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歩んできた仕事全てが武器になる

今回のインタビューはエンジニアの渡部。開発を担当している。エンジニアという仕事でのこだわりや、「幅広く見るからこその価値を出したい」と自らを表現する彼ならではの武器とは。

歩んできた仕事全てが武器になる-01

ハマり性の父が買ってきたある物

下城 可奈

渡部さんのなかで転換点をお聞かせください。


渡部忠大

この分野の仕事に入ってきた分岐点になったと思う一番古い体験は、小学生の頃ですね。当時ファミコンがほしかったんですが、父がある物を買ってきたんです。ファミコンというにはちょっと殺風景な箱で、「MSX」って書いてあって。

下城 可奈

それは、友だちの家にあるファミコンではなかった?(笑)


渡部忠大

キーボードとかついているぞと(笑)。それに初めて触れたことで、キーボードで文字を打つことに抵抗がなくなりました。なにかを書くとか、ゲームをするとか、パソコンと呼ばれる機械で遊ぶ習慣がついていって。確か高校入学のお祝いに、PC98買ってもらったんです。そのときに触った98が、普通のパソコンとプログラミング言語を触った最初ですね。

下城 可奈

MSXは結構熱中して遊んでいたんですか?


渡部忠大

子供の頃はそこまでではないです。触るのに抵抗がない、くらい。父が熱心にハマっていて、それを見ながらBASICを勉強したり、Cの本を読んだりしてました。高校になってからは、PC98を弄り倒してました。

下城 可奈

お父様がすごい好きだったんですか?


渡部忠大

父は何でもハマっちゃう人で、機械がすごく好きというより、そのとき触っているものをどんどん習熟していく。MSXの他にも、ゴルフとか車の運転とか、そのときハマっているものを極めていくタイプでした。当時は父がBASICに熱中しているのを横目に見ながら、ふーんと思っていましたね。

下城 可奈

では、高校でPC98を買った頃にはパソコンに触りたい欲求があったんですか?


渡部忠大

その頃パソコン用のゲームがPC98に集中していて、それがきっかけで触り始めました。趣味でプログラミングをしていたんですが、周りにもプログラミングに強い人間が多くて、やっているうちに楽しくなっていきました。その後、大学は商学部に入ったんですが、進路に悩むことが多くて、なにか違うなという思いがありました。

下城 可奈

大学はなぜ商学部を選ばれたんですか?


渡部忠大

距離とか、受かったからとかって理由だったと思います。でもここじゃない感が強くなって、いろんなことへの気力がなくなってなにもできなかったんです。特にそこに不満があったわけでもなく、プログラマーになりたいという強い思いも、当時はなかったんですが。

下城 可奈

その過程では、将来こんな仕事をしたいといった想いはお持ちだったんですか?


渡部忠大

小説家やライターに憧れていました。パソコンを買ってからプログラミングをやっていたけれども、趣味で小説を書いていたりもしたので。僕はもともと好きになったものに飽きることがあまりないんです。そのときどきでハマっているものはあって、その時間の比重は増えますが、ふと気がつくとそれをしていたり、何年も間が空いても思い出してまた始めたり。

歩んできた仕事全てが武器になる-02

きれいな仕組みを作るこだわり

下城 可奈

プログラムも文章を書くのも、表現する欲求を持たれてやっているのかなと思ったんですが。


渡部忠大

そういう意味ですと、その2つは別のものですね。僕にとってプログラミングというのは、表現する、というよりは実現する、仕組みを作ることが第一の主眼になってきます。見せる、伝えるという種類のものではないですね。

下城 可奈

仕組みを作りたいというか、なにかを実現したい?


渡部忠大

流れをきれいにしたいですね。システムに関しては、データがこうなったら無駄なくきれいなかたちを実現できる、という喜びがあります。そこで自己表現は、特に意識しないですね。

下城 可奈

じゃあたとえばプログラミングを仕事としてやっているとき、満足できるのはどういうときなんですか?


渡部忠大

やはりきれいな仕組みが作れたときですね。性能よりは、可読性・メンテナンス性、効率的な仕組みであることを重視します。重複がないとか、ユーザーに同じことを繰り返しさせないとか、そういう仕組みとしてのきれいさを求めています。

下城 可奈

それは職業としてやるようになってからのこだわりですか?


渡部忠大

意識するようになったのは仕事にしてからですね。もともとシステムエンジニアとしてのあるべき理想像みたいなものは持っていなかったんです。ただ、業務システムを扱っていくうちに、そういうことが好きになっていました。

下城 可奈

仕事としてプログラミングをしてきたなかでは、どういったご経験をされてきたんですか?


渡部忠大

最初の仕事は、お客さんのところで動いている賃貸借の契約管理システムのメンテナンスでした。そこには、業務システムとして必要なものが詰まっていた、と個人的には思っています。
たとえば、顧客情報のリストには住所など管理すべきデータがあって、それとは別に、相手に貸している物件の情報があって、二つを結びつけてお金の計算をしていく。その流れを追っていくときに、販売管理システムほど巨大ではないにしろ、業務システムの基礎が詰まっていたかなと。そんなスタートを切って、さらに上流工程で、お客さんと直接話して問題を直してくださいと要望を受けてそれを開発部隊に流すという、新人にはキツすぎる仕事でした(笑)

下城 可奈

普通、一通り現場を当たってからの仕事ですよね。


渡部忠大

はい。そのときの上司がまたすごく怖くて。表に出る文章なので、エンジニア視点での文章で書くわけにはいかない。でも、そもそもどう書けば誰に分かる文章になるのかとか、そこから分からないわけですよ。ドキュメントかくあるべしみたいなことは、そのとき叩きこまれました。それから似たような仕事をいくつかしたあと、開発に携わったときに動いていたシステムが、PC98なんですよ。

下城 可奈

嫌なにおいがしますね(笑)


渡部忠大

システムが老朽化して、扱える人間やドキュメント、ソースコードもないので、新しくしようという話になったんです。ただ、今動いているシステムはこれから作るものの参考には全くならなくて。なので、お客さんから今の業務の進み方、どういう情報が必要なのかなどを聞き取って、こう計算されているんだなと推測して、それをお客さんに見てもらったりしていきました。その過程で、仕組みを作るってこういうことだなと、ふと思ったんですね。

下城 可奈

なるほど。先ほどプログラミングで仕組みを作りたいとおっしゃったのって、まさにそういうところにつながっているんですね。
そこからサイカに入社いただいたきっかけは?


