いまさら聞けないマーケティング用語

最適フリークエンシーを見出す広告反応関数とは

フリークエンシーとは広告接触頻度(一定期間内に何度広告に接したか)を意味する言葉ですが、それ自体は広告への接触回数を表しているだけで、取り立てて意味はありません。一方で、ターゲットに対して、

  1. 何回広告に接触した時に、商品/サービス/ブランドが認知され始めるのか
  2. 何回広告に接触した時に、一番広告効果が大きくなるのか
  3. 何回広告に接触した時に、広告効果が小さくなり始める(ターゲットに嫌われ始める)のか

を想定することは非常に重要です。

1は最低有効フリークエンシー、2は最適フリークエンシー、3は最高有効フリークエンシーと定義されています。

広告出稿の際には、ターゲットに対して、最低有効フリークエンシーを超える回数の広告を表示し、最適フリークエンシーに近く、かつ、最高有効フリークエンシーを超えない回数の広告を表示するようにプランニングしていきます。

では、この3種のフリークエンシー(最低/最高有効フリークエンシー、最適フリークエンシー)を知るためにはどうすればよいでしょうか?数値で厳密に計算していくのは専門的になりすぎるので、広告反応関数という考え方と簡易的な判断方法についてのみ紹介していきます。

忙しい人のための広告反応関数

広告反応関数とは、広告による成果(売上、来客数、資料請求数等)とフリークエンシーの関係性を表した式を意味します。広告反応関数には

  • 線形反応モデル:フリークエンシー毎の広告効果が一定である
  • 学習反応モデル:フリークエンシー毎の広告効果が変化する
  • 閾値反応モデル:あるフリークエンシーまでは広告効果が0%で、そこを超えると広告効果が100%になる

という3種が一般的に考えられます。

自社の商品/サービスがどのモデルか想定した上で、広告を実施し、横軸にフリークエンシー、縦軸に成果をとるグラフを描き、当初想定したモデルに当てはまっていそうか、有効フリークエンシーと最適フリークエンシーは何回かをそれぞれ目視することで確かめます。

広告反応関数とは

広告反応関数とは、広告による成果(売上、来客数、資料請求数等)とフリークエンシーの関係性を表した式を意味します。広告反応関数には

  • 線形反応モデル:フリークエンシー毎の広告効果が一定である
  • 学習反応モデル:フリークエンシー毎の広告効果が変化する
  • 閾値反応モデル:あるフリークエンシーまでは広告効果が0%で、そこを超えると広告効果が100%になる

という3種が一般的に考えられます。

一番現実に近そうなのは学習反応モデルで、それをシンプルにしたのが線形反応モデルであり、閾値反応モデルだと思っていただき、より自社の製品/サービスに即しているであろうモデルを採用するのがよいと思います。

線形反応モデル

フリークエンシーごとの広告効果が一定なのですから、下記のグラフのように、1回目の接触も、2回目の接触も、それ以降の接触も同じ効果が見込めます。そして、フリークエンシーが5になるように広告プランニングをすれば、フリークエンシーが1の場合と比較して5倍の成果が見込めます。つまり、フリークエンシーと成果が単純な比例関係にある、ということです。

線形反応モデルのグラフ

2回めの広告接触と、5回目の広告接触による効果って等しいの?と言われると違和感しかないですよね。ただ、接触回数と比例して広告効果も向上していく、とシンプルに考えることはモデルを作っていく上で重要です。はじめはこのモデルを想定しておくのもよいかもしれません。

学習反応モデル

フリークエンシーごとの広告効果が一定ではないために、フリークエンシーと広告効果の関係が非線形で描かれるモデルです。フリークエンシーが1回や2回のときは成果がほとんど見込めませんが、3回,4回と増えていくに連れ、フリークエンシーごとの成果が大きくなっていきます。そして、5回、6回と増えていくと、追加的に得られる成果は小さくなっていきます(広告が飽きられたり嫌われたりしてるのかもしれません)。つまり、グラフ2のような関係であると考えられます。

学習反応モデルのグラフ

これは多くの製品/サービスにおける広告のフリークエンシーと成果の関係を直感的に描いているように思います。ただ、グラフに描けたとしても、アクションを取りづらいというのが悩ましいところです。特に、グラフを目で見て「このあたりが最低有効フリークエンシーだ」と決める場合は、かなり恣意的になってしまう危険性があります。

閾値反応モデル

先に出た2モデルとは異なり、あるフリークエンシーを超えない場合は広告効果なし、超えた場合は広告効果MAXという変わったモデルです。

閾値反応モデルのグラフ

これは非常に極端な想定をおいているものの、学習反応モデルとは異なり、アクションを取りやすいという利点があります。とにかく閾値を超えるフリークエンシーを作ることだけに集中すればよいわけですから。

有効フリークエンシーを実際にグラフで描画して確かめてみる

有効フリークエンシーを確かめるために、これまで見てきたように「フリークエンシーごとの成果のグラフ」と「フリークエンシーごとの成果の累計のグラフ」を描画していきます。テレビCMをはじめとしたオフライン広告の場合はフリークエンシーごとの成果をそれぞれ推計しなければなりませんので、かなり厳しい戦いを強いられます。テレビCMの場合は<株式会社スイッチ・メディア・ラボなどがそれ用のサービスを提供していますので、そちらをご覧いただくとよいかと思います。

Webだとしても個人のログを追いかける必要はありますので、Cookieベースでログを記録できるツールを導入する必要があります。実はこの手のツールは数多ありまして、使い勝手も様々ですので、どれがオススメということはないのですが、弊社にお問い合わせいただく企業がよく使っているのはAD EBisAdobe製品です。

フリークエンシー毎に成果をグラフに描画したら、下記のようにならないでしょうか?

学習反応モデルのグラフ

このグラフにおいて、効率がよくなり始める点(=グラフが急勾配になるあたり)を最低有効フリークエンシー、効率が頭打ちになる点(=グラフの勾配が緩やかになるあたり)を最高有効フリークエンシーだと「決めて」その間で最適フリークエンシーを見出します。

まとめ

有効フリークエンシーと最適フリークエンシーを明らかにすることには大きな価値があります。一方で、それを推計するには高度な専門知識が必要で、かつ、「こうすればいい」という結論が最新の研究でも明らかになっていない(議論が分かれている)状態です。今を生きるマーケッターにとっては、「大体このあたりが最適フリークエンシーではないか」と当たりをつけるだけでも広告の費用対効果はよくなると思いますので、広告反応関数を考えながら、実際のデータで可視化し、あたりをつけていくとよいでしょう。

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