんですよ。ただ、仕事では、自分の趣味を全開にしてしまってはあとで自分が後悔しますからね(笑)

加藤 朝彦

ちなみに、仕事以外で取り組んでいることはりますか?


嘉悦 誠之

ありますよ。仕事ではPython使ってますけど、個人の趣味ではRubyを改めて学習し直してるところです。

加藤 朝彦

それは、仕事で使ってない技術を学びたいみたいなことなのでしょうか?


嘉悦 誠之

ひとつのことに集中して取り組めないだけじゃないかなと(笑)

加藤 朝彦

(笑)そこは単純に好きだから、楽しいからっていうところなんですかね?


嘉悦 誠之

多分、そうなんじゃないですかね。ただ本当に気が向かないとやらないですけどね。単にお家で寝てたいっていうときが続いたりしてて、ふとした拍子に何かをやりたくなったら、突然やり始める。

人生は一寸先が闇…と思うようにしている。

加藤 朝彦

個人的に学ぶ開発言語は、将来の自分のキャリアを考えて選んでるんですか?


嘉悦 誠之

自分のキャリアを考えた時に、老人になっても働き続けられる仕事をやっていたいというのはあります。そのために基礎力はつけておきたいし、頭は動かしておきたいですね。だけど、人生って一寸先は闇なので、そこを真面目に考えても計画通りにいくかどうか分からないじゃないですか。そういう意味で潰しが効くようにしておこうかなとは考えることはありますよ。

加藤 朝彦

一寸先は闇っていう言葉は、なかなか普通には出てこないですよね。


嘉悦 誠之

やっぱり父を高校生のときに亡くしているからだと思います。亡くなった後で母から聞いた話ですが、父が昔から大事にしてた酒があったらしいんです。それは僕が成人したときに一緒に飲もうと思ってたものだったらしいんですが、その機会は無かったんですよね。それを実感したからこそ、「人間はいつどうなるか分からない、なら今やりたいことが大事だ」って思うんです。

加藤 朝彦

だからこそ、ほんとに“今”なんですね。


嘉悦 誠之

そうですね。でもまあ、常に全力を傾けられてるかどうかって言われると、どうですかね?僕はさぼり性で浮気性なので、そこまで傾けられてない気がします。とはいえ、あんまり先のことを考えても、鬼が笑うだけなので。先のことは真剣には考えてないようにしてます。

加藤 朝彦

ガッチガチに設計したところで、どうなるんか分かんないよねみたいな感じですか。


嘉悦 誠之

だから、フレキシブルな設計や、柔軟なポリシーが大事。つまり、ポリシーを持たないようにしてます、って話に戻るんですけど(笑)

加藤 朝彦

そこにつながってくるんですね(笑)


嘉悦 誠之

そうそう。

加藤 朝彦

不確定要素があっていいよね。それ、当然だよと。


嘉悦 誠之

そう。だから、不確定要素にも耐えられる、シンプルな設計をしないといけないですよね(笑)


加藤 朝彦

なんかすべてがそれでつながりましたね(笑)ありがとうございました。

インタビューを受けてみて

嘉悦 誠之

あまり自分自身の人生を振り返ったことは無かったのですが、改めて尋ねられると今までもやっと想っていた者が整理できました。私にとってのコンピュータは、一生「下手の横好き」という感じで、先達からすれば、とてもとてもプロフェッショナルからはほど遠いのですが、これからもお客様に役立つモノが作れたら良いなという思いを新たにしました。