マゼランが目指すのは、”マーケッター=イノベーター”の世界

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9月20日にリリースしたプロモーションに特化した分析アプリケーション XICA magellan(以下、マゼラン)。CEOの平尾と、XICA magellanチームの岩澤・衣川の3人が、サイカが目指す世界観について議論しました。

対談風景(写真左より、CEO 平尾、マネージャー 衣川、プロダクトオーナー 岩澤)
対談風景(写真左より、CEO 平尾、マネージャー 衣川、プロダクトオーナー 岩澤)

マゼランのはじまりはヒトとの出会い

───マゼランの開発に至った経緯を教えて下さい

平尾:

背景は二つあります。ひとつは、「すべてのデータに示唆を届ける」というサイカのビジョンに立ち返ったことです。誰でも簡単にデータ分析ができる「XICA adelie(アデリー)」というサービスを提供してた過程で見えてきたのが、「このサービスは、自分なりに仮説がある人にしか使えない」ということでした。これだと、一部のハイエンドの人にしか示唆を届けられない企業になってしまい、それだとビジョンに沿わないなと。そこで、個別のニーズに特化した分析アプリを作っていくことで、より多くの人に示唆が届けられる道を選びました。

二つ目の背景でいうと、なぜマーケティングプロモーションという分野を選んだのか?というと、アデリーのユーザーの9割以上がマーケッターだったからです。マーケティングプロモーションにかかわっている人たちは同じようなことに悩んでいて、統計分析に価値を感じているのであれば、この人たちのニーズを深堀して生み出したらハッピーなんじゃないか?という仮説がありました。

それが確信に変わっていたのは「ヒト」ですね。採用面接で、岩澤と出会ったことでした。岩澤がSSPを作っていて、かつ自分でtoCのマーケティングの経験もあって、そのうえで作りたいと思っていたプロダクトが、マゼランの思想と一致していた。

Web広告の出稿では、媒体が複雑に組み合わさってひとつの成果を生み出しています。しかし。それぞれのデータを一括で見ることができていません。つまり、結果として部分最適に陥っている。この問題意識を含めて、岩澤が実現したいプロダクトが酷似していて、運命めいたものを感じたことから、マゼランの開発が始まりました。

平尾喜昭:代表取締役CEO
平尾喜昭:代表取締役CEO

電通との資本業務提携

───電通との資本業務提携をリリースされていますが、これは最初から見込んでいたんですか?

平尾:

プロダクトを構想している段階から、テレビも含めて、オンラインだけでなくオフラインも含めて全体最適を目指さなくければならないという問題意識は持っていました。特にテレビをつなぐというのは最初からトライしていきたいところでしたが、「そんなことができるのか?」と不安はありました。

結果的に、ありがたい御縁をいただけたこともあり、電通さまと提携し、オフラインのデータをつなぐこともできました。

───電通との提携がうまくいった要因は何だと思いますか?

平尾:

いろいろと要因はあると思いますが、大きな流れとして、オンラインの出稿が増えてくなかで、全体最適がどんどん見えにくくなってきている、という問題意識が共有できたことは大きかったのだと思います。

マゼランは全体最適をリアルタイムで行い続けることができて、大きな予算策定や戦略策定を戦術に落ちすことができることが特徴です。デジタルシフトが起きて、全体最適を日々の運用に落とさなくてはいけなくなり、また現場の人たちからも、そのようなニーズが顕在的にも潜在的にも出てきていました。

マゼランは答えではなくヒントを届ける

───マゼランの魅力とは?

