物事の本質を知るために学び続ける。

今回のインタビューは、東海大学の講師(2016年4月より准教授)であり、創業当時より顧問としてサイカの分析基盤の構築に関わっている平賀一希氏。今回お話を聞き印象に残ったことは「自主性を重んじる」こと。彼がなぜ経済学を専攻し、研究者として学問と向き合っているのか。彼の奥底にある“想い”を聞くことができた。

平賀一希氏

経済学をどう社会で生かすのか?を考え続る。

加藤 朝彦

今日はよろしくお願いします。早速ですが、平賀先生の人生で大きな影響を与えたエピソードをお伺いしてもよろしいでしょうか?


平賀 一希

はい。よろしくお願いします。私はいまマクロ経済の研究を中心にいくつかの大学で教鞭をとっているのですが、そんなキャリアにおいて影響を与えたできごとは、まずは大学院に進学したことです。私自身大学で経済学を学んでいたのですが、それをどう社会で生かそうか? 自分は何をしたいのか?を考えたときにもう少し学びたいと思ったんです。そこで財政政策の理論を研究するために進学しました。


平賀 一希

もうひとつのできごとは、慶應義塾大学で竹中平蔵ゼミのサポートをしたことです。27歳のときに竹中先生のゼミが復活するとなり、そこで授業のサポートのお誘いを受けたんです。彼は「What’s the problem?」とよく学生に問いかけていました。彼ははっきりと物を言う方なので賛否両論あると思いますが、ただ批判をしているのではなく、そこにははっきりとした根拠はあるんです。世の中には「何が問題なのか?」を指摘できる方は多いとは思いますが、それに対して「その問題をどのように解決するのか?」「自分はどうアクションするのか?」まで考えて発言している方は少ないように思います。そういう意味では彼は“批判する人”として説明責任を果たしていると思いました。その辺りの姿勢などは非常に勉強になりました。

加藤 朝彦

そんななかで平尾さんと出会っているんですよね?


平賀 一希

はい。平尾との出会いも私の中で大きなできごとです。彼とは竹中ゼミの懇親会で出会いました。第一印象は、その頃彼はバンドマンでしたし「なんかすごい髪型だなぁ」という感じでした。懇親会ではそんなに多くは話さなかったのですが、その後行った二次会でとても熱い奴だと感じました。そんななか平尾から起業するから協力してほしいと相談を受けました。その頃から、私はマクロ経済と財政政策を学ぶなかで民間の現場が分からないという実感があったんです。私の研究がビジネスに貢献でき、ビジネスの現場から研究のヒントももらえると思ったので快諾しました。

加藤 朝彦

他の企業でもできたと思うのですが、サイカを選んだ理由はなんだったんですか?


平賀 一希

もちろん事業内容が面白いと思ったのですが、それ以上に平尾のパーソナリティに惹かれたからです。

平賀一希氏

学問が実体を伴っていないと納得できない

加藤 朝彦

そもそも経済学を専攻しようと思ったきっかけはなんだったんですか?


平賀 一希

経済学に興味を持ったのは高校生の頃です。その頃ちょうど山一証券や北海道拓殖銀行が倒産した時期で、なんとなくそのニュースをテレビや新聞で見ていたのですが、これが自分の生活にどのように影響を与えているのかが気になったことがきっかけです。

加藤 朝彦

高校生の頃にそこまで考えられるってすごいですね。僕はそんなこと思えませんでした。


平賀 一希

学問が実体を伴っていないと納得できないことが多いんです。受験のための勉強とかもあまり好きではなく、それで英語などは苦手意識を持ってしまいました。いまそのツケがまわってます(笑)だから、いま学生にも「もっと長い目で見て、目標を達成するためにどうするかを考えましょう」と言うようにしています。「就活に有利」とか言ってもモチベーションが保てないですしね。

加藤 朝彦

実体が伴っていないと理解できないというのは幼い頃からですか?


平賀 一希

そうですね。幼い頃から自分が学んでいることが世の中にどう役立つのかを考えているような子だったと思います。なので社会科は好きでした。物事の本質をしっかり捉えておきたいんだと思います。

平賀一希氏

学問とビジネスの橋渡しをしたい。

加藤 朝彦

では、いまはどのようなお仕事をされているのですか?


平賀 一希

いまは東海大学と明治大学で教鞭をとりながら自分の専攻の“マクロ経済”について日々研究をしています。

加藤 朝彦

教員と研究者はいろいろと違う面があると思うのですが、それぞれに気をつけていることはありますか?


平賀 一希

教員としては、先ほどの話ではないですけど、学生には「もっと長い目で見て、目標を達成するためにどうするかを考えましょう」と言っていて、できるだけ自主性を持たせたいと思っています。そのためにも伝え方なども工夫しています。例えば「勉強しなさい」と言うのではなく、「興味を持ったなら調べてみましょう」というように。いま私自身が教育に非常に興味があるのですが、教育経済学のなかで「非認知能力が所得に影響を与えている」という発表があったんです。忍耐性や協調性などの座学以外の教育が成長にどのように影響を与えるのかというのを研究してみたいですね。


平賀 一希

私の所属している東海大学では「東海大学の4つの力」として「自ら考える力」「集い力」「成し遂げ力」「挑み力」というのを掲げているのですが、まさにこれは非認知能力のことです。退学率や就職率を改善するためにどのような取り組みが必要なのか?という研究は本学でもなされているのですが、成長率のように定量的に測りにくいことをどう評価するのかということに興味があります。


平賀 一希

また、産学連携なども取り組んでみたいことですね。理系分野では非常に産学連携が活発ですが、社会学分野ではまだまだ不十分だと考えています。そこにもっとコミットして、ビジネスとアカデミックを繋げる仕事をしてみたいですね。

加藤 朝彦

具体的にはどのようなことかイメージはありますか?


平賀 一希

どの世界でもネットワークが非常に大事だと考えています。私自身もさまざまな方に磨いてもらって研究を続けれこれました。ただ、そのネットワークがうまく広がっていないのも事実です。私はサイカと関わるなかで知り合ったビジネスの現場の方とアカデミシャンを繋げることで新たな可能性も広がると思っています。また、サイカの分析基盤はもっと改良することはできると思いますし、リアルなビジネスのデータから得られた知見をアカデミックにフィードバックすることもできるはずです。その橋渡しをできればと思っています。

才能開花とは…心のなかにあるものが表出すること

加藤 朝彦

最後に、平賀先生は“才能開花”という言葉をどのように捉えていますか?


平賀 一希

才能はもともと心のなかにあるものだと思っていて、それが表出することだと思います。でも、なかなかそれに向き合うことは難しくて、なかなか手をつけられないところにチャレンジすることが才能開花だと思います。

加藤 朝彦

平賀先生を突き動かすエネルギーの源はなんでしょう?


平賀 一希

好奇心ですね。面白いと思ったことだったら実現できますし、それが物事の推進力になってくると思ってます。しかし、それはひとりでは絶対にできません。時間も命も有限ですから。限られたなかだからこそ周りの方達を巻き込んでいく必要があると思います。


加藤 朝彦

ありがとうございました。

インタビューを受けてみて

平賀 一希

少し大きな話になりますが、自分自身を振り返ってみて、自分はどのように生きてきて、今後どのように生きていきたいのかを改めて考えさせられました。サイカに携わることで、アカデミアの世界では経験できないことを知ることができただけでなく、学術的な知識や興味関心の広がりも得ることができたと実感しました。インタビューを受けることで再び意識を強くすることができた「才能開花」を実現できるよう、深く考え活発に行動していきたいものです。

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