渡部忠大

もともと業務システムを扱っていくうえで、いろんな会社のデータを見てきて、それがどう扱われて、データ抽出の依頼をされたときに何のために使われているんだろうとか、ということに興味はありました。
サイカを紹介してもらったときに、統計というキーワードが含まれていて、その観点からデータを見るのは面白いのでは、と思いました。自分が身につけたいスキルの一つなんじゃないか?と。実際、統計分析をうたって業務の中のデータを扱うということって、あまりやってこなかったことなんです。

下城 可奈

外部からプロジェクトに入ることと、自社で完結したプロダクトを作ることに、仕事の仕方の違いを感じることはないんですか?


渡部忠大

いま現在は、これまでの仕方とそこまで大きい違いはないと思っています。プロダクトを売っていくときに影響が出てくるのってお客さんと付き合い始めてからですけれども、いま私がやっていることは、ソフトの新しいバージョンのリリースに向けての作業なので、それ自体は自社で一から作っていくのも、お客さんのところにお世話になってそこの一作業をしているのも、大きな違いはないですね。

下城 可奈

今後クライアントさんが増えたときに、対クライアントさんにどうするか、フェーズが変わってくるという感じですね。

歩んできた仕事全てが武器になる-03

幅広さが自分の武器

下城 可奈

渡部さんは、仕事の仕方というかスタンスというか、あまり「エンジニア」という感じじゃないような印象を受けたのですが。


渡部忠大

そうですね。そういう意味だと幅広さというか、戦場の広さが自分の売りかなと思っています。純粋にコードに人生をささげてきた人たちに比べると、その分野に関して弱い自覚はありますが。ただ、WEB系ですとフロントエンドに強い人が多い印象ですが、それに対するバックエンド設計であるとか、顧客業務を意識したデータ設計とか、そういう自分の経験は生きてくるだろうなと思っています。

下城 可奈

持っている武器が違うというだけですよね。そこから先に、サイカに限らず今後どうなっていけたらいいなと思いますか?


渡部忠大

サイカに入社したきっかけである、統計と業務データの組み合わせには実はそこまで触れられていないんです。この部分まで幅を広げて身につけて、というのが当面の目標ですね。

下城 可奈

逆に、明確にこんな自分になりたいとかってありますか?


渡部忠大

エンジニアリングのわかるコンサルとか、コンサル的な観点が持てるエンジニアとか、そういう隙間的なところを狙っていければ、とずっと思っています。

下城 可奈

エンジニアだけをやるのではなく?


渡部忠大

純粋に自分自身の性質だけ見ると、1種類の作業だけにずっと没頭している方が気楽なんだろうなと思うのですが、いままでいろいろな仕事をしてきたので、じゃあそれを武器にするほうがいいよねと思っています。ひとつに絞るよりも、これまでのいろんな経験を踏まえて、幅広く見るからこその価値を出していきたいです。

下城 可奈

なるほど。エンジニアリングは主戦場だけど、土台であって、そこにこだわり続けるという想いが強いというよりも、違ったフィールドに広がっていくことを楽しめるんですね。


渡部忠大

そうですね。スペシャリストが見落としがちな部分を補えて、そのスペシャリストの気持ちもわかるように歩んでいければと思ってます。1種類の武器だけで頑張れない人間が通れる道ってどこだろう、という考えの結果ですかね。

下城 可奈

それも踏まえて最後に、僕らがいつも言っている才能開花っていう言葉を、渡部さんはどう捉えていますか?


渡部忠大

僕自身の考える才能開花はシンプルで、それまでできなかったことができるようになることです。
個人的な考えですが、なにかができるようになる理由って、わかりやすい因果関係が見えないものがたくさんある。例えば身体的な素養とか、そのことを目的にした訓練とか、そういう分かりやすいものに限らず、色んな見えない見えないものが、その人の血肉になった結果、発動したものかもしれない。
「才能」と言ったときに、その人が本来持っている素養的な部分の分類って恣意的だよね、と僕は考えていて。それを考えるんだったら、もうそれまでできなかったことができたら、もうその人の才能が開花したということでいいじゃない?と思うんです。あくまで結果的に、できなかったのができる、その差分があるのが才能開花だと。

下城 可奈

シンプルですね。その定義で行ったときに、渡部さんが次に埋めたい差分ってどんなところですか。


渡部忠大

それはやっぱり、あまり触れてこなかった統計という分野の考え方を使って物事を見ていくところですね。そこをまず埋めようというのが、今の成長の方針です。

下城 可奈

そこまで行ったら、次にどこへ行くのかはまだわからない、というのが楽しみですね。どうもありがとうございました。

インタビューを受けてみて

渡部忠大

あまり普段から言葉にしないことを喋ったので、どこまで意図通りに話せたか悩ましいのですが、自分の立ち位置を改めて意識することになりました。
主戦場はこれからもエンジニアリングだと思いますが、広く浅く、現状に停滞せず。これからもやっていこうと思います。