自分の大切な人にとって、優しい人でありたい。

今回のインタビューは、スタティスティックスディビジョンの二木皓史。経済学を大学院で専攻し、サイカ唯一の新卒社員として2013年に入社。入社以来ずっとサイカの統計分析基盤を支えている。彼と一緒に働いているなかで「みんなのためにサポートしたい」という印象を常に持っていた。それが今回のインタビューを通じて、そこを再認識し、そのきっかけとなる彼の大切にしている“想い”を知ることができた。

自分の大切な人にとって、優しい人でありたい。

格差問題をリアルに感じ、経済学にのめり込んだ。

加藤 朝彦

今日はよろしくお願いします。現在の二木さんのお仕事を教えてください。


二木 皓史

入社以来、データアナリストとしてデータ分析の仕事とそれに関連するコンサルティングをやってきました。いまはサイカの提供するプロダクトの分析基盤の構築などを担当しています。今後は分析の幅を広める意味でもRやPythonなどのプログラミングを活用して、いままでとは違うアプローチで統計分析を活用いきたいと考えています。

加藤 朝彦

統計学に興味を持ったきっかけはなんだったんですか?


二木 皓史

もともとは経済学に興味があったんです。経済学に統計分析は必要なスキルなので、それで学び始めました。学んでみると面白くて、もっと勉強してみたいと思ったのがきっかけです。

加藤 朝彦

そもそもなんで経済学に興味を持ったんですか?


二木 皓史

大学に入学する前から日本の格差問題に漠然と興味があったんです。それで大学では格差問題について学んでみたいと思っていました。それには経済学からが一番アプローチがしやすかったんです。所得の格差が問題として一番大きくて分かりやすいので、初めに学ぶテーマは経済学がいいのではないかと思ったのがきっかけですね。


二木 皓史

もうひとつは、大学1年生の時に受けた経済学の授業がすごく面白かったんです。その教授が経済学の魅力を分かりやすく伝えてくれたんですよね。結局、その教授のゼミに入ることになったんです。そこで興味を持てたのが大学院まで経済学を学ぼうと思ったきっかけです。

加藤 朝彦

大学院でもっと深掘っていきたいという?


二木 皓史

そうですね。

加藤 朝彦

格差問題っていろいろあると思うんですが、所得以外にも研究されたんですか?


二木 皓史

最初は漠然と「格差ってよくないよね」ということだったんです。いま考えるとそこで言っている格差とは“所得”のことだったんだと思います。でも、学んでいくにつれて所得だけではなく、もっと広く社会問題として捉えるようになったんです。所得の格差を元にさまざまな問題が起こっていることを知り、その問題を解決したいと考え始めました。

加藤 朝彦

大学1年生でそこまで問題意識持てるってすごいですね。


二木 皓史

大学で知り合った友人たちと「自分がやりたいことはなんだろう」というのをよく議論していて、そういうことを恥ずかしがらずに言える環境だったんですよね。だから自分も自然と考えるようになってました。

加藤 朝彦

格差問題はもっと昔から興味があったんですか? それとも大学入って芽生えたものですか?


二木 皓史

大学入試で小論文があったんですが、そのために知識を増やしたいと思って社会問題について調べてた時期があったんです。そのときに格差問題に関する本を手に取ったことがきっかけに考えるようになりました。地元がすごく田舎で、東京に比べたら所得が高くないんですよね。それでいて大学に入ると、まわりに裕福な家庭で育った同級生とかがいるんですよ。

加藤 朝彦

リアルに格差を目の当たりにし、より強く思ったんですね。


二木 皓史

そうなんです。地元だと進学したくてもできなかった同級生もいたんですが、大学には想像もつかないような裕福な人もいたんで…。そこから経済学を真剣に学び始めました。

自分の大切な人にとって、優しい人でありたい。

憧れのプロ野球選手と同じ大学に行きたい!

加藤 朝彦

大学を選んだ理由は?


二木 皓史

大学はSFC(慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス)だったんですけど、そこに行きたかったというよりは慶應に行きたかったんです。もともとは経済学部が第一志望だったんですが、受からなかったので…。慶應に憧れた理由は、幼いころに好きだったプロ野球選手の影響です。その選手が出身だったという単純な理由です。

加藤 朝彦

野球やってたんですか?