衣川:

サービスの魅力はいっぱいありますよ(爆笑)僕らとしては、「広告に関する分析の時間をほぼなくしたい」「未来に向かった時間を増やす」ということは意識しています。

僕自身、広告代理店にいたときは、先月先週の振り返りに結構な時間を取られ、そこから未来を考える時間はかなり少ないのが実情でした。クライアントも同様だったと思います。サイカはそこを極力シンプルにして、「今後どうしていくのか?」を考えるアシストを意図的に作っています。

岩澤:

私自身がマゼランに込める想いをお話すると、過去、マーケティング業務に携わったり、アクセス解析、SSPを作ってきたりした中で、いろんな数字を見せるのは簡単だけど、「ユーザーが本当にその数字を求めるか?」というと、それは違う。その数字の「奥」を求めている。つまり、その数字をもとにどうアクションするかを求めているんです。

マーケティング業務をやっていると、どうしても数字におぼれがちになります。「どのKPIを本当に追ったらいいのか?」「この数値は上がってるけどたまたまじゃないのか?」などと考えだすと、きりがなくなって、何をすればいいのか分からなくなるんです。その中で、自分の感覚としてこの数字を追えばそれなりの確度はある、と絞り込めることもあります。それでも、「それが本当に最適解なんだろうか?」という不安はずっとつきまとっていました。マゼランは、そこをクリアしたい。

再現性や確からしさを出すのが統計の強いところです。統計をもとにした予測の再現性が高いというのが言えたり、どうアクションしていくかが見えると魅力的だし、そういうことをマゼランで実現できていると思っています。

衣川:

数字は重要だけど、数字の根本はもっと国語みたいなものだと思っています。文脈やストーリーがある中で、それが活きているかの判断基準が数字なだけです。こういうユーザーのストーリーがあるからこそ、「これがKGIだよね、これがKPIだよね」と設定していかないと、判断基準がぶれてしまうんですよね。

岩澤:

仮説がないとダメなんですよね。アクセス解析もそうなんですが、数字だけを見ていて答えが出るかというと、そうではなくて、仮説があってその検証をするために数字がある。その検証から見えてきた事実にまた仮説をつくって、ということを回さないと意味がないんです。数字だけを見て何かを解決しようというのはできない。

衣川:

妄想大事ですよね。サイカは、妄想力が高い人を求めています。(爆笑)

平尾:

サイカの提供しているサービスでは、「答えを届ける」というスタンスではなく、「人が考えるヒントを届ける」というのを重要視しています。意思決定をするのは人間なので、そのために考えやすくすることを数字の面からサポートしていくのがサイカなんです。マゼラン自体も、出稿データからKPI、KGIまでのストーリーを数字の力を使って可視化しようとしているサービスで、つまり議題をミニマイズして、使うべき脳みそを特定していくのが目的です。答えではなくて、徹底して考えるためのものなんですよね。それが最大の魅力だと思います。

数字が増えすぎている中で、人が考えるよりも、機械に考えてもらう、という解決策もあります。サイカはそうではなく、数字が多いからこそ、そのデータがどんなことを語っているかを教えてくれて、それをもとにどのように改善していかを考えやすくすることが魅力だし、それが求められる時代になってくると思っています。

時代がどんなに変わっても意思決定するのは人だというのは変わらないし、人が深く考えやすくすることをテクノロジーで実行していくのがマゼランであり、サイカのスタンスです。

岩澤利貢:XICA magellan プロダクトオーナー
岩澤利貢:XICA magellan プロダクトオーナー

マゼランでイノベーターが生まれる世界に

───改めて、マゼランはどういう世界を目指しているのでしょうか?

平尾:

時代と逆行しているのかなと思うことはあります。多くの会社は答えを届けようとしてると思うんです。テクノロジーを使うと楽にはなりますが、考えることを奪っていく思想が多いんじゃないかなと。僕らは少なくとも、テクノロジーを使って、人が考えることを深く早くすることを実現したいと考えています。

この思想が確信に変わったのは、田中洋先生にお話を伺ったときです。「マーケティングとはなにか?」と先生に伺ったときに、「マーケットの構造を理解して、それを意思を持って動かしていくことだ」とおっしゃっていたんですね。多くのマーケッターが、自分のサービスが属しているマーケットの構造を理解していないし、それでマーケティングできるか?と思うんですよね。

