宣伝会議サミット2016レポート・前半

宣伝会議サミット「統合プロモーションの明日-テレビCMを加味したウェブ広告運用の実践とは-」レポート前半

11月17日に行われた宣伝会議サミット2016にて、XICA magellan(以下、マゼラン)を提供する株式会社サイカ代表取締役CEO 平尾喜昭が登壇いたしました。テーマは「統合プロモーションの明日−テレビCMを加味したウェブ広告運用の実践とは−」。
対談のお相手は、 株式会社ネクスト取締役執行役員 HOME'S事業本部マーケティング戦略部長の久松洋祐氏です。対談の様子を、ご紹介いたします。

株式会社サイカ 代表取締役CEO 平尾 喜昭(以下・平尾):

サイカの平尾と申します。よろしくお願いいたします。本日のテーマは「統合プロモーションの明日」です。この「明日」には、ふたつの意味を込めています。ひとつは、本日お集まりいただいたマーケターのみなさまが、明日から統合プロモーションを実施するための「実践」にフォーカスしたもの。そしてもうひとつ。統合プロモーションは今後どういった方向性があるのかといった、「マーケティング業界の未来」という広い意味での明日です。そこで本日は、実践と業界について、HOME'Sを展開されておりますネクストの久松さまとお話いたします。よろしくお願いいたします。

私が代表を務めております株式会社サイカですが、「すべてのデータに示唆を届ける」をビジョンに掲げています。業務ニーズに特化した分析のアプリケーションを開発している、テック系のIT企業です。2012年に起業しまして、もともとはIT企業ではなく統計分析のコンサルを行う会社でした。
しかし、お取引の中で外部者として統計分析の示唆を届けていっても、本当に課題感があるのはクライアントご自身です。やはりクライアントが自ら分析できる場がないと、実践にはつながらないのではないかということに気づきました。そこで、業界的には初だったのですが、統計分析のプロではなく統計分析の知識がなくても利用できるアデリーというサービスを開発いたしました。

さらに私たちは、データの示唆を現場にまで届けたいという思いが強く、2016年からは業務ニーズに特化した分析アプリを開発する会社として走っています。本日は、プロモーション分析に特化したマゼランというツールを主軸にお話いたします。

マゼランは、まさに本日のテーマでもある「オンオフ統合の分析」をリアルタイムで行っています。実はこのマゼランを作る過程で、500人以上のマーケターやマーケティングに従事されている方々に、どういったことを課題として感じているのか聞き続けました。本日も、マーケターはどういったことを考えているのか?という私の経験を照らし合わせつつ、久松さまからオンとオフのプロモーション分析について様々なご意見・ご経験を引き出していけたらな、と思っております。

株式会社ネクスト 取締役執行役員 HOME'S事業本部 マーケティング戦略部長 久松 洋祐氏(以下・久松さま):

おはようございます。本日はよろしくお願いいたします。株式会社ネクストの久松と申します。いま私は、オフライン・オンラインのプロモーション全般からCRM・DMP・マーケティングオートメーションといったものを手がけています。今日はいろいろなお話ができることを楽しみにしています。

まずはHOME'Sの紹介をさせてください。HOME’Sは不動産をネットで探せるサービスです。ウェブサイトやアプリ、最近はコールセンターと店頭カウンターを展開しておりまして、より良い住み替えができるようにサポートを行っています。サイトの規模感ですと、だいたい年間で1億UUくらい。参画していただいている不動産会社の数は2万店舗を越えてきたというサービスになります。

マーケターの9割が業務にデータ活用が必要と回答。しかし、実際は……

平尾:

本日はプロモーションの領域を中心に、3つの議題を用意しました。ひとつ目はプロモーションの統合分析について。ふたつ目は、統合プロモーションを広告運用に落としていくためのポイント。そして3つ目に、広い意味での統合プロモーションの未来・明日についてお伺いしていきたいな、と思います。
まずひとつ目、プロモーションの統合分析についてです。こちらを進める上で、ひとつ面白いファクトがありますので、皆さんにご紹介します。

平尾:

今年、矢野経済研究所さまから出されていた調査レポートです。広告効果測定のためのデータ活用に関するアンケート調査で、広告に従事されているマーケターは、データ分析に対してどのような取り組みをしているのか、という内容でした。この中でふたつ面白い調査レポートがあります。

まずひとつ目に、「プロモーション業務においてデータ分析・活用が重要だと感じていますか」という質問がありました。これは私の予想より多くて、93.1%の方が必要だろうと思っていた。とはいえ、実際にはマーケティングで分析をガンガン回している会社は少ないなという印象もありましたので、皆さんどうされているのだろうか、という疑問が浮かびます。
続いて、データ分析に関し「現在取り組んでいる」ことと「今後取り組みたい」ことについて」の結果では、データの収集やグラフ化は出来ている・やりたいと考えているという方が多い。一方で、できていないと答えたことは分析の領域でした。テレビCMを行い、オンオフ統合した分析をして効果を可視化する・数値化するということ。さらに外部要因も入れてその効果を可視化していくということになると、本当はやりたいのだけれどできていない。理想と実践のギャップが最も大きくなるという調査レポートでした。

ここを基点として統合プロモーションの分析という議題についてお話できればと思います。久松さまの会社は、どのあたりまでやられているイメージですか?

