いまさら聞けないマーケティング用語

オムニチャネルとは

オムニチャネルとはECサイトや実店舗などの販売チャネル(販路、顧客接点)を1つに統合することを指すIT用語で、統合型の販売チャネルを構築することで、顧客が時間や場所をとらわれることなくリアルタイムにアプローチ可能な環境を作り上げることを意味します。ちなみに、オムニチャネルのオムニには、「すべての」という意味があり、チャネルは、「経路」という意味があります。

現在、多くの日本企業でビジネスをオムニチャネルによって抜本的に改善していく流れが起きています。その事例として、株式会社ローソン、株式会社キタムラの取り組みが下記のリンク先で掲載されています。

マーケティングインパクト2017 特別講演② ~「オムニチャネル」に成功した企業に学ぶ、リアル店舗とECのリレーションの法則~

概念としてのオムニチャネルを理解していたとしても、実際にどういう取り組みがオムニチャネル施策として行われているかは想像しにくいのではないでしょうか?ひとつ、身近な事例を挙げると、たとえば、金曜日にネットで商品を注文して、受け取り予定日を週末に設定したとします。注文した商品を受け取るため、店頭に行くと「週末セール」をやっていました。そのとき、誰しもが「平日ではなく、週末に注文すればよかった。」と感じるでしょう。これでは、せっかく商品が売れても顧客は不満を持ちます。このとき、オムニチャネルの取り組みが進んでいると、平日に注文したとしても、商品を受け取ったのが週末であれば、週末セール価格にしてあげるということが可能になり、顧客はきっと喜んでくれるでしょう。

他にも、店頭にない商品は、すぐにタブレットを使って、物流センターへ取り寄せ注文ができるようになると、店頭に在庫がないからといって、顧客を待たせることがありません。企業と顧客、商品が必要なときに必要なタイミングでシームレスに遷移していることが分かりますか?オムニチャネルの導入が上手くいけば、顧客満足度が上がることはもちろん、顧客も「また、あの店で買い物したい!」と言ってくれるようになります。

オムニチャネルとマルチチャネルの違いとは?

オムニチャネルに類似する概念を持ったIT用語として、「マルチチャネル」と呼ばれるものがあります。マルチチャネルとは、顧客の要望の数だけ、さまざまな販売チャネルを増やすIT用語です。

マルチチャネルでは、ECサイトや実店舗などの販売チャネルがそれぞれ独立して運営されているため、顧客情報を統合的に管理し、一貫性のあるマーケティングが展開できません。メルマガやチラシ、SNS、ECサイト、テレマーケティングなど、それぞれの販売チャネルごとに販売状況や在庫数、顧客情報などを個別に管理します。

また、マルチチャネルの視点に立ったマーケティングでは、顧客自体がそれぞれの考え方で自己にとって都合の良い販売チャネルを利用していると考えるため、多様なチャネルと連携させるといった意識そのものがありません。そのため、マルチチャネルは、顧客のニーズに応じて販売チャネルを用意するものの、オムニチャネルとは情報の管理方法に明確な違いがあります。

オムニチャネルの重要性について

マルチチャネルの概念を参考に顧客のニーズに応じて、販売経路を増やせば、時代に合わせた“販売の機会”を増やしていけるのかもしれません。しかし、それだけでは、多様化するチャネルを相互に連携できません。

マルチチャネルによってばらばらに情報が管理されていても、オムニチャネルを導入することで、統合的な情報管理ができるため、どのような販売チャネルでも柔軟に対応しリアルタイムな情報連携が可能となります。その結果、だれがどこで商品を購入しても、すべての販売チャネルで顧客情報が24時間連携されるようになります。

オムニチャネルを導入するメリット

オムニチャネルを導入すると、企業や顧客は、どのようなメリットを得ることができるのでしょうか?具体的なメリットをいくつかピックアップしてみます。

在庫管理に無駄がなくなる

すべての販売チャネルを1つに統合管理できれば、在庫管理による無駄がなくなります。仮に、実店舗で在庫不足が発生しても、すぐにECショップと連携している物流センターに店舗または、顧客の自宅へ商品の発送を依頼すれば、ほとんど顧客を待たせることがありません。

もし、実店舗と物流センターとの連携ができていなければ、再度、在庫を仕入れてからの販売となるため、顧客から商品の購入を断念されてしまいかねません。オムニチャネルによって在庫を一元管理することで、実店舗で在庫切れが発生しても顧客への販売機会の喪失を防ぎます。

顧客ひとりひとりに合致したマーケティングが展開しやすくなる

オムニチャネルは、さまざまな販売チャネルを統合管理しているため、過去の取引履歴から顧客ひとりひとりに合致したマーケティングが展開できます。分析データから適切な営業戦略を練ることで、従来よりも効率よく売り上げを拡大できます。

顧客満足度が向上し、ファンが増加する

それぞれの販売チャネルが個別に管理されていれば、顧客の属性や過去の取引履歴に整合性がなくなるため、何か急なトラブルが発生したときに、迅速に対応できません。

実店舗で購入した商品が不良品でも、オムニチャネルが導入されていればクレームが入った時点で、自社の物流センターに問い合わせ、すぐに替えの商品を顧客の自宅へ送り届けることができます。オムニチャネルによって、顧客の特徴を正確にとらえた正確な接客を実現することで、顧客満足度が自然と向上し、確実にファンが増加します。

まとめ

オムニチャネルを取り入れることができれば、顧客情報や在庫、売上が一元管理されるため、将来どれだけ販売チャネルが増加しても、柔軟にサービスの提供ができます。

顧客がどの販売チャネルを利用しても同一のサービスが提供されるようになれば、顧客満足度が上がると同時に、従来よりも顧客と企業の関係性が改善され、ファンが増加していくでしょう。

また、顧客が商品を店頭から持ち帰ることが難しい場合、オムニチャネルを導入していれば、物流センターから顧客の自宅へ商品を発送できるようになります。他にも、平日仕事をしているため、ECサイトで商品を注文しても荷物の受け取りが難しい顧客は、会社帰りに店頭で受け取ることもできます。オムニチャネルによって、顧客のニーズに応じたビジネス展開が可能となります。

パナソニック合同セミナー
< 前の記事へ 次の記事へ >
XICA magellanXICA magellan