いまさら聞けないマーケティング用語

リアル行動ターゲティング

リアル行動ターゲティングとは、その名の通り、消費者のリアルな行動データをもとにマーケティング戦略を考えようとする新しい手法で、注目を集め始めています。

まだまだ活用されているケースは少ないですが、これまで以上に効果的なマーケティングを行うことができる可能性を秘めた技術であり、今のうちから知っておくべきだと言えます。

リアル行動ターゲティングがなぜ重要なのか

マーケティング戦略を立案する際、どんなターゲットがどんなものを求めているのかを考えます。そのために昔は、ターゲットだと想定される集団にアンケートやインタビューをすることで情報を集めていました。しかし、時間も手間もかかるわりに少ないサンプル数のデータしか集まりません。また、購買行動をとった瞬間に何を考えていたのかまでを把握することも難しいでしょう。理想的には、どんなセグメントの人がどんなことを考えて購買に至ったのかというステップを把握することです。

そんな購買行動ステップを推測するのに役立つのが「リアル行動ターゲティング」なのです。

スマートフォンの技術で、顧客の行動を線で捉えられるようになった

インターネットが広まるにつれて、ネットでの閲覧履歴や購入データなどを元にしたライフログを大量に集めることができるようになりました。こういった技術のおかげで、ECサイトでのレコメンド機能などが充実していきました。そして、ここ数年、通信技術がさらに発展することで、スマートフォンの位置情報を「点」ではなく「線」で捉えることができるようになりました。

人がどこにいるかという位置情報を元にして、近くにいる人にクーポン券を配布するといったマーケティング手法はすでに実施されています。BLE Beaconなどがその例です。ただ、これは「点」で捉えたものであり、「近くにいる人」の分析しかできません。

より精密な顧客分析をするためには、ある人がどのような行動パターンを取っているのかを「線」で捉えられる方がよいでしょう。リアル行動ターゲティングでは、スマートフォンの位置情報を継続的に収集することでターゲット分析を行います。

行動データによって、ターゲットをより正確に分類できる

人々を、その行動データによって切り分けることで、より正確な顧客分類を行うことができます。

スーパーを訪れる30代女性を例に考えてみましょう。

オフィス街に滞在することがほとんどなく、夕方よりも早い時間にスーパー付近にいるのであれば、専業主婦やパートで勤務する女性の可能性が高いかもしれません。日中はオフィス街にいて、夕方から夜にかけてスーパーを訪れるのであれば、子育て世代の働く女性かもしれません。日中はオフィス街にいて、スーパーを訪れるのが遅い時間なのであれば、子どもがいない共働き世帯や独身女性の可能性を考えることができるでしょう。

リアル行動ターゲティングを使うことができれば、近くに来た人のデータだけでなく、行動パターンから先回りした広告やクーポンを提供することも可能になるのです。

リアル行動ターゲティングの課題

リアル行動ターゲティングは、より的確なマーケティングを行う強い味方になるものですが、その一方で課題もあります。

課題① プライバシー問題で抵抗感がある

ひとつ目の課題は、情報を収集される側の抵抗感がぬぐえない点です。

日々の行動データを集められるのは、プライバシーの問題もあり、なかなか提供に同意してくれないものです。実際、法規制などにより、収集データは個人情報がわからない形に加工された上で活用されるため、基本的にプライバシーの問題はクリアできるようになっているのですが、抵抗感を持たれるのは仕方ないでしょう。

少しずつ抵抗感は薄れていくだろうと考えられますが、スマホアプリなどを通して個人情報を提供してもらうには、価値ある情報を提供できることが不可欠です。

課題② データの分析には、活用側の手腕が問われる

もうひとつの課題は、情報を収集することができたとしても、その活用が難しいということです。

上記の例で示したような「30代女性」であっても、「オフィス街におらず、日中にスーパーに来た」としても、すべてが専業主婦やパートの女性とは言い切れません。その日は偶然、お休みだっただけかもしれないからです。

ただ単にデータを分析してターゲットをセグメントするというレベルではなく、1日単位ではなく、長い視点で行動を分析し、どのような人なのかを特定していく必要があります。

リアル行動ターゲティングを、より効果的なマーケティング戦略に活かすためには、短期的だけでなく長期的な視点を持ちながら、深い想像力でもって、顧客属性を特定する手腕が必要なのです。

まとめ

リアル行動ターゲティングは、これからのマーケティング戦略を考える上で重要なことです。

長い目で顧客の行動パターンを分析し、そこから共通点を見出すことができれば、自社のファンになる可能性が高いセグメントに効果的に訴求することが可能になります。今はまだ、誰もが簡単にできるマーケティング手法ではないため、うまく活用することができれば、非常に大きな効果を得ることができるでしょう。

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