久松さま:

そうですね。我々でいうと「TVCMなどのオフライン広告も踏まえた影響力の数値化」と「株価や競合のプロモーション状況も踏まえた影響力の数値化」の間だと思います。

平尾:

外部要因を少し入れつつ、オンオフ統合の分析をやられてるということですね。

久松さま:

そうですね。

平尾:

オンオフ統合の分析で言うと、実践している会社も少ない状況かと思います。実際にどのような取り組みをされてきたのですか?

久松さま:

いろんな分析の手法・やり方というのがあると思いますが、現在はMMM(マーケティング・ミックス・モデリング)というマーケティングの分析手法を導入しております。導入したきっかけですが、2010年くらいにテレビCMでアプリ訴求をし、ダウンロードを促すという事例が増えてきていました。では、我々もCM経由で知ってもらうとユーザーが増えるのではないか、という仮説を持ち、最初にマスの展開を行ったのです。その時にサイトへ訪れる人が増えたりCPAが変化したりと、いろんなものが変わってきたのです。これは何かお互い相関があるし、ちゃんと設計しながら動かしていけるのではないか、という実感がありMMMを導入しました。

マーケティングミックスモデリング(MMM)を導入して良かったこと、これからの課題について

平尾:

MMMを行われた結果として得られた価値、良かった点はどのようなところだったのでしょうか。

久松さま:

当時はオンラインの広告を運用している部門、リサーチ部門、オフラインの部門といくつかの部署にわかれていました。それらの部署がそれぞれデータを持っていたのです。そのデータをMMMに入れて、全体でどう底上げしていくかというプロジェクトを立ち上げました。各部門が協力しながらデータを集めて分析できたのは良かったですね。今までは各部門の数字を見ながら仮説を立てていたのですが、全体のデータを見て新しい仮説が立てられるようになったことが非常に良かったなと。

平尾:

では、ちょっといじわるな質問になりますが、MMMを導入されて、やりきれていないところや課題として感じていらっしゃることはありますか?"

久松さま:

MMMを導入するには、いろんな専門家が集まってデータをまとめモデルを組み、その精度を見る必要があります。それを行うには時間がかかるんですね。たとえば、昨年のデータを使って構築する場合、どんなに頻度が高くても3ヶ月から半年はかかります。
しかし、現場は日々動いていますので、そこのスピード感とマッチしないものが出てくることが課題としてあります。

平尾:

ありがとうございます。まさに次の議題に繋がりますね。『マーケティングの明日』として統合プロモーションを実践していく・分析するということは、なかなか時間がかかるというお話でした。続いて、広告運用についてお話していきたいと思います。ここで、VTRをご覧ください。"

平尾:

VTRでご紹介したマゼランというツールになりますが、議題の議論を深める上で概要と規模についてお伝えいたします。マゼランは冒頭にお話した通り、本当にたくさんのマーケターの方にお会いして、みなさんが共通して持っていたふたつの課題感を解決するために作りました。

まずひとつ目の課題が、広告の統合的な評価ができないということ。MMMを介しても、テレビCMの投下によってアプリのインストールがどれくらい増えたのか、検索数がどれくらい増えたのかが分からないという状況がありました。
もうひとつが、分析だけだと実践に落ちないというものです。MMMなどでコーディングはできるようになりましたが、目の前で日々変わりゆくCPAの変動を現場は追っているので、3ヶ月前の分析結果が今日届いても運用はできません。特にウェブ広告を運用するデジタルマーケターにとっては、粒度も定義も粗いため、これが予算と言われてもCPAに換算するとどれくらいなの?となってしまい、なかなか実践に落ちないという課題意識がありました。この課題を解決し、広告の統合的な評価と次の施策の実践を解決するのがマゼランです。

HOME'S様には先月からマゼランをご利用いただいております。そこで、実際に統合プロモーションを実践に落としていくうえで、久松さまがどのような点に期待されマゼランを導入されたのかを伺いたいです。

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