もっと進んだ話をすると、マーケットの構造を理解して意思を持ってマーケットを変えていくことは、つまり習慣が変わることだし、それって結局イノベーションを起こしていることなんだと。それでいうと、マーケッターは、本来はイノベーターであるべきなんですよね。

現時点でのマゼランの魅力でいうと、データにおぼれている中で、見やすくなる、意思決定しやすくなる、考える時間が増えるということですが、究極の魅力はマーケット構造を理解して変えられるようになる、イノベーターになる、ということだと思います。結局、マーケットの構造を理解するというのは機械でできるが、意思を持って変えに行くのは人がやるべきことなんですよね。それが、目指している世界であり、ユーザーに提供していきたい世界です。

衣川:

僕らのツール自体が課題に寄り添っているものなので、課題がそもそもないと使えないですね。ユーザーの仮説があって、こういうふうに動いてもらいたいというシナリオもあり、そのストーリーをもっとよくしていきたい、可視化していきたいと思う人にはハマると思います。

これからのマーケティングの文化や習慣を変えていけることをやっているんだと思っています。

衣川高史:XICA magellan マネージャー
衣川高史:XICA magellan マネージャー

マゼランのこれからとそのために必要なモノ

───今後、どのような展開を考えているのですか?

衣川:

まずはオフラインを加味したデジタルの運用における成果を出したいと思っています。デジタルの世界でいうと、デジタルアトリビューションのような評価の仕方は数年前からありますが、今の課題はその評価の運用です。分析と運用を統合していきたいと思っています。そこチームで力を出し合って取り組んでいる最中です。

岩澤:

プロダクトとしては、実績をだしていくにあたってどういう機能が必要かというのを考えながら日々進化していくことだと思っています。自論として、プロダクトにはゴールがないく、「いつまでにどういうものを作る」というのは意味がないと思っています。

いかにその場のニーズにキャッチアップし、いかに早くプロダクトに反映し、早くPDCAを回すか。そのための体制やコミュニケーションを大事にしたいと考えています。

───体制の話にもつながりますが、サイカとしてはどういうチームを作りたいと思っているのでしょうか?

岩澤:

これだけは外してはダメなのは、営業側とプロダクト側の目線がずれていること。お互いがお互いをののしりあっていくのがのびると言っている人もいますが、ののしりあわずにプロダクトを作っていくとものすごい力が出るという経験があって、そういうチームを作りたいと考えています。

ここを強化していくにあたって、現場のエンジニアもクライアント先に行って生の声を聴くという取り組みも始めています。生の声を聴いて、その声をどう解決していくのかというのを一緒に考えるのがなんだかんだ一番早い。営業側はユーザーの声を拾って開発側に伝えながら一緒にプロダクトを作り上げていく、プロダクト側は営業が拾ってきたクライアント側の声を聴いてプロダクトに反映していくのか、そういうチームを作っていきたいですね。

衣川:

チームとしては、この業界について経験者もいれば未経験者もいます。前職が革職人だったメンバーもいるので。(笑)

それぞれで得意分野もあるので、いまはそれぞれが輝ける組織をつくる、好きなところをのばすということが大事だなと思っています。適性や意向に合わせて、組織に貢献できるミッションを持ってもらっています。自分としては、最終的にケツをふけばいいかなと思っています。(笑)

平尾:

意識をしているのは、各人がリーダーシップとフォロワーシップとオーナーシップを持ってほしいと思っています。チームのPDCAを深く大きく早くまわすことに個々が貢献するとすごいと思うんですよね。自分の成果を追うのはチームのためであり、チームがDoをCheckするときの学びをチームに徹底的にフィードバックしていく。イメージでいえば、壮大な実験をする感じです。

PDCAをまわすためのスタンスとして持ってほしいのは、「そもそもこのやり方が良かったのか、これが必要のなのか」という本質を問えることですね。振り返り前提で常に動けることをサイカとして求めたいですね。

やって終わりではなく、振り返ることが、超良質なPDCAにつながります。才能開花できるのは、良質なPDCAがまわっているからです。