世界のお気にいり(4)

服喪中のタイ。広告業界の対応を現地からレポート

消費者視点を切り口に、海外のライフスタイルレポートをお届けする「世界のお気にいり」。
第4回は、タイの広告事情についてです。現在、タイは服喪中。街の様子とともに、現地ライターによるレポートです。

タイの広告の市場規模

米調査会社ニールセンがまとめた2014年のタイ国内の総広告費(全て推定)は1023.5億バーツ。内訳を見てみると、その6割をテレビ広告(58%)が占め,以下, 新聞(17%),ラジオ(6%),雑誌(5%),映画(5%),屋外広告(3%), 交通広告(3%),In=Store 広告(2.2%),インターネット広告(0.7%)と続きます。ただし、このインターネット広告広告費の数値は、上位30サイトの広告売上高しか調査に反映されていないため、その他の手法を含めると実際には100億バーツ程度あると言われています。

参考資料
14年のタイ広告費10%減、1024億バーツ
タイにおける広告文化の諸特性

タイの広告の傾向として、テレビ、新聞、雑誌、ラジオなどの既存のマスメディアは減少傾向にあります。一方、デジタルデバイスの普及により、2016年度オンライン広告市場は前年比+20%の伸びで推移する見通しで、今後の伸びが期待されています。

※10月21日、広告代理店各社が加盟するタイ・メディア代理店業協会(MAAT)は、国王死去による広告自粛などの影響を受け、今年の広告支出額が前年比5%以上減少するとの見通しを示しました。政府は国王の死去から30日間にわたり娯楽放送を規制しており、一部の企業は追悼文を掲載した広告を掲載するなどの対応を取っています。
参考:http://www.nna.jp/articles/show/1523186

現在のバンコクの様子



2016年11月現在、街中の看板や広告のほとんどが、国王を追悼するものに変更されています

日本とは異なる文化と広告事情

アルコールの広告はNG
国民の9割以上が仏教徒のタイでは、仏教の祝日が年に数回定められており、その日はアルコールの販売が禁じられています。選挙の前日・当日も同様です。また、祝日以外であっても販売時間に規制が設けられており、通常は11時から14時、17時から24時までの間しかアルコールを購入することができません。アルコール飲料の購入を積極的に促す広告は法律で禁止されており、テレビ、新聞などの大型媒体はもちろん、チラシや看板類などでの訴求もNGとなっています。
※アルコールのブランドロゴやメーカーのロゴは使用可能

ビールを飲むシーンが一切出てこないビール会社大手Chang BeerのCM

おなじみ、タイのシンハービールのサイトについて、日本とタイのクリエイティブを比較してみましょう。

シズル感溢れる日本のシンハービールのサイト http://www.singha-beer.jp/
シズル感溢れる日本のシンハービールのサイト。画像は公式サイトより http://www.singha-beer.jp/

一方、タイのシンハービールのサイトは日本に比べてシンプルなつくりになっています(モノクロなのは服喪のため)

画像は公式サイトより  http://www.singha.com/singha/index.html
画像は公式サイトより  http://www.singha.com/singha/index.html

後半では、タイの国民性にマッチした広告クリエティブを中心にレポートします。