世界のお気にいり(1)

識字率が高く、紙媒体も人気!民主化進むミャンマーの広告事情・前編

消費者視点を切り口に、海外のライフスタイルレポートをお届けする「世界のお気にいり」。
第1回は、民主化進むミャンマーの広告事情についてです。これまでの歴史を反映した、メディアの展開に驚きます。

新メディア法案により広告に勢いが

ミャンマーのメディアは、軍政下で統制を受けてきた長い歴史があります。しかし、2011年から民主化が始まり、2012年には出版物の検閲を廃止。2014年には新メディア法案が成立したことで10局を超える放送局が開局し、おびただしい数の新聞や雑誌が創刊しました。
民主化の進展とともに、外資系企業の参入も増加。コカコーラやユニリーバ、各種携帯電話会社など、広告にお金をかける企業が増え、広告業界はこの2年ほどで、一気に活況を呈しています。

ヤンゴンでは、衛星放送も大人気
ヤンゴンでは、衛星放送も大人気

先進国で絶大な効果があるテレビCMですが、ミャンマーでは2015年の調査でテレビ普及率自体が50%に満たず、その効力は限定的です。特に地方ではまだまだ希少品で、サッカーの注目カードを中継する日には、テレビのある喫茶店に大勢の人たちがつめかけるほどです。日本の昭和中期を思い起こさせますね。

喫茶店でテレビに見入る人びと
喫茶店でテレビに見入る人びと

そんな中、話題を集めているテレビCMは、MRTV4(放送局)のテレビ視聴用ハードディスクです。テレビに接続すれば、ディスク内に収めた様々なジャンルの番組を見ることができます。CMは、このサービスを導入した家庭が居間で踊りながらテレビを楽しむ様子を、近所の人たちが窓から覗いているというもので、コミカルなダンスが受けているようです。

最近、人気のテレビCM
最近、人気のテレビCM

識字率の高さから、紙媒体の広告も影響度が高い

テレビ普及の遅れもあって、ミャンマーではFM放送を中心にラジオも人気です。また、無料で初等教育を受けられる僧院学校が多いことから、周辺諸国と比べて識字率がとても高く、幅広い層の人たちが雑誌や新聞を読んでおり、紙媒体での広告も大きな影響力を保っています。
2014年にミャンマーのリサーチ会社が、全人口に対するCM到達率調査の結果を発表しました。それによると、テレビが51%、ラジオ43%、雑誌38%、新聞12%となっており、テレビとラジオ、紙媒体との差が、それほど大きく開いていないことがみてとれます。

新聞スタンドにはたくさんの新聞が並ぶ
新聞スタンドにはたくさんの新聞が並ぶ

ちなみに、ミャンマーにもCM王やCM女王といえるタレントがいます。「CMタレントはこの人たちしかしないのか」というほど、ほんの数人のタレントが出まくっており、とりわけよく見かけるのが人気俳優のネイトーです。「ミャンマー人の美醜の基準がわからない…」と、在住外国人の間でよく話題になる彼がこちら。

CM王のネイトー。魅力がおわかりになるでしょうか?
CM王のネイトー。魅力がおわかりになるでしょうか?

(執筆・撮影/板坂 真季)


ミャンマーの広告事情・後編では、ミャンマーのデジタル事情と珍しい看板広告の秘密についてお届けします。
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