二木 皓史

やってないです(笑) 観るのは大好きですけど。

加藤 朝彦

それで志望校なるってすごいですね(笑) それを目標にずっと勉強を頑張ってた感じですよね。


二木 皓史

そうですね。目標というかそれが夢だったんだと思います。でも、野球選手はあくまできっかけで、そのあとはそのブランドに惹かれてたんだと思います。地元から慶應に行く人いなかったんで、人と違うとこに行ってみたいというのもありました。

加藤 朝彦

人と違うことをしたいという想いとかはあったんですか?


二木 皓史

ちょっとはあったかもしれないですけど、田舎だとコミュニティが小さくて、人と違うことすると仲間外れにされちゃうんですよね。なので、なるべく目立たないようにはしてたつもりです。

加藤 朝彦

入学してみて実際どうでした? 慶應に入ることを夢にしてたら燃え尽き症候群みたいにならないかなぁって思って。


二木 皓史

それはあったと思います。でも、それまでは勉強ばっかだったのが、サークルとかいろんな活動があったので、すぐにいろんな楽しいことは見つけられましたね。とにかく大学入って友人がたくさんできたことが大きかったと思います。みんな多様な価値観を持っているので、自分の考えを主張してもいいんだということはありましたね。

加藤 朝彦

地元にいたときは一様な考えじゃないと仲間外れになってしまうから…それってだいぶマインドシフトが起きそうですよね。


二木 皓史

そうですね。すごかったですね。

加藤 朝彦

そこで影響受けたできごととかありました?


二木 皓史

いままでは「性格的に合わなそうだな、苦手だな」と思う人とはできるだけ付き合わないようにしてたんです。でも、実際に話してみると面白かったり自分と似ているところあったりすることあるじゃないですか。それで仲良くなるというか…そういう仲良くなり方もあるんだなというのは新鮮でした。見た目や先入観で偏見を持たないことの大切に気付けました。それをきっかけに初対面の方でも心を開けるようになったりもしましたし。

加藤 朝彦

心を開くために自分の考えをぶつけてみたり?


二木 皓史

そうですね。そうやってお互いのことを知ることで徐々に信頼関係とかは築けるかなと思ってます。

加藤 朝彦

大学は“人”との出会いが価値だった感じですか?


二木 皓史

そうですね。あとは新しいことにチャレンジするということができるようになりました。友人に誘われてミュージカルのサークルに入ったんです。もともとは裏方だったんですが、たまたま「出てみる?」という話になって。最初すごく嫌だったんですけど、実際出演してみると意外と楽しくて。脇役だったんですけど「良かったよ」と言ってもらえて嬉しかったのを覚えてます。それに手伝うことで友人に喜んでもらえたんですよね。いままではやったことないことは避けてきたんですが、そういう経験を通じて積極的になれたかなと思いますね。

大学院では「格差問題」をテーマに研究。

加藤 朝彦

大学院ではどのようなことを専攻したんですか?


二木 皓史

学部生のころから格差問題を学んでいたので、それに関することを研究したいと思っていました。経済学以外のアプローチからも調べたこともあったんですが、経済学は学べば学ぶほど奥が深くて楽しかったので、経済学的なアプローチから「格差問題」というテーマで研究をしていました。


二木 皓史

格差問題を研究するなかで見えてきたことがあって、「貧しい家庭で育った子どもは、将来貧しい家庭を築く」ということが分かったんです。あくまで傾向ではあるんですけど…。それって生まれた環境によって自分の将来が決まってしまう状態ですよね。機会の平等という観点からも望ましくないと思うんです。それを引き起こしている要因のひとつは“教育”なんですよね。貧しい家庭で育った子どもは、教育機会が少ないことで所得が低くなる可能性があるという研究結果もあり、そういう意味でも教育というのは格差問題に大きな影響を与えているのではないかと思って、教育経済学を専攻していました。

加藤 朝彦

教育機会が少ないことで所得も低くなって格差が広がるというのは、一度そのスパイラルに陥ったらずっと抜けられないような気がするのですが…。


二木 皓史

そうなんですよね。それから脱却するには周囲が教育機会を作ることと個人のモチベーションを維持させる両面のサポートが必要ですよね。教育機会の損失は子どもの勉強意欲の低下にもつながるので…。

加藤 朝彦

修士論文のテーマもそのあたりですか?


