営業を可視化するシリーズ その1:売上集中度

営業を可視化するシリーズの第一弾として、今回は「取引先の売上(仕入)集中度」を扱いたいと思います。

取引先を集中させることにはメリットとデメリットがありますので、一概に悪いことだと言い切れることではないのですが、企業やチームにとって大きなリスクであることは間違いありません。株式会社三陽商会がバーバリーのライセンス契約終了後に業績を落とした(2015年12月期 第二四半期売上/営利:553億円/78億円 → 2016年12月期 第二四半期 売上/営利:341億円/△58億円)ことからも、取引先が集中することのリスクは中小企業に限った話ではなく、あらゆる企業、チームにとっての課題になり得ます。

特定の取引先に売上(仕入)を依存していることを把握していない企業やチームはないと思いますが、可視化をすることで、よりその程度を鮮明に認識できたり、新たな示唆(仮説)が生まれることもあります。

時間がかかることでもないため、とにかく一度やってみましょう!

売上集中度のためのデータ集計

取引先の売上(仕入)集中度のために必要なデータはたったひとつ、「一定期間の顧客別売上高」のみです。とりあえず、これさえあれば大まかな可視化ができるようになります。

もちろん、各顧客の利益率や、顧客セグメント情報等もあれば、より有用な知見を得られる可能性も増加しますが、まずはやってみること、可視化してみることが重要なので、「一定期間の顧客別売上高」を揃えたら次のステップに進みましょう!

エクセルにデータを入力して、可視化する

まずはこちらのエクセルファイルをダウンロードしてください。
このエクセルファイルには

  • 売上高を入力する
  • (自動で)売上累積度を算出する
  • (自動で)売上集中度のグラフを描画する

プログラムが入っています。それ以外のプログラムは入っていませんので、ご安心ください。

ダウンロードしたエクセルファイルを開くと、「id」「顧客名」「売上」「累積シェア」という4つの項目と、サンプルデータが入力されていることが確認できます。

既に入っているサンプルデータを全て削除し、顧客名と売上をサンプルデータのように入力していってください。「id」はわかりやすくするために入力したければ任意で、「累積シェア」は入力の必要はありません。

入力が終わったら、下記画像を参考にしながら「開発」→「マクロ」→「実行」をそれぞれクリックしてください。

図1:エクセルのマクロ実行画面
図1:エクセルのマクロ実行画面

グラフ1:売上集中度
グラフ1:売上集中度

図はサンプルデータの結果です。

売上集中度の適正ラインは?

売上集中度を可視化してみると、肌感覚で「大丈夫」か「ヤバい」か感じるところがあると思います。肌感覚以外の部分で現状を評価する基準があればいいのですが、その集中度が適正ラインかどうかは、業界毎、企業毎、チーム毎に異なりますので、一概には言えません。

適正か否かを判断するためには、取引先別の売上高以外に利益率を見たり、契約内容を見たり、もしかしたら取引先の経営状況を見る必要があるかもしれません。この売上集中度グラフは、売上集中度しか可視化してくれませんので、より濃い情報を引き出したい、示唆を得たい場合は、別の項目の可視化も進める必要があります。

まとめ

営業を可視化するシリーズの第一弾として、売上集中度を可視化する方法を紹介しました。
この記事では取引先の売上高を対象にしてきましたが、もちろん、自社の営業社員別の売上高を対象にすれば、「誰がどの程度売上貢献しているのか」が可視化されます。
「売上高」というたったひとつのデータのため、読み取れるものがそれほど多いわけではありませんが、シンプルなだけに応用範囲は比較的広く、簡単に現状把握をするためのひとつの手段として使えるようになっておくとよいでしょう。