世界のお気にいり(14)

国営放送にCM、報道番組がセクシー路線!? 自由すぎるイタリアのテレビ番組

消費者視点を切り口に、海外のライフスタイルレポートをお届けする「世界のお気にいり」。人気のテレビ番組で、国民性がみえてくる?イタリアで人気のテレビ番組をご紹介します。

開始時間に始まらない、イタリアの国営放送

「コンテンツ」と一口に言っても様々なツールがありますが、イタリアに関しては突っ込みどころ満載のテレビについて取り上げましょう。イタリアもテレビの地デジ化が進んでおり、チャンネル数は日本よりはるかにたくさんあります。スイスやフランスを始めとした近隣国の放送が見られたり、キッズ用のアニメチャンネルがあったりとバリエーションも豊か。深夜までやっている局も多く、イタリア人にとっての家での娯楽として最も重要なものです。
それでも“突っ込みどころ満載”というのは、国営放送(Rai1、Rai2、Rai3)でありながら、民放(Canale5、Italia1、Rete4など)を超えるくらいのコマーシャルが入ったり、番組表は一応あるものの開始時間は正確でなかったり…。
番組の内容に関係なく水着やミニスカートのお姉さん達が登場するのも定番ですし、お姉さんがいなければ国営放送のニュースキャスターが胸の谷間が見えるほど大きく開いた服を着ていたり、料理番組の司会者がキッチン台の上にミニスカートで飛び乗ったり…と日本の常識では考えられないようなシーンが繰り広げられています。

アイドルへの登竜門!人気長寿番組を支えるお姉さんとは

さて、そんな“水着やミニスカートのお姉さん”代表的番組が「STRISCIA LA NOTIZIA(ストリシャ・ラ・ノティツィア)」。インフラの汚点や悪徳商法や詐欺、タレントのスキャンダルなどを皮肉って面白おかしく伝える実にイタリアらしい、1988年から続く人気長寿番組で、最初は7分だったのが人気と共に時間も伸びて現在では35~40分(この辺りの表示もいい加減です)になりました。

読者投稿で寄せられた問題や事件を、番組のスタッフが潜入取材してその全容を暴く流れになっていて、社会的にも貢献している高尚な報道番組なのです。が、冒頭で“ミニスカートお姉さん”代表番組と紹介したように、なぜかVELLINE(ヴェリーネ)と呼ばれる金髪とブルネットの2人のマスコットガールが(先シーズンではそれに加えて上半身裸のメンズマスコットも!)登場し、放送席の脇に鎮座しています。そして番組のマスコット、GABIBBO(ガビッボ、ガチャピンとムックを足して二で割ったような子供たちに大人気の着ぐるみ)を交えたダンスタイムもマスト。
このVELLINEのオーディションは何か月もかけてイタリア各地でオーディションが行われ、全国決勝を勝ち抜いた美女たちの中から2人が栄冠を勝ち取ります。VELLINEになるのは、アイドルへの登竜門のひとつでもあるのです。 

タレントスカウト番組にシェフのフードバトル。イタリアは視聴者参加型が人気

一方、最近ではこういうオールドスタイル(?)ではない形で有名になりたい若者たちが多いのか、タレントスカウト番組が空前の人気を博しています。
例えば、「ITALIA’S GOT TALENT(イタリアズ・ゴット・タレント)」、「THE VOICE(ザ・ボイス)」、「X FACTOR(X ファクター)」などの海外のオーディション番組のイタリア版から、「AMICI(アミーチ)」、「BALLANDO CON LE STELLE(バッランド・コン・レ・ステッレ)」などイタリアオリジナルの番組など様々。内容は大体似たり寄ったりで、歌、ダンス、パフォーマンスなどの技を競うというものです。

Tutti in posa… CHEEESE! ? Iniziamo la domenica riguardando la sigla dei professionisti? Correte su wittytv.it ?

Amici Officialさん(@amiciufficiale)が投稿した写真 –

中には、イタリア在住の70歳日本人ポールダンサーやタンバリン奏者が登場して素晴らしいパフォーマンスを見せて話題になったこともありました。それを様々な分野の有名人の審査員たちが厳しく、時には面白おかしく批評し、投票することでチャンピオンを決めます。歌のタレントスカウト番組の場合、優勝者はレコード会社が付いてそこからアルバムを発表できたり、向こう一年のその活動を保証するなど、活動の道が保証されています。そこで一発屋で終わってしまうアーティストもいますが、その後も自力で活動を続けていくスターもいるので、みんながこの手の番組には注目しています。

そしてそれは歌やダンスの世界だけでなく、フードの世界でも同様。
「MASTER CHEF(マスターシェフ)」、「HELL’S KITCHEN(ヘルズ・キッチン)」、「BAKE OFF ITALIA(ベイク・オフ・イタリア)」など、シェフやパティシェがテーマに沿ったメニュー作りに挑戦し、有名シェフたちにたたかれながら、勝ち残っていく…という形式の番組もたくさんあります。当然のことながらそこで勝ったシェフたちにはもちろん箔が付き、そのシェフが働く店は話題になったりもします。

ちなみに一時期は一世を風靡していた「BIG BROTHER(ビッグ・ブラザー)」のイタリア版「GRANDE FRATELLO(グランデ・フラテッロ)」を始めとした一連のリアリティショーの人気は下降気味ですが、料理関係のリアリティに関しては今がまさに人気絶頂期。人気のないレストランをカリスマシェフが立て直す「KITCHEN NIGHTMARES(キッチン・ナイトメア)」は吹替で放送されていますし、そのイタリア版「CUCINE DA INCUBO(クチーネ・ダ・インクボ)」も人気です。

 こうやってみていると、昔も今もイタリアは視聴者参加番組が多かったような気がします。クイズ番組もいろいろあり、かなり高額な賞金が贈られたりしますが、あくまで回答者は一般の人で、日本のようにタレントたちが回答者として登場するものはそういえば見たことがありません。イタリアでは見ている人もちょっと手が届きそうな、視聴者に夢を与えるような番組が受けるのかもしれません。