二木 皓史

そうです。「家庭の所得と子どもの成績の影響」をテーマに「社会経済地位がやる気に影響を与え、それがきっかけで成績に影響があるのではないか」という仮説のもとに研究しました。

自分の大切な人にとって、優しい人でありたい。

卒業文集に書いた将来の夢は「優しい人になりたい」

加藤 朝彦

その後サイカに入社した動機は?


二木 皓史

一応就活はしていたんですけど、いわゆる大手企業を志望してたんです。平尾さんが起業すると聞いたときも「すごいね」と他人事にしか思ってなかったので。でも、サイカに誘ってもらったことで、大手企業を志望してたのはネームバリューが欲しかっただけなんだなって気づいたんです。大学を選んだ理由も同じだったと思います。


二木 皓史

大学で新しいことにチャレンジする楽しさを知ったことで、「やりたいことをチャレンジしてみたほうがいいんじゃないか」と思ったんですよね。それで平尾さんと改めて話したときに自分が持っている経験やスキルを活かせると思ったんです。あとは単純に平尾さんの力になれたらいいなというのもありました。自分の知識が必要とされていると思ったんですよね。

加藤 朝彦

自分のやりたいことというのは、統計分析のスペシャリティを発揮したいということでしょうか?


二木 皓史

統計分析の技術を活かしたいというよりは、学問を活かしたいという考えでした。サイカは当時、マクロ経済予測やコンサルティングをやっている会社だったので、そこで大学院で学んだ経済学を活用するイメージでした。そのひとつとして統計分析があった感じです。

加藤 朝彦

二木さんの話のなかで「必要とされている」「人に喜んでもらえた」という想いが強く感じたのですが、それって大切にしていますか?


二木 皓史

いま話してて、そういう欲求があるんだなということに気づきました。おそらく家庭の事情が大きいんじゃないかと思います。父がすごく厳しかったんです。幼い頃に怒られた記憶って、恐怖心としてずっと残ってるんですよね。それで、昔から「優しい人になりたい」というのがあったんです。小学校の卒業文集に将来の夢を書く欄があって、みんな「サッカー選手になる」とか「野球選手」とか書いてるのに、自分だけ「優しい人になりたい」って書いてるんです(笑)


二木 皓史

それが価値観の根底にあるのかなぁって思います。なので、自分が大切な人にとって優しい人でありたい、思いやりを持って接したいという想いがあります。周りの人を幸せにすることが自分の幸せなのかなぁと思うんです。だから「喜んでもらいたい」というところになるんだと思います。

加藤 朝彦

優しさにもいろいろ種類があると思うんですけど、二木さんの思う優しさは、目の前にいる人に喜んでもらうということでしょうか?


二木 皓史

そうですね。中高時代に人付き合いに苦手意識を持った時期があって、あまり友人が多くなかったんですよね。それがあるので、大学に入って友人がたくさんできたことは新鮮でしたし、当たり前ではないことだったんです。だからこそ、そういう友達に恩返ししたいというのはあります。それで、人に喜んでもらいたいというのがあるんだと思います。

才能開花とは…自分のスキルで人を幸せにすること。

加藤 朝彦

では、そのような大切にしている想いをもとに今後どう才能開花していくと思いますか?


二木 皓史

大学院の時に大きな壁にぶつかって諦めたことがあるんです。乗り越えられないと思ったとたんシフトチェンジしてしまったんです。そこで諦めてしまったことが劣等感になっていて、ひきづってたんです。でも社内でメンバーと話すなかで、分からないなりに自分で泥臭く問題解決してきた話を聞いて、みんな壁を乗り越えてきたんだと知った時に自分自身に甘さを感じたんです。


二木 皓史

学ぶことは壁を乗り越えることの繰り返しなんだなと。そういう意味では、僕自身の才能開花は、いま学んでいるエンジニアスキルを身につけて、ビジネスとデータを結びつけて問題解決できるようになることです。そうすることでまわりの人を幸せにできるのかなと思っています。


加藤 朝彦

ありがとうございました。

インタビューを終えて

二木 皓史

今回取材を受けて、自分の原点って意外とシンプルなんだなと感じました。才能開花をするためには、「自分なら絶対できるんだ」という自信と成功イメージが大事だと思います。私は、自らの才能開花も目指しながらも、まわりの大切な人にとっての才能開花も温かく後押しできるような存在になりたいと思っています。

インタビューされた人


インタビューした人