KPIとは? その事例と類似・派生概念もあわせて解説!

KPIとはKey Performance Indicator の略で、主要業績評価指標、重要業績評価指数と日本語訳されているものです。類似概念としてKGI(Key Goal Indicator)というものもあり、こちらは主要目標達成指標、重要目標達成指標などと日本語訳されています。

誤解を恐れずにいえば、KPIは目標達成までの進捗管理を数値で行うために使われるものです。ある目標を達成するためには、何をすればよいのかを考え、目標そのものではなく、目標を達成するために必要な何かを目標にしたものがKPIです。

例えば、ある企業が今期12億円の営業利益達成を目標にしていたとします。この営業利益12億円というのはKPIではなくKGIです。年間12億円の達成がこの架空企業にとってのゴールということになります。

この12億円を達成するためには、均等割りすると毎月1億円の営業利益が必要です。では、この月間1億円というものはKPIでしょうか?いえ、これはKPIではありません。7月の営業利益1億円というのは、7月という1ヵ月を切り取ってみれば「ゴール」ですから、KGIに相当します。

KPIは様々な使われ方をしていますが、筆者の見解としては「KPIは、それを達成すれば自然にKGIも達成されるような指標」にするほうが運用上効果を発揮します。

グラフ1:KPIとKGIの関係(例)
グラフ1:KPIとKGIの関係(例)

KPI設定の架空企業事例

ではKPIの設定を架空のビジネス雑誌出版社を想像することで実際にやってみましょう。実際にKPI設定に取り組む際にはもっと検討が必要ですし、効果測定の方法、KGI達成への影響度も検証する必要があります。今回はKPI設定の事例なので、簡素に作ってあります。

あるビジネス雑誌出版社(以下、A社)はビジネス誌「月刊 副業」を出版しており、今期末時点での定期購読者数1万人を目標として掲げています。

1万人の定期購読者を獲得するためには、

  • 新規定期購読者を増やすこと
  • 定期購読解約者を減らすこと

が必要です。

特別なプロモーションを行っていないにも関わらず、新規定期購読者は安定的に増加しています。よって、A社は定期購読者数1万人を達成するために、定期購読解約者をいかに減らすか、つまり、継続率をいかに高く保てるかを重視しています。

解約者向けアンケートを紐解いたところ、定期購読を解約する理由のTOP3は

  • 内容(企画)がおもしろくない
  • 情報量が少ない
  • タイムリーな内容が少ない

ということがわかりました。

定期購読者アンケートでは、副業の成功者へのインタビュー記事が好評ということがわかっているので、A社は「各号のインタビュー記事を3本」をKPIにしました。また、タイムリーな内容が少ないという声に応えるため、「副業の現状トレンドに関する記事を毎号いれる」ことを指示し、定期購読者アンケートの満足度を図る項目に「情報の新鮮度」という項目を追加、「情報新鮮度チェック率80%」をKPIとして定めました。

KPI設定の企業事例

実在企業のKPI設定事例も紹介します。

株式会社日経BPが出版している日経情報ストラテジー2016年7月号に「ワークスタイル変革人の仕事術 丸井グループ女性の働きづらさなくし管理職志向を育む、男性社員にも育休のススメ」という記事が掲載されていました。

丸井グループの阿部取締役が、はじめは女性活躍を推進するために、次に社員のワークライフバランスを実現するために、それぞれ独自のKPIを定めて取り組んだ事例が掲載されています。

丸井グループで設定されたKPIは「女性活躍浸透度」と「女性の上位職志向」という2つで、これを毎年チェックすることで、女性活躍の推進活動の効果を想定しているようです。その後、「男性社員育休取得者率」を新たにKPIとして追加、2013年に14%だった数値が翌年には大幅改善したそうです(何%改善したかは日経情報ストラテジー2016年7月号に記載があります)。

「女性の活躍を推進する」「社員のワークライフバランスを実現する」という数値で測りにくい目標を達成するために、独自のKPIを定め、そのKPIを達成するためにはどうすればいいかで日々の施策を策定したのだと思います。

まとめ

KPIとは何か、その定義から類似概念の紹介、架空企業におけるKPI設定事例と、実在企業のKPI設定事例を紹介しました。

KPIは人によって解釈、設定、運用、評価等々が異なります。また、同じような仕事だから、同じような業界だからこのKPIを設定すればいい、というものでもありませんので、自社(自分)の目標を設定し、そこに至るためにはどうすればいいか考えることが必要です。